紫のアネモネの花言葉は・・・っていきなり死んでるよっ(倉科カナ)最初の依頼者で居座る手(西内まりや)SMOKING GUN〜決定的証拠〜(香取慎吾)
ミステリの基本の一つは・・・過ぎ去った過去に秘められた謎を解くということにある。
警察ミステリには様々なヴァリエーションがあるが・・・謎に包まれた事件を解明し解決に導くのはオーソドックスな手法と言えるだろう。
しかし・・・謎に包まれた事件というアイディアはそう簡単に生まれない。
そこで・・・同じ謎を警察ではない誰かが解明して見せるという展開が行われる。
その中で生まれた「きらきらひかる」は珠玉の名作と言える。
「検死官チーム」が主役で・・・「遺体」が事件の全貌を物語ってしまうという趣向である。
柳の下の泥鰌を求めて、様々なチャレンジが試みられる。たとえば「ヴォイス~命なき者の声~」などというストレートな例もあるし、「絶対零度~未解決事件特命捜査~」のように警察の手に戻ったもの、「最高の人生の終り方〜エンディングプランナー〜」のように葬儀社を出してきたり・・・あの手この手である。
しかし、なかなか・・・「きらきらひかる」を超えないのだな。
変化球として成功しているのは一人の女子生徒の死を巡り、全篇で謎解きに挑む「わたしたちの教科書」ぐらいである。
今回は原作もので・・・謎解きそのものはまずまずだが・・・初回を見る限り・・・キャラクターを配置しすぎて・・・なんとなく雑然とした感じを受けてしまう。
まあ・・・キャラクターたちに命を吹き込むことには・・・この脚本家はいつもセリフがベタすぎて失敗しているので・・・生温かく見守るしかないのである。
で、『SMOKING GUN〜決定的証拠〜・第1回』(フジテレビ20140409PM10~)原作・横幕智裕、竹谷州史、脚本・酒井雅秋、演出・村上正典を見た。アネモネは美少年アドニスの血から生まれた花である。愛と美の女神アプロディーテーも冥府の女神ペルセポネーもアドニスを熱烈に恋してしまうのである。まあ・・・こういうことは時代を越えて存在するわけですな。結局、アドニスは女神たちの争奪戦の果てに嫉妬したものによって殺されます。つまり・・・その殺人現場で生まれた花がアネモネ。だからアネモネの花言葉は「殺したいほど愛してる」でございます。さて・・・赤のアネモネが「愛」を示すのに対し、紫や青のアネモネは「希望」を示し、花言葉は「あなたがふりむいてくれることを信じる」なのですね。まあ・・・愛しているんだから愛してもらえるはずだ・・・という儚くも自分勝手な願望の提示なのでございますけれど。
さて・・・ついに・・・民間科捜研という設定が登場。設備投資だけでもかなり大変で・・・企業として成立しているのかどうか・・・疑問視されるわけですが・・・まあ、ドラマだからな。
このドラマだからな・・・とお茶の間に思わせた時点で多くのドラマは失敗作なのですが。
とにかく、凶器として硝煙を燻らせる「SMOKING GUN」は事件の決定的証拠ということで・・・警察が見逃した「それ」を民間の人々が発掘調査して握るという展開です。
民間科捜研の主催者が料理好きの千代田真紀(鈴木保奈美)で、主人公は営業担当兼調査員の流田縁(香取慎吾)、チームには分析家の小宮山(安藤玉恵)、鑑定家の田坂(イッセー尾形)、なんとなくいる若者の松井(中山優馬)、真紀の養女・くるみ(濱田ここね)が所属しています。それぞれが・・・なんらかの過去を秘めている感じ・・・。
主人公の場合は・・・過去に恋人の死体の側で覚醒し、その前後の記憶が脱落しているわけです。事件は未解決ですが・・・当然、主人公は容疑者の一人。
彼を犯人にするための「SMOKING GUN」を得るべく・・・柏木刑事(谷原章介)は彼の監視を継続中という展開・・・。
ものすごく設定が詰め込まれていますねえ。
はっきり言ってうざいです。しかし・・・まあ、それは好みの問題だからな。
さて・・・主人公はエレベーターの中で痴漢事件に遭遇・・・被害者がミニスカートの似合う石巻桜子(西内まりや)・・・。
容疑者は現行犯で捕まりますが・・・ドーナツ好きの主人公はスカートについた指紋から・・・真犯人を特定します。それは・・・精神の歪んだ目撃者の女性だったのです。
冤罪を防いだ主人公に・・・桜子は・・・真相の調査を依頼します。
「火事で死んだ父親の死因が・・・自殺かどうかを検証してほしい・・・自殺だと保険金がおりないので・・・」
登場人物一同が保険会社のCMに出られなくなる案件でスタートなんだな。
さて・・・お決まりの倒産寸前の町工場の社長令嬢だった桜子。
今はバニーガールとして酔客にサービスするアルバイト中である。
もちろん、お茶の間へのサービスを兼ねている。
借金返済の必要があり、母親も入院中で保険金は是非とも欲しいのだが・・・そのためには死因が「事故死」である必要がある。
もちろん・・・事故か自殺かは・・・警察が特定するはずであるが・・・そんなことを言っているとドラマにならないので・・・警察は事件性がないとして結論は出さず、保険会社の鑑定で自殺と認定されているわけである・・・しかも鑑定内容は捏造らしい・・・いまどき・・・そんなことが明るみになったら・・・。
まあ・・・とにかく・・・西谷まりや、かわいいよ西谷まりやでなんとか最後まで視聴することは可能です。
自殺に認定したのは・・・①カギを本人が内側からかけている。②出火原因のベンジンを本人が購入。③出火してから逃げた気配がない・・・などである。
これに母親が隠していた遺書めいたメールがありそこには「罪滅ぼしにはならないかもしれない」という文言が・・・。
しかし・・・主人公が調査すると・・・出火場所は全く違い・・・そこには園芸用の石灰が置かれていたことが分かる。雨漏りによって生石灰が水に反応し発熱、消石灰になり、そこにベンジンが反応したのが出火の原因だった。
そして・・・ベンジンは娘の二十歳の誕生日の贈り物としてアクセサリーを磨くために使用したものだった。出火に驚いた桜子の父親はアクセサリーを取り落とし・・・それを拾おうとして煙に巻かれたことが位置関係から推測されるのだった。
もちろん・・・この世界には出火原因を特定する消防署は存在しないという前提である。
事業に失敗した父親は家族を捨てて自殺したのではなく・・・娘に桜のネックレスを「罪滅ぼしにならないかもしれない」が贈ろうとしてドジをふんで死んだのである。
「お父さん・・・」真相を知り涙する桜子だった。
渋々、保険金が支払われ・・・借金返済の目途がついた桜子は・・・なぜか・・・科捜研の一員になるのだった。
ま・・・一言で言うと・・・グダグダです。とにかく水曜日は谷間の気配濃厚だな。
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