知られざる彼岸島(水崎綾女)
さよなら、彼岸島・・・そしてウシジマくんへ・・・である。
来年の話かよっ。
呪われし闇の血脈は・・・人類が食物連鎖の頂点に立っている漠然とした不安感とともにあるのだった。
そういうものは・・・数多くある・・・たとえば・・・「国家」とか・・・たとえば「愛」とか。
そんなものなくても生きていけるとは思うものの・・・あればあったで捨てがたいのである。
耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び・・・そんな時代はまだ続いている。
スモッグで覆われた国からいちゃもんをつけられ、弾丸を贈った国からツバを吐きかけられ、基地を占有している国から苦言を呈される。日本人としての自覚のない売国奴たちからは蔑まれ、英霊たちを弔うことにもツバをはかれる・・・理不尽の極みである。
しかし・・・それが国家というものだし、それが一国の首相というものだと思う。
吉田松陰のように虚仮の一念を貫くのもまた人生である。
まあ・・・世の中にはくだらない人間が満ちているし、それは万国共通だ・・・。
言葉を尽くしても・・・「敵」は聞く耳もたないと思うが・・・。
いつかは・・・「自由の身」になれることを信じて・・・生きていくしかないわけである。
所詮・・・日本人は・・・虜囚である。
しかし・・・誇り高き虜囚であることはできる。
そして・・・耐えがたきを耐え・・・忍びがたきを忍ぶのだ。
不憫である。
で、『彼岸島・最終回(全10話)』(TBSテレビ201312270058~)原作・松本光司、脚本・NAKA雅MURA、友原我聞、演出・西海謙一郎、総監修・三池崇史を見た。ついに決戦の時は来たのだった。ドラマをトータルで考えれば・・・導入部から結論まで・・・彼岸島のガイド・ブックとしてはなかなかよくできていたと考える。もちろん・・・ホラーとしては問題外だが・・・おかしな世界の紀行ものとしてはそれなりに評価できる作品である。はじめての人にもそれなりに優しい彼岸島でした。
涼子(水崎綾女)・・・手首を切っても死なない吸血鬼として・・・篤との愛の記憶に呪縛され・・・生きていた歳月。せめて・・・最後は篤が吸血されてやればいいのにと思う。ここでセリフを作らないで殺すというのは・・・作劇としてはありだが・・・女優への配慮に欠けた脚本である。篤に抱かれてドラマ・オリジナルの窒息攻撃で・・・臨終を迎えるのだった。存在感は抜群だったな・・・。各演出家諸兄はお見逃しなきように。
ユキ(山下リオ)・・・恋人のケンちゃんと紅葉救出作戦に参加。弓矢による吸血鬼殺傷で貴重な戦力となるが・・・このドラマでは基本的にかよわいヒロインなので・・・吸血鬼ケンちゃんの「愛する者を守る戦い」のシンボル化するのだった。紅葉の救助に成功。何度か絶体絶命のピンチに陥りながら・・・主人公・明との抱擁エンドを目指して海までひた走る。かわいいよ、リオ、かわいいよである。
冷(佐藤めぐみ)・・・船長(吸血鬼)を射殺。脱出用の船の確保に成功する。そして・・・生存者たちをひたすら待つのだった。どうやら・・・船舶免許を持っていたらしい。
明(白石隼也)・・・501ワクチンの使いどころを・・・兄との連携の中で模索する。特攻チームと救出チームの両方に顔を出すなど主人公としてのステイタスを発揮。そして・・・ケンちゃんの危機も救い・・・兄を助けた上で・・・作戦を成功させ・・・島からの脱出にも成功するのだった。そして・・・なし崩し的にユキもゲットである。都合良すぎて反感を買うタイプの主人公である。
篤(鈴木亮平)・・・愛しい吸血鬼化した恋人を殺害し・・・恋人の血液によって吸血鬼病に自ら感染し・・・雅との決戦に臨む。一時的な勝利をつかみ・・・恋人の躯をお姫様抱っこして海辺に佇むのだった。ま・・・全部、篤が悪いだけなのだが。
ケン(遠藤雄弥)・・・吸血鬼化したために体力がアップ。ユキとともに紅葉の救出に成功する。結局、陽動作戦となり、救出チームに雑魚吸血鬼が集中・・・乱戦の中・・・愛の底力を開花させるのだった。「海の果てまで走って行け」とユキを送り出し、「ユキを頼む」と明を励ます。そして・・・彼岸島に残留・・・。ドラマ版「彼岸島」の真のヒーローがケンちゃんであったことは言うまでもない。
加藤(勝信)・・・乗船せずに離脱中。脱出に成功したメンバーから土産話を聞く日は近い。
ポン(西井幸人)・・・明の思い出になりました。
西山(阿部翔平)・・・最後の最後で・・・ケンちゃんのピンチに騎兵隊として「細い枯れ枝」で参戦。窮鼠猫をかむ的戦闘力を発揮する。後ろ指をさされないで島を脱出するための計算高さは天晴れである。そして・・・計算通り・・・島からの脱出に成功するのだった。見習いたいものである。
女医姿の吸血鬼・アスカ(大和悠河)・・・雅の子を妊娠しながら・・・明と戦闘中に割り込んだ怪獣村長に不意をつかれ、絶命。まぶしい太股が印象深い。
封印されていた吸血鬼・雅(栗原類)・・・母体とともに絶命した我が子を「不憫」と断ずる。篤と明の兄弟の連携攻撃に苦杯をなめ・・・501ワクチンにより爆散・・・したと見せかけ・・・お約束で復活する。
村長・・・病院長を食って巨大化した亡者。明によって檻から解放され、外壁を破ってアスカを即死させるが・・・雅によって首を切り落とされ絶命。
ハゲ・・・存在を確認できず。乱戦の中で散ったか・・・。
柳島(諏訪太郎)・・・501ワクチンをどこかに隠匿したらしい。その後、島を離脱した模様。
五十嵐軍医(鶴見辰吾)・・・不死身部隊研究の責任者。行き当たりばったりで輸血を繰り返す天才ドクター。諸悪の根源であるが・・・現在はミイラ化しているらしく、登場なし。
寝たきり吸血鬼(大山うさぎ)・・・認知症だが・・・昔のことはよく覚えているタイプで・・・重要なヒントをもたらしてくれたナイスなキャラクター。登場なし。
紅葉(麻亜里)・・・人質にされた冷の妹。病院の一室で監禁されていたが・・・冷が監禁場所を確認。後にケンちゃんとユキによって解放される。脱出行中、ピンチに陥ったユキを自ら武器を取って救援。礼を言うユキら「両親の仇をとりました」と健気な言葉を残す。波止場で待つ姉と合流。悪夢の彼岸島からの脱出を果たす。
長いようで短い彼岸島の旅は終わった。篤とケンちゃんは吸血鬼となった。ポンは亡者として死亡。明とユキ、西山、そして冷と紅葉の美人姉妹が彼岸花の咲き乱れる絶海の孤島を脱したのである。
しかし・・・不死身の雅は人類に対する永遠の呪いを解かないのである。
彼らの悪夢は・・・始ったばかりらしい。
続編がある・・・と言われてもちょっと困るけどね。
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