彼岸島ポン散歩(西井幸人)
小春日和が続いて・・・うっかり薄着をしていたらちょっと体が冷えたみたいでやや不調になっている。
そういう日は悪夢を見がちでこれが抜群に面白い。
ホラーなドラマより絶対に面白いのが困るんだよな。
今朝は下水道人のホラーを見た。
下水道にヌルヌルした人たちが棲息していてうっかりしていると背後からマンホールに引きずり込まれるのである。
そのこわさたるや・・・まあ、いいか。
「彼岸島」の前はオンエアで「亀田音楽専門学校」(Eテレ)を見る。木曜深夜が本放送で、水曜深夜が再放送である。
今回は「シンコペーション」である。中食いと頭食いとか・・・いわゆるリズムからはみ出していくメロディーの効用の話である。とにかく・・・シンコペーションを頭で覚えようとするのは難しい。もう体で覚えるしかないのだが・・・最後はやはり理論なんだよな。
早乗りでつんのめるのがかっこいいっていうのが本当に不思議なんだよなあ。
NHKのニュースでは「リベンジポルノ」の話題・・・きっかけはあの事件だろうがそこには言及しない。まあ・・・「愛」が流出する時代なんだな。
その間に・・・サッカー・ワールド・カップの顔ぶれを見る。1位スペイン、2位ドイツ、3位アルゼンチン、4位コロンビア、5位ベルギー、6位ウルグアイ、7位スイス、8位イタリア、オランダ、10位イングランド・・・と順当な顔ぶれが揃っている。敵地でベルギーを粉砕した44位日本がどこまでやるか・・・楽しみである。
・・・などとウダウダしていると・・・時間なのだった。
で、『彼岸島・第5回』(TBSテレビ201311220058~)原作・松本光司、脚本・NAKA雅MURA、友原我聞、演出・横井健司、総監修・三池崇史を見た。どこにあるか定かではない彼岸島に・・・東欧のヴァンパイアの一族が定住。神として島民に敬われてきた和の国日本の物語である。まあ、妖怪の軍事化は最近では「ドラキュラ戦記/キム・ニューマン」(1995年)が抜群だが・・・「ウルフガイ・シリーズ/平井和正」(1971年~)の狼男の血清注射による強化人間の軍事利用もいい味を出していたなあ。妖怪たちもうかうかしていられないのである。まあ「バイオハザード」シリーズみたいな人工妖怪となると本末転倒だけどな。ドラマ途中にドラキュラ伯爵に対する誹謗中傷があるが・・・無知蒙昧な人間のセリフなので深くは追求しないことにする。
涼子(水崎綾女)・・・登場なし。現在の消息は不明。
ユキ(山下リオ)・・・篤から・・・民俗学者の記録を渡され朗読する。昭和17年(1942年)、彼岸花の群生で知られる彼岸島出身兵士が・・・戦場で負傷した際に異常な不死身性を示したために、不死身人間の軍事化を目指した軍が彼岸島に秘密の研究施設を構築したことが判明する。吸血鬼だった神官一族は人体実験の対象となり・・・その唯一の生き残りが雅だったらしい。しかし、まだ不明の点が多いために一同は廃坑にある秘密基地の探索に向かう。昼間は亡者の生息地であるために・・・夜の間に侵入する一同。ケンとともに兵舎の捜索を担当したユキは秘密の地下室を発見するのだった。そこで・・・ミイラ化した兵士の死体を発見する一同は地下室で機密文書を捜索するが・・・亡者の接近に脱出を図る。しかし、出口は亡者によってふさがれ・・・ユキはポンの悲しい末路に遭遇する。
冷(佐藤めぐみ)・・・上陸後、姿を消したまま消息不明中。
明(白石隼也)・・・研究施設では手術室周辺を西山とともに捜索。亡者化したポンに「人間のまま死にたいから殺してほしい」と懇願され、篤から丸太を受け取ってポンの顔面に突きだす。
篤(鈴木亮平)・・・研究室に一同を案内し、単独捜索。ユキの発見した地下室にも一番乗りを果たす。亡者に対する警戒を促すが、最後は丸太を明に渡す。
ケン(遠藤雄弥)・・・監禁されていたが、吸血される前に篤・明兄弟に救出され、「隠れ家」で待っていたユキと涙の再会を果たすと元気に吸血鬼退治に乗り出す。ものすごく物騒な場所でユキを一人にしたりして、盛り上げるためとはいえやや行き過ぎの行動をする。
加藤(勝信)・・・乗船せずに離脱中。
ポン(西井幸人)・・・西山とケンカ別れして山中を彷徨っているが・・・すでに吸血病を発症している。突然、吸血鬼に襲われ血を吸われまくるのだった。ドラマ「鈴木先生」で同級生の妹の小学生とセックスしたり、イケメンぶって処女にこだわったりする中学生・勇気を演じたり、映画「告白」で幼女殺しの少年Aを演じたりした呪いにより、この悲惨な役柄をもらったのだろう。「助けて」と彼岸島の中心で親友の明の名を呼ぶが、吸血しない吸血鬼である亡者の群生と出会い、同化してしまう。その姿で仲間たちと再会、自分を憐れんで謎の液体を吹き出し明に浴びせかけたりする。
「ポン・・・」
「明・・・どうして・・・ボクだけこんな目にあわなきゃいけないの。うらめしいよ。くやしいよ。西山~」
「お前が勝手に・・・一人になったんだろう」
「誰も僕のことなんか・・・想ってくれやしない」
「そんなことない・・・ポン・・・俺はお前のことなんとかしてやりたいって思う」
「明・・・ほら・・・お前が話を作ってくれて・・・僕はマンガを描いただろう。ナンバーワンホストと口裂け女。ホストクラブで・・・優しくされて口裂け女は人間性を取り戻す話。最後にマスクをとってホストたちは怖れおののくけど・・・口裂け女はありがとうって言うんだ。その気持ちがどうしてもわからなかったんだ・・・けど・・・今はなんだか分かるような気がする」
「ポン・・・」
「殺してくれよ・・・明・・・このまま生きていたら・・・俺・・・きっとおかしくなっちまう」
「ポン・・・」
「ああ・・・また気が遠くなっていく・・・もう・・・マンガは描けない・・・」
亡者たちの蒼ざめた土気色の顔の中で・・・ポンも生気を失って行く。
その顔面に炸裂する・・・明の繰り出した丸太。
西山(阿部翔平)・・・今回も常にビビりまくる。しかし、自分では小心者でないことをアピールできていると思っているらしい。
女医姿の吸血鬼・アスカ(大和悠河)・・・出番なし。
封印されていた吸血鬼・雅(栗原類)・・・神官の一族の中で一人生き残ったらしいことが回想シーンで示される。来週はいよいよその秘密が明らかになるようだ。
村長・・・病院長を食って巨大化した亡者だが出番なし。
ハゲ・・・山中でポンの血を吸う吸血鬼。お色気シーン不足なのでここは半裸の美人吸血鬼にしてほしかった。まあ・・・ポンの無残さを強調する演出としては理解できる。このハゲが橋本愛的な美少女だったらちょっと生きる希望もわいちゃうかもしれないし。
柳島(諏訪太郎)・・・戦時中、軍の命令で島に先行調査に来た民俗学者。回想シーンに登場。現在は消息不明。吸血鬼一族の存在を軍に報告したことによって悲劇が始るらしい。諏訪太郎と言えば「あまちゃん」の映画『潮騒のメモリー〜母娘の島〜』のプロデューサーの一人だが、最近は「放課後グルーヴ」でホームレス・ジョニー、「衝撃ゴウライガン!!」でホームレス・山下、「刑事のまなざし」でホームレス・コンと三作連続ホームレス役の快挙を成し遂げている・・・それは快挙なのか。
以上・・・今回も涼子と冷の生存は未確認。
ポンと明の訣別はそれなりに哀愁があったが・・・意味不明と言えば意味不明である。
まあ・・・描き込み不足ということですな。
ポンと明の友情の成立とか・・・二人で描いたマンガのアニメ化とかも・・・妄想的には欲しかったのです。
まあ・・・原作がギャグマンガだからな。
関連するキッドのブログ→第4話のレビュー
| 固定リンク
コメント