折紙します(小橋めぐみ)お茶出します(桜庭ななみ)背中押します(深田恭子)抱きしめます(笛木優子)
美人すぎる社会福祉協議会地域福祉課のメンバーたち。
このラインナップに対抗できるのは「ファースト・クラス」(フジテレビ)ぐらいである。
今回はゲストに笛木優子を加えて・・・鉄壁だったな・・・。
先鋒 桜庭ななみVS佐々木希
次鋒 山口紗弥加VS遊井亮子
中堅 小橋めぐみVS菜々緒
副将 坂井真紀VS板谷由夏
大将 深田恭子VS沢尻エリカ
これは凄い勝負だな・・・どんな勝負なんだよ。
うっとりとしている間にラス前である。
レビューを前に「ロング・グッドパイ」も終わっているし、「サイレント・プア」も早仕舞・・・。
NHK・・・一足早く・・・男子サッカー・ワールドカップ体制かっ。
ビジネス上手かっ。
で、『ドラマ10・サイレント・プア・第8回』(NHK総合20140527PM10~)脚本・相良敦子、演出・長谷知記を見た。東日本大震災の後のドラマで・・・阪神淡路大震災のトラウマを抱える主人公である。当然のように・・・東日本大震災の被災者が絡んでくるのだった。小賢しい人間の努力など・・・大自然の驚異の前には木端微塵である。東日本大震災が千年の時の彼方から突然やってきたように・・・阪神淡路大震災も寝耳に水の出来事だった。首都圏直下型や東海大地震には注意が向けられていたが・・・まさか・・・そこが・・・そうなるとは・・・だったのである。倒壊するビル、崩壊した高速道路・・・液状化という言葉。個人的資質などというものには関係なくすべてに襲いかかる脅威。そういうものが常に潜んでいることを人間は忘れてはいけない。
江墨区社会福祉協議会地域福祉課の背景と化していた・・・里見涼(深田恭子)の先輩課員・沢木郁子(押元奈緒子)・・・がついに正体を現す。知る人ぞ知るドラマ「ちりとてちん」の徒然亭草原の妻である。・・・関係ないだろっ。
なぜ・・・沢木が潜伏していたかと言えば・・・担当が・・・事務局長の近藤(モロ師岡)とともに・・・東日本大震災の避難者担当だったからなのである。
阪神淡路大震災のトラウマを抱える涼を「その仕事」から遠ざける配慮があったのだ。
しかし・・・涼を見守って来た近藤事務局長と沢木は・・・あえて・・・「その仕事」をさせる時期が来たと判断したのだった。
つまり、このドラマの終盤は被災者だった涼が・・・新たな被災者と向き合う展開なのだった。
早速、仕事を開始する涼・・・。
ホームレスの木下和男(大地康雄)の再出発の場となった空き店舗を利用したなんとなく喫茶室のフリースペースは・・・引きこもりの立ち直り集会場や在日外国人の交流会々場などと流動的に利用されているわけだが・・・今回は東日本大震災の避難者に対する米支援の場となるのだった。
「お米があればごはんが炊けます」
「さすがは・・・元被災者ね」
かわいい展開である。
そこで・・・涼の困窮者レーダーは避難指定区域外からの自主避難者、渡邊昭子(笛木優子)を補足するのだった。幼い子供二人を抱えた昭子は申し訳なさそうに援助の米を受け取る。その表情には問題を抱える苦悶が浮かんでいた。
早速・・・昭子に寄り添い始める涼。
スーパーマーケットのレジで家計を支える昭子には問題はなかったが・・・夫の寛治(蟹江一平)は被災から三年・・・就業もせずに・・・無気力な日々を送っていた。
涼は・・・寛治の抱える鬱屈にロック・オンする。
しかし・・・心に・・・弟殺しの傷を抱える涼には葛藤がある。
その想いを江墨区役所地域福祉課の山倉課長にぶつける涼。
「私にそういうことができるでしょうか」
「君にしかできないことがきっとある」
山倉課長の励ましに奮起する・・・涼。
山倉の部下・水澤(山口紗弥加)は顔を曇らせ、涼に片思いの新聞配達員・郷田(渡辺大知)は涙目である。
郷田の入れたコーヒーを木下が誉めてくれたのがせめてもの慰めだった。
公園で・・・子供たちを遊ばせ・・・三年間、ベンチに佇む今は亡き蟹江敬三の息子・・・いや寛治とさりげなくパパ友になっている地域福祉課員のシングルファーザー久慈(田口浩正)は寛治の過去をそれとなくリサーチしていた。
被災地では・・・老人介護施設で働いていたという寛治。その地域では・・・津波によって施設の老人が犠牲になるという事実があった。
問題は・・・その辺にあると確信する涼。
公園で・・・老女の話を聞く寛治の姿を観測した涼は・・・「被災者による被災者相談窓口」の解説を提案する。
しかし・・・肝心の寛治は涼の誘いには乗らない。
「俺は・・・もう・・・終わっている・・・」
ここで伝家の宝刀である「涼の悲しい過去」の出番であるが・・・それをふるうのは・・・久慈だった。
「彼女は・・・阪神淡路の被災者なんです・・・その時・・・大切な人を亡くしたらしい・・・」
チーム・ワークである。
たちまち・・・感じるところのある寛治。
ついに・・・被災者の相談に乗る仕事を開始するのだった。
「あんた・・・転居届はどうしている・・・なんだか・・・故郷を捨てるような気がして」
「主人の仕事が決まらない」
「畑仕事がしたい・・・」
様々な被災者の言葉にお国訛りで応ずる寛治。
「被災者の言葉で・・・自分が励まされるような気がしてきました」
「そういうことってありますよね」
涼と寛治の心は通い合う。
「奥さんに・・・打ち明けたらどうですか・・・心に抱えていることを・・・」
「それは・・・できません・・・こわくて・・・」
思い悩む寛治の心を推し量る涼。
そんな涼は母の幸子(市毛良枝)と祖父の一郎(米倉斉加年)と久しぶりに夕食を共にする。
「三人揃っての食事は楽しいのう・・・」
まあ、娘(市毛良枝)で孫娘(深田恭子)なら・・・どんなじいさんも楽しいのである。
「あの時・・・はじめて口を通ったのは・・・避難所で出されたお味噌汁だったわねえ」と昔をしのぶ幸子。
母にも言えない秘密を抱える涼は・・・妻に語れない秘密を抱える寛治を自分と重ねるのだった。
「夫は・・・故郷を失ったことを・・・いつも私に愚痴るんです」
「でも・・・心から愚痴を言える場所があったら・・・そこが故郷なのではないでしょうか」
寛治の心のこもった対応に耳を傾ける職員たち。
涼は今がその時だと・・・昭子の元へ走るのだった。
夫が・・・生き生きと相談に応じている姿を見た昭子は・・・自らの人生を相談する。
「夫が・・・故郷を捨てたことを後悔しているようなんです・・・私、どうしていいかわがらなぐで」
「ちがう・・・俺は逃げてきたんだ・・・」
「・・・」
「あの日、つわりのひどいお前さ、病院に送るために・・・俺は仕事さ・・・休んだ」
「・・・」
「そしたら・・・午後になって・・・」
「・・・」
「ウチまでは水さ来なかったが・・・施設には水が来た」
「・・・」
「あん時・・・俺が施設さいたら・・・あのばっちゃんもあのじっちゃんも死ななくて済んだんだ」
「なんで・・・言ってくれなかったの」
「こんな・・・嫌な思いを・・・お前にさせたくねがった」
「何言ってんの・・・いやなことだってなんだって・・・一緒にするのが家族でしょ・・・」
「・・・」
「ばっちゃんもじっちゃんも・・・せっかく生き残ったあんたのこと怨んだりしねえ」
「・・・」
「幸せになってくれと願ってるに決まってる」
「幸子・・・」
「あんだ・・・」
全員、涙する江墨区社会福祉協議会地域福祉課一同だった。
余命宣告されている木下の死期が迫っていた。
「木下さん・・・」
病床を見舞う涼。
「あんたがいなかったら・・・俺はとっくに死んでた」
「・・・」
「あんたはそのままでいい・・・」
「・・・」
「こうして・・・手を握ってくれてるだけで・・・どれほど安らぐことか・・・」
まあ・・・男が百人いたら百二十人はそう思うのだった。
自分も知らない
秘密は言えない
他人を幸せにする手を持っている女・・・涼は・・・ついに母にあの日のことを話す決心をしたらしい・・・。
母が不在の朝・・・幼い姉と弟に何があったのかを・・・。
その苦しみを・・・分かち合うために。
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