死者からの手紙(深田恭子)増水した川を見に行こう(桜庭ななみ)奇跡のカップとお似合いのカップルなんちゃって(小橋めぐみ)
まあ・・・いよいよシーズンなので・・・増水した川には近づかないようにという話である。
まったく・・・そうではなかった気がするが・・・。
分からない人には分からないのさ。
ドアの向こうに何が待っているか・・・分からないところが恐ろしくもあり面白くもありなんだな。
のこぎり持っている人や白骨死体があっても・・・それでも職務を果たす・・・それが期待される公僕像なのだ。
日帰り手術のために30分余裕を見て家を出て、用心して秋葉原-お茶の水もJRを利用することにしたのに両国で線路上に人が入って・・・電車が来ないみたいな危機はいつもあるんだよな。
2013年の自殺者は2万7195人だそうだが・・・自殺にみせかけた殺人も混じってるからな。
でも・・・変死体の何割かは自殺だろうから・・・なんとなく帳尻合うんじゃねえの。
自殺に見せかけた殺人と変死体に類別した自殺が同数ってことはないだろう。
まあ・・・とにかく・・・ヒロインだって心の病で・・・「死」を招いていたんだよな・・・そして・・・結局、そこから生還するためにはラブが不可欠ってことなんだよ。
マイナスとマイナスでプラスに転じたんだよねえ。
で、『ドラマ10・サイレント・プア・最終回(全9話)』(NHK総合20140603PM10~)脚本・相良敦子、演出・伊勢田雅也を見た。ついに・・・あの日の出来事を母親の幸子(市毛良枝)に打ち明ける里見涼(深田恭子)・・・二人の会話を盗み聞く祖父の一郎(米倉斉加年)だった。母の留守中に弟を見捨てて自分だけが助かったこと・・・最後に弟が笑ったように見えたことを話す涼。母は聞きたかった話を思わず遮る・・・考えようによっては弟よりも姉が死ねばよかったと深層心理がなした母親の態度にも見える。しかし・・・もちろん・・・このドラマはそこまで意地悪ではないのである。どんなに世界が過酷でも人間は助けあうことができるという物語なのだ。
弟を救えなかった心の傷を抱え、困窮者はバッタバッタと救いまくる涼。
しかし・・・誰にも平等に訪れる死を回避することはできない。
サロンの主の元ホームレスの木下和男(大地康雄)も臨終の時を迎え・・・サロンはついに「お別れ会」の会場となるのだった。拠点があるというのは便利なんだな。
次々と集まる関係者たち・・・。
涼が救助した人々が・・・それぞれに和を作っているのだった。
そして・・・最後のアイテムが提示される。現役のホームレスに・・・木下は形見のカップを贈ったのである。
そして・・・おだやかな日曜日。
江墨区役所地域福祉課の山倉課長(北村有起哉)は木下の遺族から託された故郷の本を持ってクリーニング吉岡を急襲する。
しかし・・・涼は留守だった。
だが・・・母親の幸子は理想の花婿チェックをするのだった。
最近は4Tである。
①低姿勢・・・山倉課長は腰が低いし、蛍光灯も換装できるのだ。
②低リスク・・・区役所の課長で申し分なし。
③低依存・・・ホームレスにも優しい男だから・・・多分、家事の分担も可だろうと推察。
④低コスト・・・これまでのところ・・・酒癖の悪さ、お金のかかる趣味の気配なし。
こじんまりした時代か・・・。
幸子は・・・娘の夫として・・・山倉課長をゲットするのだった・・・いや、まだしてないぞ。
なんなら自分が立候補しそうな幸子であった。嘘をつくなよ。
そして・・・季節はいつしか・・・梅雨。
その終わりに・・・東京は集中豪雨に襲われるのだった。
再び・・・集う「救われた人々」・・・。
地域は一体となり・・・避難は順調に進む。
江墨区(フィクション)の怪しい地図によれば・・・河川の増水による・・・浸水の激しい地域らしい。
一段落したところで・・・自宅の様子を見に行った涼は・・・祖父から・・・亡き弟の最後の手紙を開示される。
涼が・・・その日のことを自ら語る時を待って・・・祖父はその手紙を隠し持っていた。
「おじいちゃん、ぼくはもうすぐ十歳になるので・・・お父さんになって・・・お母さんとお姉ちゃんを守りたいと思います」
市毛と深田の親子丼とは・・・違うわっ。
あの日の弟の笑顔は・・・姉を助けることができた喜びの顔。
弟の愛に・・・涼は萌えるのだった。
愛・・・。
まったく・・・語られてはいないが・・・山倉課長をお慕いしている水澤(山口紗弥加)は「私は彼のことを知っている攻撃」で最後のチャレンジである。
「彼には穴があるのよ・・・ホームレスにいれこんで・・・結局、自殺に追い込んでしまったという穴が・・・」
その穴を埋めるのが・・・涼だと気がついた水澤は・・・自分が何を言っているかわからない状態だった。できれば・・・自分のラブを救ってもらいたいわけだが・・・涼が救うのはプアなのである。
やがて・・・なんとなく・・・ホームレスが危険地帯に戻った情報が涼に伝わる。
涼の不在に気がついた山倉課長は後を追う。
ホームレスは「形見のカップ」を川に落としていたのだった。
ホームレスが拾おうとするのを止めた涼は自分で拾いに行く。
「・・・」
涼を止めた山倉課長が自分で拾いに行く。
「・・・」
しかし・・・山倉課長は川に落ちる。
「・・・」
手を差し伸べる涼。
「・・・」
その手を振り払い水没する山倉課長。
「・・・」
水際を走る涼。
「・・・」
カップをつかんだ山倉課長が浮上する。
「・・・」
二人は手をつなぎ・・・土手をはい上がる。
しっかりと握られた手と手。
見つめ合う二人。
ようやく到着した江墨区社会福祉協議会地域福祉課の美人過ぎるメンバーたち。
出番の少ない新保佳苗(横田美紀)が声をかけようとするが・・・先輩たちに阻止されるのだった。
山倉課長がプロポーズするところだからである。
「幸せだなあ・・・僕はこの手を離さないぞ」
愛・・・燦々と・・・。
ホームレスをこよなく愛する二人はお似合いのカップルなのだった。
そして・・・おなじみの暗く汚れた部屋。
天使の声が響く。
扉が開かれ・・・光が差し込む。
貧しい人々に幸あれと願うが・・・そこには救い難い狂気が潜んでいるかもしれないという暗示が感じられるラストシーン・・・。
さあ・・・夏はお待ちかねの「ハードナッツ」(橋本愛)のお下がり放送である。
この枠・・・あなどれないよな。
関連するキッドのブログ→第8話のレビュー
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コメント
じいやちゃま、お疲れ様です~♪
お元気でしょうか?
毎日きちんと更新されているのでまさかと思いますが
気になる一文があるので心配してしまいましたわ。
まさかと思いますが大丈夫ですよね?
そして近頃の豪雨。
まるで先日のサイレントプアの警告&予告みたいですね。
じいやちゃま、皆様の救済に走られて
あまりにも忙しすぎて体調崩さないように
なされてくださいね~。
しかし最終回でガラッと色が変わってしまい
あっけにとられたこのドラマでした。
人々を救済するという意味で
とっても良質の匂いがあふれた気がしていますが
なぜにあのラスト~?って感じでしたわ(^^;
まああたしとしましては深田さんが見られただけで
良しとしてますけど。
なんせじいやの発した
「スーパーウルトラきょとん」にあまりにも受けてしまい
毎回同じフレーズが脳みそにこだましてましたわよ。
鬱陶しい季節になりましたね。
枇杷をたくさんいただいたので
ワインでコンポートにしちゃいましたのよ。
うんと冷やしてから持っていきますね~~♪
投稿: エリ | 2014年6月 8日 (日) 10時38分
✿❀✿❀✿かりん☆スー☆エリ様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
エリお嬢様、ご心配いただき恐悦至極でございまする。
背中におできができて膿んでしまったので
切除しただけの簡単な手術ですので
心配ご無用ですぞ~。
もう、抜糸もすんでピンピンしておりますれば~。
東京では二泊三日くらい雨が降りましたな。
ノアの方舟号が発進準備に入ったところで
どうやら小休止のようです。
ちょっと涼しくなりましたので
お風邪など召しませぬようにご注意くだされませ。
本格的な夏を前に梅雨で
ちょっと潤うのは申し分ございません。
まあ、降りすぎて洪水は困りますけどな。
四国へのお嬢様方の慰問出動御苦労様でございました。
まるでファンタジーのような貧困救済の物語。
深キョンが助けてくれるなら
引きこもってみたい若者急造が心配ですな。
しかし・・・お嬢様方の将来の
慈善事業展開のためには
なかなかのテキストになったのではないでしょうか。
極めつけの貧困には
おしておしておしまくるしかない・・・ということでございますね。
もはや貧困をちぎってはなげちぎってはなげ・・・という状態でした。
最後のラブは・・・まあ、女流ですからな。
とにかく・・・「ホームレス救済」が趣味のカップルというのが一同爆笑ポイントですな。
技巧的には・・・「一本の木」「一冊の本」「一台の自転車」「一枚の絵」「一つのカップ」・・・などさりげないアイテムの使い方が上手なドラマだったと考えますぞ。
じいやとしては
キョンキョンが「チッ」と舌打ちし
深キョンが「キョトン」とする
ダブルキョーコスーパーコラボが見てみたい今日この頃でございます。
裏庭の紫陽花も、噴水広場の薔薇も咲き誇る
華薫る季節でございます。
そして枇杷の季節ですな。
じいやはこの季節・・・
実の多いジャンボ枇杷ができればいいのに・・・
と夢見るのでございまする。
投稿: キッド | 2014年6月 8日 (日) 15時36分