私は金遣いの荒い女じゃけんね(尾野真千子)私の名刺は揺れるわよ(井上和香)
このドラマのレビュー終了の危機を救った桃尻花瑠子(井上和香)再登場である。
またしても・・・いい仕事をしているのだった。
是非、再々登場してもらいたい。
一瞬・・・暑さを忘れたもんね。
しかし・・・六月が始ったばかりだというのに・・・もう夏バテ気味である。
掟破りの前後編構成で・・・前回はほとんど「蒲田行進曲」妄想だったわけであり・・・解決篇の今回は銀ちゃんだけの独断場・・・ちょっとものたりなかった・・・オダギリジョーって書けないしな・・・そこを桃尻の胸乳が救ったのだった。
まさに・・・一服の清涼剤である。
それにしても・・・生命保険の五千万円と番頭さんの家抵当で作った二千万円、家屋敷と自社ビル売却の相場額に銀行が上乗せした五千万円で借金がチャラになった・・・という結末である。
未亡人も番頭さんも・・・路頭に迷うだけなのでは・・・。
これだけフィクションな設定でこのリアルな展開・・・エンターティメントとしてどうなんですかね。
いや・・・きっと・・・隠し財産があるんだな。
で、『極悪がんぼ・第8回』(フジテレビ20140602PM9~)原作・田島隆・東風孝広、脚本・伊志規哲也、演出・石井祐介を見た。情報の中でモラルを形成する情報はとりわけ厄介である。価値観の多様化という概念によって・・・モラルはほとんど意味を失ってしまう。正直とバカ正直の境界線も定かではないわけである。たとえば無自覚な幼児性を示す「中二病」という言葉は「大人げない」のと大差ないように思える。しかし、そこには・・・賄賂を否定する潔癖さを否定するニュアンスも含まれる。「童貞なのに童貞じゃないような言動」を揶揄している分には面白いが・・・「大人なのに賄賂も受け取れないのか」という流れになればインモラルなのである。そういう大人たちが支配する世の中では「積載量オーバーだけど大目に見てね」ということになり、船はたちまち沈没し、「海猿みたいな潜水装備にかける予算はないけれど慰安のための専用ゴルフ場を作る役所」が誕生するのだった。対岸の火事だといいけどなあと思う今日この頃なのである。
キッドは今、ユースケサンタマリアが「くせになる」と断定した「いいくらし/チームしゃちほこ」に厨房的にはまっているのだが・・・オダギリジョーって書けないからユースケサンタマリアって書くのかよ・・・。
One step 涙 「流せばいいよ」
Two step 努力 「無駄じゃないから」
友情 勝利 言葉はパワー
・・・とここまでは偽善的な匂いを漂わせるわけである。
その後で・・・。
魔法 信じる 人がいる
うわあ・・・この毒々しさ・・・たまりませんな。
「極楽がんぼ」もこのレベルまで来てもらいたい。
破綻銀行の過剰融資と貸しはがしによって多額の借金を背負い自殺に追い込まれた本真商事の本真社長(平田満)・・・残された未亡人・志保(朝加真由美)と小林専務(志賀廣太郎)は仇討ちを誓うが・・・志保を恋慕する金子千秋(三浦友和)は力添えを決意するのだった。
成り行きで復讐を手伝うことになった新人女極道・神崎薫(尾野真千子)はスナック「まやかし」で「きっちり、カタにハメたるわ」と息巻くのだった。
「銀行を敵に回して大丈夫かな・・・」と弁護士の豊臣(宮藤官九郎)がからかう。
「悪徳弁護士はだまっとらんかい」と応ずる薫。
「そんな甘い言葉じゃダメだなあ」と豊臣が調子に乗ると・・・スタンガンの電撃で豊臣を悶絶させる真矢樫キリコ(仲里依紗)だった。
金子から軍用金として大金を受け取った薫は・・・金にものを言わせて情報収集である。
「ホテルに電話してきた男を調べて欲しいんだけど・・・」
スーパー・ハッカーらしいキリコはたちまち・・・破綻銀行・課長の吉良(袴田吉彦)を割りだすのだった・・・どこに侵入してんだよっ。
大金をせしめて完全に機が大きくなった薫はさらに・・・吉良の弱点を探るために筋目から言えば兄貴分の冬月啓(椎名桔平)に300万円で身上調査を依頼する。
おい・・・主人公・・・まあ、いいか。
冬月は・・・たちまち・・・幽霊会社を使った吉良の横領の実態を突きとめるのである。
とにかく・・・当面の目標は・・・借金返済のために不足している五千万円を破綻銀行に吐き出させることだった。
薫は吉良の犯罪の証拠を持って本人を直撃するのだった。
あわてふためく吉良・・・。
いい気分の薫。
しかし・・・その状況を吉良の部下の植原希(あべまみ)は見逃さない。
たちまち・・・黒幕の常務の破綻(佐野史郎)の知るところになり・・・憐れ、吉良はトカゲのしっぽ切りで・・・最果島支店に左遷されてしまうのだった。最果島ってどこだよっ。
薫・・・軍用金を使い果たした模様・・・何のために小清水経営コンサルタントに関わっているのか忘れているのではないかと思う。
さて・・・お茶の間は・・・未亡人と番頭にも絶対に裏の顔があるはず・・・と期待しているわけだが・・・ないのである。
一方・・・薫にいろいろと命じた割には・・・金子は独自で・・・破綻銀行の内情を調査していたのである。
破綻一族の一人である破綻常務が・・・親戚の経営している「野呂間食品」と特殊な関係にあると見極めた金子。
「野呂間食品」の経理部長・狸(春海四方)をターゲットにして、薫や腐れ外道(三浦翔平)とともに監視体制に入る。
狸部長の行きつけの夜の店に腐れ外道の顔は忘れても身体は覚えている的なセックスフレンドである桃尻花瑠子(井上和香)が勤務していることを知った金子は・・・桃尻を仲間に引き入れ・・・賭けゴルフを狸に持ちかける。
うっかりと罠にはまり、300万円の配当を受け取った狸は賭博の罪に問われることを惧れ・・・経理資料を金子に覗かせるのだった。
主人公は証拠を押さえるキャディーさん役が似合うのだが・・・それでいいのかっ。
とにかく・・・ついに・・・破綻常務の背任的不正融資の証拠をつかむ金子だった。
頂上決戦である。
「おどりゃ・・・この不正をばらされたくなかったら・・・本真の借金チャラにしたらんかい」
「しかし・・・さすがに五千万円の上乗せは・・・」
「寝言言うてる場合かのう・・・」
破綻常務は・・・小清水所長(小林薫)に泣きつくのだった。
そこで・・・小清水は・・・自社ビルを買いたいという人間を紹介する代わりに・・・買い取り料金を全額融資するという五千万円の捻出法を指南するのだった。
実質・・・小清水の紹介する人間は・・・ほぼ無償で自社ビルを入手したことになるのだった。
おそらく・・・その人間は簡単には融資の返済に応じない人間なのである。
こうして・・・未亡人と・・・番頭さんは・・・借金から解放されて無一文になったわけであるが・・・その余裕のある言動から・・・かなりの財産を隠匿しているものと邪推できるのだった。
「ヤス・・・仇は獲ったぜ・・・」
墓前で報告する銀ちゃん・・・じゃなかった金子。
涙雨がふりかかる。
ますます金銭感覚がなくなって来た薫は報酬の半額を気前よく香典にするのだった。
まあ・・・二百万円くらいはその世界では相場とも言える。
あくまでヤクザの世界の話なのでお茶の間の人は真似しないでください。
いよいよ・・・春ドラマも終盤戦である。
仁義なき戦いは・・・勃発するのか。
「オヤジ・・・そろそろ花道を飾る気はないのかのう・・・」
「若頭のお前がそないなこと心配せんでもええんじゃ」
「・・・勘忍してつかあさい」
「吐いたツバをのう・・・飲めるもんなら飲んでみんしゃい」
ジャジャジャーン・・・あのテーマが聴こえてきます・・・。
次回、「組長、組員を食事に誘うの巻」です。
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