死亡を診断された人の死亡届けを提出せずに死体を遺棄するのは犯罪です(綾野剛)
ソチ五輪が開幕した。
アスリートたちはロシアの素晴らしいおもてなしを受けていると思われる。
参加することに意義があるという理念に従えば・・・直前練習で負傷し出場を棄権した選手も栄光に包まれている。
平和の祭典はテロリストの標的になっていると思われるが最初の難関である開会式が無事終了すればひとつの山を越える。
インパクトとしては開会式での自爆テロが一番大きいと考えるからである。
「世界を敵に回してもロシアの威信を傷つける」という選択がなされなかった可能性は高まる。
そうなるとターゲットがロシアの選手に絞られることになるだろう。
もちろん、ロシア当局による警備も開会式でのテロの発生を最大限抑圧したことも考えられ、油断は禁物である。
最も警備が困難なマラソンのような広範囲を競技スペースとする競技が冬期オリンピックにはない。
しかし・・・死をいとわないテロリストの攻撃阻止には完全ということはない。
栄光とは真逆の人生模様のドラマを堪能しながら・・・平和の祭典の無事を祈る。
喜びも哀しみも一瞬の煌めきにすぎないのだから。
日本選手団の入場と同時に福島で地震が発生。マグニチュードは5.0と推定された。
どんなシンクロなんだ。日本は太平洋側が近年にない大雪になる模様。
で、『闇金ウシジマくん Season2・第4回』(TBSテレビ201402070058~)原作・真鍋昌平、脚本・福間正浩、演出・白川士を見た。いきなり高齢者所在不明問題ネタである。これは年金の不正受給とセットになっている問題だが・・・実際に闇金業者がからんでいるとすれば処理はもう少しスムーズに行われるだろう。雨男こと丸山くん(平田実)の父親の死体を発見したのは介護ヘルパーと思われるが・・・この介護ヘルパーも闇金系列の派遣で賄うだろう。闇金系の死体処理班が出動し、腐敗による異臭の発生を防ぐために防腐処置を施した後で丸山くんの手に父親の剥製が返還されるわけである。自然にミイラになるのを待つのは大変だからな。・・・おいっ。
工事現場でアルバイトをする丸山くんが帰宅すると・・・父親が死んでいた。
たまたま居合わせた介護ヘルパーが医師を呼び・・・たちまち死亡が宣告される。
闇金の利息返済を又貸しの名義人としての家賃納入で賄っている丸山くん。
父親の年金15万円とアルバイト収入の5万円、あわせて20万円で家賃を支払わなければならない丸山くんには死活問題である。
「死ぬなんて・・・ダメです・・・とりけしてください・・・年金もらえなくなっちゃうから」
「それは・・・ちょっと」
死亡を知ってから一週間以内に死亡届けを提出しなければならないルールである。
例の食堂でカウカウファイナンスのウシジマくん(山田孝之)は柄崎(やべきょうすけ)とオムライスを食べている。
丸山くんが20万円で借りている部屋を40万円で貸しているのが儲けなのである。
「丸山は大丈夫だろうな」
「問題ないと思います」
オムライスにケチャップとソースと七味をかける柄崎を見つめるウシジマくん。
そこに・・・江崎の債務者の管理能力に対する不信感が浮かぶ。
丸山くんは死亡届けを出さずに・・・父親を生きている死体として扱っている。
その現場を目撃した大家(高橋修)は絶叫するのだった。
一方、丸山くんと相保証になっているいじめられっこ仲間のジャニオタこと森下(金谷マサヨシ)はアルバイト先のコンビニで釣銭を渡す時に若い男性客の手を握ることに喜びを感じていたが利息返済日が過ぎたために・・・ウシジマくんが現れる。
そして・・・例によって・・・かわいいものゲームでいきなりレッサーパンダをかわいくないと判定されハバネロ100%ジュース一気飲みの罰ゲームを犯罪的に強要されるのだった。
とにかく、ウシジマくんたちは発覚すれば犯罪者集団なのであり・・・倫理的な問題を問うても仕方ないのだ。
結局・・・丸山くんは・・・相保証のジャニオタを残し、逃亡するのだった。
だが・・・似たもの同志は運命のシンクロ現象を起こす。
ジャニオタの優しい母親も・・・死亡したのであった。
葬式には香典が集まるのだ。
早速、回収にかかるウシジマくん。
葬儀に現れたジャニオタを詰るまっとうな兄(オオシロリキ)・・・。
「連絡もよこさないで何していた・・・」
「・・・」
そこへ現れるカウカウファイナンス。
「お前の借金は144万円だ・・・香典で相殺しろ」
「お母ちゃんは・・・こんな私のために仕送りしてくれたのよ・・・そんなお母ちゃんの香典で借金返済なんてできない・・・」
「十日ごとの利息返済が72万円だ・・・お前に返済できるのか・・・」
トゴ(十日に五割の利子)である。
10万円借りたとして利息は五万円。
十日目に三万円しか返済できないと・・・借金は12万円となり・・・十日後には六万円を返済しなければならない。
また三万円しか返済できないと借金は15万円となり・・・十日後には七万五千円を返済しなければならない。
10万円借りて一月で九万円の利息を払っているのに借金は18万円になっているという恐ろしいシステムなのである。
「嫌なら・・・ヤバイ産業廃棄物の業者に紹介料200万円で・・・お前を引き渡す」
「ヤバイって・・・命もヤバイの・・・」
「そんなことは知らない」
「待て・・・」と声をかけたのはジャニオタの兄だった。
「香典もってけ・・・その代わり、弟には手を出さないでくれ」
麗しい兄弟愛だった。
「きっちり144万円・・・数えてくれ」
無表情に告げるウシジマくん。
「これで・・・あいつとの縁も終わりですかね」と帰りの車内で柄崎がつぶやく。
「いや・・・救いようのない奴は・・・救いようがない。あいつはまた戻ってくるよ」
ウシジマくんの読み通りに再びスロットにはまったジャニオタは借金を申し込みにやってくるのだった。
カウカウファイナンスの資金提供者・・・金主の大原正一(徳井優)に呼び出されるウシジマくん。
一部お茶の間サービスに務めるニュー大原ガールズ(センター池田夏希、レフト鈴木咲、ライト神谷まゆ)である。
「中国のバブルはもう終わりだ・・・これからはインドに投資する時代だ・・・君もどうだね・・・ウシジマくん・・・これは明代の作品で投機としては確実なものだ・・・私が落札した三百万円そのままで君に譲ろうと思う・・・君はなんてラッキーな男なんだ・・・」
無表情に・・・大原の怪しい経済指南を受けとめるウシジマくんだった。
大原との面会後には異常に不機嫌になるウシジマくんを回避するために借金取り立てに出る高田(崎本大海)・・・。
残された柄崎と受付事務の摩耶(久保寺瑞紀)は仕方なく雑談をする。
「なんでチクワブ嫌いなんだ」
「食感がちょっと・・・」
「ハンペンは平気なのかよ」
「はい」
両方とも美味しいと思う。
何故・・・そこにリアクションを・・・感想もたまに入れないと再現率が高まりまくるからな。
路上で昔のホスト仲間の隼人(武田航平)に再会する高田。
追い込まれていたはずの隼人は投資で成功したという。
「お前もやらないか・・・確実にもうかるぜ」
「うさんくさいな・・・」
「俺は・・・底辺からはいあがった・・・お前も闇金なんて・・・いつまてもやってるなよ」
闇金さえ一日でクビになった男の発言である。
「じゃあ・・・俺、仕事があるんで」
「お前が貸してくれた五十万円・・・うれしかった・・・色をつけて返すよ」
しかし・・・その場では返金しない隼人。
「あの金は・・・お前にやったんだ・・・投資にでもつかってくれ」
「わかった・・・倍にしてやるよ・・・」
間もなく・・・隼人からは・・・「二十万円」の配当がついたと連絡がある。
その件をウシジマくんに報告する高田。
なぜかウシジマくんは「面白い・・・俺にも一口投資させろ」と積極的な姿勢を示すのだった。
まあ・・・そんなおいしい話にうかうかと乗るウシジマくんではないはずである。
昼はカラオケ「トマト」、夜はファッション・ヘルス「エロリアーナ」で働く読者モデルのジュリア/リリー(佐々木麻衣)・・・ウシジマくんの取り立ては夜のお店で・・・。
ジュリアの夜の顔を知らないカラオケ店の同僚の麻紀(黒瀬シオリ)は浅倉先輩(岩澤晶範)との交際を報告するが・・・浅倉は露骨にジュリア狙いである。たちまち不機嫌になる麻紀。
「めんどくせえ」とため息をつくジュリアだった。
ジュリアにとっては・・・浅倉も麻紀も眼中にはないのである。
読者モデルの頂点はまだ遠いのだった。
ジュリアと似たような感覚でおしゃれ帝王の座を目指す中田広道(入江甚儀)は盗んだカードや自転車を換金する日々・・・しかし、成果は上がらない。
そんなある日・・・・カリスマ的オサレエンペラー・G10(藤本涼)からお誘いがかかる。
グラビア・アイドルや女優やモデルが・・・実業家と怪しく交際するクラブに連れていかれた広道・・・。
女優の上原憂(優希まこと)が年商十億円の通販サイト・スキタイの小野社長(岩本淳)に胸を揉みしだかれているのを見て興奮するのだった。
そして・・・G10が・・・導くのは麻薬の売人ルートである。
「そんな・・・ヤバイこと・・・」
「Uはトンネル抜けちゃいな・・・一度きりの人生・・・最短ルートでサクセスにアクセスしちゃいな・・・」
麻薬の売人ハブ(南優)から覚せい剤入り煙草を受け取り・・・ついに末端の売人となった広道。
憧れのファッションを手に入れ・・・喜びを感じるのだ。
そんな広道を訝しげに見つめる親友のキミノリ(三澤亮介)だった。
やがて・・・広道はおしゃれの道で名前が高まりだす。
人気の読モ・パピコ(紗倉まな)にもその名が知られるようになったらしい。
もちろん・・・その栄光は・・・犯罪行為によって成立しているのである。
ギャンブル依存症の宇津井優一(永野宗典)の母親が株の損失で二千万円の借金を作る。
「なんだかんだで・・・持ち家を相続できる」と思っていた優一の目論見は外れた。
「もう・・・家も人手に渡る」と父親の声が耳にはいる。
狂乱した優一。
「ななななななななんてことを・・・・しししししししてくれたんだ・・・・・おおおおおおおおおれのいいいいいいいいいえ・・・・・・・おおおおおおおおおおおおおおれのかかかかかかかかねねねねねねねね」
手当たりしだいに投げつけたものが母親の額を直撃し・・・母親は血まみれになって倒れる。
「えええええええ」
「ゆーいーちー」と呻く母親。
「でていけ」と叫ぶ父親。
・・・この世の地獄である。
いつもの駄菓子屋・・・情報屋で幼馴染の戌亥(綾野剛)と駄弁るウシジマくん。
「宇津井優一の母親が株に手を出して土地財産を失ったよ・・・回収大丈夫」と戌亥。
「母親の母親が千葉に土地を持っているから・・・それでなんとかするよ」とウシジマくん。
「さすがだね」
「でも・・・他にも厄介な顧客はたくさんいるよ」
「大変だね」
「うん」
仲良きことは美しきかな。
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