恋愛彼岸島旅行あいのり(佐藤めぐみ)
「独身貴族」では「僕と彼女と彼女の生きる道」(2004年)の小柳徹朗(草彅剛)と凛ちゃん(美山加恋)が運命のすれちがいをするわけだが・・・本題は・・・三角関係である。
ただ・・・ストレートな三角関係ではなく・・・「運命の二人プラスワン」的な関係が主題だ。
その例として「独身貴族」は映画「めぐり逢えたら」(1993年)を持ちだしてくる。アニー(メグ・ライアン)とサム(トム・ハンクス)が「運命の二人」だが・・・アニーには退屈な婚約者ウォルター(ビル・プルマン)がいるのである。
つまり・・・「二人」が幸せになるために誰かが不幸になるんだけど・・・しょうがないよね・・・という問題なのだ。
もちろん・・・その第三の男が主役になる「カサブランカ」なんていうのもある。
逆に「卒業」なんかでは・・・主役のカップルのために・・・結婚式ぶち壊される第三の男の新郎は「俺が何をしたんだ」的涙目なのである。
こういう展開で・・・「あの二人はひどい・・・」と思う人はきっとあまりもてない人なのだと思う。
だから・・・若い人は・・・こういうドラマを見たら結ばれる二人に感情移入するべきだ・・・。
そして・・・恐ろしいことに・・・「彼岸島」でも・・・この問題は発生するのである。
そういうことをしている場合ではない・・・と誰もが思うべきじゃないかっ・・・。
まあ・・・小学生男子は・・・「好きな女の子がおっぱいを吸わせてくれる」というポイントで・・・きっとうっとりなんだろうけどな。
で、『彼岸島・第8回』(TBSテレビ201312130058~)原作・松本光司、脚本・NAKA雅MURA、友原我聞、演出・横井健司、総監修・三池崇史を見た。
涼子(水崎綾女)・・・吸血鬼として生存中であると思われる。
ユキ(山下リオ)・・・自殺未遂の西山を明との散歩中に発見。救助した模様。その後・・・501ワクチンを捜索中に・・・ケンの吸血鬼病感染に遭遇。吸血衝動に耐えるケンに身を捧げ・・・「私がケンちゃんのために何もできないなんて嫌だ・・・子供にあげるおっぱいだって血液の変化したものだっていうよ・・・私の血を吸って・・・ほら・・・ここに血があるよ・・・」と聖女と化すのだった。
冷(佐藤めぐみ)・・・柳島の逗留した松本家の一族だったことが判明。「お前のせいで・・・ポンは死んで・・・西山は自殺未遂・・・俺は吸血鬼になっちゃった」とケンに詰られるが・・・「悪いのは・・・あいつだ」と篤を弾劾する。両親と妹を人質に取られたために・・・人間誘拐計画を強いられ・・・篤の一家をターゲットにしたと告白。その後は友好的となり・・・寝たきり吸血鬼のばあちゃんを紹介・・・神社に隠匿された501ワクチン発見に貢献する。
明(白石隼也)・・・ユキとのイチャイチャに失敗した後で・・・西山を救助。「好きな女の子を親友に取られても・・・その事実を受け止めて強く生きたい」と決意を表明する。・・・おいっ。「絶望は自分を敵にすること」という名言のようなものを残す。この理不尽な状況を乗り切るために兄に剣の修行を申し入れる。いや・・・剣の道はそんなに簡単なもんじゃないぞ。ま・・・才能があれば別だけどな。主役だからきっとものすごい才能があったりするんだな。その後・・・ケンが「明とユキがセックスしている夢を見て・・・思わずユキに告白してセックスした」「ケンちゃんと明くんのどちらかが告白したらつきあおうと決めてた」という衝撃の告白を盗み聞きする。その後で「私のこと嫌いになったわけじゃないよね」「そんなことあるわけないじゃないか」「じゃあ、おっぱいだと思って私の血を吸いなさい」「愛してる」という展開にアンニュイな気分になるのだった。
篤(鈴木亮平)・・・「あなたのせい」と冷になじられ土下座して詫びる。「ほんとに申し訳ないと思っています」「のうのうと生きててよく そんなことが・・・」とダメだしされて・・・「雅を始末すること」の決意を表明するのだった。その後で冷に昔の写真を見せてもらい・・・その中に雅を見出す。そして・・・柳島が神官の代理をしていたという話から・・・神社に隠匿された501ワクチン発見する。鍵もかかっていないでよくも・・・放置されたまま残っていたものだ。まあ・・・普通は変質して使用期限切れてるよね。
ケン(遠藤雄弥)・・・吸血鬼化したことをみんなに知られ・・・自分で牙があることに驚く。「感染したよ・・・もうカンちゃんとでもセンちゃんとでも呼んでくれ」と自虐のセンスもなかなかであることを示す。ユキと明との三角関係に悩んでいたが・・・ユキが進んで血を飲ませてくれたことに真実の愛を見出すのだった。ある意味、屈指の名場面である。このドラマはもう・・・ケンとユキのドラマだと言っても過言ではないぞ。
加藤(勝信)・・・乗船せずに離脱中。
ポン(西井幸人)・・・死亡した模様。
西山(阿部翔平)・・・自殺に失敗し・・・本当に死ぬ気があったのかどうか疑われる。隠れ小屋に放置される。
女医姿の吸血鬼・アスカ(大和悠河)・・・活躍の場なし。
封印されていた吸血鬼・雅(栗原類)・・・昔の写真に登場。あまり悪そうには見えない。
村長・・・病院長を食って巨大化した亡者だが出番なし。
ハゲ・・・出番なし。
柳島(諏訪太郎)・・・501ワクチンをどこかに隠匿したらしい。その後、島を離脱した模様。
五十嵐軍医(鶴見辰吾)・・・不死身部隊研究の責任者。行き当たりばったりで輸血を繰り返す天才ドクター。諸悪の根源であるが・・・現在はミイラ化しているらしく、登場なし。
寝たきり吸血鬼(大山うさぎ)・・・認知症だが・・・昔のことはよく覚えているタイプで・・・重要なヒントをもたらしてくれたナイスなキャラクター。
結局・・・ユキとケンの初体験事後とケンのユキ吸血で鮮烈なお色気を構成した回。
もう・・・あの忍者居酒屋でバイトしてた人はケンちゃんとしか思えない・・・分かる人だけ分かればいいネタ禁止。ま・・・のだめの大河内でもあるんだけどね。
冷との再会により・・・クライマックスが近いことを暗示。
修羅場はゼロだが・・・愛の修羅場はありました。
嵐の前の静寂ということで納得したい。
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