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2014年6月 1日 (日)

私も実験したいです(有村架純)切ったスイカを食う(二宮和也)

来た球を打つ・・・野球の極意だよな。

天才だけが到達しうる真理。天才ならではの表現力。笑うしかない凡人の図式だ。

結局、世の中は天才の実力、秀才の解説、凡人の納得で構成されているんだよねえ。

それにしても・・・高校野球の監督が職業として成り立つなんて・・・世界は神秘に満ちているよな。

しかし、指導者の生み出す進化というものはある。

積み重ねたもののダイジェスト、いいとこどりの教育、そして才能とのめぐりあわせか。

学歴社会の批判と学歴社会の維持こそが次なる勝利の方程式なんだな。

不条理に耐えて不条理を打破することこそが理想だ。

慣れ合いの中で不死鳥のように蘇る理想こそが肝心なのだ。

ケンチャナ(まあいいじゃないか)官僚だけだと船が沈むからな。

世界は結局、弱いけど勝てます精神のるつぼなんだよな。

ロシアも中国も日本もヨーロッパも韓国も北朝鮮でさえ、アメリカより弱いけど勝てます精神でがんばっているのだな。

まあ・・・お茶の間はそこまで深く考えないけどな。

で、『弱くても勝てます 〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜・第8回』(日本テレビ20140531PM9~)原作・高橋秀実、脚本・倉持裕、演出・明石広人を見た。人々はたとえで理解を深めることができる。あらゆる知識はたとえにすぎないともいえる。たとえば野球を戦争にたとえてみる。専守防衛とは・・・ある意味で守備しかしないということだ・・・勝てるか?・・・さらに個別的自衛権とはヒットを打って、ランナーになっても他人のヒットではホームに生還できない自衛権なのだ。適時打というのは集団的自衛権のなせる業なのだ。つまり、個別的自衛権の得点はホームランだけだ。満塁ホームランを打っても得点は一点しか入らないのだ。・・・やってられるかよ。ま、こういうたとえも野球を知らない人や戦争を知らない人にはなんのこっちゃなのですね。

まあ・・・野球をしなくても人間は生きていけるが、戦争をしなくては人間は生きていけないという前提があります。戦争なしでは生きていけないのかよっ。

歴史という過去を見てごらん。野球はなくても戦争のない世紀なんてない。

だけど・・・未来はどうなるか、わからないじゃないか。

コロニーを落したり、小惑星を落したりするんだよ。

ああ・・・。

夏の甲子園。その地区予選の組み合わせが決まる。

城徳高校の一回戦の相手は平塚武宮高校。

そして・・・二回戦の相手は堂東学院(おそらくシード校)である。

「げっ」となる選手一同・・・しかし、マネージャーの柚子(有村架純)は思わずガッツポーズをするのだった。

かわいいぞ、柚子かわいいぞ・・・である。

このドラマは90%ぐらいが柚子かわいいぞで出来ているので好きだ。

「目指せ、甲子園でしょ」と煽る柚子。

「しかし・・・甲子園は遠いよな」と赤岩(福士蒼汰)・・・。

「お前たちの目指すのは・・・甲子園ではない・・・」と青志監督(二宮和也)・・・。

「じゃ、どこですか」と利根璃子(麻生久美子)・・・。

「強豪校撃破だ・・・弱いけど強豪校に勝って・・・結果として甲子園に行くことになるのだ」

「なるほど」と納得するナインだった。

「だから・・・とにかく一回戦は勝て」

「はい」

素直でいい子たちである。再調整されてマスターに忠実になったプルツエルブのようだ。

みんな、強化人間かよっ。

一方で・・・東京大学では「生物科学専攻機能形態学ゲノム解析による両生類の進化発生的解析の研究室」が来春再開することが決定する。

青志は再び、亀の研究に戻るのである。

しかし、ナインもマネージャーも、ジャーナリストも、三条校長(笹野高史)、柚子の母の楓(薬師丸ひろ子)も猛反対である。

未来のノーベル賞よりも母校の一勝が大事・・・というのが庶民というものだ。

青志も野球への情熱に捨てがたいものがある・・・しかし、挫折した高校野球で失ったものを取り戻すには・・・ひと夏で充分なのである。

自分が高校時代に達成できなかったことを・・・若きナインに託すのが指導者の立場なのである。

そのために青志は全身全霊を捧げているのだが・・・偏差値の低い人々にはなかなか理解が困難なのである。

しかし・・・少なくともナインには青志監督の意志は伝わっている。

「野球部の伝統を築いてもらいたい」と柚子は願うが「今は目の前の試合のことだけを考えよう」と白尾(中島裕翔)が諭すのだった。

ここで・・・彼らの実力というものを考えておく。

彼らは少なくとも偏差値の高いエリート集団である。

つまり、高い知能指数を持っている。高い知能は基本的には高い作業力を伴う。

次に体力の問題がある。

リトルリーグから野球に特化した強豪校の生徒たちにくらべて基礎体力は劣るだろう。

しかし、人間の体力差はそれほど大きなものではない。

また、筋力はある程度の期間でそれなりの能力改善が見られる。

なにしろ・・・彼らはまだ成長期なのだ。

青志の適切な指導により・・・彼らの体力は少しずつ・・・強豪校のレベルに接近しているのだった。

その成果が・・・キャプテンの江波戸(山﨑賢人)の・・・堂東学院のエース・近江(宮里駿)からホームランを奪う打撃力となっているのだった。

スポーツもしくは武術に親しむものなら・・・そうした変化が地道な修練の積み重ねの後で突然やってくるという経験があるはずである。

今、城徳ナインは・・・三ヶ月の努力の成果を見せ始めているのである。

利根の書いた記事によって・・・好意的になったらしい他校により・・・城徳高校に練習試合のチャンスが訪れる。

西湘台高校との練習試合は・・・。

719j城徳は19失点したものの7得点をあげる。得点差は12点である。手抜きの武宮高校相手の五回10点差コールド負けよりも九回まで戦ったことに意義があるのである。明らかに城徳高校の実力は向上しているのだった。

樫山(鈴木勝大)は線的打撃を試み、光安祐太(平岡拓真)は体重移動打撃を試みる、ストーカー(桜田通)でさえも同調打撃を思案する。それぞれの課題を持って取り組む実験は次々に成果を上げていくのだった。メガネの横目やワカメのひねりも忘れないでください。

嘘のようだが・・・そういうことはあるのである。

なにしろ・・・本人たちが野球が楽しくて熱中しているのだ。

若者が何かに熱中するというのは凄いことなのである。

何もかも自分次第なのである。

続いて行われた隼田高校との練習試合・・・。

1017jついに10得点をあげ・・・7点差まで持ちこんだ城徳ナインであった。来ているのである。後、8点取れば勝てる所まで来ているのだ。堂東学院に62点を取られ・・・日没コールドされたあの日の・・・城徳高校野球部はもう・・・いないのである。

そんな・・・城徳ナインに危機感を覚えたわけではないだろうが・・・イケメンで勉強のできる弟の光安祐太が・・・野球までやっていることに違和感を感じる別姓の兄で堂東学院のエース・近江聡希(宮里駿)はなにかと・・・城徳ナインに絡んでくる。

それは・・・青志に対する野球エリートの谷内田健太郎の関係を彷彿とさせるのだった。

さらに・・・前回の樽見母娘の行動は・・・平塚武宮のエース・国友悟(井手大稀)のストーカー2号化を生むのだった。

告白もしたらしい国友に赤岩と白尾は複雑な同情を感じるのだった。

そして・・・部長先生(荒川良々)による西瓜差し入れは・・・城徳、武宮、堂東のキャプテンたちを巻き込んだ乱闘事件(冤罪)に発展するのだった。

結果として高校野球論を戦わせる各校の監督たち。

「不祥事で高校野球生命が終わったら取り返しがつかない」と堂東学院野球部監督・峠直介(川原和久)・・・。

「それで野球人生が終わるわけではない」と青志監督。

「しかし・・・小学校中学校と積み上げて来たものと・・・高校の仲間たちとのかけがえのない体験を逸することになる」と平塚武宮高校野球部の浦瀬監督(酒井敏也)・・・。

それぞれの経験と培われた野球哲学が衝突する・・・喫茶店「サザンウインド」の西瓜試食会だった。

そして・・・利根璃子は城徳学院高校の初勝利の夢を見るのだった。

ナインたちは・・・青志監督という先輩への愛に燃え・・・「強豪校撃破」を小田原の海な叫ぶのだった。

さらに・・・オーナーの赤岩の父(光石研)の歪んだ父性愛に乗せられた楓は平塚武宮の臨時コーチに就任するのだった。

もう、ここは無理矢理、出番を作りましたな。

まあ・・・いいじゃないか。

期せずして・・・いじめているつもりはなかったいじめっ子と・・・いじめられてる風になってしまういじめられっ子は野球という愛のフィールドで友情を育むのだった・・・。

ついに・・・決戦の日。

調和と信頼が勝利を生むのか。

実験と研究が勝利を生むのか。

すべてはゲームなのだ。

離脱した亀沢(本郷奏多)が東大野球部を目指すのもまた・・・然りである。

ドラマとしての深淵を感じさせる展開だが・・・このスイカの好きなチームは例によってお茶の間の理解とは程遠い極北を旅していくのだなあ。

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

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