私だけはいつも必ず絶対的に正しい違法捜査をしているのです(水谷豊)
三月のお彼岸中の土曜日・・・。
甲子園では・・・魔物が大暴れして9回裏に一点差を同点、10回裏に二点差を同点、ついにブラスパンドの奏でる「あまちゃん」の応援で「てれってってってってて~れじぇじぇじぇ」と13回裏にサヨナラで豊川(愛知)が文理(新潟)に勝利する。
うとうとしたくなるゴールデン・タイムに・・・NHKの「どんとこい超常現象」とか「車王国万歳ドラマ」とかを横目に「スーパーサイヤ人ゴッド」のアニメを見てみる。
・・・パピコ効果かっ。
結局・・・強いものが正しいという究極のテーマが延々と展開されるこのアニメ。
それが面白い人には面白いのだな。
やはり・・・勝利こそが正義なのである。
で、『相棒シリーズ season12 最終回スペシャル(全19話)』(テレビ朝日20140319PM8~)脚本・輿水泰弘、演出・和泉聖治を見た。脚本家によって微妙に「相棒」のセンスは変わるのだが・・・今回はどちらかというと支離滅裂の人である。しかし・・・支離滅裂こそが相棒の本質と言えば・・・もっとも相棒らしい作品に仕上がっているとも言える。ミステリには・・・「制度」そのものをアイディアの根幹にしているものがあり・・・たとえば米国映画には「証人保護プログラム」という制度を扱った作品がいくつかあるわけである。当然、日本のクリエイターはこれをパクリたいと考えるわけだが・・・残念ながら・・・日本には「証人保護プログラム」そのものがない。そこで今回はもしも・・・誰かが実験的に「「証人保護プログラム」」もどきを試していたら・・・という滅茶苦茶を仕掛けてきます。で・・・そういう滅茶苦茶なことをする人材にはことかかない相棒ワールドだが・・・やはり、やってるならあの人だろうと・・・死亡した官房長こと小野田公顕警察庁長官官房室長(岸部一徳)が墓場から復帰するのだった。回想シーンのみの登場だが・・・その存在感は半端なく・・・惜しい人を失くしました・・・という気持ちで一杯になる・・・お彼岸だからな。
極悪人の御影康次郎(中村嘉葎雄)を死刑台に送り込むために・・・生前の小野田は殺人事件の陣頭指揮をとり・・・康次郎の三男で父親の稼業を嫌う智三(冨田佳輔)を焚きつけて父親を告発させることに成功する。親を裏切った子を見せしめのために殺害しようとする御影一族から親不幸な裏切り者の智三を守るために・・・小野田は使途不明金一億円で擬似証人保護プログラムを発動。戸籍のデシタル化に伴う入力ミスを利用して智三に新しい戸籍を捏造するのだった。
しかし、執念深い康次郎は死刑囚の身でありながら・・・獄中の元・法務大臣の瀬戸内受刑者(津川雅彦)に接触・・・智三が官によって秘匿されている事実に勘付く。そして・・・娑婆にいる長男の真一(阿部進之介)と次男の悠二(篠田光亮)に三男の暗殺指令を命ずるのだった。
親として・・・親不幸な子供には罰を与えるという当然の行為で・・・おいっ。
とにかく・・・父親を敬愛する長男は・・・愚かで軟弱な三男に死を賜るべく行動を開始するのであった・・・だから、おいってば。
だって・・・たとえ悪人だって身内を売るのは人の道に反してるだろう。
そうだよな・・・だからこそ、犯罪者の身内の証言は信憑性を疑われるわけだし・・・。
・・・お前たちっ。どこのシンジケートの人間だよ。
まあ、その点はさておき・・・長男は東京拘置所刑務官の久保寺(福井博章)の妻(川田希)と娘(安生悠璃菜)を人質にとって・・・瀬戸内に三男を差し出すように要求するのだった。
困惑した瀬戸内は・・・特命係に救助要請である。
杉下右京警部(水谷豊)は極秘にしなければならないと・・・単独捜査を開始するが・・・人手が足りないとただちに・・・相棒の甲斐享(成宮寛貴)や鑑識の米沢(六角精児)たちをガンガン巻き込み・・・いつの間にやら捜査一課も手足のように酷使し、ついには警察庁次長の甲斐峯秋に超法規的措置で瀬戸内を保釈させるように要求する。
これによって・・・人質は久保寺の妻子と瀬戸内を交換することが出来るのだが・・・基本的に何の状況の改善もみられないことは言うまでもない。
調査の結果・・・ついに・・・三男を発見するが・・・すでに病死していたことが判明する。
「死んでいた・・・と言っても相手は信じないでしょう」
そこでさらに・・・死刑囚の康次郎を超法規的措置で保釈し、三男の墓石に対面させるのだった。
しかし・・・父親を激しく敬愛するために・・・父親に溺愛されていた三男を激しく憎悪する長男は父親の言葉にも従わなくなっていたのだった。
仕方なく・・・捜査一課に次男の別件逮捕をさせた右京は・・・相棒を偽物の三男に仕立て上げるのだった。
すでに狂人と化した長男はただちに発砲・・・たまたま胸に弾丸を撃ち込まれ防弾チョッキで・・・一命をとりとめる甲斐亨だが・・・頭にくらっていれば大惨事である。
とにかく・・・隙をついて・・・長男は確保されるのだった。
「こんなことになったのも・・・法をまげて・・・官房長がおかしなことをしたからです」
断言する右京に・・・登場人物とお茶の間は・・・。
「あんたにだけはいわれたくない」
「おまえがいうか」
「この違法捜査の常習犯がっ」
激しく狂おしく身悶えつつ、つっこむのだった。
そして、世間に後ろ指さされても庇いあうのが家族だと信じたい悪魔だった。
親を売って一億円でのびのび田舎ライフを楽しむ三男が最高の極悪人だな。
おいおいおいっ。
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