瀬戸の花嫁風結婚詐欺師(夏帆)VS現実に興味のない男と現実にしか興味のない女と追憶の少女(工藤綾乃)
二本立てかよっ。
・・・いや・・・そこまでは・・・「ちゃんとしてっ」と言われて幻スリッパではたかれてもも体力的に無理なのである。
しかし、「みんなエスパーだよ!」「悪霊病棟」と潜在的パフォーマンスを見せつけた・・・夏帆が・・・久しぶりの清純派である・・・結局、結婚詐欺師だったけどな・・・ここは一部愛好家のためにもメモしておきたい。
結局、このドラマ「海の上の診療所」は月9ヒロイン・オーディションドラマなのかっ。
第3話には刑事役で「いっそん」も登場して、「たねいち」「よしだ」の「あまちゃん」スリーカードである。
一方、「変身・・・」のCMには途中、「若き日の天野春子(有村架純)」「天野アキ(能年玲奈)」起用の二本立てがあった。
「あまちゃん」の浸透と拡散はすすみ・・・消費も激しいのだった。
三木聡のドラマといえば・・・ちょっとだけ先物買いの美少女の投入が魅力の一つである。
これまでにも「帰って来た時効警察」の真加出くん(小出早織)、「熱海の捜査官」のレミー(二階堂ふみ)、東雲麻衣(三吉彩花)など・・・美少女達に印象深い「役」を作って来た。
今回は泉を発見した女の子(工藤綾乃)が登場である。80年代の終りにティーンエージャーなので生きていれば三十代の終りなのだが・・・おそらく死んでいるものと思われる。
回想の再登場を期待しつつ、もう、2~3人はかわいい女の子を出してもらいたいと思う。
ちなみに・・・工藤綾乃は・・・「リミット」(テレビ東京)のギリギリ生存者ハルからここである。
で、『変身インタビュアーの憂鬱・第2回』(TBSテレビ201310290028~)脚本・演出・三木聡を見た。現実に興味のない主人公・白川次郎/青沼霧生(中丸雄一)は変身ヒーローの一種である。冴えない小説家からちょっとだけ冴えてるインタビュアーに変身することで・・・「チューリップ殺人事件の謎」が渦巻く異空間にチャレンジするのである。現実と幻想の中間点である「賽の河原町」の「猫旅館」を経由して、秘密めいた「消ノ原町」へ向かうヒーローには・・・現実に不安を感じすぎるヒロイン・ゲビヤマくんこと下日山酈霞(かひやまりか=木村文乃)が担当編集兼アシスタントとして従うのだった。
「消ノ原町」の登場人物たちは・・・ある「歴史的事件」を連想させるネーミングになっている。
今回、登場した・・・「チューリップ殺人事件」の舞台であり、パワースポットとして有名な「三貴子の泉」の管理人は甘粕真一(眞島秀和)である。
甘粕と言えば・・・アナキストの大杉栄・伊藤野枝とともに幼児まで殺害した「甘粕事件」の主犯であり・・・後に満州事変に関わる甘粕正彦憲兵大尉が連想される。
「秘密」に接近した二人を救う形になる・・・消ノ原町の町長・里美補(外波山文明)の秘書は石原完一(萩原利久)である。ちなみに「三貴子の泉」の誕生に立ち会う男の子の名前は・・・完一らしい。実は・・・重要人物なのである。
石原と言えば・・・「世界最終戦論」で知られる「満州事変」の仕掛け人で陸軍中将・石原 莞爾が連想されるわけである。
そして・・・消ノ原食堂「モアイ」のセクシーぶった店員が川島芳香(町田マリー)なのである。
「東洋のマタ・ハリ」、「満州のジャンヌ・ダルク」と称された清朝王女にして男装の麗人・川島芳子(金璧輝)と一字違いなのであった。
つまり・・・消ノ原町には昭和初頭の満州国的な浪漫と陰謀が渦巻くわけである。
まあ・・・そんなに大袈裟なことには絶対にならないと思うぞ・・・。
不穏な町の人々に囲まれたヒーローとヒロインだったが・・・突然、あらわれた白装束の「おくりさまの提灯行列」によって窮地を脱出するのだった。
通りすがりの町長は・・・「この街では・・・不吉で禍々しいことを・・・おくりさまにおくってもらう風習があるのです」とインタビュアーに説明するのだった。
「つまり・・・汚れたものを祓うということですね」
「とにかく・・・この町は山とともに生きているのです」
「とりあえずは・・・御礼を申し上げておきますよ」
「まあ・・・君子危うきに近寄らずと申し上げておきますよ」
町長とその秘書が去ると・・・二人の会話の真意をつかみ損ねたゲビヤマくんは問う。
「どういう意味ですか・・・」
「つまり・・・警告だよ・・・これ以上、関わるとロクなことがないっていうことさ」
「・・・」
ここでもはや・・・基本的な謎はすべて解かれていることになる。
つまり・・・「パワースポット・三貴子の泉」で町おこしをしている消ノ原町では町ぐるみで「絶対に明かしてはならない秘密」を保守しているのだった。
そして・・・それは殺された夷鈴子(玄覺悠子)がにぎりしめていた・・・水道の蛇口に使われるような青いネジに関連するのである。
つまり・・・「三貴子の泉」には「水道」が深く関与しているのである。
「どうしますか・・・尻尾を巻いて逃げますか」
「いや・・・せっかく来たんだから・・・三貴子の泉は見物していこう」
「わ~い、名所観光ですね」
「現場検証だよ・・・観光名所としてはどうなんだね」
「ガイドブックによれば・・・80年代の終り頃、部活帰りの女の子と男の子が・・・山道で怪しい光が交わるのを目撃したそうです。二人が現場に行くと天空からレーザービームがさして爆発が起り、二人は失神しました。男の子はふもとで発見され、女の子は山中で発見されましたが・・・その身体は・・・湧き出した泉の水で濡れそぼっていたのです。そして、その水を分析すると・・・パワースポットのみっつの磁場の影響で・・・分子構造的に完璧に整った分子的にきれいな水であることが判明しました。この水を飲んで身体の水分がすべて入れ替わると・・・様々な病気が治るということで・・・水を汲みに来る人々が殺到し・・・有名なパワースポットとなって現在に至るということです・・・」
「そんな・・・観光資源のスポットで殺人事件が起ったんでは・・・いろいろと支障がありそうだな」
「だからこそ・・・猟奇的な殺人で・・・事件現場がたまたまそこだったという風にしたんでしょうねえ」
「ゲビヤマくん・・・君ってただのバカじゃなかったんだな」
「え・・・バカっていいましたか・・・バカって・・・誰のことですか」
しかし、二人は途中で・・・三貴子の泉の管理人と称する甘粕真一に呼びとめられるのだった。
「すみません・・・本日の営業時間は終了しました」
「営業時間っていいました」
「夕方は五時までなんです」
「ああ・・・管理的に・・・」
「管理的にです・・・せっかくおいでなので見て行きますか」
さりげなくコールド・リーディングの技法(詐欺師などが持ちいる情報引き出しのテクニック)で無防備なゲビヤマくんから・・・二人の情報を聞きだす甘粕だった。
そこへ・・・気狂い女を連れた川本三郎(少路勇介)、笹川量(三島ゆたか)、花谷雅(裵ジョンミョン)ら消ノ原町の消防団が通りかかる。
男たちは気狂い女をけしかけて・・・二人を威嚇するのだった。
「山あたりですな」
「山あたり・・・」
「この山のパワーを感じやすい人が時々・・・ああなるのです」
「食当たりとか水当たりみたいなものですね」
「察しが早くて助かります・・・さあ・・・夜の山道は危険ですから・・・そろそろ、お帰りください」
「あの・・・最後に一つだけ・・・天狗野郎にはどこに行けば会えますか」
「さあ・・・存じません」
二人きりの帰り路・・・インタビュアーはゲビヤマくんに注意を与えるのだった。
「僕らの職業とか・・・宿泊先の宿とか・・・個人情報、漏らし過ぎたよ・・・君はそれでも変種者かっ」
「あ・・・私、プライベートは開示する主義なので」
「危なすぎる主義だな」
とにかく・・・一端「猫旅館」に戻る二人だった。
インタビュアーは小説家に戻り、ゲビヤマくんのテンションは少し下がるのだった。
そこで・・・持参した録音用カセットテープレコーダー「青龍参号機」と「玄武弐号機」を披露するのだった。
「なんで・・・カセットなんだ」
「テープ起こしが趣味なんです」
「白虎壱号機と、朱雀四号機もあるのかい・・・」
「白虎は零号機で・・・朱雀が壱号機です」
「あ・・・そう」
「それは・・・エヴア的に・・・」
「いやだなあ・・・エヴァ的だったら・・・朱雀は弐号機じゃないですか」
「あ・・・そう」
しかし、別人に見える小説家を目撃した宿の女将・櫻井野薔薇(ふせえり)と番頭の蝉岡蟷螂(松尾スズキ)はゲビオカくんを発展家と認定するのだった。
ちなみに・・・異性に対して手広い感じの人が発展家であり、同性愛者が出会いを求めるのがハッテン場である。
まあ・・・一部の人しか使わないけどな。
そういう「くすぐり」なのだった。
再び、消ノ原町へとラインを越えそうなバスに乗って突入したインタビュアーとゲビヤマくんの二人は・・・天狗野郎を求めて「三貴子の泉」のある山の裏手にある「化野の森(あだしののもり)へと向かう。
そしていかにもホームレスの住居風なブルーシート構築物を発見するのだった。
「ブルーシート、青龍参号機、そして僕が青沼・・・三つそろったな」
「三つそろいましたね」
「とにかく、三つ揃えるのは基本なのだ」
「基本ですね」
「きっと、天狗はこの中にいる」
しかし、ゲビヤマくんが発見したのは胸にナイフを刺して真っ赤にそまったホームレス・天狗野郎(森下能幸)の仰臥体だった。
「死んでます・・・」
「死んでない・・・」
青沼は天狗野郎を真っ赤に染めているものを指ですくい取りなめる。
「やはり・・・ケチャップだ」
「お好きなんですか・・・」
「まあね・・・いいかね・・・インターネットの情報からは殺人現場の臭気の情報が欠落気味なんだ」
「はあ・・・」
「死んでれば脱糞するし、出血すれば血なまぐさい、擬装された殺人死体なんて匂いを嗅げばすぐにわかる。ケチャップの匂いしかしないんだから」
「はあ・・・」
「ホームレスだって近づけば本物か、偽物かすぐにわかるのが普通だ」
「清潔好きなホームレスもいると思いますけど」
「よく・・・ドラマにホームレスが出てきて・・・主人公が優しく接したりするが・・・まず、オエッてなっちゃうのが普通だろう」
「おえっ」
「起きろ、天狗野郎」
「すみません」
「正直に白状しろ」
「はい」
「お前はチューリップ殺人事件の現場で何を見た」
「何もみません・・・」
「嘘をつけ・・・人気のパワースポットに誰もいないなんてありえないだろう」
「その日は・・・禁断の日だったので・・・」
「禁断の日?」
「三貴子の泉には月に一度のメンスの日があるんです」
もちろん・・・メンスは隠語で・・・「水道関係のメンテナンス」を指していると妄想できる。
もちろん・・・素通りしても問題はない。どうせ、真相なんて絶対に解かれないからである。
「泉に休みってなんか韻踏んでるよね」
「寝耳にミミズみたいな」
「ちょっとちがうけど・・・まあいい・・・泉にどうして休みがいるんだ」
「わかりません」
「いや・・・お前はなにか知っているはずだ」
「知りません」
「この賽銭泥棒がっ」
「ご、ごめんなさい」
「素直に白状しろっ」
「死んでいた二人は泉の秘密を暴露しようとして殺されたんだと思います」
「どうして・・・そう思う」
「なんとなく・・・」
「なんとなくって言われたら・・・しょうがないな・・・何か、思い出したら連絡してくれ」
「わかりました・・・」
メールアドレスを交換する三人だった。
その流れで天狗野郎の下半身から天狗の面がおち・・・二人は見たいのかどうかもわからないものを目撃するのだった。
「あの・・・思い出したら・・・殺されるような気がするんですけど」
「大丈夫だ・・・君が殺されても誰も哀しまない」
「・・・」
二人は再び、三貴子の泉を訪れようとする。
「あれは・・・言いすぎだったんじゃないですか」
「ああ言う人には言いすぎってことはない」
「叱りつけてましたね」
「ああいう人は叱ってもらいたがっているんだ・・・誰かが叱ってやれば人はホームレスなんかにはならない・・・誰も叱らないから彼はああなったのだ」
「・・・断定しましたね」
「断定しなければ真実なんて永遠に見えてこないものなんだよ」
「・・・」
そこへ四人でいるように見えて三人、三人のように見えて実は四人の消防団トリオがやってくる。
「今度は・・・四人だな」
「よく・・・わかりましたね」
トリオの背後から姿を見せたのはどこぞの県警の刑事・安藤征一郎(光石研)だった。おなじみのメンバーを小出しである。
「刑事さんか」
「そうです」
「で・・・御同行願いたいと・・・」
「そうです・・・話が早いですな」
「しるけづつ・・・ですからね・・・汁気筒ってぬめっとした何かですか・・・」
「つづけるし・・・ですよ」
「ああ・・・ンゴワドンバ京東的なものかと思いました」
「東京バンドワゴンは旬すぎるので収録中でもなかなか挿入できません・・・」
「ですね」
こうして・・・事件の調査はあらたなる深みにはまっていくのだった。
長靴を履いているゲビヤマくんはその暗喩である。
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