ダークシステムなんかいらない・・・心に闇がある限り!(八乙女光)
さいはての冬ドラマも残るは「なぞの転校生」の最終回を残すばかりである。
もちろん・・・レビューをしている「明日、ママがいない」「僕のいた時間」「ウシジマくん」を入れた四本はいずれ劣らぬ「さいはてドラマ」だったわけだが・・・最終回を終えたこのドラマもトータルで考えると・・・ものすごくさいはてだった。
ちなみに・・・さいはてはこのブログでは誉め言葉です。
ソチ五輪シーズンに健気に立ち向かったドラマ関係者の皆さんの健闘を讃えています。
とにかく・・・終わってみると・・・主人公はまぎれもなくヒーローだった。
最後はマッド・サイエンティストとしては異例の・・・「マシンなき意志の力」で逆境を克服するのである。
つまり・・・決断力、体力の限界、運・・・まさに・・・自力本願である。
運・・・は自力本願なのかよ。
とにかく・・・始った時にはそうでもなかったのに・・・主人公のキャラクターが好きになっている。
アイドル・ドラマとしては大成功ではないのか。
・・・お前に好きになられてもな。
で、『ダークシステム 恋の王座決定戦 最終回(全10話)』(TBSテレビ201403250028~)原作・脚本・幸修司、構成・演出・犬童一心を見た。アンダーグランドな映画を原作とするという異例なこのドラマ。失恋に失恋を重ね・・・ついに心に闇を生じさせた加賀見次郎(八乙女光)は親友の西園寺(弓削智久)とマドンナの白石ユリ(玉城ティナ)の争奪戦を展開する。結局、西園寺を手作り破壊兵器・サイオンジクラッシャーで撃破し、彼を記憶喪失に追い込んだ加賀見である。だが・・・その後もユリのストーカーであるファントム(板尾創路)やユリの許嫁で盲目のピアニストである恩田 妖一(伊野尾慧)との激しい恋愛バトル・・・というよりは殺し合いが続く・・・(一部・小中和哉の演出)・・・しかし、手作りの未来予測マシンや、手作りの人生の重さ測定マシンにより・・・危機をのりきってきた加賀見だった。
・・・もう・・・あらすじ書いているだけでさいはてな気分になってくるよね。
しかし・・・バトルの中で・・・ユリとの恋愛感情は深まり・・・なんとなく相思相愛になっていく二人。
記憶を取り戻し・・・復讐に燃える西園寺の最終兵器・カガミクラッシャーを「変顔」で撃破し、身体を張ってユリを守った加賀見は・・・ついに「侠気」によって西園寺との友情も復活させたのだった。
とにかく・・・何故か・・・加賀見を忌み嫌うユリの父親で闇の権力者・白石鉄山(林隆三)の反対を押し切り、ユリの母親・桂子(滝沢涼子)をうっかり病院送りにしてしまうという最悪なアクシデントも乗り越えて・・・ダークウエディングにこぎつけた加賀見とユリだった。
しかし・・・結婚式の朝・・・鉄山は忘れていた忌まわしい思い出を夢で思い出すのだった。
鉄山十五歳・・・終戦直後の混乱の時代・・・すべてを失い・・・闇に棲んだあの日の出来事を・・・。
商才のあった鉄山は・・・幼馴染の石川トキ(柴田杏花・・・「JIN-仁-」の野風の幼少期役、「おひさま」のみどり、「ハガネの女」の琴平れもん、「幽かな彼女」の葉山風・・・映画「瀬戸内海賊物語」で初主演の14歳)と町の発明家で親友の加賀見一郎(八乙女光=二役)と「雑炊の販売」で生計を立てていた。
商売が軌道にのり・・・トキへのプロポーズを決意した鉄山だったが・・・売上金とトキを持ち逃げした加賀見一郎にすべてを奪われてしまったのだった。
もちろん・・・加賀見一郎こそ・・・加賀見次郎の亡き父親だったのである。
そのために・・・挙式を・・・加賀見の葬式に変更した鉄山だった。
真剣で・・・加賀見を切り刻む鉄山。
二人に同情した使用人・黒服A(古谷克実)が黒服を脱いで二人の脱出を手助けする。
しかし・・・海外逃亡を促す加賀見にユリは「父を捨てられない」と逡巡するのだった。
親友の危機に最終兵器とともに会場に乗り込んだうっかり招待されていなかった西園寺は鉄山と黒服軍団と対決し・・・壊滅的な打撃を与える。
鉄山に対し、最終兵器アグレッシブ・モード(小型戦闘機によるドリル攻撃)特攻を仕掛ける西園寺。
鉄山と西園寺の最終決戦を目撃した加賀見に生じる葛藤。
悪い加賀見「このままにしておけば鉄山を西園寺が殺してくれるかもしれない」
もっと悪い加賀見「悪くても相討ちなので放置するべきだ」
「両方とも悪い俺じゃん」と自分にツッコミを入れる加賀見だった。
「お父さん・・・」とユリの悲鳴。
加賀見は・・・悪魔の科学技術に頼らず・・・正しい決断をするのだった。
「これが・・・俺の最後の選択だ」
加賀見は鉄山と最終兵器の間に自分を割りこませるのだった。
身を捨てて・・・自分の命を救った加賀見に・・・洗い流される鉄山の怨念。
しかし・・・加賀見は・・・生死の境を彷徨う。
加賀見を救ったのは・・・三途の川を渡航中のファントムだった。
「あんた・・・死んでたのか」
意外な展開に戸惑って息を吹き返す加賀見だった・・・。
大団円である・・・加賀見は・・・最愛の人・ユリを得て・・・莫大な財産を持つ鉄山の義理の息子となり・・・親友の西園寺とともに・・・おそらく・・・変なマシーンを量産するのである。
あんだけ・・・滅茶苦茶やって・・・最後はまともって・・・。
ま・・・終わりよければすべて良しだな。
柴田杏花の主演映画・・・面白いといいよね。
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