デスパレートな妻たちと和解の王子様(岡田将生)そして、はしゃぐ裁判長(広末涼子)
笑わない裁判官、実は問題児、そして遠足大好きな別府敏子(広末涼子)ふたたびである。
前回は「リーガル・ハイ スペシャル」に登場して、古美門(堺雅人)を法廷侮辱罪で監置(監置場への留置)した女である。
広末史上最高にかわいいキャラクターだと言える。
きわめて・・・デビューに近い「沙粧妙子-最後の事件-」(1995年)の早瀬直美役のかわいさに匹敵するとも言える。
いわば・・・「あまちゃん」の主人公・天野アキ(能年玲奈)のかわいさに通じるものがある。物凄い葛藤を内面に抱えながらそれを一切表に出さない・・・あるいは出せない・・・かわいさである。
もはや33歳の広末涼子にこの「かわいさ」を表現させてしまうところが・・・「リーガルハイ」の凄さなのである。
なにしろ・・・別府敏子の一挙一動から目が離せないのだ。釘付けになってしまうほどかわいいのである。
もちろん・・・「リーガルハイ」の世界では・・・誰にもその傾向があるわけだが・・・別府敏子(広末涼子)の可愛さは別格と言って良いだろう。
また、見たいよね~。
で、『リーガルハイ(第二期)・第4回』(フジテレビ20131030PM10~)脚本・古沢良太、演出・西坂端城を見た。ちょっと嫌な感じの隣の主婦の女王の座を賭けて・・・猫背椿(41歳)と佐藤仁美(34歳)が激突である。劇団「大人計画」の人とスカウトキャラバングランプリの受賞者が同じジャンルで戦うというのは味わい深い・・・。もちろん・・・どうしたってより恵まれた感じがするのは元・アイドルの方なのであるが・・・実は・・・という展開はもう佐藤仁美の持ちキャラクターのような様相を呈してきた。なんだろう・・・映画「バウンス ko GALS」のジョンコがはまりすぎたのか。それとも映画「リング」の貞子の呪いなのか。一方、猫背椿は実年齢七歳年上なのに・・・きっちりと同い年という役柄を演じきる。さすがである。
華麗に騒音を奏でる・・・ヴァイオリンをお稽古中の古美門弁護士。音痴の黛真知子(新垣結衣)にも分かるほどのクソ演奏に彼女は頭をかきむしり、事務員の服部(里見浩太朗)はいずこかへ姿を消す。
羽生晴樹(岡田将生)はストリートミュージシャン同志のショバ争い(陣取り合戦)に介入。和解の王子様としてたちまち音楽ジャンルを越えたコラボレーションを成立させるのだった。まあ、完成した音楽はなんだかよくわからないものになっていた。
そして・・・ハウス・ミュージックの流れるクラブでは・・・「お尻をさわった」「さわらない」の女性客と男性客のトラブルが発生した。現れたのは氷の女王裁判官・別府敏子(広末涼子)である。たちまち、退廃的な夜の社交場は法廷と化すのだった。「防犯カメラの映像から痴漢行為は明らか、女性も挑発的な服装で来ている以上、そういう事態も想定するべき、そういう大人の遊びができないのなら出禁にします。閉廷」・・・恐ろしいどこでも支配力を発揮する別府裁判長だった。
音楽尽くしの最後に・・・小学生がピアノのおさらいをしている場面に転ずる。指導するのは母親の西平なつ(佐藤仁美)・・・しかし、隣の家の東山冬海(猫背椿)が日干しした布団を叩きはじめ・・・トラブルが発生する。作業中の鋏を持ったまま、隣の家にクレームをつけにいった西平夫人を・・・東山夫人がゴルフクラブで迎え撃ち・・・ゴルフクラブの殴打を避けようとした西平夫人は・・・東山夫人の腹部を鋏で刺して傷害事件が発生したのである。
刑事裁判で・・・被告となった西平夫人を弁護したのは羽入弁護士で・・・見事に「正当防衛による無罪」を勝ち取るのだった。
敗訴した・・・東山夫人は古美門弁護士事務所を訪れ・・・「慰謝料二千万円」を弁護料に「西山家の転居」を争う民事訴訟の弁護を依頼するのだった。
こうして・・・古美門弁護士事務所、NEXUS Law Firm、裁判長・別府のデスパレート(死に物狂い)の戦いが始るのである。
しかし・・・相変わらず・・・沈着冷静な別府裁判長に古美門は得意なパフォーマンスを封じられ・・・羽生の落ちついた弁論は別府に「なかなかよろしい」と誉められるのだった。
「アラブの言葉に・・・サソリもふまれなければささないという言葉があります」とお約束の言葉をくりだす羽生である。
「なるほど・・・」とメモをする別府。
「メモするほどのことかっ」とすでに不規則発言の古美門。
「被害者も非難されるべき場合がある・・・ということですね・・・勉強になります」と古美門をあえて無視する別府。
「ゲロゲロ・・・」と蒼ざめる古美門。
実はずっと好意を持っている意中の人・別府が羽生に好意を示したことに嫉妬して調子が狂う古美門だった。
「だめだこりゃ・・・」
黛は「もはや敗訴」を覚悟するのだった。
さて・・・今回はキッドにイレギュラーな出来事があり、今日と明日はハードスケジュールである。「リーガルハイ」→「SP天」「彼岸島」と普通に考えてもオーバーワークなので・・・いつものペースでレビューは無理なのである。
ここからは・・・現場検証と言う名の「遠足」があり、はしゃいだ別府が古美門とツーショット、しりとりで古美門に勝ち、ガリレオのものまねを披露し、古美門と黛の剣舞鑑賞、西平家の愛犬チャンプ(ティム)の秘密を暴いたりして・・・広末、かわいいよ広末を爆発させるのだが・・・割愛せざるを得ない。
ちなみに広末涼子は「ガリレオ1-3」のゲスト・スターである。
さらに・・・古美門をいじめて楽しむために・・・別府が「廊下でたってなさい」と命じ古美門が立たされて凌辱され、それを受けた形で・・・安藤貴和(小雪)パートでは古美門が「M」であることを断定。ついに貴和が「エマニエル夫人」(1974年フランス映画)のシルヴィア・クリステル化するというお笑いもあってしみじみするわけだが・・・割愛なのである。
東山冬海
西平なつ
郊外の一戸建て住宅に同じ日に引っ越して隣人となった二人。
同い年で、子供も同じ年齢。
夫はサラリーマン。
二人は似たもの同志で仲良くなったのである。
しかし、お受験が二人に差異を生じさせる。
西平夫人の子供は合格し、東山夫人の子供は不合格。
それ以来・・・疎遠となっていく二人。
西平家で放火事件があり・・・東山夫人が疑われる。
西平家で飼い始めた犬が東山夫人を襲う。
子供たちが一緒に始めたピアノのレッスンも東山家の子供は脱落。
東山家の亭主の会社は業績が悪化し、西平家の亭主は順調に出世。
生活水準にも差が生じ・・・東山夫人の嫉妬が高じ・・・ついに傷害事件となった・・・。
被害者の心情は理解できるが・・・加害者に落ち度はなかったと誰もが認めざるを得ない・・・という状況である。
犬に襲われた事件も・・・東山夫人の狂言である可能性が高まる。
しかし・・・草の者であるイケメン忍者・加賀蘭丸(田口淳之介)のリサーチにより・・・隠されていた真実が明らかになるのだった。
西平夫人の子供の証言で・・・放火をしたのは西平夫人であることが明らかとなったのだ。
さらに・・・西平夫人の亭主は浮気三昧で・・・夫婦仲は最悪だったのである。
「私の方が・・・がんばっているのに・・・お隣の夫婦は円満で・・・笑って暮らしている・・・私にはそれが我慢できなかったの」
そして・・・事件は・・・西平夫人が東山夫人を挑発して・・・傷害事件を起こさせようとした意図に基づくものだったことが明るみに出る。
誤算だったのはてっきりデッキブラシで襲いかかってくると思っていた東山夫人が・・・家族からプレゼントされたゴルフクラブで武装していたことであった。
身の危険を感じた西平夫人は・・・思わず鋏をふるってしまったのである。
「この計画的犯行は・・・まさに犯罪と言えるでしょう」
別府はこの事件の真相の暴露に愉悦を感じるのだが・・・立場上は・・・刑事事件と別の判決を下すことにいろいろと差しさわりがあるという苦境に追い込まれていた。
それを救ったのは実は・・・相思相愛だった両家の子供たちであった。おい・・・そこは意味が違うだろう。
愛ゆえに二人の男の子は・・・母親同士の和解を願っていたのだった。
和解の場で・・・羽生はこの点をついて・・・完全勝利した古美門に対し・・・痛み分けを強いるのである。
東山夫人は西平夫人が自分より不幸だったことに同情し・・・西平夫人も・・・東山夫人と仲良く家族ぐるみでバーベキューをしていた頃を懐かしむ。
二人の主婦は同類相哀れみ・・・仲直りしてしまったのだった。
「なんじゃ・・・そりゃ」
裁判は古美門が勝利したが・・・原告が「転居」の要求をとりさげたことで実質、和解王子の勝利であり・・・別府も面目が保たれたのだった。
羽生が・・・古美門に一矢を報いたのである。
しかし・・・そんなことでは動じない古美門は・・・リサイタルも視野にいれ、ヴァイオリンのお稽古に励むのだった。
ついに・・・服部の行く先をつきとめる黛。
服部は・・・古美門が演奏を開始すると・・・羊羹を持参し、近所におわびに伺っていたのだった。
「挨拶を欠かすのは・・・トラブルの元ですからな・・・」
呆れかえる黛だった。
しかし・・・服部の秘密はそれだけではなかった。
密かに誰かと電話で会話する服部。
「羽生弁護士は頭角を露わにしてきました・・・古美門先生を凌駕するかもしれません」
一体・・・電話の相手は誰なのか・・・新たな謎をはらみつつ・・・物語は続くのだった。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
シナリオに沿ったレビューをお望みの方はコチラへ→くう様のリーガルハイ
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コメント
どこか少女のような風貌の広末。
残酷な透明感が、耀いていました。
『あまちゃん』がおしまいになって、一か月…。
秋も深まり、体のあちこちに痛みがでてくる季節ですが。
キッドさん、利き腕崩壊などされないよう
お体大切にお過ごしくださいね。
投稿: ともえり | 2013年10月31日 (木) 10時14分
「リーガルハイ」の魅力のひとつは
「主要登場人物が全員上から目線」だと思うんですよね。
古美門はもちろん、当然のことですが
黛も羽生も・・・基本は上からあえて
下々の味方をしているにすぎないわけです。
それを痛快と感じるかどうかが
この世界をこよなく愛せるかどうかの境目なんじゃないのかなあ・・・と思いまする。
今回は・・・
別府の登場で
フリーランスと組織の一員の
どちらが「窮屈か」を張りあう。
サディストの別府は「守られているからこそ自由に泳げる」と嘯く。
マゾヒストの古美門は「いじめられてこそ自由を実感できる」と囁くわけです。
この高次元な感じが・・・中学生なのですな。
一方、カナブンを巡って意識し合う黛と羽生は
すごく小学生なんですねえ。
しかし、遠足ともなれば黛も古美門もすぐに小学生に戻れる柔軟性を持っているわけです。
別府はクール・ビューティーでありながら
ファイヤー・ウーマンの内面を秘めている。
ほんの少し、表情を変えるだけで
氷の女王が口から炎を吐く感じがいたします。
そういうところがものすごく「かわいい」のでございますよ。
まあ・・・世の中の人々が
その魅力をどれほど楽しんでいるかは別として。
朝と夜にマッサージがかかせぬ季節です。
キッドは時々、近所の銭湯にいって
のんびりすることにしています。
頭痛、腹痛、腰痛と
子供の頃から長く付き合っていますので
用心深いのでございます。
寒暖の差が激しいシーズンになっております。
ともえり様もご自愛くださりますように。
投稿: キッド | 2013年10月31日 (木) 13時39分
似合いますねぇヒロスエこれ。
やっぱりスターなんとかは演技やったんや(裁判官も演技です)。
おまけ
田宮電機の野田課長も演技やったんや。ホンマは「SPEC 天」でのようなオモロイ人やったんや(演技です)。
タバコご飯のも演技なんですね(古い)。
役者ってすごい(゚∀゚)。
投稿: 幻灯機 | 2013年11月 2日 (土) 11時07分
このヒロスエよりも・・・
スターなんとかのヒロスエを評価する方も多いでしょうし
本人もそうかもしれない・・・
しかし・・・断然、コチラのヒロスエこそが
本質ですな。
こうでなくっちゃと・・・男目線は思うのですねえ。
ふふふ・・・野田課長は
最近では「ATARU」の妻殺し(誤解)の夫が
印象的でしたな。
小山内美江子ジュニアとしての
なんとなく普通じゃないのに普通感が・・・
貴重な脇役としての味を醸しだしますよねえ。
とにかく・・・別府のヒロスエは
脚本・演出サイドのしたたかな計算力が
抜群だと考えます。
もう・・・搾りつくしてますな。
投稿: キッド | 2013年11月 2日 (土) 16時37分