人生ごっこ~二十歳になったら大人ごっこはありやなしや(新川優愛)
つつがなくクリスマスである。
眼下の商店街ではクリスマス・イヴだと言うのにロケが行われていた。
薄倖の女優さんとか元・子役のセブンティーンが寒さ堪えて佇んでいたのだった。
前夜に前世紀の電子レンジがホットにならなくなったために新規購入について悪魔の卷族に相談すると・・・。
「そろそろ・・・壊れそうだから・・・」と言って一年前に購入していると指摘される。
うわあ・・・まったく忘れていた。
しかも・・・書斎の倉庫に積んであるのだ。
ブルーレイ・ディスクなどの備品をとり出す度に目の前にあったのである。
「あ・・・」と思い・・・認知症と言う言葉が脳裏を駆け巡るのだった。
クリスマス気分ということで・・・とりあえず・・・チキンとビーフシチューをホットにしたのだった。
忘れられていた電子レンジは拗ねることもなく稼働した。
サンタクロースが横切る夜空で星が瞬いている。
もちろん・・・悪魔がクリスマスを祝うことは禁じられているのである。
で、『人生ごっこ』(フジテレビ201312230055~)脚本・小山正太、演出・金井紘を見た。第25回のヤングシナリオ大賞(2012年)の受賞作のドラマ化である。微妙にインモラルな作品であり・・・テレビドラマとしてはギリギリアウトだと思うが・・・これを書いちゃう人も・・・これを選んじゃう人もいるのが・・・爛れた現代というものなのかもしれない。まず・・・ヒロインはいわゆる一つの枕営業をします。そして・・・それを素晴らしいことだと謳っている気配があります。主人公は身分を偽って・・・行きずりの相手と一夜を共にします。ごめんなさいで済むことではありません。そして・・・二人のプライベートの写真を職場で公開するどころか・・・それを使って仕事を有利に進めようとします。こういう感性が・・・リベンジポルノの土壌であることは言うまでもありません。ま・・・それはそれとして・・・そういう人たちも生きている時代だ・・・ということではかなり刺激的とも言えます。そして・・・体当たり的にヒロインを演じる新川優愛には何の罪もないのです。オンエア時にギリギリ未成年だし。
コミック雑誌の若手編集者・灰原洋二郎(森岡龍)は醜男がスーパーヒーローのアクション漫画「カメレオンファイター」の担当さんである。
「カメレオンファイター」の作者・暗木狂四郎(池田鉄洋)は精神的に問題のある漫画家で・・・すぐに自殺を仄めかしたり・・・独断で連載漫画を最終回にしようとしたりするのだった。
灰原はそんな暗木を宥めすかしてなんとか締め切りに間に合わせるという暮らしにちょっと嫌気がさしていた。
そんな灰原に先輩編集者(渋川清彦)は悪い遊びを教える。そして・・・「あまちゃん」の登場人物たちが憧れたガールズ・バーに乗り込むのだった。先輩の教える遊びとは・・・「漫画家ごっこ」である。担当している漫画家になりきって破目を外すという趣向だった。
灰原はあまり気が進まず・・・暗木狂四郎のフリをするのだが・・・「カメレオンファイター」のファンだというマコ(新川優愛)と出会い・・・店外デートに誘われ・・・妙に積極的なマコによってホテルで一夜を共にし・・・あろうことか・・・童貞を失ってしまうのだった。
おいっ・・・である。
マコという恋人ができたことによって・・・生活に潤いが出来た灰原。マコが望む「カメレオンファイター」の新展開を担当編集者として・・・暗木に吹き込み始める始末である。
まさに・・・プロとしての自覚ゼロの素人頼みで・・・漫画家ごっこをしながら・・・編集者ごっこも始めてしまう灰原なのだった。
ところが・・・読者のストレートな要求に応えた「カメレオンファイター」の人気は鰻登り・・・ついに読者投票1位となり・・・アニメ化も決定するという・・・そんなバナナな展開である。
しかし・・・そんな灰原に先輩は「やりすぎだ」と忠告する。
「漫画家ごっこ」で・・・漫画家の気分を味わうのは遊びの範囲だが・・・身分を偽って性行為をしたらある意味犯罪なのである。
「やりすぎっていうか・・・やっちゃってるよね」
「やっちゃってますよ」
「もしも・・・相手の女性に訴えられたら・・・会社を解雇されちゃうぞ・・・」
「・・・」
突然、恐怖を感じた灰原は・・・マコに唐突に別れを切り出すのだった。
しかし・・・マコは拒絶し・・・一緒にお風呂に入って動画をとったり・・・あれやこれやサービスを重ねるのである。
なぜなら・・・マコの本職は声優であり・・・アニメ化される「カメレオンファイター」のヒロインの座を狙って・・・灰原を担当編集者と最初から知っており・・・枕営業をしていたという・・・超そんなバナナな設定なのである。
実は・・・マコは・・・暗木狂四郎の憧れの声優さんなのだった。
アニメ声優のオーディションに現れたマコに驚愕する灰原。
「私をヒロインにしないと訴える」と声優としてのある意味間違ったプロ根性を見せるマコだった。
こうなったら・・・なんとか・・・マコを合格させるしかないとあせる灰原。
しかし・・・暗木は・・・「ファンとしては・・・ヒロインをマコちゃんにやってもらいたい・・・しかし・・・イメージにピッタリの人は他の人だった・・・プロとして私情を交えることはできない」と・・・真のプロフェッショナルとして片鱗を見せる。
たちまち・・・覚醒する灰原。
辞表を懐に・・・マコに謝罪するのだった。
「ごめんなさい・・・実はボクは漫画家ではなくて・・・担当編集者なのです」
「そんなの・・・最初から知ってたわよ・・・私はどうしてもヒロインの役が欲しい・・・それだけよ」
「・・・君のことは・・・ボクなりに調べた・・・声優としても実力派だし・・・ものすごく真摯に仕事に取り組むタイプだという評判だ・・・だから・・・君には・・・必ずチャンスがやってくると思う」
「・・・訴えるわよ」
「ボクは・・・担当編集者として・・・クビになっても・・・それを阻止する」
「・・・」
灰原は・・・編集者としてするべきことをする覚悟だった。
その覚悟に・・・マコは撤退を決意するのだった。
おいっ・・・なのである。
そんな事情はまったく知らないアニメの演出家は・・・マコに・・・敵役を用意していたのだった。
八方丸く収まったかに見えたが・・・正直に真実を打ち明けた灰原に・・・暗木はヘソを曲げるのだった。
「そんな・・・マコちゃんと一夜を共にするなんて・・・許せない・・・創作意欲がなくなった」
「一夜を共にした時の画像もあります」
「が・・・画像・・・」
「見たいですか」
「・・・」
「見たかったら・・・描いてください・・・」
「え」
「そしたら・・・見せてあげてもいいですよ」
「う」
スケベ根性に負けて・・・暗木は猛烈に描くのだった。
おいおいおい・・・なのだった。
つまり・・・プロフェッショナルな仕事とは・・・どこか薄汚れているものだという話なのである。
ま・・・実際そうだと言えないこともないので・・・微妙な気持ちになるわけだが・・・。
ヤングシナリオ大賞がこの方向でいいのか・・・不祥事にまっしぐらなんじゃないかと危惧する今日この頃なのだった。
とにかく・・・倉科カナが好きな人は絶対に好きなはずの新川優愛の妖しい魅力は堪能できる作品である。
まあ・・・堪能できるんだから・・・それでいいかと・・・思ったりもするわけで。
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コメント
あけまして おめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
ずっと読みに来てなかったので、新しいところからさかのぼってきまして・・・
>倉科カナが好きな人は絶対に好きなはずの新川優愛の妖しい魅力は堪能できる作品である。
あ~~~~っ そうだったのか~~っ
と、自分自身が新川優愛に引っかかってる理由がやっとわかったのでありました。
なにせ、CDのCMまで録画保存してしまいましたから(^_^;)
投稿: シャブリ | 2014年1月 9日 (木) 19時14分
いらっしゃいませ。
ふふふ・・・Ricoクラブに無反応だったので
そんなことではと思ってましたぞ~。
新川優愛、小島藤子、倉科カナは
同じリーグに所属していると思われますなあ。
まさにぽっちゃり小悪魔系の皆さん・・・。
キッドが現役の女衒なら
「倉科カナ系のいい娘入ってますよ~」と
お薦めしていると思われます。
特に冬場は捨てがたいタイプでございますよねえ。
本年もよろしくお願いします。
投稿: キッド | 2014年1月 9日 (木) 20時12分