他人のサイフからクレジットカードを抜き取って持ち去るのは犯罪です(山田孝之)
なるほど・・・勉強になるな・・・とでも言うつもりか。
基本的に言語による表現の補強というのは優しい姿勢だよな。
「私はポスト」と言う度に「ポストが自分のことをポストと呼ぶのは・・・自分を捨てた親と訣別して自立して生きていこうと決めた決意表明であり、架空の赤ちゃんポストに捨てられていたという過去のフィクションによるものです」と必ず字幕を流すという手法もありなんだな。
「ポスト」と誰かが呼びかけたらすかさず・・・「ポストの決意を知った仲のいい友達が親愛の情を示すためにその名を呼んでいるのであってけして侮蔑する意図はないのです」と字幕を流す。
ま・・・ある意味、すごく鬱陶しい感じは否めないな。
しかし、もはや・・・全国のおバカ様に対応するにはそうする必要があるのでは・・・。
テレビドラマが死ぬわっ。
とにかく・・・親に捨てられた子供たちの苦悩を描くドラマに物申すやつらには善意ではなく悪意を感じるのが当然の反応だと思うぞ。
しかし・・・彼らに善悪の判断を求めるのは無理なのでは・・・なにしろ・・・おバカ様なのですからなーーーっ。
まあ・・・とにかく・・・すべてのドラマを「明日ママ」に結び付けるのはもうやめようぜ。
明日は心洗われるサイエンス・ファンタジーの時間なんだし・・・。
何が起こるかわからない五輪の祭典も始るしねえ。
がんばれ・・・ニッポン。
で、『闇金ウシジマくん Season2・第3回』(TBSテレビ201401310058~)原作・真鍋昌平、脚本・福間正浩、演出・山口雅俊を見た。ついにウシジマくんがオムレツに対してケチャッププラスソースという冒険を敢行する今回。かわいいぞ、ウシジマくんかわいいぞ・・・そのお気に入りのフレーズをウシジマくんに使うなあああああああああっ。・・・だって可愛いだろう。・・・まあね。
どこぞの浮かれた若者たちの集うクラブ。
何の努力もしないまま成人してしまった田舎出身の若者・中田広道(入江甚儀)はオサレな読モ(読者モデル)の世界で立身出世をしようと心に決めているのだった。そのために夜な夜なオサレなパーティーに参加し・・・自分のオサレ度アップを目指す。
しかし・・・オサレ世界のエンペラーたち・・・悠馬(植田恭平)やヨージ(織部ハル)は遥か天上世界の住人で・・・憧れのパピコ(紗倉まな)には近づくことも許されない身の上である。
そんな広道とルームシェアをしている幼馴染・森田キミノリ(三澤亮介)は広道の前途を危ぶむのだった。
そこへ・・・カリスマ的オサレエンペラー・G10(藤本涼)が降臨する。
俺がエンペラー
お前らペラペラ
俺は自分の道をいく
どこまでも自分の道をいく
さあ・・・皆見ろよ・・・俺の畔道
落ち武者的な過激なヘアスタイルを披露するG10(ゴト)様に目が眩むヒロミチだった。
キミノリは「うさんくさい・・・」と率直な感想を述べるのだった。
シェアハウスに帰宅した二人。
「俺はオサレになるしかないんだよ。みんなが大学を卒業する22歳までに・・・オサレでチャンスをつかみ・・・シンガーかダンサーかお笑い芸人か・・・とにかく芸能人になってみんなに認めてもらうんだ」
「だって・・・お前、歌も踊りも・・・レッスンひとつしてないじゃないか」
「学歴も金もない・・・俺にはそれしかないんだよ」
「パーティー代とかだってないくせに・・・無理しないで払うものは払えよ」
ヒロミチに友情を感じるキミノリだったが・・・ルームシェアの分担金は要求する。
「ちぇ・・・母ちゃんみたいなやつだな」
着ていく服がまだ決まらないヒロミチ。
そこへ・・・ウシジマくん(山田孝之)が・・・お伴の柄崎(やべきょうすけ)と高田(崎本大海)を連れて出現する。
「ひえっ・・・」
「ヒロミチ・・・なんで返済日ばっくれんだ・・・」
「いえ・・・」
「うっかり忘れたじゃすまないんだぜ」
「はい・・・」
とりあえず利息を回収するウシジマくん。10日で5割なので10万円借りたら10日ごとに5万円の利息を返済しなければならないのだ。
「じゃ・・・十日後な・・・」
「今度は自分で持ってこいよ」
立ち去るウシジマくん。
「あれ・・・もしかして・・・ヤミキン・・・」
「仕方ないだろう・・・オサレには金がかかるんだよ」
素晴らしいインターネットの世界から送られてくるオサレな読モランキング。
ジュリア(佐々木麻衣)は昼間のアルバイト中に自分の順位を確認する。
「37位かよ・・・」
ライバルのパピコは5位・・・モモカ(街子)の43位よりは上だが・・・ジュリアはパピコの引き立て役に過ぎない自分に焦燥感を覚えるのだった。
読者モデルの衣装は自前である。
オサレを極めるためには金がかかるのだった。
パピコからの遊びの誘いを断り・・・夜のお務めに出勤するジュリア。
源氏名リリーとなって客の性的欲望をヘルシー(挿入なし)に解放するのだった。
そこへ・・・取り立てに現れるウシジマくん。
ジュリア/リリーもまた・・・闇金の餌食なのである。
「ねえ・・・もう二十万貸して」
「だめだ・・・」とウシジマくん。ジュリアもパンク寸前なのである。
「もっといい仕事紹介してやろうか」と柄崎。
「私に・・・本番しろっていうの・・・嫌よ・・・私、読モなんだから」
ジュリアにとって性風俗店ヘルスと性風俗店ソープの間には超えられない壁があるのだった。
「どうするかは・・・お前の自由だ・・・しかし・・・今のお前に貸す金はない」
唇をかみしめるジュリアだった。
ウシジマくんの副業は不動産のまた貸しだった。
受付事務の摩耶(久保寺瑞紀)に所轄の生活安全課にストーカー被害の相談電話をかけさせる。
「また・・・お電話します・・・お名前を伺えますか」
「カマタと申します」
ウシジマくんは店子の闇金仲間に電話を入れる。
「そっちの店に生活安全課のカマタさんが手入れに入るって情報入ってる」
「ええ・・・まいったな」
「家賃20万の格安物件あるけどどうする」
「そりゃ助かります・・・情報提供料は・・・10万円でしたよね・・・すぐ振り込みます」
「入居の手続きしとくから」
「ちょろいですね・・・」と柄崎。
「デコ(警察)はこわいからな。だれかにすがりたくなる。だが・・・すがりついたらくいものにされるのがこの世界だ」
闇金業者も捕食するウシジマくんだった。
雨男ことマルヤマ(平田実)は名義貸しを要求されるのだった。
家賃十万円の物件を二件借りるのだ。
それで・・・利息の支払いをチャラにするおいしい話しである。
「親の年金15万円、後はお前がバイトで5万稼ぐ。20万で家賃を払え。そしたら・・・バイトでそれ以上稼げばお前の自由になる金ができる・・・いい話だろ」
ただし、犯罪だ。
マルヤマと相保証の身の上のジャニオタこと森下(金谷マサヨシ)はバイト先のコンビニで客に「キモイ」と言われ・・・パチスロでストレスを解消する。
すれちがう・・・ギャンブル依存症の宇津井優一(永野宗典)・・・今日も負けてジャンプ(利息支払いの延期)をウシジマくんに申し込むのだった。
目の前で誰か(香川沙耶)が芸能スカウトされるのを目撃し・・・うらやましさに包まれるヒロミチ。
近所の児童公園で・・・G10と遭遇する。
「ユーの道をいけばいい」と煽るG10。
「でも・・・俺・・・金が・・・」
「クレジットカード1枚7万円」
「え・・・」
「高級自転車は70%がユーのもの」
「俺に・・・盗みをしろと・・・」
「どこまでも続くユーの道・・・エンペラーになればいい」
「そんな・・・」
「金を手に入れておしゃれに磨きかけてビッグになっチャイナ」
G10は窃盗転売の元締めだった。もちろん犯罪である。
駄菓子屋でウシジマくんは・・・昔馴染みの情報屋・戌亥(綾野剛)と待ち合わせ。
「二人で駄菓子食うなんて久しぶりだね・・・ウシジマくん」
「頼んでおいた・・・中田広道の実家の査定どうなった」
「立地も悪いし・・・たいして金にならないな」
「そうか・・・ありがとう・・・寿司でも食うか」
「ウシジマくんには世話になってるから・・・この駄菓子で充分だよ・・・あと、母ちゃんがよろしくって・・・」
「そうか・・・」
一部愛好家うっとりの揃い踏みである。
バイト先の居酒屋で・・・客のパピコを発見し・・・うっとりとなるヒロミチ。
しかし・・・客の中にはカウカウファイナンス一同もいるのだった。
「ひえっ」
「明日・・・返済日だからいやがらせにきたよ」
「・・・」
「手間かけさせるなよ・・・」
とても・・・利息を用意できないヒロミチだった。目の前に・・・客が置き忘れたサイフが見える。
そのクレジットカードを抜きとるヒロミチ。
ヒロミチは単なるオサレバカから・・・犯罪者となったのだった。
G10から報酬を受け取りウシジマくんに返済をすませるヒロミチ。
「お前・・・この金どうやって作った?」
「バイトです・・・」
「そうか・・・じゃ、十日後な」
「はい・・・」
その頃・・・新しい読モランキングをチェックするジュリア。
「パピコ・・・5位・・・モモカ・・・41位・・・私が43位・・・私がモモカより下って・・・」
ジュリアの周囲にゆっくりと目に見えぬ闇が落ちてくる。
今回も誰もみな・・・快調に落ちていきます・・・。
良い子のみんなはけして見習わないでください。
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