緑の森を飛翔する幻の蝶と夢の中のヴィーナスと屋上から落下する高校生(樋井明日香)
私事で恐縮ですが・・・一週間くらい・・・アクセス・カウンターが2629000と2630000の間を行ったり来たりしている・・・悪夢かと思ってココログにコメントを寄せている人たちの意見を見てみると・・・。
「昨日はカウンターが1083222だったのに何で今は1083179なの?」
「やれやれカウンターが行ったり来たりしてますな」
「カウンターが日にちがかわると、その前のカウンター数になってます!」
「最近、ココログで障害が発生するトラブルが多い。 どうにかならないものか」
「アクセスカウンターが正常になりません」
よかった・・・夢じゃなかったと思うのだった。
凄く評判の悪いアクセス解析仕様変更に伴うトラブルだと思われるが・・・ココログ・スタッフの皆さん・・・がんばって早く対処してくださいねえ。
心よりお願い申し上げます。
で、『なぞの転校生・第4回』(テレビ東京201402010012~)原作・眉村卓、脚本・岩井俊二、演出・長澤雅彦を見た。トゲアリ(棘蟻)はこの世界にもいる昆虫である。もちろん、アリの一種である。日本列島にも棲息している。実際にクロオオアリなどに社会的寄生をすることで知られている。もちろん・・・岩田広一(中村蒼)の住むD12世界がクロオオアリの巣(コロニー)に・・・なぞの転校生である山沢典夫(本郷奏多)がトゲアリとして暗示されているのである。「盗まれた街/ジャック・フィニイ」(1955年)的モチーフでございます。
ヒロイン・香川みどり(桜井美南)のモノローグで回想されるここまで・・・。
「でも・・・私たちはまだ・・・何もわかっていなかったのです」
うんうん・・・お茶の間もだよ~。
そして・・・さらに謎を深める・・・岩田広一の・・・見た夢。
幼い時に亡くなった・・・妹が・・・夢の中で語りかける。
「お兄ちゃん・・・ほら・・・蝶々がたくさん採れたよ」
「何だ・・・虫籠からっぽじゃないか」
「お兄ちゃん・・・見えないの・・・」
いつの間にか・・・幼女だった妹が・・・生きていればなっているはずの女子中学生に変貌する。
「そう・・・見えないの・・・うん・・・見えなくていいよ・・・お兄ちゃんは見ちゃだめ・・・」
「あすか・・・」
目覚めた広一は・・・微妙な夢の内容に・・・思わず夢精の心配をするのだった。
明らかに淫夢の気配があったからだ。
しかし・・・大丈夫だった。
(それにしても・・・妹のあすかの成長した姿を見るなんて・・・)
やがて・・・母から「花」について頼まれ・・・広一は「潜在意識」的な納得をする。
今日は妹の八度目の命日にあたるのだった。
(だから・・・妹が中学生になった姿を・・・それとも霊界でも成長というのがあるのだろうか)
広一はムーくんの血が騒ぐのだった。
朝の登校時間・・・広一は・・・典夫を発見し・・・再び軽いショックを感じる。
何故か・・・香川みどりが典夫と肩を並べて登校しているのだ。
だからといってなんだとは広一は思わない。
ただ・・・なんとなく面白くない気はするのだ。
だって・・・そこは自分のいる場所だったと思うから・・・。
そんな広一の心の漣などお構いなく・・・すっかりうちとけた感じのみどりと典夫・・・。
そこへ・・・なんとなくバカップル化しつつある健次郎(宮里駿)と愛(宇野愛海)が・・・。
「おはようおはようおはよう」と乱入してきて・・・問題点をうやむやにするのだった。
休み時間・・・唐突に典夫の質問タイムが始る。
「この学校のヒエラルキーはどのようなものなのかな?」
「ヒエラルキー?」と愛。
「スクールカーストってこと?」と広一。
「スクールカースト?」と健次郎。
「つまり・・・身分の違いがあるってこと・・・」
「そうだ・・・この学校は・・・誰が支配しているのだろう」
「いやいやいや・・・まあ・・・一応、生徒会があって生徒会長はいるけどな」
「その生徒会長はやはり・・・特殊な制服を着て暴君として君臨しているのか」
「どんな・・・アニメなんだよ」
「違うのか・・・」
「うん・・・この学校の生徒会はごく普通・・・言うなれば雑用係だな」
「すると黒執事のような・・・」
「アニメじゃないっ・・・」
「でも・・・暴君ならいるんじゃないの」と愛。
「ああ・・・才蔵先輩のこと・・・」とみどり。
「才蔵・・・」
「話せば長いことながら・・・この町にはかって仁義なき戦いがあったんだ」
「仁義なき戦い?」
「もう・・・昔のことだけどね」
「昔堅気のヤクザの組と・・・新興の暴力団があったのさ」
「ふうん・・・」
「縄張り争いが始って・・・何度か派手な出入りがあり・・・結局、武闘派の揃っていた新興の暴力団が勝利した・・・ヤクザの組は完全に壊滅して・・・死傷者行方不明者多数というありさまになった。その後、新興の暴力団は堅気のフロント企業を設立し、なんだかんだ・・・この町の支配者になったんだ。その名も・・・鎌仲グループ・・・。才蔵先輩は・・・鎌仲才蔵と言って・・・実力者の御曹司なんだ・・・」
「つまり・・・この町の王子ということか・・・」
「いや・・・王子はちょっと・・・」
「でも・・・才蔵先輩には誰も文句は言えないから・・・な」
「やはり・・・闇のプリンス・・・」
「だから・・・アニオタ系から離脱しろよ~」
「でも・・・なんでそんなことを知りたいの」
「もうすぐ・・・大切な人をお迎えするので・・・この世界を調整しておきたいのだ・・・」
「調整って・・・」と広一。
「いや・・・なんでもない・・・」
広一たちはまだ・・・典夫の苦悩を知らない。
認知症の江原のじいさん(ミッキー・カーチス)の部屋に仮住まいする典夫は・・・D12世界への移住計画の先兵なのである。
異次元間通信によって・・・本格的移住の開始が三日後に迫り・・・典夫はプレッシャーを感じている。
そして・・・典夫の世界の王女は重体であり・・・それを治療するための医療技術DRSが・・・D12世界では未発達であることも典夫の悩みの種となっていた。
どちらにしろ・・・期限までに・・・典夫は・・・王女を含む移住者たちを迎える準備を整えなければならないのだ。
そのためには・・・D12世界の支配者を支配下に置く必要がある。
典夫は・・・聖なる万能器モノリスによって・・・鎌仲才蔵(葉山奨之)の捜索を開始する。
一方・・・広一はみどりの帰りを待ち伏せていた。
広一の中には・・・自分でも気がつかないわだかまりがあったが・・・それを解消するとっておきの口実があった。
「どうしたの」
「今日はつきあって欲しいところがあるんだ」
「どこ・・・」
「君んち・・・花を買いたいんだ」
「花を・・・」
察しのいいみどりはすぐに気がつく。
「そうか・・・今日はあすかちゃんの命日なのね」
「うん」
みどりは・・・実家の花屋で・・・花束を作ると・・・墓参りへの同行を申し出るのだった。
「おれ・・・今日・・・あすかの夢を見た」
「エッチな夢?」
「なんでだよ」
「違うの?」
「妹が何故か中学生になっていてさ」
「やっぱりエッチな夢じゃない」
「違うよ」
「じゃ・・・きっと・・・広一くんが・・・心の中で・・・あすかちゃんが生きてたらいいのになあ・・・って思ってるってことね」
「そうかなあ・・・まあ・・・生きてたら・・・そりゃ・・・いいよなあ」
しんみりする二人だった。
D12世界にも寺のようなものや・・・墓のようなものがあり・・・兄は妹の死を悼むのだった。
その頃・・・典夫は才蔵とコンタクトをとっていた。
「君が・・・才蔵か」
「お前は・・・誰だ」
「僕は転校生の山沢典夫です」
「俺がこわくないのか」
「とくに恐ろしい感じはしませんね」
「ふ~ん」
才蔵はギャンブルで得た景品のチョコレートを典夫に贈る。
「学校には行かないのですか」
「行くさ・・・たまには・・・でも・・・あんな偏差値の高い学校・・・俺には無理なんだよな・・・授業なんて何言ってるかまるでわからないし・・・でも・・・親が見栄はって俺を無理矢理・・・東西山高校に入れたのさ・・・俺の親、この町じゃなんでもできるから・・・」
「その威光であなたは学校を支配しているのですね」
「支配・・・」
「私はあなたをこらしめるつもりでした」
「こらしめるって・・・俺・・・なんか悪いことしたかい」
「さあ・・・」
「俺なんか・・・運動神経も鈍いし・・・ケンカも弱いし・・・そうか・・・冴木のことか・・・」
「冴木・・・」
「勝手に俺の手下のふりして・・・いろいろやってるんだ・・・あいつ・・・俺の舎弟をいじめ殺したくせに・・・」
「舎弟・・・」
「松本っていって・・・いい奴だったんだ・・・でも冴木のやり方に反対したら・・・よってたかっていじめられて殺されちゃった・・・自殺ってことになってるけどな・・・」
「・・・」
「なあ・・・こらしめるんだったら・・・冴木にしろよ・・・なんなら・・・俺も手伝うし・・・」
「その必要はありません・・・あなたは喧嘩弱いんでしょう・・・」
「そうだよ・・・しかし・・・なんだって俺は初対面のお前に正直にすべて話しているんだろう」
「あなたがいい人だからですよ」
「・・・」
「で・・・冴木は何年何組ですか・・・」
「・・・いつも屋上にいるよ」
「なるほど・・・」
去って行く典夫の後ろ姿に思わず手を振る才蔵だった。
次の日・・・教室に典夫の姿はない。
「どうしたんだろう・・・」と案ずるみどりに・・・広一はまた妙な胸騒ぎを感じるのだった。
典夫は屋上にいた。
冴木小次郎(碓井将大)とそれをとりまくいかにもヤンキーのような生徒たち。
「ナポリタンはお好きですか・・・」
「なんだって」
「わかるやつにだけわかればいいそうです」
「何言ってんだ・・・こいつ」
「松本くんに何をしたんです」
「へえ・・・そんなことが知りたいのか・・・教えてやるよ」
問答無用で冴木は典夫に飛び蹴りをくらわす。
典夫はそのまま・・・屋上から地上へ落下した。
どよめく・・・とりまきたち・・・。
「いくらなんでもやりすぎだろう」とヤンキー風の女生徒である咲和子(樋井明日香)・・・。
しかし・・・冴木は狂ったように笑いだすのだった。
「あはは・・・落ちちゃったよ・・・あははは・・・死んじゃったよ・・・あはははは・・・殺しちゃったよ」
咲和子はあわてて・・・地上に向かう。
死んだように・・・横たわる典夫。
「おい・・・大丈夫か」
何事もなかったように立ち上がる典夫。
「え・・・」
「地球の引力下であの程度の距離を落下したくらいではなんのダメージもありません」
「はあ?」
「冴木という人間がどういうものなのかは分かったので教室に戻ります・・・」
咲和子は化け物を見る目でなぞの男子生徒を見送る。
カメラは一部愛好家サービスのためにローアングルだった。
ちなみに樋井明日香(23)・・・まずまずのなんちゃって女子高校生である。
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