兵法三十六計の十・・・笑裏蔵刀と軍師官兵衛(岡田准一)
人気女優だから掛け持ち出演は当たり前なのである。
しかし、なでしこベトナム戦のために「死神くん」が一回お休みで・・・桐谷美玲不足だったわけだが・・・ここで荒木だしの出番が多かったのだった。
しかし、史実に登場するだしらしいだしだと・・・退場の日は近いのである。
このスタッフは・・・荒木村重と中川清秀が従兄弟と言い張ってるのでどうなるか・・・不明である。
まあ・・・村木系図も中川系図も謎に満ちているのである程度のフィクションは許容範囲である。
ちなみに根拠は不明だが・・・司馬遼太郎の「播磨灘物語」では中川重清(清秀の父)が娘を村重に与えたことになっており・・・その説によれば村重と清秀は義兄弟ということになる。
キッドは司馬氏が・・・古田織部と村重を混同したとは思わないが、この脚本家が・・・義兄弟を従兄弟と読み間違えた可能性はあると思う。ついでに清秀と高山右近が従兄弟というのを混同している可能性もある。
そもそもだしがだしなのかたしなのかも不明な男尊女卑の世界なのである。
だしの享年は21とされている。これを信じれば生まれたのは1558年前後である。荒木村重が頭角をあらわすために必要だった摂津池田氏の一門化のために池田長正の娘を正室とすることは自然である。長正は永禄六年(1563年)まで生きているのでだしがその娘であることは可能だ。
また・・・村重は義兄弟の池田知正と組んで池田宗家に謀反したのが元亀元年(1570年)なので・・・村重はだしが12歳頃に婚姻したものと考えられる。
村重の嫡子とされる村次が永禄四年(1563年)生れとすると・・・村次がだしの子である可能性は低くなるが・・・村次の生没年は確定したわけではないので村次が村重と池田だしの子供である可能性は完全には否定できない。
また・・・村次は伊丹氏の一族・北河原氏の娘を母とする説もある。そうなればだしは北河原氏の女ということになる。
ついでにだしがクリスチャンネームであるという珍説もあり、このドラマはおそらくその影響を受けているらしい。
だしが信長の側室の一人・生駒吉乃と前夫の娘であるという説もある。
この場合、信長は義理の娘を村重に与えたことになる。だしの運命を考えると信長の冷酷さを際だたせる趣向ということだ。
このように・・・だしは・・・池田氏の娘なのか、伊丹氏の娘なのか、中川氏の娘なのか、信長の娘なのか・・・諸説ある女なのだった。
まあ・・・そういう謎の女を演じる桐谷美玲が・・・美しいのですべて許容する体制である。
「笑裏蔵刀」は戦力が拮抗している時に、友好を装っておいてから裏切るというみもふたもなく卑怯な計略である。
だが・・・それが兵法というものなのだ。
敵中に乗り込んでまんまと虜囚となり・・・さらに相手に丸腰で降伏を求めるとは・・・官兵衛・・・バカなのか。
いや・・・敵の女に助けられるところは・・・軍師というよりはジェームス・ボンド的な・・・ヒーローなんだな。
もう・・・とりあえず笑って・・・懐に隠した刀を・・・抜きたいです。
で、『軍師官兵衛・第20回』(NHK総合20140518PM8~)脚本・前川洋一、演出・本木一博を見た。画伯のレビューがまだなので・・・っていうかついに・・・見捨てられたのか軍師官兵衛・・・ドラマ「リバースエッジ大川端探偵事務所」からまたもやオダギリジョー描き下ろしで。探偵事務所的には・・・キッドの願望としてはアシスタントも含めてトリオで揃えたいところでございます。ついでに(木)有村架純、(金)桐谷美玲、(土)有村架純、(日)桐谷美玲と夢の如き展開の今季・・・ありがたい描き下ろしをお待ちしている今日この頃でございます。し・か・し、あくまでマイペースでお願いします。だから・・・私信はコメント欄でしろと何度言ったら・・・。・・・と言っている間にikasama4様が更新なさっておいででした。今回は二十八行で・・・だけど19~20回まとめてなので実質十四行・・・官兵衛、風前の灯ですな。なんていうか、フリオチの基本ができてないのですよねえ。三角飛びするならそういう修行をしていないと・・・みたいな。今回のイラストはNHK大型時代劇「真田太平記」の山中大和守俊房・・・現在の時系列では柴田勝家配下の忍びでございます。妄想では来週、大物忍者に転生する予定でございまする。
天正六年(1578年)十月、荒木村重の有岡城に入場した小寺官兵衛は消息を絶つ。同時に播磨国御着城の小寺政職は毛利との同盟を表明。織田信長はただちに小寺家の人質である松寿丸(官兵衛嫡男)の処刑を命ずる。秀吉はこれを受け竹中半兵衛と相談の上で松寿丸を隠匿することを決意する。官兵衛不在の播磨で姫路城代・黒田職隆(官兵衛の父)が小寺氏から独立し、秀吉への臣従を誓ったからである。秀吉としては命令違反だが、これは秀吉の常套手段であった。戦勝後の信長の気分を読んだのである。十一月六日、九鬼一族の率いる鉄甲船部隊は木津川口で毛利船団を撃破する。これによって摂津は海上封鎖され、石山本願寺の包囲は完成する。九日、信長は山崎に着陣し、荒木村重攻略戦を開始。十日、信長はオルガンティノ、フランシスコら宣教師を召集し、高槻城の高山右近調略を命ずる。十六日、説得に応じ右近は高槻城を開城。一方、茨木城の中川清秀には義兄弟の古田織部が説得に当たり、降伏開城に応じさせた。つまり・・・中川清秀の内通問題によって発生した荒木村重の謀反は中川清秀の信長への帰服というとんでも展開を生じさせたのである。現代から言えば悪名高い感じだが・・・清秀はこの後、問題なく出世する。前哨となる茨木城、高槻城を失った荒木村重は野戦を挑むが、秀吉、明智光秀、滝川一益、安藤、氏家、稲葉の美濃三人衆、細川藤孝など錚々たる織田軍団に一蹴される。十二月、早くも有岡城は織田軍団に包囲されてしまうのである。
竹中半兵衛の命を受けた飛騨の忍者、赤影、青影、白影の三人は、長浜城から人質・松寿丸と郎党を神隠しすることに成功した。
飛騨忍軍に守られた松寿丸は近江と美濃の国境を越え、騎馬で竹中半兵衛の用意した山中の古城へと向う。
「父上は・・・殺されたのですか」
松寿丸の問いに・・・忍びたちは無言で応じるのだった。
馬上の松寿丸は唇をかみしめた。
神明尼は有岡城内に潜伏していた。
一万あまりの軍勢をかかえる有岡城は摂津国の首府でもあり、平時において人の出入りは激しい。隣国である摂津国に黒田忍びは早くから草を入れている。
伊吹のおうまや、母里のお国など官兵衛ゆかりのくのいちたちもすでに婢として有岡城の女衆となっている。
神明尼にとっては有岡城に忍びこむことは赤子の手をひねるがごとき仕事であった。
「官兵衛殿はどうなされておる」
「北の岩窟に幽閉されておいでです」と城内の女中部屋でお国が忍び声で応える。
「村重殿もお優しいことよ・・・」
「お互いに相手を説得できると思っておられるようで・・・」とおうまが口を挟む。
「食事はどうなされておるのじゃ」
「キリシタンである加藤重徳と申すものが村重殿の許しを受けて差し入れておりまする」
「城内に・・・キリシタンがの・・・」
「城内には本願寺派とキリシタン派の二つの派閥ができております。お方さまは本願寺派・・・側室の方にキリシタン派の方がいらして・・・それなりに諍いもございます」
「どちらが・・・優勢か」
「数は本願寺派が多くございますが・・・村重殿は・・・無神論者でございますから・・・」
「茶の湯があれば・・・神も仏も無用なのですね」
「右近殿の裏切りにあっては本願寺派が色めきたちましたが・・・その日のうちに本願寺に通じていた中川殿も裏切りとあって・・・城内は騒然でございました」
「中川殿も節操のないことでございますね」
「播磨の黒田のくのいちは他に十名ほどが城に入っておりまする」
「そうですか・・・官兵衛殿の身の周りの世話は・・・」
「村田のおきぬ様が・・・着替えなどを」
「おきぬ様は女中頭でしたね」
「はい・・・それで・・・官兵衛殿をいつお救い申し上げますか」
「それは・・・まだ定めの時が参っておりませぬゆえ・・・」
「けれど・・・身動きもままならぬ岩窟でございます・・・いかに不死身の殿といえどもお身に障りまする」
「この幽閉は・・・官兵衛殿にとって覚醒をもたらす・・・いい機会なのです・・・不自由な時を過ごすことが・・・あの方の甘さを消しさるのです」
「・・・」
二人のくのいちは思い当たることがあるのか・・・顔を見合わせて微笑んだ。
摂津の国に冬が到来していた。
官兵衛は冷たい岩窟で身をかがめ頭を冷やしている。
入牢時には床一面に蠢いていた虫たちも少なくなった。
「退屈だな・・・」
官兵衛は独り言をつぶやいた。
関連するキッドのブログ→第19話のレビュー
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コメント
あらら・・・今日の1時くらいに
あげましたからね
タイミングが悪かったようですな
よろしければ足をお運びください
村重をめぐる周りのやりとり
・・・なんとも言えないくらい
コントに見えてもうて仕方がありません
みんな真面目に演じてるはずなのに・・・
なんでだろう・・・
と、考えると脚本と演出ですかな
どうもイケメン&美女が増えると
江や天地人に絡んだスタッフが主導してるような
そんな感じがしてなりませんね
もう何人かは今期の大河ドラマよりも
再来年の大河ドラマに気が向いてるようですが
とりあえず今年は土牢に入った気分で
耐え忍ぼうと思う今日このころです
投稿: ikasama4 | 2014年5月19日 (月) 17時56分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
週末は「なでしこ」「ガンダム」「ウシジマくん」と
関東ローカル深夜が殺意に満ちていたので
チェックが遅くなりました。申し訳ございません。
執事として責任をとり切腹つかまつる。
ザク、グフ、ドム・・・ふっかーつ。
まあ・・・コントというか・・・かくし芸大会というか。
基本的に・・・構成力は・・・フリオチの継続力が問われるものなのですが・・・。
牢内で・・・格闘技的な技術を官兵衛が披露する(オチ)のためには・・・
それができるだけの修行(フリ)が必要なのですな。
同様に・・・信長が・・・「根切り」をする描写も
フリが甘いので・・・オチが弱い。
だしの出自(フリ)が定かでないので村重との関係(オチ)が弱い。
突然、隠れ切支丹みたいなだしで驚き(オチ)を表現するにしても十字架などの小道具で匂わせる(フリ)が必要です。
黒田本家に至ってはまるで・・・フリ不足。
一番、できているように見える松寿丸ネタでさえも・・・
まだまだフリ不足を感じます。
だから・・・まるで深みがないのですな。
有岡城が一つの街であるという感覚がないので
そこに生きる人々の存在が見えない・・・。
だしが正室であれば・・・当然、お付きのものがあるのに・・・これがいない。
だしには妹もいれば娘もいるわけですからねえ。
なにより・・・城内には本願寺門徒や雑賀衆がいるわけで・・・そういう雑然とした臨戦態勢が
まったく匂い立ってこないわけですねえ。
誠に残念な感じでございます。(´U_U`)ゞ
投稿: キッド | 2014年5月20日 (火) 01時38分