兵法三十六計の十九・・・釜底抽薪と軍師半兵衛(谷原章介)
「釜底抽薪」とは文字通り、釜の底から焚き木を抜く・・・という意味である。
石川五右衛門は釜ゆでされないために釜の底の薪をあらかじめ盗んでおけばいいのである。
煮えたぎる湯ではなくて・・・その根本にあるものに対処するというのは着眼点を変えるということである。
あえていえば・・・メルトダウンを起こさないためには原子力発電所を作らなければよい・・・ということになる。
兵糧攻めというのも「釜底抽薪」の一種と考えられる。
さらに・・・例としてあげられるのが「三国志」の「官渡の戦い」における「烏巣急襲」がある。
兵力において劣る曹操が敵対する袁紹の食糧庫である烏巣を襲い、兵糧不足に陥った袁紹の大軍は惨めに敗走することになる。
つまり・・・大軍を維持するための兵糧がなくなれば大軍は意味をなくすのである。
しかし、どのような優れた戦術も実行されなければ無意味である。
たとえば・・・女子中学生を誘拐されて哀しむ老夫婦のために・・・他国にある監禁場所を急襲することは当然のことである。
しかし、海外派兵を禁じる憲法がある限り・・・それは不可能なのである。
いつまでも平和であるためにはけして武力を行使しない。
そういう絶対多数の安寧のために・・・誘拐され監禁されている少女を救わない。
つきつめて考えると寝ざめが悪いので考えないことにする。
それもまた、「釜底抽薪」と言えるだろう。
それでも・・・ひたすらに誘拐犯の善意を信じ、平和的に人質解放の時を待つ。
我が身かわいさで・・・一族郎党を「死」に追いやる荒木村重を心の底から笑える人はそう多くはあるまい。
あの船から素早く脱出したあの船長もまた然りである。
で、『軍師官兵衛・第22回』(NHK総合20140601PM8~)脚本・前川洋一、演出・田中健二を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はなんと・・・40行でございます。まあ・・・ドラマは大きく動きましたからねえ。そして・・・ついに・・・ファン待望の・・・この日をどんなに夢見たことか・・・荒木村重の謎の正室・だし(桐谷美玲)の描き下ろしイラスト大公開で随喜の涙でございます。画伯に万歳三唱でございます。とにかく謎に包まれた出自と・・・絶世の美女ということで妄想膨れ上がる荒木村重の最愛の女・・・。まあ・・・本願寺に村重が転向した時期や・・・だしの年齢・・・村重家臣の荒木越中守や牧左兵衛に十三歳や十五歳というだしの妹の幼妻が嫁いでいること・・・などから本願寺の有力な家臣団である川那部氏の娘という説はかなりの説得力がございます。つまり・・・本願寺の色仕掛けに荒木村重も家臣たちも狂ってしまったということですな。村重の逃亡も本願寺派に乗っ取られた有岡城からの脱出ということで筋は通りますし・・・当然、だしがクリスチャンであることは・・・しかし・・・まあ、寺の娘に生まれたってクリスチャンになる人はなりますから・・・だから・・・誰かだしを運命から助けてくださいと世界の中心で叫びたい今日この頃でございます。それにしても・・・村重の女の噂・・・秀吉と並んでも劣らない感じですな。
天正七年(1579年)六月、竹中半兵衛は播磨国の三木城攻め陣中で病死する。石山本願寺、荒木村重の摂津国有岡城、波多野秀治の丹波国八上城、別所長治の播磨国三木城と連なる毛利同盟軍の篭城戦は明智光秀による丹波攻略成功によって転機を迎えていた。九鬼水軍の鉄甲船によって海上輸送力を減じた毛利軍は備前国の宇喜多家の中立宣言により完全に支援能力を失う。籠城中の各軍は孤立を深め・・・それぞれに飢餓に苦しめられていく。瓦解の時は刻一刻と迫っているのだった。十月、荒木村重は秘密裏に支城である尼崎城に脱出する。これを探知した織田軍は総攻めを開始。およそ一ヶ月の攻防により、有岡城本丸の包囲に成功する。十一月、城代の荒木久左衛門は開場を決意、城に残されていた荒木一族の子女はすべて人質となった。織田軍の滝川一益は荒木村重が降伏すれば人質は助命するという条件を出し、荒木久左衛門は村重の説得に向かうが、村重はこれに応ぜずさらに花隈城に脱出する。荒木久左衛門は途方に暮れ・・・自らも出奔する。信長は荒木家の男たちの命根性の汚さに呆れつつ・・・粛々と人質成敗の命を下すのだった。有岡城陥落のどさくさにまぎれて官兵衛は腹心の部下たちによって救出される。官兵衛の拉致監禁と救出は安土城の信長に知らされ信長は官兵衛の丈夫さに呆れつつ、小寺家の人質成敗のことを悔やんだという。
赤影は胸をなでおろした。飛騨忍軍も忍びである以上、非情の掟を持っているが・・・無益な殺生は好まない。
いざと言う時のために・・・松寿丸とよく似た百姓の子供をさらって監禁していたのである。
信長が・・・人質成敗の証を首実験する場合は・・・その子を殺して松寿丸として首を送れと半兵衛に命じられていた。
しかし・・・信長はその件を言い出さぬまま、半兵衛は死亡した。
赤影は半兵衛の命ずるままに・・・秀吉の正室・おねの配下となった。
これにより・・・やがて・・・おねの支配する飛騨忍軍と・・・三成の支配する真田忍軍という・・・因縁が生まれてくるがそれは・・・まだ先の話である。
赤影は白影に命じ、百姓の子を生まれた家に戻させた。
有岡城の落城により、任を解かれた忍びたちはそれぞれの里へと帰還していく。
拠点となっていた忍び小屋に伊賀の下忍たちが集まっていた。
「石川の五右衛門が抜けたそうじゃ」
「百地様から・・・抜け忍狩りの回状が出たわ」
「アホくさいのう・・・」
「とにかく里にもどらんと」
「五右衛門の奴、百地様の女房に手をだしたそうやで」
「百地様はええ恥さらしじゃの」
「門地を鼻にかけてえばりくさっておるのじゃからいい気味じゃわい」
「おお・・・そういえば儂は五右衛門を見かけたの」
「どこでじゃ・・・」
「有岡城の宝物倉じゃ・・・こ汚い茶道具をかかえておったわ」
「あやつの盗みの技はなかなかのものじゃからな」
「惜しいことをしたの・・・その時捕えておれば・・・褒美に与れたにのう」
五右衛門は花隈城で・・・村重配下のくのいち阿古と対峙していた。
「お城の蔵に盗みに入るとは大胆不敵な小僧じゃのう」
「しもうた・・・こんなに簡単に見つかってしまうとは・・・わややなあ」
「お主・・・どこの忍びじゃ・・・」
「伊賀ものでおます」
「火事場泥棒とは見上げたものじゃ・・・命は助けてやるから・・・とっとといね・・・」
「いや・・・そうもいきまへんのや・・・」
「なんじゃ・・・」
「お前様を見かけた時から・・・懸想しましてん」
「あほぬかせ・・・」
「とにかく・・・辛抱たまりませんのや」
「これ・・・何を・・・む・・・身体が動かぬ」
「伊賀流乱心法・・・土蜘蛛縛り・・・」
「これ・・・なにをする・・・」
「すぐにすませますから・・・この石川五右衛門・・・お宝よりもいい女をいただくことが大事なのでございます」
「あ・・・あああああ」
まだまだ乱世である。
関連するキッドのブログ→第21話のレビュー
| 固定リンク


コメント
昨日、大河ドラマストーリー本が届いたので
これから誰を描こうか思案してる今日この頃
二階堂ふみさんが茶々を演じるようで
これはなかなかに楽しみな感じです
今回はこれまでと比べると
大分ましになってきたかなって
感じはしますがまだまだコント臭が消えません
もう少し官兵衛の個性が出るといいのですが
どうしても他の武将の人間臭さが強くて
完全に官兵衛が没個性状態となってますね
さてさて
次回から官兵衛の個性が生きてくるのかなぁ(遠い目)
投稿: ikasama4 | 2014年6月 3日 (火) 00時36分
ふふふ・・・噂では夏の終りまでしかない「後編」だそうですな。
「完結編」を出す気満々の皆様のNHKですな。
二階堂ふみの茶々・・・楽しみですな。
宮﨑あおい、二階堂ふみ、山本舞香の浅井三姉妹も見てみたい気がします。
この組み合わせなら三姉妹探偵でも温泉三姉妹でも
なんでもいいっ。・・・アホかいな。
まあ・・・もうすぐ半年ですからねえ。
いい加減、本題に入ってもらいたいですよね。
キッドはこのドラマの脚本に
かなり司馬遼太郎を下敷きにしちゃっている感じを
最初から感じていたのですが
おそらく各方面から指摘があり
ちょっと自縄自縛に陥ってる感じがしています。
今回は
信長が・・・布教のために命を賭ける伝道者に共感。
命惜しみをする村重に激怒。
寝返った宇喜多家にさらに激怒・・・。
という流れがあり・・・
そこではピュアな信長が
「汚し」と感じたというのがポイントになる展開。
しかし・・・キーワードを使えないので
ただの暴君に見えてしまうという仕上がりになっておりました。
半分くらいのお茶の間にはそう見えたのではないかと危惧します。
信長を描く場合には
骨の髄まで合理主義と・・・。
天才すぎて狂気・・・の両面のバランスが不可欠ですが
今作の信長は通俗的で中途半端なんですな~。
今の処・・・官兵衛は感受性の強い馬鹿としか
描かれていないわけですが・・・
少なくとも「善人としての印象操作を行う策士」ぐらいは深みを持たせてほしいですよねえ。
松寿丸以外の後継者が生まれなかったのは
当然、男性機能の喪失があったと邪推できるので
ものすごく夜の生活は変態化したと思われますが
まあ・・・大河ドラマは絶対そこにはいかないでしょうからね。
流れからクリスチャンになると思われるので
カトリックとプロテスタントの間で悩むような
官兵衛でも構わない・・・。
とにかく・・・状況に流されるだけの主人公は
あまりにも感情移入しにくいんですな。
帝国タレント的なかっこよさ以外の
「彼」のかっこいいところが見たいですなあ。
投稿: キッド | 2014年6月 3日 (火) 01時39分