美人過ぎる研修医(瀧本美織)VS風呂上がりに眼鏡をかけない女(木村文乃)と汚らしい掟ポルシェ的な感じの男(中丸雄一)
つまり・・・こういうことなんだな。
月9ドラマ「海の上の診療所」のゲストと深夜ドラマ「変身インタビュアーの憂鬱」の主人公とヒロインは激しく鬩ぎ合っていると・・・。
まあ・・・よくわからない葛藤だけどな。
月9は夏のシーズン、長澤まさみ、香里奈、戸田恵梨香の主演級ヒロインを三枚使い、カードを余らせていたわけだ・・・今回は毎回、主演級ゲストをカード・チェンジするという昔ながらの手法でチャレンジなのである。
惜しいのは主人公の松田翔太は「二枚目だけど残念な感じの男」を巧妙に演じているが・・・結局、二枚目なので「フーテンの寅」(渥美清)には絶対になれないということである。
「ちゃんとして」で魔法のスリッパをくりだすヒロインの武井咲もいい味出しているが・・・「妹」ではないので「さくら」(倍賞千恵子)になりえないのである。
少し、研究不足なんだな。さらにプラス・アルファの謎の女(戸田恵梨香)もあまり、利いていないと思う。
で・・・マドンナ役を振り返ってみると・・・。
第1話 「加藤あい」 造船業者の娘 15.6%(大河ドラマのヒロイン)
第2話 「篠田麻里子」 小学校教師 ↘12.4%(AKB48)
第3話 「夏帆」 結婚詐欺師 ↘11.4%(ケータイ刑事)
そして第4話 「瀧本美織」 美人すぎる研修医 ↘10.6%(朝ドラマのヒロイン)
・・・と見事に下げまくっているわけである。
しかし、瀧本美織の「ちょっと嫌な女」はなかなかいい味を出していた。
だが、いい味はそれぞれに出しているのである。
このドラマのだめな点は・・・「松田翔太がふられる理由がよくわからない」・・・この一点にあると思う。
一方で・・・深夜の二人も・・・それなりにいい味を出しているのだが・・・。
こっちを「松田翔太」と「武井咲」でやってたら・・・どうだっただろうという妄想も浮かぶのである。
そう・・・思わせるのは・・・まだ、深夜の二人がラインを越えていない気がしてならないからである。
で、『変身インタビュアーの憂鬱・第3回』(TBSテレビ201311050028~)脚本・演出・三木聡を見た。さあ・・・段々、わけがわからなくなってきた今回である。終盤、風呂上がりのゲビヤマくんこと眼鏡をかけた美人編集者の下日山(木村文乃)は眼鏡をかけない。ここで・・・インタビュアー・青沼から脱皮中の小説家・白川(中丸雄一)が「眼鏡をかけないんだ」と問うと「風呂上がりに眼鏡はかけませんよ・・・はらだじん・・・じゃあるまいし」と答える。「えええっ、はらだじん・・・は風呂上がりに眼鏡をかけないのか」と驚くのである。
当然、「時効警察」での三日月くんの「眼鏡かけてないんですね」に応えた霧山の「日曜日に眼鏡をかけるなんて・・・イギリス人じゃあるまいし」という会話が連想されるわけだが・・・まあ、一部超限定的にはな・・・。
そうなると・・・「カナダ人じゃあるまいし」が正解で・・・主人公とヒロインが噛みまくってるということになる。
それでは・・・あんまりなので・・・ハラダという架空の国の人と解釈してみると・・・とてもじゃないが笑えない。
では・・・「M-1グランプリ」で敗者復活戦が行われる大井競馬場から決勝進出を決めたコンビを決勝会場へ送迎する配車を運転する東京無線サービスリーダーの原田仁さんを指しているとでも言うつもりなのか。
「風呂上がりに眼鏡はかけませんよ・・・原田仁じゃあるまいし」
ますます、笑えない。
じゃあ、一日あたり50万枚のラスクを製造していると噂されるガトーフェスタ・ハラダの従業員は風呂上がりに眼鏡はかけないとでも言うつもりか。
・・・もう、そのことはいいじゃないか・・・そのセリフで笑えなくても人生が終りというわけじゃあるまいし・・・。
つまり・・・最大の謎は・・・答え合わせをしないクイズ番組的な気持ち悪さを伴うってことなのでございます。
そういうのが好きな人もいるからな。
世界は広いからなあ。
消ノ原町の消防団の背後に潜む県警の刑事・安藤征一郎(光石研)に任意同行を求められたインタビュアーはこれに応じ・・・怪しい体育館で職務質問に応じる。
ここでインタビュアーは安藤刑事の懐中の録音機材をすり取るという超能力的なスリの技術を披露する。
「この街では・・・街の危機的状況に・・・不思議なことが起きるのです」
「たとえば・・・どんな・・・」
「昭和53年(1973年)頃・・・この街がダムの底が沈む開発計画がありました。しかし、推進派の助役が・・・谷底に転落して死亡するという出来事がありました・・・殺された可能性もありましたが・・・迷宮入りです・・・そして・・・街はこの通り」
「つまり・・・何者かが街を救ったと・・・」
「さあ・・・どうでしょう・・・とにかく・・・そういう街ですから・・・身辺には気をつけた方がよろしいかと・・・あなたは大丈夫かもしれないが・・・お連れの女性などは・・・何かが起きてもあらがえないかもしれないでしょう」
「なるほど・・・」
解放されたインタビュアーにゲビヤマくんは尋ねる。
「大丈夫でしたか・・・」
「単なる脅しだよ・・・」
「はあ・・・」
「深入りすることは面白いが・・・面白いことにはつねに危険がつきものなのさ」
「アンタッチャブルですね」
「そう・・・不可触領域さ」
お尻の部分に尻尾がプリントされた浴衣でおなじみの「猫旅館」に戻ったインタビュアーは女将の櫻井野薔薇(ふせえり)と番頭の蝉岡蟷螂(松尾スズキ)から変身前の小説家の分を別人とした宿泊料金一泊三千円を請求され、秘密を厳守するためにこれに応じる。
一方、近くのスーパーマーケット「え」にちくわなどを買い出しに出たゲビヤマくんは店員が「チューリップ殺人事件」の犠牲者の一人、夷鈴子(玄覺悠子)にそっくりであることに驚愕する。
「ゾンビが出ました」
「ゾンビ~?」と旅館の二人。
「誰の・・・」と小説家。
「夷鈴子です」
「えびすすずこ~?」と旅館の二人。
「どこに・・・」
「スーパーです」
「スーパーか~?」と旅館の二人。
・・・ここはスーパーカーであり、コンビニめいたスーパーマーケットの店名とあわせてしょうもない感じのことを重ねているらしい。
「えスーパー」で「エスパー」なのである。
だからといって・・・なんでもないのだった。
だが・・・そういうことが存在意義なのだ。
早速、夷鈴子のそっくりさんを訪ねた二人は・・・。
「いやねえ・・・私は鈴子の同級生の伊藤文江よ」と告げられる。
「でも・・・この写真・・・」
「あら・・・いやだ」
「つまり・・・同級生であるために間違って写真を使われたということですか」
「素晴らしいインターネットの世界ではよくあることよね」
「何か・・・情報をお持ちのようですね」
そこへ・・・消ノ原町の消防団のメンバーでスーパーの店長の花谷雅(裵ジョンミョン)が現れたためなのか・・・口をつぐむ文江。
しかし、夷鈴子の家が残っていることを思わせぶりに告げるのだった。
文江は・・・店長とただれた情事を行う関係にあり、さらにインタビュアーたちを尾行する消ノ原町の消防団の小太りの男・笹川量(三島ゆたか)ともただれた情事をしている。さらに花谷店長と笹川もただれた情事をするのだった。
いかがわしい街のいかがわしい関係だが・・・お茶の間的にはまったく興味がないと思われる。
なんだろう・・・このサービスされたのに残念な感じは・・・。
ちょうど・・・初めて行った家で・・・紙パック入りのアイスミルクティーを出されたような・・・。
今回、サブタイトルが「アリエナイ不貞」なのだが・・・玄覺悠子をただのおばさんとしか思えないと・・・何の魅力も感じない展開なのである。まあ・・・そういう薄汚れた世界が好きな人にはたまらないのかもしれません。
夷家は粗末なアパートの一室で・・・目の前の公園のブランコは何故か揺れており、子供の乗り物がドアの横に置かれている。
伊藤文江はその隣の部屋の住人だった。
夷の家には養子となった夫のまさひこが住んでいるらしい。
旧姓がやまもとであったために「やまもとまさひこ」がおかしいらしい文江だがインタビュアーにもゲビヤマくんにも共感はない。もちろん、お茶の間もだ。
日本の元スピードスケート選手でインスブルックオリンピック、レークプラシッドオリンピックに出場した山本雅彦がいるが・・・だからどうしたなのである。
ここで二人は・・・本当の夷鈴子(工藤綾乃)が中学生の時に「三貴子の泉(さんきすのいずみ)」を発見したことを知る。
そのことによって消ノ原町のカリスマとなった本当は美少女だった夷鈴子なのである。
美少女の夷鈴子に関係を迫った同級生が・・・一家離散に追い込まれるほどのステータスを持っていたらしい。
「チューリップ殺人事件」の回想シーンは美少女の太もも剥きだしにチェンジするのだった。
これにより一部愛好家のサービスされた感じがほんの少し高まった。
だが・・・まだまだサービス不足である。
ゲビヤマくんがゴロゴロ転げ回ったくらいではな・・・。
最後はチューリップになって下半身剥きだしでモザイク入るぐらいか・・・。
それはないと思うぞ。
その日、インタビュアーたちは・・・ようやく・・・にぎわう三貴子の泉を見ることができた。
はしゃぎ過ぎたゲビヤマくんは転倒し・・・インタビュアーはゲビヤマくんのそういうところが嫌いらしい。
ということは・・・そういうところ以外は好きなのである。
三貴子の泉の管理人の甘粕真一(眞島秀和)は二人を特別扱いで歓迎する風である。
「地質学的に言って、この地は半谷(はんがい)断層、月夜(つくよ)断層、そして敷島(しきしま)断層の3つの断層の磁場のバランスが絶妙にとれており、磁場がフラットになるために、水の分子構造も限りなくフラットになるのです。フラットな水を摂取することによって人体もフラットになります」
「そういう説明をパワーヒラリストの黒曲亜理里さんもしてますね」
「彼の説明がなくても・・・この泉の神秘性は変わりません」
言外に・・・パワースポットとして三貴子の泉を有名にした黒曲亜理里(松重豊)との関係を否定する甘粕だった。
つまり・・・黒曲と甘粕は大いに関係している可能性が高いのだった。
その後で・・・化野の森に住んでいるホームレスの天狗野郎(森下能幸)を詰問したインタビュアーは新たなる証言を得る。
「チューリップ殺人事件」で二人の死体を発見した直後に・・・先に帰ったはずの真壁真奈美(中村優子)が下山してくるのを目撃していたのである。
「それじゃあ・・・二人を殺したのは真壁真奈美なんでしょうか」
「しかし・・・真壁真奈美も一年後に殺されている」
もやもやとするインタビュアーであった。
猫旅館に戻って事件を整理したインタビュアーは風呂上がりのゲビヤマくんに不満をぶつけるのだった。
「このままだと・・・正確に23秒おきに噴出する泉は・・・青いネジのついた水道の蛇口から出ていて・・・その秘密を知った二人もしくは三人が殺された・・・ということになってしまう・・・しかし・・・そんな単純な謎じゃ1クール持たないじゃん」
「・・・」
インタビュアーに周囲をぐるぐる回られて目がまわるゲビヤマくんだった。
もう少しだ・・・もう少しで・・・かわいいよ、ゲビヤマくんかわいいよ・・・と言えるかもしれない。がんばれ、ゲビヤマくん。
そして・・・ブルーシートの家は放火され・・・天狗野郎は森を駆けるのだった。
火をつける消防団員の二人は言葉をかわす。
「また・・・人が死ぬことになりそうだ」
「嫌いじゃないねえ・・・あともどりもできないし」
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