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2013年12月17日 (火)

あの蒼穹を撃て!・・・でごぜえやす(綾瀬はるか)

・・・なんのこっちゃである。

序盤から・・・何が描きたいのかよくわからない大河ドラマだったが・・・最後にはついに誤射なのである。

いや・・・まさか天を撃てという極左テロリズムの推奨じゃないだろうな。

もちろん・・・そんなことはないという意見もある。

これほどまでに・・・一人の女性・・・しかも限りなく庶民を描いた大河ドラマはかってなかった。

彼女は歴史上の主役だったことは一度もない。

確かに・・・山本覚馬の妹だった。

そして・・・新島襄の妻だった。

会津若松城の戦いにおける男装の兵士だった・・・かもしれない。

だが・・・彼女が歴史を作ったとは言い切れない。

つまり・・・逆に言えば・・・歴史とは無名の人々のうねりに過ぎないということになる。

白土三平かっ。

まあ・・・それもいいだろう。

しかし・・・たとえば・・・八重が勲章をもらう原因となる日本赤十字社入社だ。

「公平」を理想の一つとする赤十字社の精神にのっとり・・・ある意味で孤高の人である八重に最後の活躍の舞台を提供する。

その日本赤十字社はやがて・・・日本の最後の戦争が終った後で・・・在日朝鮮人帰国事業に深く関与することになる。

人道的な事業だったものが・・・いかに悲劇を生んだか・・・ということである。

そこに歴史の恐ろしさがあるのではないか。

1959年、帰国事業に反対する当時の大韓民国政府は韓国工作員による新潟日赤センター爆破未遂事件を引き起こしたりするのである。

理想と・・・現実との・・・馬鹿馬鹿しいほどの乖離・・・。

キッドは平和主義者こそが・・・戦争を招聘する元凶であることを疑わない。

俺は本当の人間を描く・・・と言いながら嘘八百のメロドラマを書く徳富蘆花よりも・・・NG連発の新人女優に共感してしまうADの方がよっぽど好きだ。

ああ・・・単なる好みの問題かよっ。・・・っていうか分かる奴だけ分かればいいネタ禁止だと何度言えばっ。

で、『八重の桜・第50回』(NHK総合20131215PM8~)作・山本むつみ、演出・加藤拓を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。フィナーレを飾るのは勲六等宝冠章を受勲したヒロイン新島八重の三大イラスト描き下ろしで大興奮でございます。画伯におかれましては一年間、御苦労さまでございました。キッドは終盤は伊勢みねや山本久榮にも萌え・・・大山夫妻にうっとりいたしましたぞ~。来年は久しぶりの戦国もの・・・ワクワクいたしますな~。主人公は戦国時代を終わらせた男ではなくて・・・戦国時代が終って舌打ちした男だと思いますけどな~。

Yaeden050 明治27年(1894年)8月、日清両国が宣戦布告。公式に日清戦争に突入。新島八重は広島の陸軍病院で篤志看護婦の取締役として従軍したとされる。9月、平壌の戦いで野津第五師団長は清国兵2千人を戦死に至らしめる。黄海海戦で伊東連合艦隊司令長官は清国巡洋艦「経遠」「致遠」「超勇」を撃沈。10月、鴨緑江作戦で山縣第一軍司令官は九連城(清国領土)を無血で制圧する。11月、旅順口の戦いで大山第二軍司令官は旅順要塞を1日で陥落させ清国兵4500人を戦死させる。この時、旅順で日本兵による清国民間人の虐殺事件が発生する。ゲリラ対策問題の発生である。結局、総力戦となれば無差別大量虐殺は当たり前ということであろう。なお、現場には軍医・森鴎外が参戦している。明治28年(1895年)1月、樋口一葉が小説「たけくらべ」の連載を開始。4月、日清講和条約調印。5月フランス、ドイツ、ロシアによる三国干渉により、遼東半島を中国に4500万円で返還。6月、台湾総督府開庁。明治29年(1896年)5月、山本佐久死去。6月、明治三陸大津波により死者二万人。山本八重に勲七等宝冠章が授与。明治30年(1897年)、6月、京都帝国大学創立。明治31年(1898年)2月、山川浩男爵死去。3月、ロシア帝国が清国関東州に進出。5月、フランス共和国が清国広州湾に進出。6月、英国が清国九龍半島に進出。明治37年(1904年)、日露戦争において八重は大阪陸軍予備病院に篤志看護師として従軍。勲六等宝冠章を授与。昭和3年(1928年)、八重が昭和天皇より銀杯を下賜される。昭和7年6月14日、新島八重死去。享年86歳。

洋風にしつらえた玄関は無人であった。

八重の嗅覚は夫である襄の匂いをとらえていた。

襄の存在が八重の足を急がせた。

奥の客室の扉を開く。

そこには豪華なベッドが置かれていた。

白人女性の胸に抱かれて襄は寝そべっていた。

「無礼者・・・」と美しく気高いヴァンパイヤは赤い目を見開いた。

「夫を返してもらいに参りました」

八重は英語で語りかけた。

「何・・・」とヴァンパイヤはドイツ語から英語に言葉を改める。

「私は新島八重・・・そのものは襄と申し我が夫です」

「・・・」

ヴァンパイヤはじっと八重を見つめ・・・やがて哄笑する。

「これは・・・おかしい・・・妾に・・・口を聞く猿がいるとは・・・」

「猿ではございませぬ・・・あなたのような魔性のものとは違い・・・洗礼を受けたクリスチャンです」

ヴァンパイヤは笑いを停め・・・八重を見つめた。

「面白い・・・このエリーゼ様の誘惑の眼差しが効かぬとは・・・」

「そのような邪眼などこの八重には通じませぬ・・・」

「そうか・・・それでは夫を返してしんぜよう・・・受け取るがいい・・・」

信じられぬ怪力でエリーゼは襄の身体を片手で八重に向かい投げつける。

しかし、八重もそれを軽々と受け止める。

「おかえしいただきありがとうございます。お礼にその汚れた魂を地獄に落してさしあげましょう」

八重の宣戦布告と同時にエリーゼは全裸のまま立ち上がり蝙蝠の翼を広げる。

しかし、八重は拳銃を抜き放っていた。

「会津山本流鉄砲術奥義・・・十字射ち」

銃声が鳴り響き・・・エリーゼの胸に十字架が刻まれる。

「なんと・・・このようなことが・・・」

「あるのでございます」

室内に超常的な旋風が吹いた。

一瞬後・・・エリーゼは塵となって爆散する。

エリーゼの消滅によって襄は呪縛を解かれた。

「八重さん・・・」

「襄・・・」

「私は・・・不浄のものとなってしまいました」

「こんなところで・・・寄り道をするから・・・」

「八重さん・・・私は神に背き・・・不死の道を歩むことはできません」

「襄・・・」

「信仰に殉じたいのです・・・あなたをどんなにか苦しめるか・・・それは分かっています・・・しかし・・・私がすがることのできるのは・・・八重さん・・・あなたしか・・・ありません」

「襄・・・」

「どうか・・・速やかに・・・私があなたの血を欲する前に・・・ああ・・・もう・・・時がない」

八重は・・・対吸血鬼用のクナイを襄の胸に突き刺した。

八重の腕に抱かれた襄は砂となってこぼれ落ちる。

八重は生まれて初めて異国の神に祈った。

「天にましますわれらの父よ・・・願わくば・・・心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたを愛したこの者の魂を救いたまえ・・・」

その声は冷たい冬の夜に虚しく響いた。

関連するキッドのブログ→第49話のレビュー

坂の上の雲の頃

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コメント

年賀状描きで四苦八苦している今日この頃

作品としてはよかったんですが
襄の反戦主義的な主張が

そのまんま左派の方々の反戦的主張におきかえて
主人公にそういう類の台詞を言わせてしまうあたり


「時には戦わなければならない」という

そういう主張であってもよかったのかもしれません

何でもかんでも戦いというと血を流す事しか
考えていないのかとか

もしそういう主張をしたら拡大解釈で戦争までに
発展するのではないかとか

それはそれとしてそういう主義主張は別の番組で
やってほしいものですわな

なんか勝手に徳富蘇峰の弾劾裁判みたいな事を
最後にとってつけてましたしねぇ


一方で
色彩には艶やかさを主体にして見せてましたな

なにより綾瀬さん演じる八重
どんな時でも折れない凛とした佇まい

そういうところが色彩と演技・演出に色濃く
出ていたのではと思える今作でございました ̄∇ ̄

投稿: ikasama4 | 2013年12月22日 (日) 19時43分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

いよいよあと10日なくなりましたな。
あくまでマイペースで・・・年賀状はお早めに。

とにかく・・・綾瀬はるかは
堪能できましたよねえ。

キッドとしてはピンクの傘化けを
妄想する予定でしたのでございますが
最終回までに・・・間に合いませんでした。
襄の葬式の雨の日がラストチャンスだったのですけどね。
やはり・・・明治という時代が
妖怪の登場を難しくしたようでございます。

なぜ・・・吸血鬼や狼男たちが
この世に存在するのか・・・
もう少し解き明かしたかったのでございますが・・・。

基本的に左翼の論調というのは
自分たちの戦い以外は悪という発想が前提なので
厭戦家たちに
吹きこもうとするわけですが
そこがださいというのが分らないんですよね。

ついには・・・「不如帰」が
まるで・・・素晴らしい文学であるかのような
戦前の大日本帝国の正義が
100%なかったような話を
捏造してしまう。

そんなことでは
けして戦争は抑止できないのでございますけどねえ。

そういううかつな思想を
盛り込もうとした部分は
すべて薄っぺらくなり
「東北応援」という狙いは一気に色あせていたと
キッドは考えます。

あの「戦争」で生き残った人々の
忸怩たる思い。

このドラマの最高の見せ場は・・・
やはり・・・
襄といく会津の・・・あの場面にあったような気がします。

人を殺すための道具の修行に夢中になった日々。
そして・・・誰かのために役に立ちたかった少女が
それを果たした時に・・・失ったものの重さ・・・。
それは・・・作者の意図とは無関係に
歴史のもつ力を示したように思われます。

まあ・・・とにかく・・・
下請けに脚本発注してしまうような作者ですので
それ以上は申しませんけれど~。

なにはともあれ・・・一年間お疲れ様でございました。
来年もまたよろしくお願い申し上げます。

✿✿✿✿✿お誕生日おめでとうございます。✿✿✿✿✿

投稿: キッド | 2013年12月23日 (月) 03時42分

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