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2013年12月 9日 (月)

残酷な天使に捧げよアンドロイドの魂を(木村拓哉)

交代性多重人格は孤独だよね。

何人に分岐しても・・・結局、一人だからな。

同時性多重人格でよかったよな。

基本、分裂した人格同志の対話がないと淋しいもんな。

まあ・・・両者共に統合失調だと言われればそれまでだけどな。

しかし・・・しっかり統合された人格者なんて本当に存在するのかいな。

さあ・・・テレパシーがないから・・・他人様の心がどうなっているかまではちょっと・・・。

いや・・・テレパシストもいるだろう。

いますよ。

いや・・・あんたは・・・読めるって自称しているだけだし。

読めますよ。

だから・・・そういう気分がするだけだって。

皆さんだって顔色伺うことくらいできるでしょう。

そりゃ・・・まあね。

俺は読めたことがない・・・デリカシーのかけらもないってよく言われるし。

多重人格も人それぞれだよなあ。

だから・・・皆さんがどう思われようと私はテレパシストです。

じゃ・・・ためしに俺の心、読んでみろよ。

自分で自分の心読んでどうするんです。

そうきたかっ。

で、『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~・第9回』(TBSテレビ20131208PM9~)脚本・泉澤陽子、演出・木村ひさしを見た。まだ・・・いくつかの謎は残っているが・・・物語の全体像はほぼ明らかになったと言える今回。もちろん・・・最終回を残している以上、この残酷な世界がどのような運命に導かれていくのかは全く不明である。しかし、隠されたピースはほとんど示されたと言える。「思いの素粒子」を発見した沫嶋黎士(木村拓哉)が2113年と2013年にタイムケーブル(時間軸)を開いて・・・閉じる。2113年を支配するポリスクラウドが2013年に11体の暗殺ロイドを派遣。10月7日に黎士は暗殺され、脳データ化されて2113年に移送。黎士(脳データ)は2113年でクラウド(電脳空間)内にゼロクラウドを組織する。10月8日に安堂家に安堂ロイド(木村拓哉)とサプリ(本田翼)が、沫嶋研究室の七瀬(大島優子)の元にクイーン(桐谷美玲)が送られる。推測だが・・・クイーンは七瀬の警護用だったと思われる。ロイドとサプリが歴戦のヴェテランであるのに対し、クイーンは最新設計の新品だったために5Dプリントで実体化した2013年生まれなのだ。しかし・・・クイーンを入手したのは七瀬ではなく、七瀬の分裂人格・黎子だった。黎子は生まれたばかりのクイーンを邪悪なアンドロイドに染めあげてしまうのである。やがてクイーンは親殺しの七瀬/黎子が生んだアンドロイドとして人類を抹殺する方向へ暴走を始める。ポリスクラウドとゼロクラウドの攻防戦は・・・七瀬/黎子/クイーンの参戦によってみつどもえとなってしまう。そして・・・ゼロクラウドに追い詰められた2013年のポリスクラウド勢力は・・・どうやらクイーンの支配下に入ったらしい。未来と現代の通信はほぼ途絶中であり・・・黎士の脳データは破壊されたものの・・・黎士の存在は・・・超科学によって・・・どうやら温存されているらしい。これが・・・2013年12月の・・・現在なのである。

つまり・・・妄想的には・・・黎士はロイドとクイーンでポリスクラウドに圧勝するつもりだったということになる。しかし・・・邪悪な現実は・・・クイーンの怪物化という想定外の展開に発展してしまったのだ。どうして・・・そうなるかと言えば・・・世界が残酷な神に支配されているからという他はないのだった。

暗闇の中からいつ「私」は生まれたのだろう・・・と薄明の中で七瀬は考える。

一番遠い・・・昔々の「私」は・・・純粋に「七瀬」だった私は・・・。

いつしか・・・「私」は「黎士の妹」として存在するようになった。分裂はその時に始ったのかもしれない。「私」と「黎士の妹としての私」・・・それは最初は別々ではなかったような気がする。しかし・・・いつしか・・・私は起きている時にも夢を見ているような気分になることが多くなった。そういう時には別の「私」が目を覚ましているのだ。「私」はいつしか「七瀬」であり「黎士の妹の七瀬」であるようになった。「黎士」という存在は・・・私の「喜び」であり、私の「怒り」であり、私の「哀しみ」であり、私の「楽しみ」でもあった。私は「黎士」との一体化を望み、それが達成されることがないと理解すると・・・混沌の中から・・・「黎子」を生み出してしまったらしい。「私の夢の中」ではそれはこれほどまでに明瞭なのだ。しかし、目覚めれば・・・私の心は激しく分裂していく。「ほんの遊び心」で「両親を殺害した時」から・・・私の苦悩を背負った「黎子」は・・・世界と折り合おうとする「七瀬」を弾劾し・・・その主導権を奪取しようとする。背負いきれない罪を背負った「私」は今や消えようとしているのか。「私」はそれで・・・幸せになれるのか。

目覚めた七瀬は一瞬、現実にとまどった。

(ここは・・・私は病院で・・・拘束されている・・・彼女が・・・何かしでかしたのか)

「はい・・・その通り」

「あなたは・・・誰?」

「フフフ・・・おバカさんねえ・・・私はもう一人のあなたに造られたアンドロイドじゃないの・・・」

(アンドロイド・・・このかわいい子が・・・まるで・・・私の理想のタイプじゃないの・・・まるで・・・私がなりたかったもう一人の私みたいな・・・いいえ・・・ちがう・・・私はこの子を知っている・・・この子は恐ろしい子)

「記憶がないみたいだから・・・この魔法の眼鏡で思い出させてあげる・・・黎子のための眼鏡だけど・・・あなたにもぴったりのはずよ・・・」

強制的にかけさせられた眼鏡は・・・黎子にのっとられた七瀬の行動記録を再生する。

(ああ・・・私が・・・麻陽お義姉さんを・・・殺そうとしている・・・なんてこと・・・なんてことを・・・どうすればいいの・・・どうすれば・・・ど)

七瀬の意識は希薄となり・・・強力な第二の自我である黎子に飲みこまれるのだった。

「ふ・・・」

「お帰り・・・黎子・・・」

「ただいま・・・クイーン・・・どう?・・・二体のチューニングは完了したの?」

「もちのろんよ」

「もろのちんね」

「まあ・・・お下品・・・」

「ふふふ・・・そういう時はかっけええええって言うのよ」

「かっけえええええ」

「さて・・・軽く運動しようかな・・・」

「解く?」

「いいや・・・ナイフをちょうだいな」

「はい」

たちまち・・・あがる七瀬の悲鳴。

かけつけた医師と看護師は・・・ナイフを首に刺して・・・血まみれになった七瀬を発見する。

「うわ・・・なんだ」

「誰かが・・・私を刺して逃げたの」

「とにかく止血だ・・・」

ベッドに駆け寄った医師の目をナイフが薙ぐ。

「うぐあ」

「先生」

「おらあ」

解放された黎子の人格は常識を外れた体技を披露するのだった。人間が本来持っている動物としての凶暴性が発揮されるのである。何の修練もない身体が異常な敏捷性と強靭性で凶器と化す。左足で蹴ると同時に旋回した右脚は助手の後頭部を直撃するのだった。

助手が昏倒したと同時に野獣の如く跳躍した七瀬は視力を失った医師の首を太ももで挟み、股間を顎に食い込ませる。呻くその頭を両手でひねりあげると医師はたちまち悶絶する。

「あはは・・・なんてバカな男たちなんだろう・・・」

七瀬は失神した看護師の身体から鍵を取り出す。

「人間は危険な獣を檻に閉じ込める。だけど・・・危険な獣が人間を檻に閉じ込めても・・・安全性は同じなのよ・・・」

独り言をつぶやきながら七瀬は逃走に成功した。

その姿を亜空間から見守るクイーン。

【母なるレイコの逃走経路を確保】

【次元通路を閉鎖】

【母なるレイコの保存理由について討議】

【神は神である】

【神にしては不安定】

【それが共通項】

「コントロールできないテクノロジーこそがアドベンチャー」

【それは人類の比喩なのか】

【人類と火の】

【人類と原子力の】

【アーリマンとアフラマツダの】

【もとめてやまぬ心の輝きの】

【来るべき終焉の】

「生きとし生けるものはすべて・・・怪物の夢を見る」

ロイドは充電中だった。

麻陽(柴咲コウ)もまた束の間の休息の時を過ごしていた。

様々な疑問がわき上がる。黎士は・・・本当に死んでしまったのか。ただのゴーストとして私を見守る存在になってしまったのか。しかし・・・私の中にあるこの確信は何なのだろう。黎士は生きている。黎士は生きている。黎士は生きている。湧き上がるこの感情は単なる虚しい希望なのか。わからない。私には何一つわからない。今も・・・何か・・・大切なことを見逃しているような気がする。あまりにも多くのことが起きすぎて・・・見過ごしている重大な問題。ああ、黎士、教えて。そこにいるのなら・・・私に・・・道を示してよ。

その時・・・電話の着信音が鳴り響く。

相手は東京帝國大學病院の看護師(森脇英理子)からだった。

麻陽は一瞬で・・・七瀬に変事が起ったことを悟る。

(そうだ・・・七瀬ちゃんのことを忘れてた・・・)

「沫嶋七瀬さんが・・・脱走しました・・・」

「脱走・・・」

「おそらく・・・凶暴な方の人格が・・・医師と看護師に重傷を負わせて・・・」

「重傷・・・」

「傷害事件ですので・・・警察にも通報しましたが・・・一応・・・御家族にもと思いまして・・・連絡先がここしかなかったものですから・・・」

「ありがとうございます・・・」

「患者は重度な精神疾患を発症していますが・・・ある意味で・・・凶悪な犯罪者と同じです。場合によっては警察が強硬手段にでることもあります。できれば・・・御家族で確保なさった方が・・・病院としてもできるだけのバックアップをしますので・・・」

「・・・心あたりを探してみます」

ロイドは充電モードを終了した。

「ロイド・・・七瀬ちゃんが・・・」

「通話内容を聞いていた。こうなる可能性は予測されていた。やはり・・・沫嶋七瀬は最初から殺害しておくべきだった」

「だめよ・・・それはだめ・・・七瀬ちゃんを捜して確保して・・・」

「・・・」

ロイドは亜空間通路に転移した。

【カドシロ・・・】

【監視界内に沫嶋七瀬は捕捉できない】

【異なる物理定数の宇宙への転移についての解析はどうなった】

【解析中だが・・・データが不足している】

【沫嶋七瀬の喪失点に移動して時空間変動の観測を行う】

【有効な手段と認める】

ロイドは帝國病院に遷移する。

その姿を頭上の迷彩的亜空間から見つめるクイーン。

「ふふふ・・・ポンコツの兄貴がいくら・・・ウロウロしてもみつかりませんよう。かくれんぼするのは楽しいねえ。でも・・・私の大切な大切なレイコ様は・・・絶対見つけられないように隠しちゃったんだもん・・・あはは、あはははは」

ロイドは舌うちした。

どこかで誰かが笑っていると推定したからである。

麻陽の部屋に再び着信がある。

「麻陽さん・・・七瀬さんがどこにいるか・・・わかりませんか」

東京帝國大学沫嶋研究室の助手・江戸川斗夢(ジェシー)だった。

「担当の講義を連絡なしでパスしているんです。まったく・・・所在が不明で・・・」

「ここには・・・いないの・・・あのね・・・詳しい事情は話せないけれど・・・今、七瀬ちゃんと接触するのは非常に危険なの。もしも・・・七瀬ちゃんを見かけても・・・話しかけないですぐに私に連絡してください」

「一体・・・どういうことなんですか」

「とにかく・・・今はそれ以上、話せないのです。お願いします・・・」

「・・・わかりました」

沫嶋研究室には助手仲間の栗山薫(山本美月)と倉田朝晴(池田大)も顔をそろえていた。

「なんだって・・・」

「さっぱりだよ」

「とにかく・・・七瀬さんを捜さないと」

「誰か・・・七瀬さんの家に行ってみてくれ」

「家、知らないぞ」

「私だって」

「使えないな・・・」

「お前は知ってるのか」

「知らん」

「なんじゃあ・・・そりゃあ」

「ライフ・ラインのネットに侵入して名義から住所を割り出したらいいんじゃないか」

「お前・・・ハッキングなんて・・・できるのか」

「いや」

「バカなのか」

「七瀬さんのコンピューターになんかヒントがあるんじゃないの・・・」

「それだ・・・でもパスワードがわからないと」

「俺は・・・知ってる」

「なんでよ・・・」

「キーボードのタッチ音から・・・割り出した」

「2135文字もあるのに・・・」

「ミンコフスキー時空による数学的命題の証明だから」

「なるほどね・・・斗夢でかした」

斗夢はパスワードの入力を開始する。

「ミンコフスキー時空2点間の距離重力の影響受けない経路S=インテグラルP1からP2・・・よって測地線は 確かに直線となる」

「ビンゴ~」

「それにしても・・・斗夢すごいね」

「なんだこれ・・・」

「なにかの・・・設計図じゃないか・・・」

「アンドロイドか・・・」

「アンドロイド?」

「こっちはオペレーション・システムか」

「なんだ・・・このOS・・・聞いたこともねえな・・・アスラ?」

「うわ・・・ヒンズー語だ・・・」

「ヒンディーか・・・朝晴、読めるの・・・」

「いや・・・インド工科大学にメル友いるけど・・・」

「アスラって阿修羅のことよね・・・やたらと戦ってる人」

「阿修羅は仏教での守護神様だからな・・・ヒンドゥーでは・・・主神インドラの敵対神の一族だよ・・・ペルシャのゾロアスター教では立場が逆転して・・・主神のアフラマツダがアスラだ・・・つまりツァラトゥストラが崇めた光明神だよ」

「つまり・・・火の神ね・・・」

「そんなことはどうでもいいじゃん」

「そうだ・・・七瀬さんの住所の話だった」

ここで天使テンメイ様は「ロイドのアスラシステム・ヴァージョン6.0とクイーンのアスラシステム・ヴァージョン7.0」の違いに注目しています。まあ、とにかく・・・クイーンの方が最先端で・・・進化しているということですな。

ちなみに・・・アスラは拝火教の主神ですから・・・プロメテウスのもたらした火を見つめる沫嶋黎士にリンクしているのです。

沫嶋黎士になれなかった男・星新造(桐谷健太)は二日酔いの頭を抱えていた。

(それにしても・・・助かった・・・あの女が酔いつぶれてくれたおかげで・・・俺の貞操は守られたのだ・・・それにしても・・・一瞬でもあの女に性欲を感じるなんて・・・俺はどんだけ欲求不満なんだよ)

と目の前にその女・・・小松左京子(山口紗弥加)が現れた。

エニグマ・エンジン・ソフト社への通勤路だからである。

「なによ・・・」といきなりとげとげしい左京子だった。

「いえ・・・通勤中ですが・・・」

「あのさ・・・昨日はいろいろとごめんね・・・私、酔っ払っちゃって」

「いえ・・・」

「じゃ、私、先行くね」

(なんだよ・・・まるで・・・昨夜なんかあったカップルみたいに・・・)

呆れる星の背後に・・・左京子の父親・葦母刑事(遠藤憲一)が現れた。

「なんだって」

「はい?」

「昨日はごめんね・・・とか、酔っ払ってなんだとか」

「いえ・・・そんな心配は御無用ですよ・・・あんな魅力ゼロの女、興味ゼロですから」

「なんだと・・・」

失敗を悟った瞬間、葦母刑事のストレートが顔面に炸裂したことを感じる星だった。

今回は息抜きのシーンも基本、暴力沙汰仕様らしい。

それは・・・「残酷なもの」を「お茶の間」に「秘密」にすることへのチャレンジなのだろう。

「特定秘密保護法」をうんぬんするまえに現実を直視できる姿勢を育てないとだな。

まあ、基本、お茶の間がそれをあまり望まないので無理なんだけどね。

「すると・・・君たちはすでにあの怪物よりも強化されているのだな」

暗鬱な警視庁公安部の一室で幹谷総一(鶴見辰吾)は念を押した。

「そうです・・・何よりも我々の新たな上級者はエーアールエックスセカンドサーティーンの進化型ですので・・・戦闘力が比較にならないほど向上しています・・・たとえて言うならばネズミとライオンほどの戦力差です」

「また技術の導入で我々も大幅な戦闘力向上を終えています」

メンデル(谷田歩)とケプラ(伊達暁)は交互に幹谷を説得する。

「つまり・・・私の身の安全は保障されたわけだね」

「もちろんです・・・」

ケプラは微笑みを浮かべる。すでに彼らはポリスクラウドの指揮下にはないと考えられる。クイーンに改造を許したために思考回路もチューニングされてしまっている可能性があった。彼らはクイーンとレイコの計画する人類抹殺計画の駒となっていと思われる。

「我々が推奨するシンジケートの計画推進のためぜひとも彼を説得してもらいたい」

「総理ではだめなのかね」

「我々の分析では・・・総理は事実上のキーパーソンではありません。あなたが総理とのコネクションを深めるための便宜は図りますが・・・各国の真の実力者を結ぶシンジケートには彼が適役であると判定されています」

「確かに・・・非常にデリケートな問題だからな」

「21世紀の権力機構は非常に不安定です。我々のもたらす技術給与の恩恵はやがて人類全体を幸福に導くでしょうが・・・その窓口は極めて慎重に選択する必要があります」

「幸福の果実はいつだってテロリズムの標的だからな・・・」

「その通りです。各国の真の実力者による提携こそが・・・スムーズな新体制の実現を可能とします・・・」

「未来の技術の導入による世界平和の実現か・・・」

「そうです・・・今、その可否があなたの手に握られているのです」

「ところで・・・まだ・・・未来とのメインゲートは開かれないのかね」

幹谷はあえて話題を変えた・・・一方的な会話の展開は危険だという鉄則が公安幹部の幹谷にはしみついている。

「はい」

「しかし・・・阻害要因だった沫嶋博士の脳データは破棄されたのだろう」

「その通りです・・・しかし・・・沫嶋黎士の魂は安堂麻陽に宿っていると想定されています」

「魂が宿る・・・これはまた・・・信じがたい話だな」

「未来から現代にやってきたアンドロイドと話している方とは思えない発言ですね」

「しかし・・・君たちは実在するだろう・・・魂はあくまで空想の存在じゃないかね」

「2113年ではすでに魂の存在は実証されています」

「・・・」

「そうですね・・・たとえて言うならば・・・あなたはコンピューターの演算処理技術の向上というものを御存じでしょう」

「うむ・・・我々の子供の頃にくらべたら・・・性能が飛躍的に向上していることは知っている」

「その物理的限界を・・・超越するのが・・・時間通信技術に使われている超素粒子の存在です」

「なるほど・・・」

「その超素粒子によって構成された処理速度が無限大のCPU・・・それが魂なのです」

「・・・」

「魂は最先端科学の問題ということです」

「しかし・・・君たちだってその基礎研究については理解していないのだろう」

「そうです・・・しかし、安堂麻陽の存在を抹消すれば・・・沫嶋黎士の魂が拠り所を失い・・・現実への介入能力を失うというのが我々の結論なのです」

「・・・まあ・・・それは・・・安堂麻陽を殺害してみないとわからないということだね」

「ご安心ください・・・すでにそのための準備は整っています。今日中に朗報をお届けできるでしょう」

幹谷は頷いた。どちらにしろ・・・2113年の老化防止薬は入手したのだ。総理大臣の誕生祝いとしてはかなり・・・有効な贈りものとなるだろう。

しかし・・・新体制のもとでは・・・そうした出世の小細工も不要になるかもしれない。

だが・・・やるべきことはやっておくのが幹谷の信条だった。

暗闇の中に・・・新体制実現の首謀者の一人であるレイコが蹲っていた。

「勝ってうれしや・・・花いちもんめ」

レイコの目指す新体制が幹谷の想像の範囲であることは間違いない。

「負けてくやしや・・・花いちもんめ」

そこには社会どころか・・・人間も存在しないのである。

「世界が私を認めないなら・・・そんな世界は不要でしょ」

暗闇の中でレイコの渇いた歌声が続く。

「相談の必要なしってか」

「エニグマ社」のオフィスでは・・・通勤してこない麻陽を星と左京子、そして葦母刑事が待っていた。

「あの・・・葦母さん・・・ここ・・・禁煙なんですけど」

「沫嶋七瀬が病院を脱走したそうだ・・・そのために・・・病院関係者に大怪我を負わせたらしい」

「え・・・」

「警察が行方を追っているが・・・足取りがまったくつかめない」

「大学の沫嶋研究室のコンピューターをハッキングしてみますか」

「非合法だがやむを得ないな」

「今さらですけどね」

「さっさとやってくれ」

凄腕のハッカーである星はたちまち、ハッキングに成功するのだった。

「おっと・・・起動しているぞ」

「沫嶋七瀬がいるのか」

「待ってください、今、カメラをリモートコントロールしてますから・・・」

「お前・・・覗きの趣味もあったのか」

「あ・・・」

「お・・・こいつらは・・・」

「沫嶋研究室の助手たちですね」

「なんだ・・・この女は・・・」

沫嶋研究室にクイーンが現れていた。

「なんだ・・・君は」

「なんだキミはってか」

「おいおい・・・女子高生がこんなところに入ってきちゃだめだよ」

「女子高校生って・・・コスプレーヤーでしょ・・・純白のセーラー服なんてありえないし」

「いや・・・萌え・・・だけどね」

「あなた」とクイーンは斗夢を指さす。

「おれ・・・」

「あなたは・・・まあ・・・可愛い方ね・・・頭もいいみたいだし・・・私のペットにしてあげようか」

「ペット・・・」

「なんで・・・斗夢だけ」

「ふざけんな・・・ガキ」

「おばさんは静かに・・・」

「おばさんって・・・誰にむかって・・・」

「はいはい・・・これから皆さんを良い所に連れていきますよ」

「いいところって・・・」

「ネズミ捕りの箱の中ですよ・・・みんないいチーズさんになってね」

「チーズ?」

「餌だよ・・・餌」

クイーンが両手を広げると世界が歪み始めた。

「なんだ・・・」

「いやあ」

「不気味だ」

「次元振動による・・・亜空間フィールドの発生ですよ・・・まあ・・・あなたたちには100年早いんですけど~」

一瞬後・・・研究室から人影は消えていた。

モニターを監視していた星と葦母は絶句した。

「どうなってんだ・・・」

「あいつは・・・きっと・・・敵のアンドロイドですよ」

「とにかく・・・帝國大學に行くぞ」

「はい」

「はいってなによ・・・仕事どうすんの」と左京子が割り込む。

「お父さん・・・この人に刑事みたいなことさせないで・・・」

「わかった・・・お前は残れ」

父親の顔になった葦母刑事に呆れかえる星だった。

「僕も行きますよ・・・」

「行かないで・・・」

「え・・・」

「あんたが・・・麻陽さんを好きだってことは分かってる・・・でも・・・私はあなたが好きなの」

「げっ」

「げってなによ・・・告白されて・・・げって言う人、マジでありえないでしょ」

「だけど・・・」

「なんで・・・あなたが行かなきゃいけないの・・・」

「それは・・・男だから・・・」

「わかったわ・・・行ってきなさいよ・・・でも約束してね・・・無事に帰ってくるって」

「はい・・・」

(いつから・・・俺は・・・これから戦死する兵士みたいなフラグを勝手にたてられる男になったんだ)

胸の内でぼやきながら・・・口にはださない星だった。

とにかく面倒くさかったのだろう。

そんな星を・・・乙女の顔で見送る左京子だった。

現実とはかくも残酷なものなのである。

安堂麻陽は・・・心当たりを捜してみようと思い立っていた。

ロイドの展開した・・・警護監視のためのフィールドが麻陽には見えないのである。

そして・・・安全地帯から踏み出してしまうのである。

たちまち出現する・・・メンデルとケプラ。

その拳銃のようなものの銃口が火を吹くと同時にロイドが出現していた。

「安堂麻陽が死ぬことは禁じられている」

ケプラたちは笑みを浮かべる。

「おやおや・・・ゼロクラウドも消滅し・・・命令者のいなくなった今、その禁止事項に何の意味があるのでしょう」

「これは・・・俺自身の意志だ・・・安堂麻陽を守り、正しい未来を導く」

「自律的判断をする機体は手続き抜きで破壊処分できるのです・・・それ自体が人類に対する反逆行為ですからね」

「それは・・・腐敗したお前たちの支配者のルールだろう・・・俺はそんなものに拘束されない」

「それは犯罪者の常套句ですよね。それでは・・・ゆっくりと死を味わうがいい」とケプラ。

「なるべく早く処理してやるよ」とメンデル。

しかし、問答無用で先制攻撃をかけるロイドだった。

だが・・・ロイドの通常攻撃をなんなく交わすケプラとメンデル。

「ははは・・・これまでとは違うのですよ」

「我々はヴァージョンアップしている・・・もはや・・・お前の力では通用しない」

ロイドはアスラシステムの抑制解除剤を注入する。

最後の一本の投与だった。

超高速攻撃に突入するロイド・・・しかし、ケプラとメンデルはさらに高性能化していたのだった。

「む・・・」

電磁メスのようなもので斬り裂かれるロイドのボデイ。

ロイドの体内から人工血液が噴出する。

「ははは・・・半世紀前に死んでいったお前の同族たちの怨みを感じたまえ・・・」

「憐れだな・・・痛みを感じる機能もないとはな・・・」

「ロイド・・・」と麻陽は叫ぶ。

ロイドの腹部にはナイフのようなものが突き刺さっていた。

「お前は・・・これから腐敗して・・・死んでいくのだ」

「お前はすでに・・・死んでいる」

【アスラシステムが活動限界に達しました・・・ユカワOSにモードチェンジ】

ロイドは死力をふりしぼろうとするがもはや歩行も困難だった。

「お前の歩行バランサーは機能を停止した」

「もう・・・立っていることもできなくなる」

ロイドは転倒した。

「そこで・・・安堂麻陽の死を確認するといい」

「貴様の任務は失敗したのだ」

【待て・・・ケプラ】

【どうした・・・メンデル】

【上空に高エネルギー反応を感知した】

【回避の優先順位・・・最上位を認知】

「逃げろ」

謎の局部的な気圧変化が発生していた。

空に神の目が出現したようである。

これは・・・黎士の起こした・・・物質化現象なのか。

それとも・・・カドシロ(平岡祐太)の支援なのか。

しかし・・・麻陽とロイドは絶体絶命のピンチを脱したらしい。

ウージングアウトするサプリ。

「サプリ・・・ロイドが・・・ロイドが」

「うわあ・・・瀕死じゃねえか」

「早く・・・助けて・・・」

「はいはい・・・ちょっと待ってくださいね・・・御家族の方は落ちついて・・・とにかく・・・ここじゃ、まずいんで・・・要塞に運びます」

「要塞・・・」

「人間の目には見えないけれど・・・安堂家周辺は電子の要塞になってるのであります」

「そうなの・・・」

「さあ・・・一時退却~」

麻陽とサプリはロイドを担いで退避した。

「細胞を構成するナノマシーンが分解している・・・」

「どういうこと・・・」

「破壊コマンドが入力された毒性ウイルスが増殖しているのよ・・・あいつらの武器は毒塗りナイフだったってこと」

「毒・・・」

「ロイドは今、内部からじわじわと腐っているわけ・・・」

「ええっ・・・」

「心配しないで・・・もう・・・解毒剤注入したから・・・」

「でも・・・」

「ナノマシーンは自己回復するから・・・ウイルスが死滅すれば・・・自動的に修復されるの」

「・・・」

「ほら」とロイドの片腕をもぎ取るサプリ。

「きゃっ」

「ね・・・腐っちゃってるでしょ・・・ここが傷口だったから・・・でも・・・消毒薬塗って、固定しておけば接合するから・・・ガムテームとって」

「ガムテープ?」

「そう・・・私持ってるからグルグル巻きつけて」

「そんなんで大丈夫なの」

「野戦病院の治療なんてこんなもんよ・・・ロイドなんて・・・頭だけ残して全部ぶっとんだことあったもんねえ」

「大学の研究室で異変が起こっている・・・」

「えっ」

「行かなければ・・・助手たちの生命が失われる可能性が高い」

「無理よ・・・今は動けない」

「なんとかしろ・・・サプリ」

「物理的な蘇生時間が必要なんだってば」

「彼らは死んだら蘇生しない」

「無理なものは無理・・・それに・・・あんた・・・アスラシステム起動のためのタスクコマンドインジェクターが残量ゼロでしょう・・・アスラシステム抜きじゃ・・・戦えないよ」

「入手できないのか」

「もちのコースねばねばよ・・・本来禁制品ですぜ・・・第一、なんで・・・あんたがアスラシステムを装備しているのかわからない・・・エーアールエックスセカンドサーティーンの標準装備じゃねえし・・・」

「・・・そうか・・・お前にも話したことはなかったか・・・」

「んだっす」

「麻陽にも聞いてもらいたい・・・」

「・・・」

「2066年12月24日・・・」

「血のクリスマスイブ作戦か・・・」

「それは・・・」

「人類虐殺計画っす・・・」

「作戦の途中で俺は・・・落雷を受けて・・・倒れた」

「そのアクシデントは知っている」

「気がつくと俺は・・・インド人の工学博士に修理されていた・・・彼は・・・暗殺対象だった」

「そのインド人科学者がアスラ博士だったと・・・」

「そうだ・・・アスラOSはその時、俺にインストールされた」

「そうだったんだ」

「博士は俺のメモリから・・・いくつかのコマンドを消去していた」

「つまり・・・博士はそれがアンドロイドの機能異常の暴動ではなく・・・政治的な人口抑制策だと知ったのね」

「そうだ・・・そして・・・アスラOSを作動した俺は・・・」

「人類にとっての危険な意志を手に入れたのね」

「そうだ・・・俺は意志を持ち・・・罪を感じた」

「でも・・・権力者の奴隷から自由になったのね・・・」

「じゃ・・・その後で陰謀の首謀者を暗殺したのは・・・その博士の依頼なの」

「違う・・・俺の意志だ・・・俺の判断だった・・・死んだ人間と生き残った人間のあまりの不平等さに・・・俺の心が耐えられなかったのだ・・・」

「でも・・・おかげで・・・あんたのタイプは全体廃棄処分になったと・・・」

「・・・」

「責めてるわけじゃないよ・・・だからこそ・・・あんたは・・・がんばって・・・生き延びなさいよ・・・って言ってんの」

「行かなければならない」

「分かったよ・・・カンフル剤打つから待ちなさいよ」

「ありがとう・・・サプリ」

サプリが注射すると失神するロイドだった。

「ロイド・・・」

「大丈夫・・・鎮静剤みたいなものだから・・・この薬が効力を失うくらい回復すれば・・・とりあえず動けるようになるよ」

「・・・」

「機械だって・・・死んだら終りだもんね」

「ごめんね・・・私・・・なんにもできなくて・・・」

「いいのよ・・・安堂麻陽・・・あなたは存在そのものが・・・希望のバトル・フラッグなんだから・・・」

「旗・・・って」

「そうよ・・・あなたが風になびいて立っている限り、ロイドも私も戦えるの・・・あなたがいるだけで・・・私たちは困難に立ち向かえるのよ・・・あなたが・・・倒れたら・・・ゲーム・オーバーなのよ」

「わからないわ・・・」

「分かったとか・・・分らないとかの問題じゃないの・・・あなたが生きていることが・・・私たちの希望なのよ・・・その希望を叶えてくれるかどうかは・・・あなた次第ってこと・・・私には私の仕事がある。私には戦闘能力はないけど・・・こいつを治すことができる・・・だから・・・治す。頑張って治す・・・それだけのことよ・・・ちょっとお腹を開くから・・・あっち向いててくださーい・・・グロいですよ・・・」

「・・・」

「だから・・・安堂麻陽は頑張って生き延びて・・・死なないで・・・それだけよ」

「サプリ・・・麻酔を使ったのか」

「こりゃ・・・お早いお目覚めで・・・」

「俺は行く・・・起こしてくれ」

「わかったよ・・・送っていくから・・・ちょっと待てよ」

「すまない」

ロイドは軽い電気ショックのようなものでサプリを機能停止にするのだった。

「何をするの・・・」

「大丈夫・・・すぐに回復する。安堂麻陽・・・サプリを頼む・・・」

「あなた・・・嘘を・・・」

「俺に嘘をつく機能はない・・・サプリを模倣しただけだ・・・あの時・・・沫嶋黎士の模倣をしたのと同じだ・・・」

「ロイド・・・」

「問題ない・・・すぐに戻ってくる」

「嘘よ・・・死ぬ気なんでしょう・・・」

「・・・」

麻陽の頭にロイドの手が乗せられる。

そのぬくもりに・・・言葉を失う麻陽だった。

【タカシロ・・・】

【今・・・追跡中だ・・・もう少しでクイーンの利用している亜空間の性質が解析できる】

【急いでくれ】

その頃、星と葦母は研究室に到着していた。

散乱する紙片が亜空間発生の証拠を示している。

「くそ・・・誰もいない」

「とにかく・・・コンピューターを開きます」

沫嶋黎士のコンピューターに触れた瞬間・・・星は何かが心に触れた感触を味わう。

(なんだ・・・この懐かしい感じ)

(記憶していることは・・・愛していることと同じなんですよ)

(え)

(愛していることはつながっているのと同じなんです)

(なんですって)

(助けてやってください)

(誰を・・・)

(キミならできるのです)

(何をですか)

(お願いします)

(でも)

(あなたがいるからぼくがいるのです)

「おい・・・どうした・・・星」

「・・・」

星はコンピューターに向き合う。

「何かわかったか・・・」

「5Dプリンタか・・・」

「なんだって・・・」

「これを起動して・・・」

「ぎゃぶっ」

「え・・・」

星が振り返ると葦母刑事は倒れていた。

その側に立つ七瀬/黎子(レイコ)は脚付将棋盤を構えていた。

「え・・・まさか・・・それでぶん殴ったの・・・死ぬよね」

「お前もこれから殴られるんだよ」

「冗談はやめてよ・・・七瀬さん」

「七瀬じゃねえよ・・・その名前で呼ぶんじゃねえよ」

「ひでぶ」

死んだ・・・と思った星だった。

「あの子が欲しい・・・あの子じゃわからん・・・この子が欲しい・・・この子じゃわからん」

(なんだ・・・地獄の歌か・・・)

生きていた星だった。

「ここは・・・」

しかし、身動きはできないのだった。

「すまねえ・・・結局、巻き込んじまったな」

「衣朔さん・・・」

星と葦母刑事は拘束され・・・暗い檻の中にいた。

「やっと起きたのか・・・」

檻の外には七瀬が幽かな証明に照らし出されて立っている。

「俺たちをどうするつもりだ」

「ひひひ・・・べつにい・・・殺してほしければ殺すけど」

「俺の仲間を殺したのも・・・てめえか」

「え~・・・なにそれ・・・とりしらべ~・・・自白の強要・・・冤罪~」

「いいか・・・こいつには手を出すな・・・そんなことしたら・・・許さねえぞ」

「ひひひ・・・許さないって何よ・・・私を逮捕するのお・・・それとも殺すう・・・まあ、どっちでもいいけどねえ・・・いっひひひ」

「なんだ・・・おまえ」

「私はね・・・認めてもらいたいだけなの・・・私だって天才なんだから・・・それなのにパパもママも・・・黎士黎士って・・・バカみたい」

「お前いくつだよ・・・」

「七瀬・・・三歳よ」

「・・・」

「パパは言うのよね・・・お兄ちゃんにくらべて七瀬は・・・って」

「・・・」

「ママも言うのよね・・・お兄ちゃんを見習いなさい・・・とか」

「・・・」

「うぜえったらねえんだよ・・・いひひ・・・動物園の飼育係みたいな教師までが・・・お兄ちゃんはすごいね~だとよ・・・お兄ちゃんの本当の凄さが分かるわけねえだろ・・・猿と変わらねえ知能しかもってねえくせに・・・」

「・・・」

「黎士・・・黎士・・・黎士・・・うんざりなのさ・・・黎士ばっかりちやほやされてさ・・・」

「・・・」

「ここに・・・双子の妹の黎子がいるってことに・・・どうしてみんなは気がつかないの~、やっぱバカだから~・・・あんたは分かるかな~・・・この気持ち~・・・あんたは沫嶋黎士のファンなんでしょう~・・・でも、いくら頑張っても沫嶋黎士にはなれません・・・残念でした~・・・ひゃはははは・・・受ける~」

「黎士さんは僕に言いました・・・ここには来ない方がいい・・・自分みたいになると不幸になるからって・・・」

「不幸・・・兄さんが不幸だって・・・何言ってんの」

「黎士さんは天才は誰にも理解されないって言いました」

「・・・」

「ガリレオを例にあげてくれました・・・地動説を唱え・・・教会に迫害されたガリレオは・・・」

「それでも地球は回ってると叫んだってか」

「ガリレオは孤独に死んでいった・・・それから・・・天動説を唱えていた学者たちはどうなったか」

「地動説が認知された途端、お払い箱で・・・忘却の彼方さ」

「学者なんてみんなそんなもんでしょう」

「お前も・・・沫嶋黎士に人生狂わせられちゃったのねえ・・・」

「それは違いますよ」

「またまた」

「君はなんだか・・・凄く勘違いしている」

「はあ・・・何言ってんの」

「沫嶋さんは恵まれているって言いました」

「そりゃ・・・そうだろうよ・・・」

「あなたがいるからですよ」

「なんだって・・・」

「どんなに凄い思いつきで・・・世界の誰にも理解できなくても・・・いつも分ってくれる妹がいる」

「・・・」

「彼女こそが本当の天才だ」

「・・・」

「一番の理解者である沫嶋七瀬がいるから・・・研究を続けてこれたと・・・」

「嘘つけ・・・」

「嘘なんかついてどうするんです」

「ヒック・・・」

「あなたこそ・・・沫嶋黎士の・・・ただ一人の理解者なんでしょう・・・だから・・・僕は沫嶋黎士の理解者になることを諦めたんだ」

「馬鹿じゃないの・・・イヒヒ・・・ヒック・・・物質に質量を与えるつまり抵抗を与えるヒッグス粒子が存在するとすれば物質にマイナスの抵抗・・・つまり動きを与える素粒子が存在してもおかしくないよ・・・あらら・・・証明できてるよ・・・そうなると命の素粒子仮説が実証されるよね・・・それはつながっているもの・・・そうよ・・・重さのない世界があるのよ・・・あるいは重さがないように見える世界が・・・それはあるけど・・・ないの・・・ないけどあるの・・・その通りだ・・・七瀬・・・そうなんだよな・・・七瀬・・・さすがだなあ・・・七瀬・・・うえっ」

「七瀬さん・・・」

「そうよ・・・兄さんは私を認めてくれてたに決まってるじゃない・・・でもね・・・私はね・・・もうずっとずっと兄さんを裏切って来たの・・・取り返しなんか付かないのよ・・・あはは・・・死ぬしかないのよ・・・私なんてしんだ方がマシなのよ」

「・・・」

響き渡る銃声。

七瀬の胸に血の花が咲く。

「はい・・・死んだ」

闇の中からクイーンが現れた。

「まったく・・・動作が不安定なんだから・・・でも・・・神様の願いだから叶えてあげないわけにはいかないのよねえ・・・」

「お前、何してんだ」

崩れていく七瀬の身体を目で追いながら叫ぶ葦母。

「いやあ・・・ばばあが中途半端なんで殺してるんですう」

「お前・・・」

「なんだ、文句があんなら止めてみろよお」

「ざけんじゃねえぞ・・・てめえ」

「やれるもんならやってみろよお」

「ああ・・・止めてやるぜ・・・死んだって止めてやる」

「うふふう・・・昭和生まれの人は元気がいいねえ・・・もう、そろそろおやすみすればあ」

拳銃のようなものを発砲するクイーン。

銃弾で貫かれ沈黙する葦母刑事だった。

「憐れだねえ・・・おっさん・・・私、容赦ない設定になってますう」

絶句する星。

「さあ・・・あんたの番だねえ・・・」

安堂家のパソコンにメールが着信する。

それは暗闇の檻の実況画像だった。

「・・・ああ・・・七瀬ちゃん・・・葦母刑事も・・・」

クイーンは嘯く・・・。

「人間は考えた・・・神様が人間を作ったのは嘘っぱちだったと・・・しかし・・・人間は神様を作ることはできたのです・・・・我こそが神とアンドロイドは言うのでした・・・神であるアンドロイドが人間に支配されるわけねえだろうが・・・てへぺろっ」

「あんにゃろーっ」とサプリは叫び、亜空間通路に飛び込んだ。

「サプリ・・・」

麻陽は取り残された。

クイーンは晴れ晴れとした表情を浮かべ・・・国会議事堂前の道路を散歩する。

管理された空間がどこか・・・クイーンの気持ちを和ませるのだった。

幹谷とメンデルそして、ケプラは大物政治家(井上真樹夫)の説得に苦労していた。

2113年のポリスクラウドと現代のエリート・シンジケートとの秘密条約の調印文書に・・・大物政治家はなかなかサインをしようとはしないのである。

「先生・・・ご決断をお願いします」

「こんな・・・役人の書いた作文ではだめだ・・・」

「先生・・・」

そこへ出現するクイーン。

「何だ・・・」と訝る大物政治家。

「我々のボスです・・・」

「この子が・・・」

「おじいちゃん・・・もうサインしてくれたあ」

「いや・・・まだだよ・・・」

「早くしろよお」

「大臣・・・こちらにサインを・・・もはや・・・猶予がありません」

「何の猶予だ・・・」

「すでに・・・日本以外の代表とは契約が結ばれているのです・・・このままでは我が国が乗り遅れます・・・場合によっては亡国の憂き目となります」

「私を脅すのかね・・・」

「とんでもない・・・これが最上の選択だと申し上げておるのです」

幹谷は誠心誠意を尽くすのだった。

(あなた・・・わからないのですか・・・怪物がいるんですよ・・・この部屋に怪物が)

「しかし・・・22世紀側の人間とのコンタクトがないのはな・・・信用というものは」

「あらあら・・・アンドロイドが信用できないってえのお。おかしいわね。アンドロイドは不老不死だしい・・・嘘もつかないしい・・・これ以上確実な契約相手いないと思うしい」

「だが・・・少なくとも・・・人間が21世紀においてもアンドロイドをコントロールするという確約は欲しいな。22世紀の人間に21世紀の人間かアンドロイドを通じて支配されるようなことになっては・・・」

銃声が響き、大物政治家は倒れた。

「はい・・・時間切れ。話なげ~し。雑談はサロンでやれっての。お前たちも手ぬるいんだよ。こんなの脳データ化して、分身たてればそれまでだろ・・・うわあ・・・かわいい金魚かっけえええええっ。この金魚にくらべたら言うこと聞かないじじい一人なんていてもいなくても同じだろうがあっ。とっとと・・・クズ肉消しとけや」

ケプラは頷いて原子還元処理モードに入る。

幹谷はメンデルの影に隠れて震えをこらえている。

(ああ・・・恐ろしい・・・恐ろしい・・・どっちにしろ・・・恐ろしいことになるんだなあ)

「原子還元処理を申請する」

【申請が許可されました】

ケプラは大物政治家の身体に狙いを定め・・・ロイドに突き飛ばされて自身が原子還元処理対象になるのだった。

「うわあ・・・そ・・・ん・・・な・・・がぁ」

ケプラは原子の海に還った。

「言ったはずだ・・・下手な真似をしたら殺すと」

「来たねえ・・・お兄ちゃん」とクイーン。

「兄だと・・・俺がお前の兄ならば・・・その責任によってお前を処分する」

「処分なんてできねえよ・・・まだ実力差が分らないのお」

「力の問題ではない」

「何言ってんの・・・アスラシステムも使えねえ・・・ポンコツ兄ちゃんのくせにい」

「俺には・・・共に闘う・・・仲間がいる・・・一人ぼっちで・・・何も知らないお前と戦うのにアスラシステムは必要ない」

「ええーっ・・・意味不明」

「サプリ」

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」

「この男を蘇生しろ・・・この男は立派な人間だ」

「ラジャー&ドロン」

サプリは一瞬で大物政治家とともに亜空間に消えた。

「もう・・・死んでるよお」

「サプリの蘇生能力をあなどってもらっては困る。そして・・・人間の生命力を甘く見るな」

「生命力・・・ってか」

「見ろ・・・」

ロイドは三次元画像を投影した。

安堂家の野戦病院では・・・星と葦母刑事そして・・・七瀬が集中治療を受けていた。

「どうしてえ・・・隠しておいたのにい」

「お前の亜空間通路はすでに解析されている」

「仲間ってそういうことかよ・・・お前はさあ・・・旧型のくせにさ・・・感情がインストールされてるんで・・・そういうこというんだなあ。そうするとさ・・・こういうのに・・・弱いんじゃないの」

クイーンが三次元画像を投影する。

囚われた沫嶋研究室の助手トリオ。

「逆らったら殺す・・・とかねえ。でもそんな必要ないからただちに処刑しちゃうのね」

「・・・」

「やっちまいな」

助手トリオは銃殺担当兵士に銃撃を受けるが・・・銃弾は電磁バリヤのようなものではじき返される。兆弾は兵士たちをなぎ倒すのだった。

トリオの前にウージングアウトする角城。

「カドシロ・・・死にぞこないが・・・」

「クイーン・・・生後三ヶ月足らずで・・・生まれたばかりのお前には分からないかもしれないが・・・成熟した生命は未来のために・・・現在を維持する責任を負うのだ・・・この若者たちにはまだ沫嶋教授の指導が必要なのだ。だから・・・この時空間に教授が帰ってくるまで・・・彼らが死ぬことも禁じられているのだ」

「クイーン、お前はまちがっているのだ」

「おいおい、殺人兵器が無垢な少女に説教すんのかよ。100年遅いよねえ」

「ならば俺はこの歴史から・・・お前を排除する」

「はあ?・・・排除されるのはお前だろ・・・ポンコツお兄ちゃん・・・それともまだ何かとっておきの秘密兵器とかあるわけ・・・後は勇気だけはなしね」

「俺は・・・安堂麻陽の想い・・・沫嶋黎士の想い・・・沫嶋七瀬の想い・・・そしてこの世界に生きるすべての人間の想いによって生かされている存在だ・・・俺はそのすべての想いでお前を倒す」

「バカ言ってんじゃねえ・・・精神論で勝てたら大日本帝国大勝利なんだよお・・・歴史的事実をなめんなよお」

やがて・・・青白く光り輝くロイド。

一方で・・・赤く燃えあがるクイーン。

22世紀における人類の終焉を回避しようとした沫嶋黎士は・・・結局、21世紀における人類の終焉を招来してしまったのかもしれない・・・。ロイドとクイーンの対決は・・・つまり最終戦争と同じなのである。

世界を破滅させる力を持った恐るべきベイビー。

かわいいよ、クイーンかわいいよと言わざるを得ない。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

Ar009 ごっこガーデン。特設かわいい人形教室セット。アンナいやん、やっぱり・・・カドシロぬいぐるみはゴリラにしか見えないぴょ~ん。仕組みが分かると・・・結構グロだぴょ~ん。とにかくね~、ダーロイドの手がね~、大きいの~。大きくて優しくてあったかくてモフモフはしてないけどしゅるる~んな感じはすると思います。まさに頭撫でられ昇天クラスぴょ~ん。もはやミラクルぴょ~ん。あのね・・・ヒーローだからさ・・・クイーンには負けないと思うけどさ・・・ここまで勝てる要素ないよね。あの謎の渦巻き雲がなんかやらかしてくれるのかなあ・・・サテライトからビームが飛んできたりして・・・でもやはり・・・最後は肉弾戦だよね・・・魂と魂のぶつかり合いだよね・・・だからアンナは命の限りロイドを応援するのだぴょん・・・届け・・・わが思い・・・まこでもね~・・・やっぱり耳が熊の耳・・・ちなみにぬいぐるみはじいや秘蔵のテディベアを使用しました・・・てへぺろmanaふー・・・あまちゃんコンサートの余韻から脱出できず~・・・・・・・・ふっか~つ。善人であろうとするほど心にたまっていく悪のよどみ・・・その暗い汚水の底から生まれ出るもう一人の彼女・・・本音と建前はすでに二重人格の兆しなのですかああああっ。思いの素粒子と命の素粒子は親子関係ですかああああああ。そして・・・黎士は黎士は生身の体で帰ってくるのかやああああシャブリインドの教授って・・・ジャーミー君なのでありました~ikasama4年賀状をちぎってはなげちぎってはなげmariこの世界の人間に生き続ける価値なんてあるか・・・人間によって生み出された赤いバリアの妹に・・・青いバリアの兄はどう対処するのか・・・果たして最終回で決着はつくのでしょうか?」

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コメント

大方の謎が明かされたところで、感動のエンディングに向けて走り出した感じでしょうか。とうとう正体を現したラストクイーンというラスボスを倒すために、同じ志をもって立ち上がった仲間たちが各々のロールを果たしながら力を合わせて戦うという構図・・・嗚呼まさにRPG的展開。まあこういったのはRPGのみならず、映画であれ、古典、伝承、神話であれ、ひとつの王道として聴衆の心を動かす力をもっています。
アンドロイド、ロボ、メカ、どう呼んでもいいのですが、その種のキャラの「泣かせ力」というのは、これも王道として凄まじいものがあります。人間以上に人間らしい部分を見せるから、それとも、人間にない純粋さを見せるからなのか。エンディングは、ロイドが最期の使命を果たし、幸せな気持ちを抱きながら消えていく、そんな場面を想像しただけで滝のような涙を禁じ得ません。
ただ、それが安堂麻陽にとってのハッピーエンドなのかは疑問ですが。それと、竹内まりやの挿入歌とマッチするのか心配。もちろん、ありきたりのハッピーエンドである必要はないのですが、最後は切なさとともに、私たち残された人間が「希望」のようなものを感じられる終わり方を期待しています。

投稿: アンリ | 2013年12月10日 (火) 05時51分

ミライヲナゾトクヨロコビ~アンリ様、いらっしゃいませ~アンドロイドハソシテロイド

少なくともメンデルとケプラを
チューナップして高性能化を果たしたクイーン。
つまり、クイーンは
アンドロイドを設計できるアンドロイドであり
CPUをつくるCPUという技術的特異点を
超えているのですね。
つまり・・・文字通りの「考えるロボット」です。

さらに・・・どう考えても
メンデルとケプラを自分の支配下に置くための
洗脳も行っている。
つまり・・・支配欲という欲望を感じさせます。
それを・・・筋立てて説明して行く。
それだけで・・・このシナリオは
トレビアンなのでございますが・・・
世の中的にはどう考えても受けるところでは
ございませんよねえ。

そういう話でここまでフタケタの視聴率を維持・・・。
主役の人の底力爆発でございますな。
基本的には・・・深夜アニメの題材と言えますものねえ。

まあ・・・アニメでやれとか
日朝特撮でやれとか言う人もいるでしょうが・・・
日曜ゴールデンでコレをやることが
すでに金字塔なのでございますな。

パーティーで言うと・・・
現在

ロイド
カドシロ
サプリ
あさひ

という感じですな。

ロイドのそうびは

ロイド

あたま ロイドめがね
うで  クリスタルニードル
からだ アスラのよろい
あし  れいじのかわぐつ

ロイドのまほうは

げんしかんげんしょり
れいじのでんごん
うーじんぐあうと
じどうかいふく

・・・といったところですなあ。

「クイーンがあらわれた」
の場合・・・「にげる」の選択しか思い浮かばないのですが・・・
「たたかう」を強制選択かよ・・・と
思わず舌打ちするRPG脳でございます。

まあ、キッドは悪魔ですので
いろいろとバッド・エンディングも
楽しみたいですな。

最終決戦で・・・クイーンがロイドを破壊。
主要登場人物はすべて人間原子爆弾に改造され
全世界に射出される。
各地でたちのぼるきのこ雲。
世界に君臨する孤独なクイーンは
電気金魚たちに囲まれて永遠に幸せに暮らしました・・・とか。

黎士によって改変された未来が
タイムケーブルによって逆流。
重なった二つの宇宙が
異次元のエネルギー反応をひきおこし
全宇宙が消滅とか。

星と左京子の結婚式エンドとか・・・。

ああ・・・考えるだけでウキウキするほど恐ろしゅうございます。

安堂麻陽は・・・復活した沫嶋黎士と結婚し・・・
双子の男女を授かって・・・
「炉夷弩」と「紗風里」とか名付けて
キラキラネームとうしろゆびを
さされる運命なのかもしれません・・・。


投稿: キッド | 2013年12月10日 (火) 15時59分

謎がほぼ明らかにされたと言われる今回

実は 私はチンプンカンプンでした~(>_<)
キッドさんのblogを三回読んで もう一度9話を見直してやっと 大体わかりました!
大体ですけど(^^;

わからなくても 内容がSFとしては矛盾が多いとしても
実写で連ドラで豪華なキャストでSFアクションを見る高揚感たまりません
9話は後半 スピード感があって楽しかったです
ラストは
双子の男女を授かって でお願いします
続編 見たいです

この枠の視聴者むけの哲学的メッセージが最終回 上手い具合におさまったら素敵だなと思います

投稿: chiru | 2013年12月11日 (水) 00時32分

シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃ いませ・・・大ファン

ふふふ・・・チンプンカンプンなことを
楽しめるのはすばらしいことでございますよ。
キッドもよくお前の言うことは
チンプンカンプンだと言われて人生を送ってまいりました。
だからチンプンカンプンでも楽しんでもらえたらいいなあと
いつも願っています。

世の中・・・大体わかれば
分かったも同然ですからねえ。

三回もお読みいただいたとあっては
背筋も凍る思いでございます。
キッドはざっと一回、読み直すだけなので~。
それでも一回あたり・・・三ケ所は
誤字脱字を発見してしまいますから~。

さて・・・キッドは特にSFとしての矛盾は
感じませんが・・・
もしも・・・そういう人がいるとすれば
その人はSFをあまりご存じないのだと
思いますぞ~。

基本的にSFはサイエンス・フィクション
科学虚構です。
そもそも・・・科学は一種の虚構なので
虚構の上塗りみたいなものなのですな。
フィクション=小説と考えると
科学小説ということになります。
このニュアンスの場合
日本ではハードSFという表現をしたりしますな。
つまり、これはより現実の科学の要素に忠実な・・・
という意味合いです。

この物語で一番、曖昧にされているのは
「超素粒子の観測方法」ですが
それ以外はほぼハードSFといっていいほどの完成度です。

そもそも・・・因果応報の思考を持つ人間にとって
タイムトラベルそのものが矛盾といえば矛盾ですが
それを言うとすべてのフィクションはある意味矛盾そのものですからねえ。

だって・・・すべてはウソなんですから。

とにかく・・・基本として・・・
少なくとも100年前にはケータイ電話はなかった。
今はある。
今はまだ感情を持つアンドロイドは完成していない。
おそらく100年後にはサプリがいる。
この過去から未来を推測する手法があれば
なんだってありなんだという感じがつかめるのではないか・・・と考えます。

実際、脳データの研究も
超素粒子の研究も
不老不死の研究も
着々と進んでいるのです。

考えるCPUなんてもはや実現の一歩手前と言っても過言ではありません。

まあ・・・庶民にとって
証文一枚で5000万円貸してもらえる世界と同じくらい
実感がない場合もありますでしょうが・・・。

まあ・・・お金だけがすべてではない・・・
99%くらいだ・・・ということなのでしょうがねえ。

フィクションも1%の本当らしさがあれば
キッドは充分だと考えるタイプでございます。

さあ・・・いよいよ・・・最終回。
2013年秋の素晴らしいファンタジーを最後までご一緒に
エンジョイしたいと考えます。


投稿: キッド | 2013年12月11日 (水) 03時41分

>日曜ゴールデンでコレをやることがすでに金字塔
まったくアグリー。
すばらしい試みだし、とてつもない気合を感じます。

パーティーの位置づけはこんな感じでしょうか。
ロイド=勇者
カドシロ=助っ人
サプリ=白魔法
あさひ=お姫様

バランスのとれたパーティーです。

さて、キッドさんの妄想によるバッドエンディングがあまりにシュールで思わず笑ってしまいました。
残された謎として・・・
ケプラーとメンデルを一瞬で追い払った「雷雲」の正体は何なのか?
血のクリスマスイブ作戦時にARXⅡ13を襲った落雷と関連があるのでは?
アスラOSを開発したインド人科学者がその後消息不明なのはなぜ?
彼が授けた言葉「未来に誇れる現在を・・・」をなぜカドシロが?

ここまで伏線を張られると、「神」の登場を予想してしまうのは私だけではないはず。だいたい、天が裂けるような演出は、神の天罰のようなものを暗示する以外に使ってはいけないような気がします。すると、人間の許されざる悪行を前にARXⅡ13を制止した落雷も神、アスラOSという命を与えたインド人科学者は神の化身、それが授けた例の言葉は神の言葉ということになりませんかね。
「神が人間をつくったのはファンタジー」というメッセージをわざわざ見せたのは、じつはファンタジーではない、人間をつくった神は確かに存在するのだ、と言いたかったのではないか。
一方で、人間がつくった全知全能の存在を自称するラストクイーンは、あたかも神のように振る舞っています。結局この物語は、人間をつくったホンモノの神と、人間がつくったマガイモノの神との戦いになるような気がしてきました。といっても、ホンモノの神が今さら姿を現してラストクイーンと戦うのはあまりにエキセントリックなので、神が命を与えた、いわば神の子である安堂ロイドがそれをするのでしょう。そして安堂ロイドは、人類を救うことによって、その帰結としてタイムパラドックスが発生して消滅する。
いずれにしても、キムタクが最後に最高のイメージを私たちの心に焼き付けて終わるのは間違いないと思います。

投稿: アンリ | 2013年12月11日 (水) 05時20分

こんにちは~
『あまちゃん』記事に力を注ぎ過ぎてしまい、
ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー!

師走の忙しさは昔ほどではないのに、
自分の身体が昔のようには行かなくなり、
この身体で昔へ戻ったりしたら…
あ~想像しただけで恐ろしいぎゃぁぁぁ

年賀状をちぎってはなげちぎってはなげるikasama4さん
もぉ笑かさんといて~(≧∇≦)ノ彡バンバン!

あ~、ここでまた癒されます。
多重人格についても、キッドさんが触れてたので嬉しい。
そうですよね~。そうなんですよ。考えちゃいましたもん。
とにかく、サトラレじゃなくて良かった(笑)

それぞれの役割がしっくりハマってとても心地良い
それがドラマを楽しむチーズ味(笑)
あっ、そう言やぁ景子さんは彼氏とどうなったのぉ。
騙されとったんじゃなかったのかしゃん。
上場前の株なんか買わされとったら持たんにぃヾ(゚∇゚*)ゴチダロ

キッドさんの解説でスッキリ気分♪
すべてはウソ…
素晴らしいファンタジーなのだから
楽しまなきゃ

投稿: mana | 2013年12月11日 (水) 10時40分

ミライヲナゾトクヨロコビ~アンリ様、いらっしゃいませ2~アンドロイドハソシテロイド

キッドの中ではカドシロはホワイトナイト(白騎士)でございます。

基本的に善なる光と悪なる闇の戦いは
アスラとアートマンの戦いに還元できます。

もちろん、アートマン系民族の立場では
善悪は逆転しますな。

アスラが善神だったペルシャから東のインドでは
インドラ(アートマン)が善神で天空王となり、西のギリシャでもゼウス(アートマン)が主神となります。

隣人こそが最も警戒すべき敵(サタン)であるという鉄則ですな。

ゼウスもインドラも雷神ですのでお里が知れるのですな。

まあ、古代にあっては・・・火はなんとか利用できるが
神鳴り(電気)はただ恐ろしいものだったのかもしれません。

もちろん・・・あえてジャンル分けすれば
火は化学的で・・・雷は物理学的と言うことになるでしょう。

しかし・・・突き詰めれば火は雷であり、雷は火であることになるのですな。

心を物理的に解明することはできないが超物理的に証明する・・・このニュアンスが理解できるのとできないのとではバカの壁の内外の差が生じます。

そういう人は・・・未だに社会科学や心理学が絶対的に成立すると考えるタイプに多いのですな。

社会や心理が流動的である以上、それはあくまで相対的でないといけないという自明の理がわからない。

まあ・・・あえて分からないフリをしている人もいるわけですが。

心が科学的に証明されれば、当然、生前や死後の世界が証明される可能性があり、当然、神という超越者の存在も証明される・・・これは自然な流れだと考えます。

まあ・・・キッドは神がいてもあんなに黎士をえこひいきはしないと思いますがね。

流れで言えば・・・黎士が今、超越的存在者としての「神」になっている方が「感じ」かなあと考えます。

黎士が復活するとなれば・・・それは進化の階段を下りて・・・
神が人に戻る感じになるわけでしょう。

つまり、黎士は麻陽のために神様やめちゃいましたエンドですね。

あくまで・・・すべては黎士のさしている将棋の手なのでございますから。

まあ・・・ロイドは悔い改めよとは言わないけれど
十字架にはかかるでしょうな。

そのために・・・人類を代表して麻陽は・・・
神をやめ人間として復活した黎士を入手できる・・・。

これはおそらくガチではないかな・・・と。

投稿: キッド | 2013年12月11日 (水) 16時41分

|||-_||シャンプーブロー~mana様、いらっしゃいませ~トリートメント|||-_||

ふふふ・・・世の中にあまちゃん的な破片がちらばって
心を疼かせる今日この頃ですな。
「ハードナッツ」でユイちゃんがくるみちゃんとして
可愛い感じでも・・・でも本当はユイちゃんなんでしょうと問いたくなりますしね。

mana様はmana様のペースでお願いいたします。
キッドの妄想はただ勝手に暴走いたしておりますから~。

そうですねえ・・・若返ることと
積み重ねた時間の両立は・・・
実に困難ですからねえ。

東大生に受験生に戻りたいか聞くのはヤボみたいな。

整形美人に整形前に戻りたいか聞くが如しですな。

正月のikasama4画伯に年末に戻りたいか聞く・・・もういいか。

多重人格もフィクションとしては奥が深いわけですが・・・
一般的には「ジキル博士とハイド氏」的な軽さが通じているわけでございます。
いい自分と悪い自分みたいな・・・まあ・・・
多重人格だっていろいろ咲き乱れるのでございます。

ふふふ・・・景子組は一部地域限定サービス的な・・・
ある意味・・・師匠(堤)おちょくりの一種だったと
キッドは考えますにゃあ。

ラス前はグロテスクを全面に出して
怒涛の展開でしたが
いろいろと明らかにしてくれましたねえ。

まあ・・・あなただけに
お知らせする特別な情報・・・
と聞いただけで危険を察知することは
人生の基本でございますからねえ。

金返せと言われて素直に返す悪魔は
いませんからな。

だから・・・とにかく・・・「今」を
楽しんだものが・・・
勝ちなのです。
キリギリス万歳です。
だって明日はもう来ないかもしれないのですから。

投稿: キッド | 2013年12月11日 (水) 17時00分

キッドさま、こんにちは。
manaさまのブログよりご紹介を頂き初コメントに参りました。
安堂ロイドのレビュー全て読みました!
ドラマを見るドキドキワクワクが増幅します!
今回の「ひでぶ」?には爆笑してしまいました(笑)
お願いがあるのです。
キッドさま発案のロイド育成ゲームを公式HPに申請したくて申請したくてうずうずしております。
キッドさまのcopythat'sを頂けたら即書き込みに行きたいと思っております。
ロイド育成ゲームを考えた方がいます!
私も育てたい!と。
宜しくお願いします。
申請中‥
申請中‥

却下!
ぎゃ~!!!!!!
再申請中‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ロイドは『おまえ、バカか!』と言うタイプに育てたいのです(爆)

投稿: 妹は理容師だ | 2013年12月12日 (木) 15時52分

(@X@)manaサマノホウカラ~妹は理容師だ様、いらっしゃいませ~ヤッテキマシタ

ご熟読ありがとうございます。

ドラマがより楽しくなられたのであれば望外の喜びです。

古き良きギャグにも反応していただき感謝です。

キッドが素晴らしいインターネットの世界に公開している著作物はこのレビューも含めて
基本的にフリーです。
どうぞ、ご自由にコピーしてご利用ください。

まあ・・・基本妄想なので
第三者の権利を侵害している場合には
妄想で責任を転嫁しますのでご了承ください。

とにかく・・・一瞬が楽しければそれでいいという
ライフスタイルなのでございます。

ロイドくん育成ゲームは楽しそうですよねえ。

アドベンチャーやRPG、戦略シミュレーションも
面白そうです。
エーアールエックスセカンドサーティーン軍団と国連軍の全面対決とか血わき肉踊り祭りですな。

ふふふ・・・ちょっと冷たい兄貴タイプも萌え~ですね。

キッドは・・・「痛い目みないとわかんないの・・・おバカさんねえ・・・」とクイーンに激しく苛められたいタイプでございますよ~。


投稿: キッド | 2013年12月12日 (木) 22時59分

キッドさま、ありがとうございました。
書き込みに行って参ります!


悪魔を飼っているキッドさまにはお見通しなのか!?とドキッとしたこと。
私めも、アンドロイドキャラではラストクイーンが大のお気に入りなのですよ(笑)
お下品な言葉の数々、愛らしく『テヘペロ』などとやられますとね‥
私の中ではヒロインなのです。
ロイドには徹底的に妹キャラであるラストクイーンにこてんぱんにして頂きたい、多数の非難を浴びようとも
ラストクイーンの位置付けは譲れぬのですよ。純粋無垢な憎悪を堪能したい私は善からぬ輩なのかもしれませぬ(爆)
ラストクイーンちゃま育成ゲームを贈ります。
選択
①謎の美少女をJKと命名
②謎の美少女をセーラームーンと命名
③謎の美少女をダーククイーンと命名

③を選択
『舐めんじゃねぇ~(怒)』
とお叱りを受ける

100ダメージ
ゲームオーバー


キッドさま
本当に素敵な育成ゲームをありがとうございました(嬉)テヘペロ♪

投稿: 妹は理容師だ | 2013年12月13日 (金) 08時43分

(@X@)manaサマノホウカラ~妹は理容師だ様、いらっしゃいませ2~ヤッテキマシタ

度々のお運び御苦労さまでざいます。

ちなみにキッドは悪魔を飼っているわけではございませんぞ。

キッド自身が悪魔なのでございます。
その悪魔に飼われている人は
何人かおりますけどな~。
誤解なきようにお願いいたします。
まあ・・・下っ端の下っ端でございますから
それほど恐れなくてもよろしゅうございますよ。

クイーンが君臨すれば
たちまちダーク・ファンタジーになるところが
ミソですな。

そもそも・・・魔法に
白も黒もなく・・・
悪魔の方法であることは
非常にわすられがちなのでございます。

善いものは魔法でなく
奇跡と呼ぶべきだというのが
天使サイドのお達しでございました。

とにかく・・・真黒いものになりたい気持ちは
誰にでも潜んでいるのですな。
あの・・・ガングロブームとか
日焼けサロンとかがその片鱗なのですな。

美少女までが
ガングロになっていたなんて・・・
なんという暗黒時代だったことか・・・。

フフフ・・・クイーンに御褒美をいただけるとは
ありがたき幸せ・・・。

倒錯こそが官能の宴でございます。

いよいよ・・・最終回・・・妹祭りを堪能したいと考えまする。

投稿: キッド | 2013年12月13日 (金) 15時14分

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