一匹(泉谷しげる)、二匹(志賀廣太郎)、三匹のおっさん(北大路欣也)
元ネタは「三匹のこぶた」じゃなくて「三匹の侍」(1963年)なんだろうな。
柴左近(丹波哲郎)、桔梗鋭之介(平幹二朗)、桜京十郎(長門勇)である。
あれから半世紀である。
などと感慨にふけっていると・・・スノーボード・ハーフパイプで銀・銅メダルキター!のだった。
中学生平野歩夢は・・・憮然としていたように見えた。
ゴールド・メダリストは平野の得点が出るまで泣きそうだったからな。
悪い大人なら「U、金メダルとっちゃいな」と言うところだが・・・ドラマとしては二十歳になる前に次の五輪が巡ってくる平野のリベンジの流れも面白いからな。
すごい中学生をリスペクトするか・・・ジュラシーするかは全国の中学生の自由である。
まあ、嫉妬するより尊敬した方が健康にいいと思います。
で、『三匹のおっさん〜正義の味方、見参!!〜・第4回』(テレビ東京201402071958~)原作・有川浩、脚本・佐藤久美子、演出・白川士を見た。原作者は女流作家である。脚本は「赤鼻のセンセイ」「モンスター・ペアレント」などの人。演出家は「闇金ウシジマくん」も兼ねており・・・今回・・・中学生の黒い部分がかなりにじみ出ています。
還暦を迎えた三人のおっさん、剣道の達人・キヨ(北大路欣也)、柔道の達人・シゲ(泉谷しげる)、司令塔のノリ(志賀廣太郎)が夜回り自警団を結成し、ご町内の悪を成敗しまくるという展開である。ちなみに北大路欣也(70)、泉谷しげる(65)、志賀廣太郎(65)なので全員、なんちゃって還暦である。
まあ、中学生にとっては60歳も70歳もじじいに他ならないだろうがっ。
ここまで、恐喝犯(波岡一喜)、結婚詐欺師(大和田獏)などを順調に成敗してきて、今回は・・・皐ヶ丘中学校が飼育しているカモの虐待犯人をターゲットに定めるのだった。
ちなみにノリの娘・有村早苗(三根梓)がなんちゃって女子高校生をやってます。
キヨの剣道場に・・・中学校でカモの飼育係をやっている新垣美和(吉田里琴)がやってくる。
「カモが何者かによって虐待されているのです・・・学校は問題が大きくならないうちにカモを動物園に寄付すると決めました・・・でも、私はカモの世話を続けたいのです。なんとかならないでしょうか」
「そりゃ・・・理不尽だな」
早速、学校に乗り込む三匹のおっさん。
校長先生(有福正志)は「カモが殺されたりしたら生徒が動揺するざます」と主張するPTA会長の徳永牧子(阿南敦子)に押し切られているところだった。
「こういう問題はちゃんと解決しないとエスカレートします。嗜虐的な犯人の標的が生徒に移るかもしれません」とカモ飼育の継続と犯人捜しを推奨するキヨだった。
一方、学校の会議室に盗聴器が仕掛けられていることを見抜いたノリは・・・逆手をとって犯人を誘導する作戦を立案するのだった。
犯人が合鍵を使っている可能性の高いことから・・・学校内部に犯人がいると断定するノリ。
容疑者として・・・ふたつの鍵の持ち主が浮上する。
理科教師で飼育係顧問の菊池先生(袴田吉彦)、学校用務員の野島のおじさん(蛭子能収)である。
菊池は生徒たちに冷たく接するし、野島は見るからに怪しいのだった。
「人を見たら泥棒と思え」なのである。
ものすごく・・・殺伐とした教えであるが・・・泥棒が根絶できない以上、忘れてはならない教えなのだった。
「私も・・・用務員さんが怪しいと思う」と新垣美和も言うのだった。
しかし、野島のおじさんは・・・ゴミ箱からキクチとネームの入った血染めの白衣を発見する。
けれど、ノリがルミノール反応検査をしたところ・・・血痕と見えたのはただの絵の具だった。
ノリは状況から犯人の目星をつけるのだった。
「嘘つきは泥棒の始り」なのである。
「こんな見え透いた手口で人に罪をかぶせようとするのは・・・中学生に違いない」と断定するノリだった。
盗聴器を逆利用して、偽の情報を流し・・・犯人をおびき寄せ、罠を仕掛ける三匹のおっさん。
犯人は・・・PTA会長の息子を主犯とする男子中学生たちだった。
鉄拳制裁をくらわせる三匹のおっさん。
「泥棒をとらえてみれば我が子なり・・・ですな」
「ひどいわ・・・暴力を振るうなんて・・・体罰絶対反対」とモンスター・ペアレントとして火を吐くPTA会長。
「ふざけんな・・・親がそんなことだから・・・他人の痛みが分らない子供が育つんだよ」とシゲ。
しかし・・・バカは死なないと治らないのである。
校長も責任問題を恐れて警察には通報せずに穏便にことをすませるのだった。
「ありゃあ・・・いつか・・・通り魔とかストーカーになるな」と矯正されない子供たちを見送る三人のおっさんだった。
キヨは・・・クールな菊池先生が気になっていた。
「どうして・・・生徒の相談にのってやらなかったんだい」
「誰かの相談にのったら・・・贔屓していると問題になるんですよ・・・なつかれたら困るんです」
「それで・・・さびしくないのか」
「仕事を失うわけにはいかないでしょう」
「・・・」
三人のおっさんの前には・・・不様な現代の世界が横たわっている。
キヨの道場に・・・カモの飼育係の美和が御礼にやってくる。
「私・・・小学生の時にいじめっ子だったんです・・・でもそれが悪いことだったと思っていじめた子にあやまろうとしました・・・でもいじめられた子は絶対に永遠に金輪際許さないと言うんです・・・私がカモの世話をするのは・・・せめてもの罪ほろぼしなんです」
涙する美和にキヨは困惑するのだった。
「まあ・・・お汁粉でも食べなさい」
世界は悪に満ちている・・・しかし、善人や正義の味方になろうと思えば・・・誰でもなれるチャンスがある。
まあ・・・年寄りの冷や水にはご注意ください。
CLUB Riko開催中・・・シャブリ「いじめっ子ではない里琴ちゃん・・・動物虐待をしているのは袴田先生・・・と思ったら虐待しているのは生徒たちだった・・・そして里琴ちゃんは元いじめっ子・・・なかなかにひねっているのでありましたああああああ」
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