酒乱の父親に殴られて(山本舞香)愛人の娘で(新川優愛)定時制高校の悪い副担任で(大政絢)地下アイドルで(清水くるみ)夜のせんせいで(観月ありさ)
さて・・・ようやく、金メダルの羽生結弦に似ていると評判の高橋一生のドラマである。
「軍師官兵衛」で井上九郎右衛門もやってるけどな。
・・・そこかよっ。
ともかく・・・凄いメンバーを集めて・・・ここまで10.6%↘*7.3%→*7.3%↘*5.1%↗*5.2%である。
まあ・・・五輪だからねえ。
そうだよねえ。
それにしても第5話は・・・父親が性同一障害で性別変更し、一人息子が悩むという・・・「天誅〜闇の仕置人〜」の第2話とネタ丸かぶりである。
どちらもオリジナルストーリーという・・・空前のシンクロ率だな。
どちらの脚本家も共通のそういう友人がいたとしか思えない・・・。
「定時制高校に通学しているだけでいろいろ背負っているわけでしょ」と副担任の上奈瑠奈先生(大政絢)が断言してしまうわけだが・・・どこからもクレーム来ないのかよっ。
そういうわけで・・・毎回、誰かがいろいろとカミングアウトするという展開で・・・なんとも言えない静けさを醸しだしています。
コミック「パッパカパー」でおなじみの水野トビオに「まなびや」という秀作があるし、「めだか」(フジテレビ)というミムラが教師役で・・・生徒に瑛太とか黒木メイサがいたドラマもあって定時制高校が舞台というのは・・・なんとなく・・・ありそうな題材なのだが・・・まあ・・・この作品の場合、生徒の一人一人が個性強すぎて・・・ちょっと「ありえない」感じが強すぎるのかもしれない。
まあ・・・でも・・・これも・・・のんびり見ている分にはそこそこ楽しいからな。
で、『夜のせんせい・第1~5回』(TBSテレビ20140117PM10~)脚本・林宏司、演出・山室大輔(他)を見た。高等学校定時制課程とは主に昼間仕事に就き、夜間に学校に来て学習する生徒のための過程である。教育の不平等の象徴という考え方もある。まあ、義務教育までは平等だという考え方もあり、そういう意味では中学卒業後に成人にするべきだという考え方もある。もちろん、学校だけが人生のすべてではないという考え方もあるわけである。そこで・・・定時制でドラマを作るということは・・・それだけで・・・両親を失くした子供たちのドラマを作ったり、若くして余命宣告されたドラマを作ったりするのと同様にさいはてのドラマを作ると言うことに通じている。
五輪の季節には・・・そういうドラマを作る傾向があるらしい。
向学心に燃える勤労少年のために定時制過程のある日の出学院高校を創始した人の孫にあたる副校長の砂川(光石研)は・・・定時制過程の廃止を目指す柳島校長(中原丈雄)に対抗するために・・・スナックのママ・夜野桜(観月ありさ)を臨時教員としてスカウトする。
問題児の揃った定時制4年1組をまとめるために下世話なパワーを活用したいと考えたのである。
しかし、校長は・・・夜野先生の採用条件としてクラスから一人でも退学者が出たら砂川と夜野先生は解雇処分とすることを約束させるのだった。
こうして・・・夜野先生と4年1組のあれやこれやが開幕するのだった。
だが・・・夜野先生の就任直後から校内には「4年1組をぶっつぶす」という落書きが何者かによってなされる。
一体・・・誰がそんなことを・・・。
生徒の一人・・・黒井華(蓮佛美沙子)のカミングアウト。
「私は幼馴染がいじめにあった時に・・・手を差し伸べなかったのです・・・その結果、彼は自殺を図ったのです。私は深い罪悪感を覚え・・・八年間、自宅に引きこもりました・・・落書きは自殺した彼の私に対する復讐ではないかと思うのです」
「オカルトかっ」
しかし、夜野先生は・・・黒井華の自殺を図った幼馴染が死なずに元気で就職していることを調べ上げ、黒井華を呪いから解放するのだった。
生徒の一人・・・白崎桃(清水くるみ)のカミングアウト。
「私は姫野姫子という地下アイドルなのです。しかし・・・私は大観衆が苦手なのです。だから・・・ひっそりと地下アイドルを続けたいのに・・・事務所はメジャーを目指そうとするので・・・困り果てています」
「なんのこっちゃ」
しかし、夜野先生は生徒の一人で元俳優のホスト・星野流星/山田一郎(高橋一生)を裏社会とつながっているヤバイ筋の芸能事務所経営者に仕立て上げ、白崎桃の移籍を成功させるのだった。
他にも、このクラスには・・・元暴走族総長という噂のある鳶職人・宇垣(太賀)や、年収1000憶円のIT企業の社長・上武(田中圭)、漫画家アシスタントの梶原(大倉孝二)、まるで女探偵のような宗村真理(堀内敬子)、総合格闘家の木村政代(江原由夏)、どこにでもヘリコプターを呼びよせることができる謎の男・外内耕介(笹野高史)、実際に暴力団組織「極栄会」幹部構成員の大澤(山本耕史)などヒトクセもフタクセもある生徒が揃っていて・・・「単位」を餌に夜野先生の手足となって働くことになるのだった。
まあ・・・ファンタジーです。
そして・・・長期欠席を続ける仙波剛三(大杉漣)がクラスに戻って来た時・・・物語は大きく動き始める。
「実は・・・私は生まれた時から身体は男でも心は女だったんです」
性同一性障害者だった仙波は結婚をし、子供も儲けたが・・・ついに告白。女になるために離婚した経歴を持っていた。
生徒の一人・・・高倉富雄(織本順吉)と言えば、3年B組金八先生シリーズの本田校長のそっくりさんだが・・・その第6シリーズで上戸彩が身体は女でも心は男の性同一性障害者を演じ、巨乳をさらしで巻いていたことは記憶に生々しい。
性別についての転換は「ラスト・フレンズ」(フジテレビ)のように性別違和症候群といったものや、単なる女装癖、ゲイ・バー経営のためのノン気(営業的擬装)まであって・・・一概には言えないのだが・・・性同一性障害は病気なので差別は許されないのである。
「我儘は性同一性障害の罪、それを許さないのは世間の罪」なのである。
しかし・・・夜野先生は・・・そういうことには興味がなく、来る球技大会のフットサルで・・・元サッカー選手だった高倉のキャリアを生かすことしか・・・頭にないのであった。
「鳥並みの知能しかない」と黒井華が断言する所以である。
しかし・・・家族を捨てた時に・・・子供との思い出の深いサッカーは封印したという高倉。
そこで・・・夜野先生は手下・・・生徒たちに・・・消息不明の高倉の息子の捜索を命じるのだった。
だが・・・高倉の息子は・・・定時制に敵意を抱く・・・昼間部の生徒会長・高原翔太(安達大輝→葉山奨之)だったのである。
翔太が定時制に敵意を燃やしたのは・・・自分を捨てた父親が女になっていることに複雑な気持ちを抱いていたからであった。
落書きも・・・翔太の犯行だったらしい。
防犯カメラによって・・・父親への憎しみから・・・犯行に及んだのではないかと校長に問いつめられる翔太。
しかし・・・高倉は息子を庇い・・・「そんな子が私の子供であるはずないじゃない・・・だって私は女なんだから」と涙ながらに訴えるのだった。
そして・・・翔太も・・・高倉が父であることを否定する。
だが・・・クラスメートたちが・・・「高倉」のことを馬鹿にした時・・・翔太はカミングアウトする。
「俺の親父の悪口言うな・・・」
「ええええええええええええ」
・・・なのであった。
結局・・・球技大会では敗退した定時制4年1組。
しかし・・・夜のグラウンドには一人、また一人の夜の生徒たちが集まってくる。
そして・・・フットサルに興じるのだった。
ベンチに座り、それを眺める・・・口元に痣の残る大神玲(山本舞香)のカミングアウト・・・。
「この傷・・・酒に酔った父親に殴られたんだ・・・隠してたのは・・・あんたが・・・父親に誕生日プレゼントをもらったっていうのが・・・ちょっとうらやましくて・・・」
それに応えるグラビアモデルの橘かえで(新川優愛)のカミングアウト・・・。
「これあげる・・・電子手帳だよ・・・私・・・愛人の子供なんだ・・・父親とは話したこともない・・・毎年、毎年、電子手帳を送ってくるんだ・・・何を贈ったのか覚えてないのさ・・・」
「・・・」
「・・・」
さいはての生徒たちの物語は・・・まだまだ続くのだった。
関連するキッドのブログ→コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命
→斉藤さん
| 固定リンク
« 荀子・王霸篇に曰く、故用國者,義立而王・・・と軍師官兵衛(岡田准一) | トップページ | スパイ(岡田将生)、エヌ氏(小日向文世)、遭難者(佐々木希)、犠牲者(勝村政信)、かわいい悪魔(遠藤憲一)などがいる星新一ミステリーSP(壇蜜) »
コメント