見せてもらおうか・・・最強の中二病とやらを・・・ダークシステム 恋の王座決定戦(玉城ティナ)
犬童一心は評価の難しい監督である。
いや・・・映画「ジョゼと虎と魚たち」(2003年)は今世紀を代表する苦さを持っているし、映画「のぼうの城」も共同監督ながら・・・凄みを感じさせる。
ところが・・・映画「タッチ」はすごく無難な仕上がりだ。
で・・・その人がどうやら・・・惚れこんだらしい・・・超B級映画「ダークシステム 完全版」(2013年)・・・。
まあ・・・なるほどねえ・・・と言えるのかもしれない。
なんていうか・・・人間ってこわい・・・そういうホラー・テイストが根底にあるのだな。
一方で・・・そのこわさの裏側にある馬鹿馬鹿しさがにじみ出る時・・・なんとも言えない味わいを醸しだす。
つまり・・・「タッチ」でさえ・・・B級ホラー・ムービーとしてみなくちゃいけないのか・・・。
そ・・・それはちょっと・・・。
で、『ダークシステム 恋の王座決定戦 第1~3回』(TBSテレビ201401210028~)原作・脚本・幸修司、構成・演出・犬童一心を見た。映画を原作とする超希少な展開である。原作映画へのオマージュは強く・・・名シーンなどはそのまま再現されたりしている・・・それがドラマとしていいのかどうかは別として。さて・・・ヒロインは映画版の鎌田優子(映画「zero」の監督・脚本家)から・・・玉城ティナにグレード・アップしている・・・いや・・・いろいろな意味でです・・・物語の中で・・・回想シーンで高校生を演じていて・・・現在はその10年後なので・・・役としては二十代中盤を演じているのだが・・・実年齢16歳である。つまり・・・回想シーンが現役女子高校生で・・・現在のシーンがなんちゃって成人なのである。その美人だか美少女なんだか・・・不明な点がものすごく・・・怪しい感じを醸しだしている。すごいデビュー作になっちゃいましたねえ。
さて・・・主人公・加賀見次郎(八乙女光)は何をしているのかよくわからない若者であるが・・・とにかく・・・大財閥・白石グループのお嬢様・白石ユリ(玉城ティナ)にモーレツに恋をしているのである。
その身の程知らず感覚が・・・この作品のすべてといっていい。
そして・・・加賀見は単に身の程知らずなだけでなく・・・物凄い下衆な性格を併せ持っている。
もちろん・・・ほぼイケメンであるアイドルが演じるのはどうかと思うが・・・彼の場合、時々、斉藤洋介(62)を連想させる・・・くずれた表情も垣間見せるので・・・ギリギリ原作に忠実なキャスティングだと言える・・・それは原作のキャストを見れば何人かは共感してくれるだろう。
さて・・・下衆は下衆を呼ぶので・・・加賀見の親友である西園寺(弓削智久)も何をやっているのかわからない男なのだが・・・加賀見と比べると・・・頭脳明晰で運動神経抜群で決断力・行動力に優れているのだが・・・基本的に・・・加賀見を見下し・・・加賀見が苦しむところを見ると快感を覚えるという・・・嫌な親友なのである。
そして・・・加賀見が苦悩するのを見たい一心で・・・ユリに近付き・・・交際を開始してしまうのだった。
加賀見を襲う絶望。
「なんでおれじゃなくてさいおんじ・・・なんでおれじゃなくて・・・さいおんじ・・・なんでなんでなんで」
ただ・・・憧れて見つめるだけだったユリが親友の交際相手になったことで・・・あらぬ方向に奮起する加賀見は・・・超絶的なDIY(Do It Yourself=日曜大工)精神で・・・次元を越えたダーク・システム・搭載の「サイオンジクラッシャー」(攻撃機能付ラジコン・ヘリコプター型盗聴器)を開発するのだった。
・・・何作ってんだ・・・。
そして・・・恋のライバル・西園寺の部屋に配置するのだ。
・・・何してんだ・・・。
そして・・・西園寺の弱点を探るべく盗聴を開始するのだが・・・当然、やってきたユリと西園寺は恋人同志の・・・愛の行為をはじめて・・・。
「うわああああああああああああああ」
・・・なのである。
これで・・・一同爆笑できるかどうかは・・・お茶の間それぞれの感性によりますが・・・キッドはお腹がよじれちゃいました。
だが・・・奇跡は起きる・・・異常なまでに暴力的な西園寺の隠れた一面をユリに伝えることができたのである。
しかし・・・西園寺は逆襲して・・・ユリと加賀見を監禁してしまうのだった。
絶体絶命の危機に・・・サイオンジクラッシャーの誘導弾が炸裂し・・・西園寺を失神させることに成功する加賀見。
そして・・・頭部に激しい一撃を受けた西園寺は記憶を喪失し・・・ただの親友に戻るのだった。
こうして・・・なんとなく・・・ユリと交際し始める加賀見。
だが・・・加賀見の前に新たな強敵が現れる。
ユリの高校時代のストーカーで・・・天才物理少年だったファントム(板尾創路)である・・・彼はトム・クルーズのファンでもある・・・だからファン・トムと呼ばれている・・・そうですか・・・彼はタイムマシンを発明し十年前に謎の大爆発をおこして消息不明になったのだが・・・十年ぶりにストーカー行為を再開したのである。
まあ・・・ものすごく老けているので・・・タイムスリップしてきたとは思えないわけですが・・・。
再び、DIY精神を発揮した加賀見は占いシステムを統合して八秒前になんとなく未来を予測できるとんでもマシーン「ハイパースキャニングシステム」を完成するのだった。
しかし・・・狡知にたけたファントムは・・・「女を賭けたポーカーゲームを加賀見に持ちかけ・・・加賀見が人間を賭けたりしないと言う前に・・・人間を賭けるなんてできない」と宣言してユリのハートを射止めることに成功するのだった。
そんなことで・・・ハートを射とめられてしまう・・・ユリって・・・。
とにかく・・・まあ・・・年齢不詳・・・職業不詳の人々のユリを巡る不毛な戦いは・・・最終回まで・・・延々と続いていくらしい・・・。
もう・・・ここは・・・某巨大掲示板の実況する人もたちも実況を躊躇する「人外魔境」と言う他はない。
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