せつない片想い・・・本人が気付かない(小泉今日子)
痛々しいのは・・・本人に自覚がない何かの場合がある。
たとえば認知症の女性が・・・料理も洗濯も掃除もしないのにエプロンを身につけるような・・・。
自分では凄くおしゃれが決まっているつもりでまったく決まっていないというような。
昔、好きだった男に再会して・・・こっぴどくふられたくせにもしかしたらやりなおせるんじゃないかと希望を抱くとか。
希望を抱いていることを周囲に隠しているつもりでバレバレだとか。
希望を抱いていることを本人が自覚していないとか・・・。
そういう痛々しさは・・・実は本人にはそれほど痛くないのかもしれない。
つまり・・・知らぬが仏である。
このドラマの人々はひたすら前向きなので・・・妙な明るさを醸しだす。
まあ・・・最高に痛い女の典子(飯島直子)の無自覚ぶりは・・・笑いを通りこしてホラーみたいでございますが・・・そこが面白いのですな。
で、『続・最後から二番目の恋・第3回』(フジテレビ20140501PM10~)脚本・岡田惠和、演出・加藤裕将を見た。昔の恋人が・・・実は同性愛者だった・・・などという優しい展開はないだろうと思っていたが・・・説明するのが困難なくらい・・・辛辣なふられ方である。そもそも・・・吉野千明(小泉今日子)は・・・高山涼太(加瀬亮)に恋愛対象として見られていなかったのである。しかも・・・高山涼太は「男」を武器にキャリアアップを狙い・・・千明に接近したというのである。
千明はそれを聞いて・・・涼太が良心の呵責に耐えかねて身を引いたと・・・なんとか心を取りつくろうのだが・・・。
要するに・・・「出世のためにであっても抱く気にならない女の烙印」を押されているわけである。
もちろん・・・小泉今日子が演じているから・・・まったく悲惨には見えないが・・・もう痛々しいにも程がある主人公なのだった。
これは・・・フーテンの寅次郎レベルの痛さだよな。
なにしろ・・・その男が落ちぶれて頼ってくると・・・食う寝るところを与え、お小遣いまで与え・・・お友達として接しようとさえするのだ。
頼ってくる男も男だが・・・受け入れる女も女である。
しかし・・・魔都・鎌倉ではそういうファンタジーも全然ありなんだな。
そして・・・昔の男とひとつ屋根の下で一夜を共にして何もなかった朝・・・まだワンチャンスあるんじゃないかと・・・「女」を続ける気配濃厚の千明なのだった。
だから・・・「ナガクラ」での朝食会で・・・早速、ポストイット高山をお披露目するのだった。
そして・・・このドラマでは唯一のティーンズの長倉えりな(白本彩奈)を紹介する。
「ロリータ」なら高山の性的対象はえりなだけだ。
もちろん・・・このドラマはそこにはいかないのである。基本的に年相応に落ち着くのが正解というベースなのである。
だからこそ・・・同じ穴のむじなというか兄弟の天使・真平(坂口憲二)よりも和平(中井貴一)の方が実はしっくりいってる風に描かれるのだ。
真平は・・・一応・・・大橋知美(佐津川愛美)と結婚予定なのである。
えりなは同級生のボーイフレンド原田蒼太(中島凱斗)ができるのである。
そういう意味でお茶の間は・・・たちまち・・・高山涼太(36)とほぼ同世代の長倉万理子(内田有紀)の関係の発展を予感する仕組みである。
ただし・・・設定的には万里子は(38)になっているのである。
キャラクター設定からはまったく見えないず・・・万里子はアラフォーなのである。
つまり・・・涼太より二つ年上なのだった。
ついでに・・・蒼太の母親の薫子(長谷川京子)は(37)なのである。
何故か、公式に年齢設定のない人々を実年齢で埋めてみると・・・。
一条(織本順吉)さん(87)・・・五十代(以上)のセックス特集関係者。
水谷広行(浅野和之)・・・典子の夫(56)
和平(52)
千明(48)
典子(47)
・・・・・・・・・・世代の壁・・・・・・・・・・・
原田薫子(37)
真平(37)
万里子(37)
高山涼太(36)
・・・・・・・・世代の壁・・・・・・・・・・
大橋知美(25)・・・金太郎
・・・・・・・・世代の壁・・・・・・・・
えりな(14)
・・・的なことになっているのだった。
愛があれば年の差なんて・・・の壁があるわけである。
だから・・・和平が仄かに恋している・・・薫子は・・・天使の真平と同世代なのである。
もちろん・・・フレッシュさではえりなに一番近い金太郎だが・・・うかうかしていると薫子・真平の同世代カップルが誕生する可能性は高いのだな。
そういう意味で・・・実は同世代の万里子・涼太カップルも全然、無理がないのである。
そういう年齢でどうのこうのというのは差別的だという考え方もあるが・・・。
じゃあ・・・・一条さん・えりなのカップル成立・・・でお茶の間が賛同してくれるとはとても思えない今日この頃なのだった・・・何を言っているのか。
とにかく、タイトル通りに最後から二番目の恋が本格始動である。
で・・・・今のところ・・・千明は「私って痛いよね」と独身悪友たちと早めのうなぎランチを食べながら・・・泣くものの・・・痛々しいせつない片思いに踏み出すのである。
「奇跡」を信じて「彼の寝顔」を見つめながら・・・ワントライを目指すのだった。
真平がそうだったように・・・千明はその世代が・・・あくまでターゲットなのである。
一方で和平は明らかに・・・「友達から始めて・・・恋が花咲くこともあるという神話」にチャレンジしているのだった。しかし・・・薫子との年の差は15歳で・・・薫子にはまったくその気がないのは明らかなのだった。
まあ・・・千明が鰻食べてるのに・・・蕎麦もカレーも食いそびれる男だからな。
そもそも・・・蕎麦教室でバンバンやってる時点で・・・薫子・・・人の話も和平の話も聞く耳持たないタイプなのだ。
裸もベッドも似合わない男・・・布団で浴衣は似合うんじゃないか。
一方・・・出会ってしまった以上・・・天使と薫子は・・・相性抜群風である。
金太郎は天使を泳がせている場合じゃないんだな。
そして・・・奥手すぎる万里子は・・・千明への同性愛的思慕を通過して・・・脚本家としのパートナーになる涼太に激しく反応するのだった。
握手されたらカチンカチンに硬直し・・・衝突したら鼻血ブーなのである。
これはもう・・・恋ですな。
恋なのかな。
恋って言うべきなんじゃね。
えーと・・・天使と薫子は・・・和平と千明がいかなかったホテルに行ったということでいいのかな。
行ったんじゃね。
そして・・・どうやら真相に気がついて・・・手負いの獣のように千明家に押し掛ける典子。
小動物のようにおびえる涼太。
それにしても・・・「鎌倉をじじいくさい街」と言い切る涼太。悪気がないけど毒舌って一種の病気だよな。「おばさんは無理」って千明に言う日も近いと思うぞ。
とにかく・・・緊急事態で予定されたドラマ制作が延期となり・・・プロデューサーとして現場に復帰する千明・・・キャスティングも・・・シナリオも・・・演出も決まっていないって恐ろしいほどの修羅場だよな。
はたして・・・万里子と涼太は仕事のパートナーとしては成功するのか・・・どうか。
それより・・・西口不動産の女(中西美帆)との修羅場をスルーしないでほしいよね。
まあ・・・なんだかんだで・・・盛り上がってまいりました・・・。
それにしても・・・同じ役所でも・・・観光課と福祉課じゃ・・・浮かれ具合がまったく違うよな。
典子は一歩間違えれば困窮しそうだがやかましくてサイレント・プアにはならないからな。
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