終わらない悲しみ~鼠、江戸を疾る(滝沢秀明)
東日本大震災から三年である。
悲しみの癒えぬ間に次の悲しみを予感させる時代。
そういう悲しみに耐えて生きている感じを醸しださせる主人公である。
そんなタッキーにマッチの主題歌がマッチしている。
そこでだじゃれなのはどういう流れだよ。
・・・この枠の時代劇は当たり外れが大きいのだが・・・この作品はまずまずである。
鼠小僧とかわいい妹の謎の二人暮らしという設定もそそる。
二人の正体がいよいよ明らかになる最終章の前後編の直前なのだ。
で、『木曜時代劇・鼠、江戸を疾る・第1話~第7話』(NHK総合20140109PM8~)原作・赤川次郎、脚本・大森寿美男、川崎いづみ、演出・黛りんたろう(他)を見た。自称・甘酒屋の遊び人次郎吉・・・実は鼠小僧(滝沢秀明)は・・・小太刀の達人で妹の小袖(忽那汐里)と二人暮らしである。小袖は兄の正体を知っている。二人がなぜ・・・そうなったのかはまだ明らかになっていない。二人と顔なじみの岡っ引き・徳五郎(髙嶋政宏)は鼠の正体にまるで気付いていない残念な感じである。他に女医の千草(片瀬那奈)や、縁あって千草の助手になっている貧しい町娘・お豊(萩原みのり)が配置されている。
もちろん・・・鼠小僧は大名屋敷に忍びこんで千両箱を盗み出し、貧しい町民に施すという義賊なのである。
しかし・・・忍びこんだ先々で・・・事件に出くわし・・・窮状にあえぐ人々を助けるという仕掛けになっている。
もちろん・・・基本は勧善懲悪である。
エピソード自体はパターンをちょっぴりひねった程度のものだが・・・心配性の次郎吉と勝気な小袖のふれあいが微笑ましく、物語をスムーズに展開させていくのだった。
西岡徳馬とか、森次晃嗣とか、石丸謙二郎とかゲスト悪役も悪くないのだが・・・茶器を割っちゃう町娘(小島藤子)とか、夫の不倫に悩む武家の妻女(釈由美子)とか、火事で焼け出された母子(星野真里・豊嶋花)とか、夢遊病の箱入り娘(佐津川愛美)とか、出生の秘密を持つ側室(石橋杏奈)とか、だまされやすいお嬢様(岡本玲)とか、商家専門の泥棒猫(大政絢)とか、仇討ち目当ての奥女中(村川絵梨)とか・・・ゲスト・ヒロインが豊富なのである。
とにかく・・・可愛い江戸娘満開の時代劇なのだった・・・そこかよっ。
第7回では・・・ゲストに・・・藩主の命を受け、藩内の不正を探る藩士・矢崎役で岡田義徳が登場。
剣の達人である矢崎の暗殺に失敗した悪い家老(森田順平)は矢崎の新妻・菊乃(富永沙織)を拉致し・・・辱めようとするわけだが・・・鼠小僧と小袖が救出に成功する。
鼠小僧は武器は使わず、拳法に似た体術で相手を瞬殺したりするのである。
二人の協力で不正は暴かれ・・・一件落着。
刺客との戦いで負傷した小袖を背負い、家路につく次郎吉・・・。
次郎吉に甘えるツンデレの小袖がかなり萌えさせます・・・。
はたして・・・二人の隠された秘密とはなんなのか・・・まあ・・・大体予想はつくわけですが・・・それでもうっとりと楽しめるのが時代劇の醍醐味なんだな。
終わらない悲しみが・・・終わる日が来るのか・・・楽しみなんだな。
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