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2014年6月 7日 (土)

死にたい人が死んで生きたい人が生きる・・・ハッピーじゃないですか(菅田将暉)なるほど(大野智)納得すんな(桐谷美玲)

とある密室。

「考え直してください・・・」

「でもねえ」

「悪魔に魂を売ったら地獄行きですよ」

「地獄でなぜ悪い・・・」

「魔王に食われちゃうんですよ」

「それはやだな・・・」

「でしょう・・・大人しく天に召されてください」

「天国で魂はどうなるの」

「神様が食されます」

「え・・・」

「・・・」

で、『金曜ナイトドラマ・・第7回』(テレビ朝日201406062315~)原作・えんどコイチ、脚本・橋本裕志、演出・筧昌也を見た。そもそも魂量の調整はいかなる神の摂理によるものなのか・・・といえば食事制限なのである。魂は生ものなので過剰に入荷すると生ごみになりやすい。もったいないから食べちゃったということでは神のウエイトコントロールに問題が生じるのだった。魂の管理体制なんてそんなもんである。なにしろ・・・人間は生簀の中の魚のようなものなのだから・・・ま、悪魔の言うことですが。

上司である主任(松重豊)の案内する霊界に属するものの寿命の部屋。部屋というにはあまりに広大なスペースである。その果ては暗闇に包まれている。まあ・・・広大な宇宙のすべての魂を管理しているのだから当然である。

そして・・・死神くん(大野智)とカラスの監死官(桐谷美玲)の寿命は風前の灯なのであった。

絶対に負けられない戦いが始っているのである。

しかし・・・死神くんにリベンジを誓う悪魔くん(菅田将暉)は死神くんの担当エリアで新たな勧誘活動を開始するのだった。

悪魔の仕掛けた「黒魔術ブーム」到来なのである。

悪魔にお願いしたい人倍増計画に戦慄を感じる死神くんとカラスだった。

黒の歌姫がいた。

「デビュー曲」で一世を風靡したシンガーソングライターの立花ゆかり(清水くるみ)である。

生きる苦しみを歌にした

死にたい気持ちを歌った

歌えるならどこでもいい

場所なんて選んでいられない

歌はそこそこヒットして・・・「天才少女」ともてはやされた。

ゆかりに憧れて街角で歌う少女に上から目線で優しく声をかける余裕もあった。

しかし・・・それも昔の話。求められるものに応えられない立花ゆかりはたちまちスランプに陥る。

自殺未遂をするほど追いつめられても次の曲は完成しない。

仕方なく・・・ゆかりはゴーストライター・マサト(弓削智久)を起用した。

しかし・・・所詮は借りものの歌である。

世間はゆかりにそっぽを向いた。

世界に絶望したゆかりの心は歪んでいった。

白の歌姫がいた・・・ゆかりに憧れて歌い始めたシンガーソングライターのAMI(唯月ふうか)だった。

ゆかりの背中を追いかけたAMIは・・・あっという間にゆかりを追いぬいた。

「きっと/AMI」はシングルチャートの1位を独走する。

ゆかりは・・・AMIを呪う。

そして・・・悪魔くんを召喚するのだった。

楽屋の鏡から抜け出す悪魔くん。

「お呼びですか・・・」

「私の新曲を私の最大のヒット曲にしてよ」

「第一の願い・・・承りました・・・」

やがて・・・発売になった「innocent blue/立花ゆかり」は好調な売り上げを見せる。

何色の空が好きと君は聞く

離れる道行く未来とも知らず

しかし・・・ヒットチャートは・・・。

第1位「きっと/AMI」

第2位「innocent blue/立花ゆかり」

怒りに我を忘れるゆかりの前に死神くんとカラスが現れる。

「いけませんねえ・・・悪魔の言葉に惑わされるなんて」

「どういうことよ・・・なんで・・・私が1位じゃないの」

「でも・・・立花ゆかりの最大のヒット曲なんじゃね。それより売れた曲があっただけじゃね」

「そんな・・・インチキじゃないの」

「悪魔なんてインチキなものなんですよ」

「あなたたちだって・・・悪魔なんでしょう」

「失礼な・・・死神です」

「死神って悪魔でしょう」

「違いますよ・・・私たちは悪魔の違法行為を取り締まる側です。悪魔が神の定めた運命に反して・・・勝手に魂を奪うと・・・秩序が乱れるのです。死すべき運命の者の寿命が延びたりして・・・それは大変なことになるのです」

「どう・・・大変なのよ」

「魂一定の法則がありまして・・・これが乱されると不祥事になるのです」

「よくわからないけど・・・私はとにかく・・・AMIに勝ちたいのよ・・・あんな私の二番煎じにどうして・・・本家の私が負けなければならないの・・・おかしいじゃない。本物が偽物に負けるなんて・・・」

「しかしですね・・・」と口ごもる死神くん。

「そんなのは簡単ですよ」と悪魔くんが出現するのだった。

「栄光に包まれたものを奈落の底に突き落とす・・・悪魔の専門分野です」

「勝手なことを言うな・・・なんだよ・・・黒魔術ブームなんて作りやがって」

「営業努力ですよ・・・怠け者が勤勉なものにクレームつけるなんて・・・どうかと思います」

言葉巧みな悪魔くんにたやすく誘惑されてしまうゆかり。

すでに悪魔に魂を売った女なのである。

「そんなことをしてもろくなことありませんよ」

「いいのよ・・・薬に溺れてこの世を去った伝説の歌姫だっている。でも歌声は残るわ。聞き手の心に宿ることができるなら地獄落ちなんてなんでもないわ」

煌めくステージのライト

揺らめくブルースのリズム

舞台の袖では売人が笑っている

レディ・デイをいつでも愛してる

アーチストにありがちな自己弁護に言葉を失う悪魔くん。

「人間に言い負けてどうするんだよ・・・カス」と嘆くカラスだった。

通りすがりの黒柳徹子が死神くんのおひざに座るコントあって・・・。なんなんだっ。

お迎えが近いのか・・・。

白の歌姫・AMIをとりかこむ報道陣。

「熱愛発覚」

「盗作疑惑」

身に覚えのないスキャンダルに言葉を失うAMIは失神してしまう。

すべては悪魔による捏造だった。

「勝ったわ・・・あの女に勝った・・・」とほくそ笑むゆかり。

しかし・・・ヒットチャートは・・・。

第1位「きっと/AMI」

(圏外)「innocent blue/立花ゆかり」

「どうして・・・」

「それは・・・やはり実力というものがあるからではないでしょうか」と死神くん。

「そんな・・・」

「スキャンダルによって売上があがることもあるそうじゃないですか」

「妙にくわいしな」

「勉強しました」

「憎い・・・AMIが憎い・・・」

「どうして・・・そんなに彼女を憎むんです」

「AMIさえいなければ・・・私が栄光に包まれていたのよ」

「それならいっそ・・・彼女を消してしまえばいいじゃないですか」と悪魔くんが現れる。

「そうね・・・」

「第三の願いを叶えたら悪魔に魂を奪われてしまいますよ」

「構わないわ・・・手に入らないものは仕方ない・・・手に入れたものを道連れよ」

「承りました」と悪魔くんはAMIの病床に向う。

Photoしかし・・・そこにはカラスが待っていた。

「残念だったな・・・彼女は・・・すでに天に召されることが決まっている」

「なるほど・・・死亡予定者には悪魔は手出しできないルールでしたね」

死神くんはゆかりに真実を告げる。

「第三の願いは無効ですよ」

「どうして・・・?」

「AMIさんは不治の病で・・・余命宣告を受けています。六月六日の午前三時に・・・召される予定です」

「そんな・・・彼女はパフォーマンスで・・・」

「彼女は・・・ずっと死と戦っていたのです・・・あなたの歌に何度も救われたとおっしゃってました」

「私の・・・歌に・・・」

「彼女にとって・・・あなたは・・・スーパースターなのです」

「そんな・・・それだってポーズだとばかり・・・」

「これは彼女の書いた詞です・・・彼女の最後の願いは・・・あなたと二人で曲を作り・・・一緒に歌うことだそうです・・・その願いを叶えてあげてくれませんか」

「なんなの・・・一体・・・私は・・・」

「あなたは幻を憎んだのです」

「だけど・・・無理よ・・・私にはもう曲はかけない」

「なぜです・・・あなたはシンガーソングライターなんでしょう」

ゆかりはギターを手にとった。

病床のAMIに立花ゆかりから着信がある。

強い風が吹いて

横殴りの雨が降りかかる

甘い夢は崩れ

絶望だけが待っている

だけど、大丈夫

いつも私が傍にいるから

・・・途切れる歌声。

「ごめんね・・・間に合わなかった」

「とてもいい歌・・・ゆかりさんなら・・・きっと完成できますよ」

「いいえ・・・あなたが・・・完成させて・・・」

「ゆかりさん・・・」

死神くんは自分のミスに気がついた。

ゆかりは高いビルから身を投げていた。

しかし、空中でその手をとらえる死神くん。

「こんなことをしてはダメです」

「魂一定の法則を適用しなさいよ」

「そんなことはできません」

「いいじゃない・・・死にたいものが死んで生きたいものが生きるだけよ」

頭上から悪魔くんが声をかける。

「簡単ですよ・・・第三の願いをすればいいんです」

「やめてください」

「そうね・・・AMIの悪い噂を消して」

「承知しました」

ゆかりの魂は地獄に堕ちた。

魂の抜けたゆかりの肉体は虚しく落下する。

そして・・・AMIの寿命はのびた。

「どうして・・・勝手なことをするんだ」と死神くんは悪魔くんに問う。

「生きたいと願う人間を殺し、死にたいと望む人間を生かす・・・神の定めし運命の方がずっと残酷じゃないか・・・生きていてよかったとと言えるそんな夜を捜してる人間の方が多数派だろう・・・つまりみんな生きていてよかったって思ってないわけで」

「・・・」

いつでも傍にいる

歌が聴こえる

光の中で・・・

下界に流れるAMIの歌声。AMIと自殺した立花ゆかりの合作は大ヒットになっていた。

若きシンガーソングライターの卵がまた・・・その曲に耳を傾ける。

その様子を見下ろす死神くんとカラス。

「すまなかった・・・また君を巻き込んで・・・」

「・・・」

雲海の畔に・・・並んで膝をかかえる二人。

かわいいよ・・・死神くん、かわいいよカラスである。

まるで捨てられた幼い兄妹みたいだ。

そこに・・・主任がやってくる。

「悪魔に魂を奪われた件については今、審議中だ・・・私も上司として精一杯君たちを弁護する。情状が酌量され・・・万一・・・君たちの存続が許された時に備えて・・・粛々と業務を続けるように・・・」

ゆかりの死が「自殺」なのか「自己犠牲」なのか・・・判定はそれなりに微妙なものらしい。

それはともかく・・・死ぬまで働けという・・・やはり・・・ブラック霊界の香りがいたします。

関連するキッドのブログ→第6話のレビュー

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コメント

今回のお話は病室の会話あたりから涙が止まらなくなってしまい
ラストの女子高生の姿に救いを感じて
感情を強く揺さぶられる印象的な回でした
死神くんの哀しみの表情も見事で
大野君の大げさではない繊細な表情の変化がこのドラマに深みを与えてくれてこの独特な世界に入りこむことを容易にさせてくれてる気がします

でも前回と今回の話の主人公の明暗の分け方とか
今ひとつ釈然としないところもあって
深く考え出すと 設定もなんだか微妙に最初と違うようにも
思え
死をテーマにするだけに
もう少し明確なルールがあった方が心の準備ができて
見やすい気もします

上司の
業務を粛々と続けるようにの言葉に
1番リアリティを感じました(^^)

投稿: chiru | 2014年6月 7日 (土) 23時09分

cherryblossomシンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファンheart04

作品という確固たる存在。
人気という曖昧な評価。
その間隙に・・・人の心は怪しく乱れるのでございます。

光を見続けようとする白の歌姫と
暗闇から目が離せない黒の歌姫・・・。
二人の心はそれほど遠くない・・・。
それどころかコインの裏表のようなもの。
しかし・・・心の闇に沈んだ黒の歌姫は・・・
白の歌姫を運命から救いだすために
自ら闇に堕ちる・・・。

実に人間的な物語でしたね。
二人は擬似姉妹ですからな。

死神くんは悲しみというよりも
戸惑っているんじゃないかと思います。
誰よりも生きたいと思っている黒の歌姫。
なにしろ・・・どんなことをしてもライバルに勝ちたいと思っているわけです。
そういう欲望に満ちた人がなぜ「死」を選択するのか。
人間の精神のダイナミイズムでございますよねえ。

前回は避けられぬ「死」を受容することについての
深淵がありましたね。
結婚詐欺師の妻・・・娘の実の母については
あまり描かれませんが
彼が結婚詐欺師であるのは
最初の妻に殉じているという見方もできる。
だから・・・「死」が判明して
結婚を決意する。
すべては妻の忘れ形見のためです。

人間の生が個体と種の二種類あるように
死にも個体と種の二種類がある。
ゲスト・ヒロインは・・・
結婚詐欺師の妻となり
個体として妊娠を希望しますが
それは叶えられなかった。

しかし・・・種としては遺児を育てることで
死を免れることができる。

逃れられぬ個体の死と・・・種の存続。
人間はその生と死を漠然と受け止めながら
実際には生きているわけです。

実の子でなければ「種が存続されない」という枠組みをもう一つ越えているのが・・・養子縁組なのですねえ。

そういう意味で今回はさらに・・・「文化」という
人間の営みの継承が扱われているとも言えます。

「歌が存続するから私は死なない」

それもまた永遠を求める死せる魂の夢なのでございましょう。

そういう人間の・・・ある意味でとりとめのない精神に・・・
死神くんはうっとりと何かを感じているような気がします。

死神上司は・・・消えていく同僚や部下たちを
何人も見送って今の地位を築いたのかどうかは不明ですが・・・。

天国の歯車である自分をそれなりに感じているのかもしれませんよねえ。

悪魔が地獄の歯車だと感じるが如く・・・。typhoon

投稿: キッド | 2014年6月 8日 (日) 01時25分

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