逮捕しちゃうの?(深田恭子)退治する・・・それがワイルド7(瑛太)
そこかよっ。
すべては流れでなのでございます。
「夜のせんせい」はいいのかよ。
「ダークシステム 恋の王座決定戦」もかなり発狂してましたし・・・。
「妄想・・・失恋ショコラ」は深夜ドラマみたいだしな。
「紙の月」は奇跡のよろめきモードでございますしねえ。
もう・・・今季は(月)(火)谷間というルーズな感じになりましたーーーっ。
で、『映画天国・ワイルド7(2011年劇場公開)』(日本テレビ201401210159~)原作・望月三起也、脚本・深沢正樹、監督・羽住英一郎を見た。ある意味で日本コミック史上の最高傑作の映画化である。もう・・・ハードルが高いのか・・・低いのかよくわからない。ストーリーはほぼオリジナル。設定はそこそこ原作に準じている。主人公・飛葉大陸(瑛太)は誰が演じようと異議申し立てがあるキャラクターである。クールでホット、二枚目なのに三枚目、少年だけど大人、悪辣な正義の天使・・・優しい鷲・・・そんなヒーローを完璧に演じられる人間はいない。
だから・・・瑛太版の飛葉はそれなりに素晴らしかったと言う他はない。
特に・・・飛葉のさびしがり屋で純情可憐な感じは表現されていた。
大長編の原作をすべて映画化するエネルギーは現在の映画界に期待できない以上・・・21世紀に「ワイルド7」を実写化したことだけでもスタッフに敬意を表したい。
キャラクターものとしては・・・かなり遠慮気味だったが・・・飛葉と本間ユキ(深田恭子)に関しては理想的な配置だったと言えるだろう。
特に設定上の公道をノーヘルの飛葉がユキと二人乗りするシーンは・・・屈指の名場面となっている。
とにかく・・・事故がなくてよかった・・・と思うばかりだ。
慣れないことをやって人死にがでるのはよくある話だからである。
映画のお茶の間化が進行し・・・「心ない里親」を描写すれば「心ある里親」と自称する人々が難癖をつけてくる時代である。
もちろん、ビジネスである以上、お客様は神様だが・・・ほんの一握りの心せまきものによって表現者は委縮してはならない。
次々と悪人が射殺されるシーンを作るだけでも相当な勇気が要求される暗い時代である。
秘密の保護に関するよりも・・・フィクションにノンフィクションを持ち込むことの方がよほど問題なのである。
だから・・・バイクがそれなりに暴走し、それなりに重火器が威力を発揮する・・・この映画は邦画としての21世紀最高峰と言っても過言ではないのだ。
なにしろ・・・日本人は「ゴジラ」を作った実績があるのに「アナコンダ」を作ったりはしないのだから。
「秘密警察」という同じ主題であっても・・・「S~最後の警官~」よりも・・・「ワイルド7」の方が斬新なのだ・・・ある意味、原点だからな。
元警視庁のキャリア官僚で、江戸大学卒業の俊才・草波勝警視正(中井貴一)は「裁判で無罪になる可能性のある悪党を超法規的に処刑する権力」を行使できるワイルド7を組織する。合法と非合法の境界線を失踪する独善的正義の白バイ警官チームである。
この設定に熱狂できるのが少年の心をもっている一部愛好家限定であることは言うまでもない。
腐った大人には絶対わからないっ。
そして・・・飛葉をリーダーとするワイルド7は命がけで悪を粉砕するのである。
冤罪・・・そんなの知ったこっちゃないのである。
そういう懐疑主義が世界をつまらなくするのだ。
もちろん・・・本質はどうあれ・・・商業映画である以上・・・その表現には限界がある。
物語後半で架空の公安警察に殴りこみをかけるワイルド7は・・・巨悪のシンボルであるモンスター・キャラクター以外の・・・一般警察官を一人も殺傷しないという無理ゲーを要求されるのだった。
射殺命令が出て、ガンガン発砲してくる敵に制圧射撃だけで対抗する・・・ワイルド7の奮闘に涙が止まらないのだった。
さて・・・飛葉とユキと草波に加え、検察庁検事総長の成沢(中原丈雄)までが原作を反映するが・・・残りのキャラはオリジナル色が強い。
オヤブン(宇梶剛士)は少し、ヘポピー化している。
ヘポピー(平山祐介)はお前誰なんだ的ポジションである。
準主役的ポジションになっているセカイ(椎名桔平)はサーカスの軽業師には見えない。
サイドカー仕様のバイクにのりロケット弾攻撃をする両国に対応するパイロウ(丸山隆平)がいて、チャーシューの名残を残すB・B・Q(松本実)、八百的なソックス(阿部力)という七人である。
分かる人だけ分かればいいモードでお届けしています。
「ボン」の経営者でマスコット的存在の「イコ」は東都新聞社社会部新人記者の岩下こずえ(本仮屋ユイカ)に転生している。イわしたコずえなのである。
そして・・・独自の展開で・・・セカイと岩下こずえは・・・生き別れの父娘設定である。
緩衝材として隠匿された組織であるワイルド7の存在を立証しようとする東都新聞社社会部記者の藤堂(要潤)が配置されているが・・・これは御愛嬌である。
結局・・・真犯人を決定するためにはすべての情報を誰かが統括する必要があり・・・すべての秘密を握ったもの・・・公安調査庁情報機関(通称・PSU)の情報分析部門統括者(フィクション)桐生圭吾(吉田鋼太郎)が怪物化するというのが大筋である。
岩下こずえを人質にとられたセカイが「絆」を示して殉職するのも・・・正義の殺人集団の熱血と純情を謳いあげるのだった。
家族を凶悪犯に殺害され・・・孤独な復讐行を続けるユキと飛葉の仄かな共感こそが・・・この物語の屋台骨なのである。
セカイが去ってユキが来る・・・アナザーワールドと化した世界で・・・新たなる七人が移動司令部(巨大トレーラー)と共に悪にむかって爆走する・・・。
ワイルド7よ・・・永遠なれ。
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