先に死んだら後々あることないこと言われるのでごぜえやす(綾瀬はるか)
まあ・・・人間はダメ人間を愛するのだな。
そして・・・ダメ人間を崇めたてまつるさらにダメ人間がいて・・・「文豪」などというものが完成するのである。
そういう流れを悪魔はけして嫌いではないのだった。
しかしだ・・・明治という恐ろしくエネルギッシュな時代を「そこ」で描かなくてもいいのではないかと思う。
もちろん・・・どんな時代にも落ちこぼれはいる。
薄氷を踏む勝利を得た日清・日露の戦役も・・・見方を変えれば国家による国民の大量虐殺だったのかもしれない。
だが、少なくとも・・・国民を大量虐殺した上に敗北した大東亜太平洋戦争より・・・ずっとマシだったとも言えるのである。
明治が流した流血によって築きあげられた大正という時代に・・・晴耕雨読をきどって呑気に小説書いてた人の妄想をマジで映像化して・・・何が楽しいのか・・・まっ、予算的には安くあがるけどな。
まあ・・・とにかく・・・庶民から見れば・・・雲の上の存在である山本家や・・・新島家の人々を身近に感じさせるという点では素晴らしいフィクション・ライターなのかもしれませんけど~。
つまり・・・あれなんだな・・・お前・・・徳富蘆花が・・・嫌いなんだな。・・・はいっ。
日清戦争の時に28歳、日露戦争の時に37歳。銃後でぬくぬくしていた奴が何言ってやがるなんですよ。
お前・・・ちょっと危ないぞ。
とにかく・・・久榮は・・・蘆花があることないことを書くより遥か以前の明治26年(1893年)、23歳で病没する。
死人に口なしなのである。もちろん・・・LOVEだねえという考え方もあります。
そ、それって・・・ね、ねたばれだよね。・・・何を今さら・・・。
もう、こうなったら・・・捨松も「不如帰」風に描けばいいのに。そしたら、さすがに笑う。
で、『八重の桜・第46回』(NHK総合20131117PM8~)作・山本むつみ、演出・清水拓哉を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はずっとずっと仮キャスティングで凌いできた・・・噂の女、ちょっと貫地谷入っているかもしれない山本覚馬の後妻の娘・山本久榮、ファン待望の描き下ろしイラスト大公開でございます。演じるは門脇麦、今なら2014年3月1日公開予定の映画「愛の渦」の予告編がすぐ見れる。そして・・・ちょっとうれしいのでございます。なにしろ・・・いろいろと妄想広がるから~。まあ、門脇麦(21)なので今回はなんちゃって17歳を演じていますけれど~。画伯は謙遜してますが・・・キッドはすごく良い感じだと思います。みね(三根梓)も良かったけど久榮も良いですな~。
明治18年(1885年)5月、山本覚馬と時榮夫妻、宣教師に洗礼を受け入信。12月、新島襄が外遊から帰国。明治19年(1886年)2月、山本夫妻離縁。3月、東京大学が帝國大學に改称される。4月、英国とドイツの間で西太平洋の勢力範囲についての協定が結ばれる。華族世襲財産法公布。5月、皇宮警察所設置。米国でコカ・コーラ販売始る。6月、箱根離宮落成式襲撃計画が発覚。7月、英国がビルマを植民地化。超能力者・御船千鶴子誕生。8月、長崎事件発生、上陸した清国水兵が遊郭で酩酊して乱暴狼藉におよび逮捕されたことに発し、清国兵数百名と警察官が大乱闘し、死傷者が発生。基本的に清国の武力外交が背景に存在する。9月、米国のインディアン戦争でジェロニモが降伏する。徳富健次郎(徳冨蘆花)が同志社英学校三年生に編入。ナイチンゲール看護学校出身のリンダ・リチャーズが京都看病婦学校(同志社病院)の監督に就任。10月、戸籍登記書式制定。これより真の入籍、離婚沙汰が発生する。11月、小笠原島庁設置。北海道庁設置。12月、東京図書館新築。明治20年(1887年)1月、伊勢(横井)時雄、みね夫妻に長男・平馬誕生。みね、産褥により死去。30日、新島襄の父・民治逝去。2月、徳富蘇峰が「国民之友」を創刊する。3月、アン・サリヴァンがヘレン・ケラーの家庭教師になる。7月、新島襄・八重夫妻が避暑のために北海道旅行中に内藤(日向)ユキと再会。この頃に伊勢家の居候で二十歳の徳富蘆花が17歳の山本久榮にちょっかいを出したと思われる。8月、初めての国産による帝国海軍砲艦「鳥海」進水式。9月、蘆花と久榮お嬢様との密会が発覚。10月、徳富蘆花逃亡。12月、徳富蘆花退学。翌年、6月に久榮は同志社女学校を無事卒業する。好きな女に失恋し、女は卒業、自分は中退という現実を蘆花はこの後30年近く呪い続けたのである。ダメ人間だなあ。
久しぶりに訪れた北海道は順調に開発が進んでいた。
八重と襄は函館から馬車で札幌の市街地に入る。
「なかなかに近代的な街作りが進んでいますね」
「驚れえた・・・大したもんだし」
街行く人々には異人も多い。
約束の場所に・・・八重は・・・ユキを見出す。
さすがに年齢を重ねていたが・・・ユキには少女時代の面影が残っていた。
「八重様・・・」
「おユキちゃん」
二人は再会を喜んだ。
襄はホテルを予約していたが・・・市内にある内藤家に迎えられる。
ユキの婚家である。
ユキの夫は北海道庁に出仕する土木技術者で旧薩摩藩士の内藤兼備である。
そして・・・ユキはくのいちである以上、北海道庁の密偵なのである。
「さっそくだけど・・・姉さまにお願いがあります」
「なんでごぜえましょう」
「私の夫は今、札幌の上水道、下水道の整備にあたっておりやす」
「ほお・・・」と関心を示す襄。「さすがは近代都市計画のすすむサッポロ・シティーですねえ」
「街の中心部は暗渠つまり、地下水道化する計画でした・・・。しかし・・・工事中に札幌の地下に空洞があることが分かったのでごぜえやす」
「なんと・・・」
「ご存じのように・・・この地は維新後のしばらくの間、西洋のヴァンパイヤアによって支配されておりやした」
八重はかっての蝦夷地討伐戦を思い浮かべる。
「そうか・・・地下に・・・」
「おそらく・・・アイヌの民を奴隷化し・・・地下道、地下城を建設しかかったものと思われやす」
「なるほど・・・」
「そして・・・どうやら・・・地下にまだ残党が巣食っているようなのです」
「吸血鬼が・・・まだ残存していたか・・・」
「農大の救世軍が退治にかかりましたが・・・返り討ちにされました・・・」
「それは・・・久しぶりにエクソシストの血が騒ぐ話だ」
「襄、あんたはなんねえ・・・また心臓発作でも起こしたらどうする・・・」
「しかし・・・八重さん・・・」
襄に哀願されると断りきれない八重だった。
「しょうがないな・・・私から離れないように約束しておくんなさいまし」
「やったあ」
「ワラシですかっ」
「姉さま・・・それじゃ・・・退治てくだされますか」
「ユキちゃんの頼みは断れねえ」
八重は荷物を解いた。
「これは・・・」
「対吸血鬼用・・・聖水弾用のショットガンだ・・・ウインチェスター・ライフル銃を改良してある・・・もしやと思い持参したのです」
「姉さま・・・」
八重は久しぶりに血がたぎるのを感じた。
そして・・・八重とユキは北海道のくのいちたちを率いて・・・吸血鬼の地下帝国へと向かうのだった。
関連するキッドのブログ→第45話のレビュー
| 固定リンク
コメント