孫子・計篇に曰く、兵者詭道也・・・と軍師官兵衛篇は織田信長篇に合流(岡田准一)
つまり、支流が本流に合流してここから大河ドラマ・・・なのですな。
で、「孫子」の「計篇」からの引用である。
「計篇」は「孫子十三篇」の冒頭の一篇である。
「戦争は国の大事であるので・・・慎重に事を進めなければいけない。そのために五事七計が重要となる」
孫子では戦争の内容を分析するためのいくつかの指標をあげて・・・その大略を述べている。
その後で・・・戦争の本質を一言で示したものが・・・「戦争(兵)は策略(詭道)である」という言葉なのである。
まあ・・・身も蓋もないと言えばそれまでである。
後段はこう続く。
「準備万端が整っているのに準備不足のふりをしたり、すでに敵ののど元に刃を突きつけているのに平和的にふるまい、頭をなぐるとみせかけて急所を刺すのだ」
つまり・・・卑怯とか汚いとかは敗者の戯言ということである。
「おい、お前、試験勉強した?」
「してねーよ」
・・・というのが孫子の兵法の基本です。
で、『軍師官兵衛・第8回』(NHK総合20140223PM8~)脚本・前川洋一、演出・田中健二を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回の画伯は三十八行・・・おっ・・・少しだけ持ちなおした~。秀吉とおねのなんだかんだがややうけでございますかーーーーっ。しかし、今回は・・・すでに永禄四年(1561年)頃、死亡したと推定される武田の軍師・山本勘助(風林火山ヴァージョン)描き下ろしイラスト大公開で・・・お得なんだかどうだか不明でございますーーーーっ。一同大爆笑ですな。だから・・・プライベートな一同爆笑はコメント欄でやれと何度言えばっ。しかし・・・あくまでマイペースでお願い申し上げます。
天正三年(1575年)五月、長篠の戦いで織田・徳川連合軍が武田勝頼を撃破。七月、小寺官兵衛、岐阜へ。・・・お、時の流れが止まった。夏の美濃国岐阜城下から夏の近江国長浜城下へ・・・西播磨国代表として小寺政職が織田家に誼を通じ、全権委任大使として小寺官兵衛は織田信長に拝謁。播磨国方面軍司令官として羽柴秀吉任命であるか。長篠の戦いで敗北した武田勝頼のために武田軍は敗色の兆し。設楽原から引き上げた織田信長軍は岐阜城で先勝祝いの際中である。なお、武田信玄の死はまだ秘されているが・・・主だった戦国大名には筒抜けだった。徳川家康軍は遠江国二俣城方面に攻勢をかける。長尾顕景は上杉景勝に改名、謙信より弾正少弼を譲位。北条氏政も小山秀綱の下野国祇園城を攻め落とした。美濃国岩村城の武田軍所属・秋山虎繁・織田つや夫妻の命は風前の灯となる。信長・嫡男・信忠は包囲戦に突入。岩村城落城後、夫妻を長良川の河原で逆さ磔の極刑に処す。一説によれば信忠は大伯母おつやの助命を嘆願したが聞き入れられなかったという。岩村城攻城中の八月、信長は兵三万による越前一向一揆平定戦を開始する。参戦武将は・・・佐久間信盛、柴田勝家、滝川一益、羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、簗田広正、細川幽斎、原田直政、蜂屋頼隆、荒木村重、稲葉良通、稲葉貞通、氏家直昌、安藤守就、磯野員昌、阿閉貞征、阿閉貞大、不破光治、不破直光、武藤舜秀、一色義定、粟屋越中守、逸見駿河守、織田信孝、津田信澄、織田信包、織田信雄などである。
つまり、官兵衛の岐阜訪問は・・・長篠の戦いと岩村城包囲戦、そして越前一向一揆平定戦の間隙を縫って行われています。
なお、近江国小谷城から長浜城は城下そのものが引っ越し中で物凄い修羅場になっています。
「播磨国・小寺官兵衛殿」
「であるか」
播磨国の地図と「中国攻略の策」を献上し、お土産に名物「圧切長谷部」(国宝)をもらった官兵衛は栗山善助、母里太兵衛、井上九郎右衛門ら少数の家来とともに、取次(上司)となった羽柴秀吉の領地・近江国長浜城を訪れる。
案内役はすでに死相の浮かぶ石田佐吉だった。
琵琶湖湖畔の長浜城下は大賑わいである。
「いかがですやろ」
「なんとも祭りのようでござるな・・・」
「わが殿(秀吉)が滅ぼした浅井家の小谷の城をつぶして、城下町ごとこの地に移築しておりますのや」
「城も町もでござるか」
「そうです。石も木も解体して運搬し組み立て直します」
「はあ・・・」
「織田家の武将は皆、建築が得意なのです」
「工事は来年までに終わらせますが、秋には越前攻めの戦がありますので・・・戦支度を急ぐ必要があります」
「越前を・・・」
「本願寺門徒がうるそうてかないませんからな」
「一向一揆でござるか」
「そうです。上様(信長)の戦は年中無休でかないませんわ」
「年中無休・・・」
「そうです・・・天下布武の日程に滞りがあってはならぬのですわ」
「日程・・・」
「はい・・・春は遠江、秋は越前ですわ。おそらく播磨は来年か、再来年になるのとちゃうやろか」
「え・・・」
「ま、我が殿におまかせあれば大船にのった気持ちで祝着のことと存じます」
「・・・」
官兵衛一行は秀吉に歓待された。
その宿に女旅芸人が忍んでくる。くのいちのお国だった。
「国元はどうか・・・」
「毛利と織田の忍びが暗躍して・・・にぎやかでございまする」
「そうか・・・」
「播磨の忍びなど・・・なかなか・・・手を出せませぬ・・・」
「手出しは無用だ・・・黒田の忍びも伊吹の忍びもしばらくは大人しくしているがよかろう」
「勘兵衛様も痛い目に遭いましたな」
「うむ・・・黒田忍びを岐阜城下に放ったが全員・・・戻って来ぬ」
「ここでもお控えあそばされ」
「秀吉殿も忍びか・・・」
「猿飛佐助の名を知りませぬか・・・」
「なんと・・・そんな・・・」
「長浜は・・・名うての真田忍軍で満ちておりまするぞ・・・」
「そうか・・・それでは武田に勝ち目など最初から・・・」
「・・・あ」
すでに官兵衛の身体はお国の中にある。
長浜の夏の夜は更けていく。
天正三年、真田昌幸の側室・菊の父・尾藤(宇多)頼忠はすでに羽柴秀吉の配下となっている。
尾藤(尾張の藤原氏)一族は小笠原、今川、武田と渡り歩いた信濃忍びの一族である。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
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