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2014年6月 8日 (日)

私はかってこのような悲惨な戦いを見たことはない(二宮和也)

・・・というのは嘘である。

なにしろ・・・小田原城徳高校(フィクション)の野球部監督は高校生時代にもっと悲惨な戦いを演じていたはずである。

しかし・・・悲惨であっても・・・敗北ではなく勝利・・・そこが初体験なのであった。

だが・・・もちろん・・・実際の高校野球の地区大会予選では・・・こういう試合がないことはないはずである。

いや・・・どうかな。

男子サッカーワールドカップ開催まで残り数日・・・。

選手たちもファンも胸は高鳴るのだった。

それは・・・小学生だって試合前にはドキドキするのである。

そういうときめきを甘酸っぱい気持ちで思い出すことが出来る人は・・・ある意味で幸せなのである。

高校野球のどんなチームにもはじめての夏や最後の夏がやってくる。

敗北しか知らずに去ったとしても・・・頂点に君臨したとしても・・・栄光のときめきは確かにあったと信じたい。

これは・・・それを・・・なるべくたくさんの人が思い出せるようにと作られたドラマだと考える。

で、『弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜・第9回』(日本テレビ20140607PM9~)原作・高橋秀実、脚本・倉持裕、演出・菅原伸太郎を見た。フィクションなのであまりきつくは言わないが・・・7回裏の小田原城徳高校の攻撃・・・経過的におかしかったぞ~。ちなみにノーアウトランナーなしで・・・一死をとられた打者にもう一度打順が回ってくるためには・・・八人の打者がいる。満塁で残り五人。二死目を獲られた打者一人で残り四人・・・つまり四人がホームインして四点取っているのである。流し眼の伊勢田(阿久津愼太郎)、ストーカー志方(桜田通)、塁間無敵の岡留(間宮祥太朗)の三連打からのスラッガー白尾(中島裕翔)の満塁ホームランですでに四点取っているので・・・二死満塁で打席に入ったエース赤岩公康(福士蒼汰)は走者を二人返せば十点なので・・・ランニングホームランを打つ必要はないのだった。まあ・・・笑うしかないのだな。少なくとも野球が好きな人は笑ってください。

ちなみに・・・コールドゲームには様々な形式があるが・・・2000年度からは日本高校野球連盟通達で地方予選大会の場合、5回以降は10点差以上、7回以降は7点差以上ついた場合にコールドゲームが成立するということになっているらしい。

まあ・・・偏差値の高い若者たちの青春模様を楽しめる人には・・・説明不要だと思いますが・・・念のため。

「七回勝てば甲子園か・・・」

見果てぬ夢を見るナインとマネージャーの柚子(有村架純)・・・そしてジャーナリストの利根璃子(麻生久美子)だった。

公平な立場をもはや完全に逸脱した利根璃子である。

まあ・・・そもそも集団自衛権の行使に反対の立場でしか記事を書かないジャーナリストとか、死刑反対の立場でしかものを言わないニュースキャスターとかがまかり通る国もあることだからな。

特定の高校しか応援しない・・・高校野球の記者がいてもいいのか・・・それはどうかな。

まあ、これが主観を持って客観となせ・・・ということか・・・それもどうかな。

とにかく・・・「弱くても勝てます」と・・・運命の流れに身をまかせ・・・母校の高校野球の監督となった田茂青志(二宮和也)は青春の忘れものを取り戻す気満々なのである。

その目標は「強豪校撃破」・・・そして・・・高校時代のライバルにもなれなかった堂東学院野球部の臨時特別コーチ・谷内田健太郎(市川海老蔵)へのリベンジなのである。

そんな・・・燃える青志監督に感化されて・・・柚子の母・楓(薬師丸ひろ子)は平塚武宮高校のメンタル専門臨時コーチに就任する。

赤岩の父・晴敏(光石研)も武宮高校のオーナーであり、赤岩と柚子は・・・親との因縁の対決をすることになるのだった・・・まあ、そこは笑うしかないのである。

練習終わりの武宮野球部を浦瀬監督(酒井敏也)とともに・・・経営する喫茶店「サザンウインド」に招待する楓・・・。

遭遇した城徳野球部は物凄く気まずいのだった。

東海道本線で小田原-鴨宮-国府津-二宮-大磯-平塚である。片道410円で乗車時間20分だが・・・練習後の寄り道としては・・・結構だるいと思うぞ。

とにかく・・・スパルタ方式の浦瀬監督に対して「褒めて伸ばす指導」を標榜する楓コーチ・・・この指導部のまとまりのなさは・・・弱体化の方策なのではないか・・・。

そして・・・ただでさえメンタルに問題のある平塚武宮のエース・国友悟(井手大稀)の精神に微妙な影がさすのだった。

ある意味、恐ろしい赤岩の父と小田原の母なのであった。

いつの間にか、青志の情婦のような関係になっている璃子は・・・試合前の一夜を過ごすのだった。

いや・・・肉体関係はないんじゃないか。

そんな・・・年頃の男と女なんだぜ。

「負けたら・・・連載も終わるし・・・私はファッション誌に移動になるの・・・私たちの関係も終わりね」

「どんな関係にも肯定できる点はあると思う・・・もちろん・・・俺は・・・来年は・・・東京大学に戻るから・・・否定する点はなにもないのだけれど」

「ちっ」

ちなみに二宮和也(30)、麻生久美子(35)のカップルである。

まあ、あってもいいよね。

とにかく・・・なんだかんだで・・・神奈川県大会が始ったのである。

背番号「10」を監督から贈られた退学者・亀沢俊一(本郷奏多)は遠路はるばる応援に来る。

旅費は大丈夫なのか・・・。

「ノーリスクハイリターン」のギャンブルとして・・・一回10点差コールド勝ちを目指す城徳ナイン。

しかし・・・そもそも初戦というのは実力が発揮できないものである。

いや・・・そこにつけこむのが・・・弱者のアレじゃないのかよ・・・だが・・・とにかく、制球が乱れるエース赤岩・・・。

T13j0コールド勝ちどころか・・・三回表を終わって13-0である。五回10点差コールド負けしそうな城徳高校だった。しかし・・・打者たちは落ち着きを取り戻す。なんといってもベンチには神奈川大会きっての美少女マネージャー(推定)がいるのだ。そしてスタンドでは無念の涙を流した亀沢が応援しているのである。ネジネジ打法の牛丸(栁俊太郎)も憧れの利根璃子の前で発奮するのだった。

T16j5実験打線に火がついて・・・五回表が終って16-5である。点差は11点に縮まったが・・・まだコールド負け寸前の城徳ナイン。打ちこまれつつなんとか踏ん張る平塚武宮のエース・国友の帽子には「甲子園 柚子」の寄せ書き(母・楓による代筆)があって心の支えとなっている。もちろん・・・柚子のあずかり知らぬことである。

ちなみに・・・楓の豚の手のポーズは・・・「スタートレック宇宙大作戦」(1966年~)のバルカン星人スポックが示す長寿と繁栄を祈るバルカン指揮挨拶である。

下手にこれをやるとスターウォーズのファンに袋叩きに合うので注意を要する。

米国西海岸の話かっ。

「こんなところで・・・負けていられるか・・・絶対打て」と指示する青志。

そして・・・期待に応える実験打者たちだった。

T16j12_2猛攻でついに四点差につめよる城徳高校だった。16-12・・・すでに野球ではない何かのスコアであるが・・・まだまだこんなものではないのだった。とられたら倍返しの実験打線なのである。挙動不審打法が・・・メガ振り子打法が「威風堂々」と火を吹くのだった。平塚武宮のエース・国友も火だるまだったが・・・城徳のエース赤岩も負けてはいないのだった。とにかく・・・五回を終わってコールド負けをしていない奇跡の城徳高校なのである。

実況中継を校長室で聞く三条校長(笹野高史)も涙目である。

T21j18七回表を終わって三点差・・・裏の攻撃で10点とれば・・・七回コールド勝ちが成立すると選手を励ます青志監督・・・。もうなんだか・・・悪い宗教の勧誘レベルの説得力である。「甲子園で柚子に告白する予定」の白尾はついに満塁ホームランを放ち・・・スラッガーの実力を示す。21-22・・・ついに城徳ナインははじめてのリードを体験するのだった。思わず意気消沈する平塚武宮高校の浦瀬監督。

しかし・・・楓は・・・。

「根性をみせろ・・・闘志を燃やせ」とガッツを示す。

柚子も愛しい赤岩にエールを贈る。

しかし・・・赤岩は力み過ぎて三振。

赤岩の父は思わず・・・息子を溺愛する本心を見せる。

「ドンマイ」

ナインたちも声を出す。

「ドンマイ」

もはや・・・弱小高校とは言えない城徳ナインである。

そして・・・打者一巡・・・スコアは21-26(推定)・・・。

二死満塁・・・二塁ランナーが変えれば七回七点差コールド勝ちの成立である。

そして・・・赤岩はランニングホームランを放ち・・・踏まなくてもいい30点目のホームを踏むのだった。

御愛嬌である。

T21j28xとにかく・・・柚子は記念すべき初勝利のボールを青志監督に渡すのだった。

「これからが本番だ・・・俺たちの目標は強豪校撃破・・・優勝候補の堂東学院を倒してこそ・・・実験成功と言えるのだ・・・」

猛練習を重ねて来た・・・平塚武宮高校の夏は終わったのだった。

誰もが思うだろう・・・こんなところで・・・こんなやつらにと・・・。

そして、ストーカー志方は柚子にどんなご褒美をもらえるのかと。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

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コメント

何時もお世話になっております。

解っちゃいたと言ってしまえばそれまでですが、野球経験者の私でもこんなラグビースコアのゲームは観た事ありません。100対1のような試合は高校野球では過去にありますけれどね。相手がそれなりに野球ができて、一方が野球にならないチームが戦うゲームでは有り得ない。私は下手でしたけれど、サード以外全てのポジションを経験しているし、城徳の選手よりは投げれるし、甲子園やプロで2けた勝利した投手と練習経験もあるのでこんな簡単に打てるほど野球は甘くない事を良く知っているだけにもうこうなるとダメ出ししないとならないという感じです。
ルーズベルトゲームなら十分解説して納得させられるけれど、こちらは納得させるだけの材料がないんですから・・・
学校の勉強スキルは最高クラスでしょうが、野球のスキルは最低と言うしかないほどです。
ここまで来ると最終回では徹底的なダメ出しをすることになるでしょうな・・・

投稿: PGM21 | 2014年6月 8日 (日) 20時51分

オールマイティニコメンテート〒~PGM21様、いらっしゃいませ~〒オールマイティニコメンテート

こちらこそお世話になっております。

まあ・・・基本的に
刑事ドラマがあれば
「俺たちはそんな捜査はしていない」と刑事が激昂し
医者ドラマがあれば
「私たちはそんな治療はしていない」と医者が憤慨するのが・・・
ドラマというものでございますからねえ。

野球が娯楽の王様であり
某球団が負けると
交通事故件数が倍増するという時代に
育ったものとしては苦笑するしかない展開ではありますねえ。
ドキュメントとしてのスコアブックがあるわけですから
逆算してフィクションとしての試合を
成立させてもらいたい気持ちもございます。

しかし・・・まあ、このスタッフはいつも
「なんだかわからない人間のもやもやしたもの」を
描くことが主眼なので
キッドはドラマとしては
高く評価しています。

サッカーブームの後で
日本代表やJリーガーになれなかった
元サッカー少年たちはゴロゴロしていましたが
中には「サッカー中継を見るのが苦痛」という人もいました。

そういう人は・・・見るのではなくやりたかったという思いがあるのでしょう。

そういう意味ではこの野球をかなりなめているドラマは
負けたから愛せなくなってしまった人への思いやりドラマと言えるでしょう。

「野ブタをプロデュース。」でブスをアイドルに。
「セクシーボイスアンドロボ」で巨大ロボになれなかったおタクを・・・なれるかっ。
そういう残念な人々を優しく抱きしめるのが狙いらしいですからな。

もう・・・笑うしかない展開の数々も
青春の1ページと考えると
監督も選手もマネージャーもひたすら愛おしい今日この頃なのでございますよ。

投稿: キッド | 2014年6月 9日 (月) 00時26分

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