逢いたい人に逢えました・・・もげっ(北川景子)
いつまで・・・もげって言うんだ。
忘れられられないの・・・あの人が好きよ・・・なのです。
それにしても2007年の記事を見てみると・・・「モップガール」のレビューと「ちりとてちん」の一口メモが同時掲載で運命を感じるよな。時空を越えて・・・桃子(北川景子)と若狭(貫地谷しほり)が邂逅しているという・・・。
あれから七年である。
途中・・・休眠期間もあるわけだが・・・ドラマを見続ける旅はいつ果てるともなく続く。
「サイレント・プア」が終って・・・ちょうど谷間と言うのが凄いのである。
凄いと言えば片岡鶴太郎も凄い。
今回・・・出番がなかったが・・・「軍師官兵衛」で御着の殿を演じて・・・ここでは江戸時代の粋な戯作者、そして、翌日の月曜日には「極楽がんぼ」で狙われたお寺の住職である。
鶴ちゃん・・・人気爆発なのか・・・。
で、『みをつくし料理帖・パート2』(テレビ朝日20140608PM9~)原作・高田郁、脚本・吉田紀子、演出・片山修を見た。待ちに待った続編である。前回は秋のオンエアだったが・・・今回は梅雨時のオンエアである。原作も面白く・・・ドラマも面白い・・・こういう作品をレビューするのは難しい。できれば・・・様々に視点で語っていきたいが・・・夏バテなのである・・・早すぎるわっ。くう様がもう夏ドラマのラインナップをおあげになっているし・・・。それにしても北川景子は・・・「モップガール」や「悪夢ちゃん」でコメディーをそつなくこなす上に・・・こうして時代劇でもしっとりしたいい女を演じることができる・・・素晴らしい女優なんだなあ・・・。
文化十一年(1814年)といえば曲亭馬琴が「南総里見八犬伝」を書き始めた年である。馬琴は数えで四十八歳・・・「八犬伝」は完成までに28年の歳月を要したのだった。
それはともかくとして・・・紆余曲折あって・・・神田・元飯田町で料理屋「つる家」を再開した種市(大杉漣)と女料理人の澪(北川景子)である。ちなみに屋号の「つる」は種市の今は亡き娘の名前である。種市は・・・澪を娘の生まれ変わりとして慈しんでいるのだ。
上方で名高い料理屋「天満一兆庵」で料理を仕込まれた澪だったが・・・今は女将の芳(原田美枝子)ともども・・・「つる屋」の使用人になっている。
澪は・・・江戸で生き抜くために・・・料理の腕を磨き、様々な名物料理を生みだしていくという趣向なのだが・・・様々な人間模様が渦巻いて行くのである。
芳の息子の佐兵衛は江戸で消息不明となっている。
また・・・澪の幼馴染・野江(谷花音)は吉原の花魁・翁屋のあさひ太夫(貫地谷しほり)となっている。
あさひ太夫は花魁の中の花魁・・・幻の花魁と言われる存在なのである。
そして・・・澪とあさひ太夫には心の絆が結ばれているのだった。
しかし・・・吉原の大門の向こう側は女郎以外女人禁制の場であるために・・・二人は再会することができないという設定である。
そして・・・二人を取り持つのが翁屋の料理番・又次(高橋一生)なのである。
他にも澪の周囲には様々な男たちが配置されている。
医師・永田源斉(平岡祐太)・・・。
そして、謎の浪人・小松原(松岡昌宏)・・・。
小松原は実は将軍の御膳奉行を勤める若年寄・小野寺数馬である。
澪は仄かに小松原に恋心を懐くが・・・あさひ太夫と同じように・・・小松原は雲の上の存在なのである。
逢いたい人に逢えない・・・恋しい人とは身分が違う・・・基本的にせつない話だが・・・澪には料理があるのだった。
あさひ太夫に料理を作り、小松原に料理のアドバイスをもらう・・・料理だけが・・・澪と二人をつなぐのである。
まあ・・・とにかく・・・複雑な人間関係がもつれあうので・・・ざっと整理するだけでも大変なのだが・・・こういう緻密な設定がうっとりする世界を醸しだすんだなあ。
さて・・・冒頭・・・いきなりの修羅場である。
吉原で刃傷沙汰が発生・・・のこぎ・・・刃物を持って遊女の菊乃(黒川智花)を追いまわす無粋な客が菊乃をかばったあさひ太夫を斬ってしまうのだった。
幸い一命をとりとめたあさひ太夫だが・・・吉原の暮らしに疲れた太夫は養生にも身が入らない。
又次に求められ・・・上方の料理を太夫に差し入れる澪・・・。
そんなある日・・・「つる家」の雇った奉公人のふき(石井萌々果)が・・・澪を目の仇としている料理屋「登龍楼」のスパイであったことが発覚する。
やがて・・・騒動は発展し・・・八朔と呼ばれ、街の女たちも切符を買えば吉原に出入りが許される葉月一日・・・。
澪はあさひ太夫のために料理人の職を賭し・・・「ふっくら鱧の葛叩き」を披露するのだった・・・。
まあ・・・ものすごく端折るとそういうことになります。
この味わいばかりは・・・見てもらわないとっ。
ところで・・・今回の騒動の仕掛け人は・・・戯作者・清右衛門(片岡鶴太郎)というところ。モデルは曲亭馬琴らしいが・・・とにかく・・・嫌な感じで入ってきて・・・最後にはおいしい所をもっていくという手である。こういう手を見るのも時代劇の一つの楽しさなんだなあ。
わかっちゃいるけどニヤリなのである。
「春は芽を・・・夏は葉を・・・秋は実を・・・冬は根を・・・美味しく食べさせる・・・」
そういう料理人が一家に一人いるといいのになあ・・・。
「お料理・・・美味しかった」
一瞬のことながら幼馴染との夢のような再会・・・そして泣きながらしゃがみこむ澪・・・。
もげっ・・・なんだなあ。
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