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2014年5月18日 (日)

女殺未遂球地獄(二宮和也)殺されるのは嫌よ(有村架純)さよならの決心(本郷奏多)

人気女優だから掛け持ち出演は当たり前なのである。

しかし・・・木曜日に社会人として惨殺されて・・・土曜日に高校生を演じていると・・・まるで在りし日の姿みたいで・・・悲しくなるじゃないかっ。

フィクションの中にはやたらと人が死ぬドラマは嫌いというプロデューサーがいるわけだが・・・現実を模倣する芸術作品には「不条理な死」はつきものである。

しかし、文化祭なのに・・・観客を暗い気持ちにしてどうするというフィクションの高校教師もいるわけである。

鼻血が出るのは現実と違うとして・・・フィクションなのである。

まあ・・・ノンフィクション的な発言もあるから微妙だけどな。

それに・・・表現の自由とビジネスの関係にも悩ましい問題はあるよ。

吹けば飛ぶような表現の自由に賭けた命を笑えば笑えなのだね。

女子高生コンクリート詰め殺人事件→こんな女に誰がした→従軍慰安婦問題→北朝鮮による拉致事件→韓国フェリー転覆事故→ナイジェリア女生徒誘拐事件→MOZU→女殺油地獄・・・である。

この世界はそもそもとんでもないところなのである。

それを忘れている人には時々思い出してもらわないといけない気分になる誰かがいるらしい。

で、『弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜・第6回』(日本テレビ20140517PM9~)原作・高橋秀実、脚本・倉持裕、演出・菅原伸太郎を見た。いつ沈んでもおかしくない船で修学旅行に行くことや、たまたま親切にしてあげた人の関係者に拉致されて拷問されて殺害されたりすることがフィクションであろうがノンフィクションであろうが日常茶飯事な世界で・・・貧富の差による仲間の脱落なんかもよくあることである。小学生くらいで親が夜逃げして一緒にいなくなった友達の一人や二人いるものだろう・・・それはどうかな。まあ・・・そういう時、いなくなられた方にもある程度、喪失感はあるが・・・いなくなった方はもっと大変なのが普通である。人生が思い通りにいかないことを知るのはいいことだと言わざるを得ないのだった。

家庭の事情で・・・高校生活の続行が困難になった元吹奏楽部の八番ファースト亀沢俊一(本郷奏多)・・・。

実家の経済状態は悪く・・・両親にこれ以上負担をかけたくない・・・亀沢は・・・義務教育ではない以上・・・これ以上、親を頼れない心情に追い詰められていたのである。

高校教師として、野球部の監督として青志先生(二宮和也)は亀沢の退学に反対するが・・・それが正しいことなのかどうか悩むのだった。

亀沢も・・・退学を決意しながら・・・それを両親に話し、野球部の仲間たちに話し、理解を得られるかどうかで悩むのだった。

マネージャーの柚子(有村架純)は亀沢の事情を知り、仲間たちと問題を共有するべきかどうかで迷う。

事情を知った仲間たちは亀沢の決意を尊重するべきかどうかで悩むのである。

みんな・・・悩んでグローイング・アップなのである。

悩んで成功することも悩んで失敗することもある。

鯛のお刺身にするか平目のお刺身にするか・・・悩んだあげく、両方注文して食べきれなかった時など・・・悩んだ時間はほぼ無駄に等しいわけである。

しかし・・・小田原の母である楓(薬師丸ひろ子)は人生相談のプロとしてあまり悩まないのだった。

悩んでも悩まなくても同じと達観しているのである。

そもそも・・・悩みを相談するというのは一種の依存であって・・・自己責任の放棄なのである。そんな弱者にいちいち付き合っていたら人生相談者は身が持たない。・・・おいっ。

アドバイスは三通りだ。専門知識によって的確な情報を与える。決断するのは本人だと諭す。そうなんだ、あなたも大変ねえと相槌を打つ。

もう・・・レリゴーレリゴーなのである。

平塚武宮高校に五回コールド十点差負けを喫した野球部・・・。

最後の打席を三振で終えた亀沢。

次こそは負けまいと決意する青志先生。

それなりに燃える野球部員とマネージャーたち。

しかし・・・二週間後の五月下旬には文化祭という行事が控えており、何故か、ノリノリの元監督・増本先生(荒川良々)だった。

亀沢と青志の「退学問題」の攻防が続く頃、恋のライバルである赤岩公康(福士蒼汰)と白尾剛(中島裕翔)、元いじめられっ子だったキャプテン江波戸(山﨑賢人)といじめっ子だった岡留(間宮祥太朗)も恩讐を乗り越えて・・・柚子の見える屋上で早朝練習に励む。

一方で・・・利根璃子(麻生久美子)は報道価値の高い谷内田健太郎(市川海老蔵)と青志との因縁を書くように上司に言われ・・・それなりに悩む。

青志が野球を一度はやめる気になった事件を書くことに抵抗があったのである。

ここに三条校長(笹野高史)が加わって・・・青春人生相談は二重奏となるのだった。

青志の退部問題・・・退部する人・青志・・・ひきとめ役・三条先生。

亀沢の退学問題・・・退学する人・亀沢・・・ひきとめ役・青志先生。

壮大なリフレインである。

「私の気持ちがわかったか・・・」と三条校長。

「わかったからって問題は解決しませんよ」と青志。

「それじゃ・・・私が正解のアドバイスをしたら・・・君の決意は変わったのか」

「・・・」

青志の中で・・・青志の理想と・・・亀沢の自由意志の尊重がせめぎ合うのだった。

一方・・・一人思い悩む柚子は・・・補欠のストーカー志方(桜田通)を叱りつけるフリで・・・亀沢に語りかける。

「補欠だからって手を抜かないで・・・ウチはギリギリの人数しかいないんだから・・・誰ひとり欠けてはならない・・・大切なメンバーなのよ」

そうとは知らず萌える志方だった。

ついに・・・堪え切れず・・・赤岩たちに真相を漏らす柚子。

赤岩たちは困惑しつつ・・・なんとか・・・仲間を励まそうと心掛けるのだった。

そして・・・文化祭の出し物会議である。

紆余曲折の後で・・・目立ちたがり屋の亀沢を主演とする演劇の上演を決める野球部だった。

演目は・・・志方の発案で「女殺油地獄/近松門左衛門」を原作とするのである。

近松晩年の傑作である浄瑠璃「おんなころしあぶらのじごく」(1721年)は放蕩息子・与兵衛の両親・徳兵衛・お沢の老夫婦から金を預かった同じ町内の油屋の女房お吉を借金で追い詰められた与兵衛が自暴自棄の果てに惨殺してしまう物語である。

もちろん、「女殺油地獄」は歌舞伎の演目でもある。

見せ場は・・・油まみれになりながら与兵衛がお吉を殺すシーンである。平成21年の歌舞伎座さよなら公演「六月大歌舞伎」では河内屋与兵衛を片岡仁左衛門が豊嶋屋お吉を片岡孝太郎が演じている。まあ・・・盛り上がるわけである。

お吉を演じる柚子がのたうつ様を妄想するだけでうっとりする志方だった。

まあ・・・そういう気持ちが「MOZU」の残虐拷問シーンを作らせるんだな。・・・おいおいっ。

野球部員たちは・・・なんとか・・・亀沢の決意を翻させようと奮闘するのである。

お茶の間は・・・野球はどうなったのか・・・と思ったりするわけだが・・・野球より青春である。

それでも・・・青志は・・・部員たちに「準備する心の大切さ」を説くのだった。

「バッターボックスでボールが来て驚いてどうする・・・来ることが分かっているんだから・・・来いという気持ちで待ち構えろ」

しかし、亀沢のことで思い悩む青志に楓・柚子母子や・・・利根の女子トリオは諭すのである。

「悩んだ末に・・・決断して・・・進んだ先の未来にあなたがいるのでしょう」

野球を一度は捨てた青志が・・・今、母校の野球部の監督になっている。

そのことに・・・不足はないのである。

青志は・・・その想いをこめて「女殺油地獄」の脚本化にトライするのだった。

同時に、いつの間にか・・・青志の下宿に呼び出される仲になっている利根は青志の承諾を得て・・・青志の退部にいたる顛末を記事にするのだった。

「女殺未遂球地獄(おんなころしみすいたまのじごく)」

作・青志先生

与兵衛・・・亀沢

すぽおつ堂のお吉・・・柚子

与兵衛の義父・・・白尾

与兵衛の実母・・・赤岩

・・・与兵衛の養父・徳兵衛の妻を演じる恋しい赤岩の女形ぶりに思わずうっとりとする柚子だった。

野球部員たちは意外な実力(偏差値が高いので文系のことはある程度なんでもできる・・・っていうかむしろ得意)で舞台を完成させる。

時代考証を無視して油屋はスポーツショップに設定変更され油の代わりにボールが転がるのである。

お吉は・・・与兵衛の親から託された金を渡そうとする。

「ありがてえ・・・しかし、それは受け取れねえ」

「どうして・・・」

頑なに援助を拒む与兵衛・・・。

舞台が進行しないので与兵衛の両親も出てきて説得するが・・・与兵衛の決意は固い。

あげくの果てに勝手に退場しようとする与兵衛。そうはさせじと裏方たち・・・。

稽古を見つめる先生たちは無言であった。

そこへ・・・亀沢の母親から・・・学校へ緊急の電話が入る。

亀沢の父親が発病し入院したのである。

舞台は幕が上がらないまま・・・終了したのだった。

「あいつは・・・一番・・・準備が出来てたな」と赤岩が呟く。

「目立ちたがり屋って言うけれど・・・誰よりも思い出を作ろうとしてたんだ・・・」

何不自由のない赤岩は・・・誰よりも悩める若者の気持ちに敏感なのである。

野球部の出し物は・・・メニューにレモ冥土、餓鬼氷、六道団子などがある「女殺未遂球地獄カフェ」になるのだった。

女殺Tシャツもあることだしな。

こうして・・・城徳祭は終了した。

青志は・・・亀沢に教師として何もできなかったけれど・・・最後に最高の思い出を贈りたいと考えるのだった。

幸い、亀沢の父親の病状は軽かった。

しかし・・・亀沢はついに退学について親の同意を得て・・・退学届を提出する。

そんな亀沢を・・・グラウンドに呼び出す青志とナインとマネージャー。

「最高の打席は用意できなかったけど・・・最後に指揮者をやってくれ・・・」

晴れ晴れとした表情で整列した部員たち。

「小田原城徳高校・・・校歌斉唱・・・」

相模の海に

茜さすところ

そびえる山に

たかまりし

あふれる希望

輝く未来・・・

ふるさとへ向かうバスの中で亀沢は・・・利根の書いた記事を読む。

青志が・・・退部していたことを知り・・・亀沢は青志の心を察するのだった。

なにしろ・・・偏差値が高いのである。

そして・・・ストーカー志方はレギュラーの座を獲得したのだった。

八番ファースト志方で・・・大丈夫なのか・・・。

まあ・・・元々、大丈夫じゃないからいいか。

仲間の無念は・・・闘志の源の一つだからな。

これで・・・ようやく燃えるんだな。チームは一つになったしな。

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

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