Good-byeだね、Thank Youだね、そしてLoveだね(亀梨和也)
原作は原作、そしてドラマはドラマである。
ただ、ドラマの途中で青が置き捨てられた子供を「ヨシコ」と何げなく呼んだことは・・・原作ファンにたいするサービスということになるだろう。
原作には勘一の妹・淑子のエピソードがあるからである。
最終回で我南人の生存が曖昧な形で語られるのは・・・原作的に残されたエピソードがたくさんあるために・・・スペシャルを作る場合の対策と言えるかもしれない。タレントのスケジュールなどにいろいろと・・・問題があるかもしれないからだ。
ドラマでは・・・「ガン治療」と「クオリティー・オブ・ライフ」の関係が一応提示される。
「命あってのものだね」と「豊かな人生」・・・その是非や選択あるいは両立の方法には正解などはない。
また・・・愛と恐怖がとなりあわせであることもファンタジーならではの優しい視点で描いているこのドラマ。
「人生が終る恐怖」や「生きがいを失う恐怖」は人を臆病にさせる。
その克服や慰安は・・・愛と密接に関わっていると言えるだろう。
「避けられぬ死」に怯え、「歌えなくなる恐怖」にすくむ我南人の心を救う主人公とその家族たちの物語である。
・・・キッドの父は定期健診でガンを発見され、一人で手続きをして、淡々と入院手術をした。
母は認知症を発症しているために夫の仕事の帰りが遅いとぼやく。
麻酔からさめた父は静かに言う。
「足が冷えるからレッグウォーマーを買ってきてはくれまいか」
レッグウォーマーを買いながら・・・愛と恐怖について考えたこと。
キッドにとってこのドラマはそんなことを思い出させるドラマだった。
で、『東京バンドワゴン~下町大家族物語・最終回(全10話)』(日本テレビ201312142130~)原作・小路幸也、脚本・大森美香、演出・狩山俊輔を見た。ゆっくりと進んできたドラマは最後でアクセル全開である。しかし・・・すでに充分にこのドラマに馴染んだお茶の間には心地よいスピード感だったのではないか。そして、馴染んだ世界からの旅立ちがスムーズに行われたのではないか。ファンタジーの世界はやがて心の奥底に沈んでいくものだからである。そして、最初から存在していなかった世界が・・・本当はどこかに・・・今もあるかもしれないと思わせるものなのだ。
新婚間もない青(亀梨和也)とすずみ(多部未華子)が暮らす古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家のクリスマス・イブ。青や姉の藍子(ミムラ)と兄の紺(金子ノブアキ)の父親・我南人(玉置浩二)のガンの発症と治療の拒否を知り・・・暗澹とするのだった。
子供たちも我南人の父親・勘一(平泉成)も本心は「治療を受けてもらいたい」のだが・・・「ロックンローラーとしての本人の選択」も尊重したいと思い悩むのである。
その中で・・・すずみは勇気をふりしぼって「歌えなくなってもいいから・・・治療を」と率直に懇願するのだった。
しかし・・・我南人の決意は固いのであった。
時は過ぎていく。堀田家にも新年は来て・・・正月を迎える。
処女出版となる「スパイホップのアンテナで~東京下町散歩道/堀田紺」が発刊され・・・めでたいのだが・・・堀田家の空気はどこか重たいのである。ちなみにスパイホップはザトウクジラが水中から頭を出して水面の状況を伺う動作である。
孫の本を仏壇に供え、亡き妻・サチ(加賀まりこ)に報告する勘一は・・・妻の父親も本を書いていたことを家族たちに話す。
サチは華族の出身で・・・父親の五条辻政孝子爵には著書があったのだという。
しかし・・・戦後のどさくさで・・・それらを含む書籍がGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に押収されてしまったのだという。
その話を聞いてまもなく・・・すずみは米国当局が押収していた書物を日本の大学に寄贈するという新聞記事を発見する。
その中に幻の本があるかもしれないと堀田家は調査を開始する。
すると・・・大学の理事長の娘が我南人のファンであることが分かり、誕生パーティーで我南人の歌をプレゼントすることで・・・取引が成立するのだった。
快諾した我南人だったが・・・病状が進み、満足に声が出せなくなってしまう。
そして・・・パーティーへの出席をすっぽかしてしまうのだった。
家族は・・・我南人の身を案ずるが・・・我南人は責任をとって丸坊主となる。
そして・・・時は流れ・・・バレンタインデー。
すずみは青へはじめてのチョコレートを贈るが・・・青の心はたいやきじゃなかった父親のことで一杯なのであった。
勘一は息子の愛人で孫の母親である女優・池沢百合枝(大地真央)の主演映画「白夜のほとり」を三回も見て気を紛らわせていた。
さらに・・・時は流れ・・・我南人の亡き妻である秋実の七回忌がめぐってくる。
秋実の命日には故人の遺志によって食事会を催す堀田家。
仏壇にサチの遺影しかないことの謎が明らかになる。
秋実の遺影は・・・我南人が肌身離さず持ち歩いていたのである。
それは・・・我南人の亡き妻への想いの強さを示しているらしい。
・・・ま、それでも愛人との間に子を生しているところがLOVEなのである。
我南人は・・・すずみが家出した時の置き手紙に感じるところがあったらしい。
「さようなら・・・そしてありがとうございました」
その短い言葉を歌にしたので・・・歌うと言う我南人。
それは・・・藍子、紺、青という三人の子供に捧げる愛の歌だった。
さよなら
ありがとう
愛しい人よ
・・・笑って
そこで・・・涙にくれる我南人。
「笑って・・・」と口ずさむ青。
家族たちは「笑って・・・笑って・・・」と合唱するのだった。
気を取りなおして歌いきる我南人だった。
「親父・・・死んじゃうのはLOVEじゃないよ・・・」と本音を言う青。
しかし・・・我南人は答えることができない。
そこへ・・・突然、多くの捜査員を連れて茅野刑事(山田明郷) が捜査令状を持って現れる。
強盗殺人事件の現場から・・・「東京バンドワゴン」の目録に貼られる印紙が発見されたというのである。
そのために・・・堀田家の男たちは警察に出頭し事情聴取を受けることになる。
もちろん・・・全員が事件とは無関係なのであった。
ところが・・・紺は留守番していた藍子から意外な知らせを受け取るのだった。
「なんだって・・・妊娠・・・」
紺の妻・亜美(平愛梨)が第二子を宿したのである。
さらに・・・検査に訪れた病院で・・・。
「ええ・・・すずみちゃんも妊娠してたって・・・」
警察に集合した堀田一家・・・。
青はすずみに「ありがとう」を言うのであった。
それはいつでも あったんだよ
失くせないのが あったんだよ
時々隠れていたんだよ でも あったんだよ
いつだって コロがってたんだよ
そう あったんだよ いつだって
愛だったんだよ
「なんてこった・・・孫が二人も増えるなんて・・・生きたくてたまらなくなっちゃったよ」
ついに・・・我南人は・・・歌よりも大切な命に気がついてしまうのだった。
そして・・・時はさらにさらに流れていくのだった。
我南人は国外に旅立つ。
それは・・・最先端医療を受けるためのようにも・・・最後のライブ・ツアーに出かけるようでもあった。
「必ず帰ってきてよ・・・そしてただいまって言ってよ・・・そしたら・・・おかえりって抱きしめてやるから」
「うん」
青は大好きな父親の姿を心に焼き付けるのだった。
そして・・・東京バンドワゴンを継ぐ決心を固めるのだった。
藍子はロンドンで・・・マードック(ジョナサン・シェア)と二人展を催す。告白したがふられた藤島(井ノ原快彦)はそれでも藍子につきまとうのだった。
春が来て・・・花陽(尾澤ルナ)は小学五年生に・・・ええっ・・・今まで四年生だったのかよっ。
そして・・・研人(君野夢真)は時々、「おばあちゃんが見える」と言って加賀まりこの出番を作ってやるのだった。
強盗殺人の真犯人が捕まり・・・盗品の中に・・・五条辻政孝子爵の「幻の著作」が発見され・・・「東京バンドワゴン」に戻ってくる・・・。
すべては・・・運命なのである。
ダブル妊婦の一部愛好者向けサービスがあって・・・。
やがて・・・季節は秋・・・。
紺・亜美の第二子・かんなと・・・青・すずみの第一子・鈴花が加わり・・・ますますにぎやかになる堀田家の食卓。
「おじいちゃん・・・お酢をかけすぎですよ」と亜美。
「いいじゃねえか」と勘一。
そして・・・旅路は終わる。
「お帰りなさい・・・」と青はにこやかに微笑む。
関連するキッドのブログ→第9話のレビュー
ごっこガーデン。永遠の絆セット。エリ「むふふ・・・ついに幼妻として青ちゃんのベイビーを妊娠・出産・育児なのでスー。来るべき本番に備えてマタニティー体験教室も開催中ですよ~。命の重さを身をもって体験するのでス~。ついにK先輩も父親役をやる日が来たのですね~。しかし、演技とは言え・・・本当に子煩悩な感じがしますよ~。K先輩はすごくいいパパさんになる気がしますね~・・・しゅてき・・・我南人と一緒に元気豆乳を飲むように娘とも一緒に豆乳飲むのですね~。だから私も飲むのでスー。じいや、豆乳くださ~い」まこ「ついに・・・チョコレート色のかまぼこの開発に成功しましたが・・・ちょっと不気味だったのでいちご味のピンクチョコに仕立ててみました。もうかまぼこだかチョコだか見分けがつかないんだジョー・・・。スペシャルでもいいから続編がありますように・・・来年はネコミミ天使マコリンの冒険が妄想劇場公開されましゅヨ~・・・耳が四つあるのは御愛嬌でしゅ・・・あるよおじさんと安部ちゃんの結婚もめでたいのでしゅ~・・・大団円万歳!」くう「ロンドンコーナーでお気に入りロイドで両手に花体験ができるとはっ。我南人が心配で・・・ストーリーに集中できなかった・・・ハッ・・・そんなに我南人が好きになってたってことおおおおおっ、そんな~」シャブリ「涙で前が見えないのでありました~・・・さよならありがとう反則なのでありました~・・・トンボくん・・・エスパーかっ」ikasama4「年賀状が書き終らない~笑って~笑って~」みのむし「おやつ~おやつ~るるる」ちーず「同じく~同じく~」mari「お節介かもしれないけれど・・・他人の心配を我がことのように考える下町ファンタジー・・・そんなドラマでしたね・・・」
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コメント
じいやちゃま、こんにちは~!
ラブ種から芽が出てついに鈴花ちゃんになりましたね~。
本当にかわいくって~。
青ちゃんがいいパパになるのは予想してましたが
あまりにも抱っこが上手なので
どこで練習したのかと(^^;
かえってきた我南人は金髪がツンツンして
まるで星の王子様みたいでしたわ。
本当に美しいものは目に見えないのだとしても
我南人のラブの魂は
みんなに見えてましたよね。
きっと砂漠の水をのんで、つるんと一皮むけて
地球に戻ってきたのでしょうね。
ベビーたちが我南人の歌声を聞いて育っていけるって
最高の環境ですね~。
じいやちゃま、完走ありがとうです~。
お疲れ様の献立はビーフシチューにしました。
赤ワインでじっくり煮込みましたのよ。
あとチョコレートも少し入れちゃった^^
もちろんワインといっしょにどうぞ♪
投稿: エリ | 2013年12月16日 (月) 21時16分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
ベビー置き去り事件の時もそうですが
赤ちゃんの扱いが上手いと感じさせる
何かがありますな。
まあ、優しさとか繊細さの表現が
花開いているだけかもしれませんな。
「野ブタ。」の頃から
そういう役柄が・・・上手だったのかもしれません。
K先輩、P先輩に
ジュリーを感じるのも・・・
そういう優しさから醸しだされる色気みたいなものの
せいかもしれませんぞ~。
樹木希林に「亀梨く~ん」とか「山P~」とか
叫んでもらいたいくらいでございます。
さすがお嬢様、
我南人の後ろ姿に
「星の王子様」を見出すとは~。
帽子でなくて満腹のうわばみなんですな~。
新しい命が
古い命を支える・・・
ファンタジーの極致でございました。
ふつうは逆でございますものね~。
まあ・・・介護という意味では
ストレートでございますけれど。
弱いものだから助ける・・・
この気持ちが薄れかけた現代・・・
それは世の中がよわいものだらけに
なっているからかもしれませんな。
裏の畑でとれた
テーブルビートを加えまして
お嬢様のビーフシチューを
ボルシュチにアレンジしてみましたぞ。
テーブルビートはビタミンCや鉄分などが豊富で
健康によろしいそうですぞ~。
精も出るそうですぞ~。
投稿: キッド | 2013年12月16日 (月) 23時37分