谷間に咲くどんとこない超常現象(阿部寛)
「15歳になったら夢見る少女じゃいられない~花子とアンを待ちながら(山田望叶)」という記事も用意しかけたのだが・・・まだ「なぞの転校生」が残っているので自粛である。
「春の高校野球」の「魔物観測」をしている間に・・・うっかり、昔のエロゲを起動して・・・気が付いたら数時間の記憶が失われているアクシデントがあったりして更新がおそめになったが・・・まあ、基本的に谷間なのである。
それにしても奈良県代表・智弁学園VS栃木県代表・佐野日大の試合・・・。
延長戦で・・・同点で・・・裏の佐野日大の攻撃。無死満塁である。
ノーアウト満塁は点にならない・・・という魔物用語があるわけだが・・・智弁の投手は五番打者、六番打者を二者連続三振に討ちとって・・・ツーアウト満塁までこぎつけたのである。
あと一人・・・あと一人なのである。
しかし・・・鋭い打球は内野を抜けて佐野日大のサヨナラ勝利・・・。
二死満塁には魔物が棲んでいるだなあ・・・。
打者から見れば・・・三振した二人は魔物に魅入られていた・・・そういう顔をしていた。
しかし・・・殊勲の七番は・・・魔物に打ち勝ったのだ。
五輪の魔物も凄かったが・・・甲子園の魔物も凄いのである。
で・・・そういう魔物が実在するかどうか・・・人間には不可知なのではないかと悪魔は邪推するのだが・・・科学者たちの挑戦は続くという話なのである。
で、『NHKスペシャル・超常現象~科学者たちの挑戦』(NHK総合20140322PM9~)ナビゲーター・阿部寛を見た。説明の必要はないと思うが・・・ドラマ「トリック」で「どんとこい超常現象」という著書がある上田教授を演じた人の起用である・・・まあ・・・NHKにはおいっとツッコミたい気分です。
阿部寛は・・・ドキュメンタリー風VTRのバラエティーショー風受けての感想ドラマを演じている。
「超常現象をどう思いますか」
「そんなものあるわけないでしょう」
「しかし・・・最先端の科学者たちはその謎の解明に真剣に取り組んでいるですよ」
「そうなんですか・・・知らなかった」
山田(仲間由紀恵)が出ていないのでリアクションが薄いのである。
冒頭、ロンドン在住のスプーン曲げの超能力者ユリ・ゲラーが登場した時には山田に「同業者じゃねえか・・・豪邸に住み過ぎだろうっ」と叫んでほしかったのである。
「超常現象を最新の科学が解明しようとしていることは・・・世界的な潮流なのです」
「嘘くせえっ」である。
しかし・・・まあ・・・「とある現象を・・・説明するのが科学の一つの本質である」とすれば・・・「幽霊」とか・・・「生まれかわり」とか・・・「テレパシー」を説明できればしてみたいのが科学者の一部の心情ということなのだろう。
もちろん・・・解明・・・ではなくて・・・解明しようとしている・・・というのがミソなのだ。
たとえば・・・古城の幽霊・・・では・・・脳神経学者や、生理学者、電磁気工学者がその謎のアプローチをする。
その城のとある場所では「オレンジ色の火の玉」が見え・・・目撃者は「冷気」に包まれるという。
電磁気工学者が・・・「電磁気」を測定する。
脳神経学者が「人間は電磁波によってオレンジ色の光を見ることがある」と自説を述べる。
生理学者が「ネズミはヘビの存在を察知すると体温が低下します」と報告する。
つまり・・・人間は恒温動物(死後)だという話である。
「恐怖を感じると体温が背筋を中心に下がるのでゾクッとします」と生理学者は述べるのだった。
「いや・・・そうじゃなくて・・・本当に室温が下がったんだって」と反論しても・・・室内の温度計は・・・常温を示しているのである。
だからといって・・・霊気が冷気をもたらすことは・・・否定できないのだった。
「科学では説明できないことを科学で説明しようとする不毛」が・・・続くのだ。
「生まれかわり」にいたっては・・・「記憶の変容に基づくただの錯覚」と前置きした心理学者が・・・しかし・・・そうとも言い切れないケースがあると言い出す。
甘いもの食べ過ぎで・・・やや肥満の気配がある少年が・・・「僕はハリウッドに住んでいた二枚目だった」と言い出したケースである。
その「前世の記憶」が・・・あまりにも正確だったので・・・なんともいえないケースだと心理学者は言うのだが・・・お茶の間の人々も何とも言えないのだった。
最後は「テレパシー」についての最先端の話である。
そもそも・・・人間にとって極小な世界というものは・・・際限のない話なのである。
そういう発想は・・・ギリシャ哲学の時代からあった。
極小の物質が・・・等身大の事象に影響を与えているという話である。
その結果・・・人間は原子爆弾に到達した。
しかし・・・現代ではその極小物質は「量子」と呼ばれている。
量子論においては・・・量子がスリットを抜けられることが一つの確率の問題になっている。
量子がスリットを抜けられる確率が1/2になるように設定された装置というものが作成可能になったのだった。
ところが・・・米国における同時多発テロの頃に・・・その装置が正常に作動しなくなったという事例が報告される。
これは大量の人間が同時に興奮状態になったからではないかという仮説の誕生である。
そこで人間の脳内活動を電磁的に測定する装置を使い・・・カップルの片方に視覚的な刺激を与え・・・別室の片方の脳波を測定した時に・・・刺激を受けた片方に呼応する反応があるという実験を紹介。
このことから・・・人間の脳には・・・「量子的な何か」が干渉していて・・・それが時空を超えるという話である。
まあ・・・ドラマ「安堂ロイド」はこの辺りの話をネタにしているわけである。
とにかく・・・そんな話を展開して・・・この世の不思議な出来事もいつか・・・解明できるはずだ・・・と阿部寛を納得させるという擬似ドキュメンタリー。
まあ・・・量子よりも極小の物質が観測できれば・・・なんらかの進展はあるかもしれないとは考える。
しかし・・・ほとんどのお茶の間は・・・茫然としたのではないかとも考えた。
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