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2014年5月21日 (水)

妻よりも餃子を愛した夫(深田恭子)だけど介護しちゃうぞ(前田亜季)

全9話なので・・・今回を入れて残り3話である。

(1)ゴミ屋敷の老女を助ける

(2)多重困窮家庭のニートを助ける

(3)余命宣告されたホームレスを助ける

(4)若年性認知症の徘徊者を助ける

(5)30年間引きこもりを助ける

・・・ここまで奇跡を起こしまくって・・・重い現実に救いを示してきたヒロイン。

(6)在日外国人の困窮の救助失敗。

序破急の構成なら・・・(1)~(5)までが序。

(6)が破となって・・・ここから(7)~(9)までが長めの急ということになるだろう。

当然、残り三回は序破急に分割できる。

今回は・・・序破急の急の序であり、ヒロインの核心である「阪神淡路大震災のトラウマ」が概ね明らかになった。

現実は思わぬ過酷さを人間にもたらす。

それでも生きていく人に・・・制度が何を為すべきか・・・ドラマは淡々と物語を紡いでいくのである。

で、『ドラマ10・サイレント・プア・第7回』(NHK総合20140520PM10~)脚本・相良敦子、演出・清水拓哉を見た。おそらく国籍の違う母子がこの国で暮らせるように軟着陸を試みたどんな貧困も許さないCSWの里見涼(深田恭子)だったが・・・別の制度を維持する組織(警察)によって・・・任務を妨害されてしまう。「助けようとしたが・・・助けられなかった」・・・不法滞在の摘発を惧れて消息不明となった母子によって・・・涼の古傷は疼く。同時に・・・涼を主人公と考えればヒロイン・ポジションの新人職員・三輪まなか(桜庭ななみ)にも挫折の時が訪れる。絶体絶命のヒーローたちを救援するために・・・やんちゃな聖女・みき(前田亜季)が降臨するのだった。

救助の失敗を補うものは新たなる救助しかないのである。

先制点を奪われたらとりあえず同点に追いつくしかないのだから。

心理的に追い詰められた涼を慰める江墨区(フィクション)社会福祉協議会地域福祉課の近藤事務局長(モロ師岡)・・・。

しかし・・・そこに舞い込む救援要請。

たちまち、復活する涼なのだった。

江墨病院の顔見知りの看護師(久保田磨希)・・・女性主人公をフォローさせたらピカイチなことになってきたな・・・は手早く事情を説明する。

交通事故で入院した一口餃子店「ささやん」の店主・啓(成河)は一命を取り留めたが高次脳機能障害の後遺症が残り、全身麻痺に近い身体状態の上に記憶障害で失語症状態である。長期入院の限度が来たために・・・療養病院への転院を医療スタッフが提案したところ・・・患者の妻・みきが自宅療養を申し出たという。

患者の状態から・・・支援なしでの自宅介護は困難が予測され・・・「病院が厄介な患者を追い出した」感じを払拭したいというのが病院側の事情であった。

すでに・・・スーパー救援ヒロイン・モードに入った支援対象のみきをキャッチして寄り添い始めるのだった。

しかし、みきはゲストとしての存在感を越え・・・先制攻撃に出る。

「クリーニング吉岡の娘さんですよね」

「あ・・・祖父が吉岡で・・・私は孫の里見です」

「うち・・・同じ商店街の・・・ささやんです」

「あ・・・」

町内に困窮していた人がいて・・・気がつかなかったことにうろたえる涼だった。

みきは・・・希望している「自宅介護」へ涼を誘導するのだった。

「夫には古い記憶が残っているので・・・店舗兼自宅に戻れば・・・回復のきっかけがつかめるかもしれないんです」

「ささやん」を実況見分する涼。

ささやん夫妻には身よりがなく・・・経済的にも豊かではないために・・・療養病院への転院が難しいことを察する涼だった。

「高齢者ではないので・・・障害者として・・・できるだけのケアをします」

「ありがとう」

「でも・・・心身ともに大変ですよ」

「覚悟しています」

「困ったことがあったら相談してください」

「はい」

涼はたちまち・・・みきの中に潜む「思いつめた事情」を察するが・・・それを問いつめることはせず・・・見守る姿勢に入るのだった。

心配していた隣人も・・・退院の報を聞いて駆けつけるが・・・まるで廃人のような啓に言葉を失ってしまう。

とりあえず・・・介助のためのリホーム助成金や障害者手帳の入手などの初期手続きを終えた涼は夫妻を残して事務所に戻る。

しかし・・・そこでは三輪まなか(桜庭ななみ)の担当していた独居人が孤独死し・・・死体をまなかが発見してしまうという不幸が発生していた。

ショックで動揺するまなかは「私なんかに誰かを助けることができるのでしょうか」と涼に問う。

涼は・・・その答えに無言で応ずるしかない。

明らかにまなかに気がある男性職員・梶田(千代將太)は心なく涼を「冷たい」と詰るのだった。

涼のやりすぎる援助に反感を持つ職員たちは激しく同意するが・・・そうでない職員は無言で・・・事務局には微妙な空気が漂う。

ここでお茶の間は知っているが・・・登場人物たちが知っているとは限らない涼のトラウマがドラマに深みをもたらす。

本人の口から・・・それを聞きだしたのは・・・救援側では・・・江墨区役所地域福祉課の山倉課長(北村有起哉)である。

また・・・民生委員の石田敬子(坂井真紀)もある程度の事情を知っている。

涼の母親の幸子(市毛良枝)さえも・・・涼の口から「その話」を聞けないでいる・・・涼の伝家の宝刀なのである。

ショックのために欠勤してしまうまなか。

それを思いやる涼の前に山倉課長が現れて・・・「結果がすべてじゃない・・・しかし・・・私たちがやるべきことはやる」と・・・孤独死予防のための見守り強化を宣言する。

涼は山倉課長の助立ち姿勢に・・・たちまち・・・フレッシュアップである。

春の嵐が吹き荒れる「ささやん」をじっと見守る涼。

その中でものいわぬ夫を介護するみきの孤軍奮闘は続くのだった。

「ささやん」は商店街の新参者であった。

当然・・・店の歴史は浅い。

経営は順調ではなく・・・夫婦で諍いが生じることもあった。

悲劇はその時・・・起きたのである。

涼は・・・その「事情」をみきの中に直感的に見出している。

だが・・・そこには涼の方から立ち入ることはできない。

みきが打ち明けてくれるのを待つ。

それが涼のスタイルなのだ。

一方・・・商店街の人々はお節介である。新参者である「ささやん」の困難にひと肌脱ぎたいのだった。特に奥さんが美人なので男衆の熱意は高まる。

スポーツ万能だったささやんのために・・・草野球大会を開こうというのが男たちの結論だった。

河川敷の野球場に・・・招待されるささやん夫妻。

しかし・・・夫は無反応だった。

妻は・・・元気だった頃の夫の姿を回想し・・・胸がつまるのだった。

その胸中を完全に読みとる涼だった。

「なんだか・・・悪いことをしてしまったみたい」

「そんなことはないですよ・・・でも・・・もう一人でがんばるのは限界みたい。この店を売って・・・地方の療養病院に夫を入院させて・・・傍にアパートでも借りようと思ってます」

「・・・」

「あの日・・・私、喧嘩しちゃったんです・・・経営に自信がなくなって・・・店をたたもうなんて・・・夫に言ってしまって・・・」

「・・・」

「その後で・・・こんなことに・・・夫は今も私のことを怒っているのかもしれない」

「餃子焼きましょうよ・・・最後に・・・ささやんの餃子を・・・」

「え・・・」

「ご主人のために・・・」

「はい」

その頃・・・涼と山倉課長の仲を勘繰る・・・明らかに童貞の新聞配達員・郷田光良(渡辺大知)は居酒屋屋形船でウーロン茶に溺れる。

見かねた女将の敬子は「涼の悲しい顔の裏事情」を話して聞かせるのだった。

お茶の間も「その朝の全貌」をつかむ。

震災の朝。

崩れた家屋。

身動きできない弟・光(馬渕誉)を残し、崩れた家屋を脱出する幼き日の涼(山田萌々香)・・・眼前で瓦礫が崩れ・・・生き埋めになった光に燃えあがる炎。一足遅い救助隊が到着し・・・弟の名を呼びながら身悶える少女・・・。

そういう事象がいたるところで起っていたその日・・・。

郷田光良は涼の背負った傷の重さに震えるのだった。

みきは・・・夫の残した餃子日記を取り出す。

夫が書き遺した結婚記念日の・・・メモ。

「二人で初めて作ったレシピを今日は作ってみよう・・・」

みきは求めていた答えを見出す。

みきは涼の前で一口餃子を包みだす。

早くも反応している夫。

「涼さんも包んでくださる」

「はい」

ふたりの女は餃子を包む。

やがて・・・焼かれた餃子が音を立てる。

「私・・・この音が好きなんです」

涼は思わずふりかえる。この音はきっと・・・。

案の定、その音はみきの夫を覚醒させていた。

涙を流し・・・餃子に反応する夫だった。

「みきさん・・・」と涼。

「あなた・・・」とみき。

私の温もりより・・・餃子か・・・とみきが思い至った時・・・夫が口を開く。

「ありがとう・・・みき・・・ありがとう」

餃子は鎹(かすがい)という話です。

だじゃれかよっ。

夫婦は危機を乗り越えたのであった。

二週間ぶりに・・・涼を讃える河原の虫たちが鳴き出す昼下がりであった。

孤独死をした住人の家に花を捧げるまなか。

そこに・・・ベテラン職員の久慈(田口浩正)が現れる。

「お前の名刺をさ・・・故人は受け取ってた・・・」

「・・・」

「だからさ・・・故人は・・・孤独じゃなかったんだ」

「・・・」

「世間じゃなんと言うか知らん・・・しかし・・・本当は孤独死なんかじゃなかったと俺は思うよ・・・」

「ありがとうございます」

まなかを・・・救援する男鰥夫の久慈だった。

しかし・・・さすがにこのカップルは成立しないだろう。

一方で・・・童貞なので山倉課長に思いをぶつける・・・郷田・・・。

「彼女の過去のことを知っているんですか」

郷田と違い・・・本人の口から聞いた山倉課長なのである。

「彼女をちゃんと・・・支えてくれるんですか」

余計なお世話なのであるが・・・童貞だからな。

走り去る郷田を茫然と見送る山倉課長だった。

毎週うっとりと深キョンを眺める火曜日も終わりが近付いているのだなあ。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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