ガチョーンは谷啓さん、お呼びでない、お呼びでないね、こりゃまた失礼いたしましたは植木等さんですけどね、お二方ともハラホロヒレハレなことになってます(小泉今日子)
クレージーキャッツ世代かっ。
「シャボン玉ホリデー」は1972年までやっていたので・・・1966年生れの小泉今日子は・・・ギリギリ、視聴可能世代なのである。
しかし・・・とても「シャボン玉ホリデー」を見ていた世代には見えないよなあ。
知ってたら年がバレるから昔なら隠すところだよなあ。
最近、植木等も谷啓も見ないなあ・・・と思ったら亡くなっていたのだった。
知らなかったのではなく・・・死んだことを忘れていたのだった。
ハナ肇だって・・・猫屋敷で今も猫を抱いてすわっているような気がするからなあ。
「ニッポン無責任時代」を見るとみんな元気だしなあ・・・それは映画だからだろっ。
四十代や五十代はまだまだ若いとはいうものの・・・もう・・・あっと言う間に「ハラホレヒレハレ~」になっちゃうんだよな。
だから・・・何を言っても・・・せつないのです。
だけど・・・涙が出ちゃう・・・だって・・・老い先短いんだもん。
で、『続・最後から二番目の恋・第10回』(フジテレビ20140619PM10~)脚本・岡田惠和、演出・宮脇亮を見た。口は災いの元・・・と言うが、わかっているのにやめられないのが人間である。まあ、うっかり口がすべったり、汚い野次を飛ばすことが人間の品性下劣さを示すとなればむひょーっと言うしかないのである。一ヶ月もあるお祭りが始ってすぐに終わったりしたら・・・いろいろと問題があるので絶対に負けられない戦いをしていても試合中のエルボーとかは面白すぎるわけである。世の中って本当にいろいろありますねえ。無敵艦隊は沈没する運命なんだな。
そんな世界とは無縁で・・・自分の中の何かと戦い続ける千明(小泉今日子)・・・今回のお相手は「人間ドック」である。JMTテレビにおける千明のコンシェルジェ、三井AP(アシスタント・プロデューサー)は・・・千明に「人間ドックへ行ってください」と懇願するのである。
酒、煙草、ストレス、運動不足、不規則な生活・・・不健康の道を歩む千明にとって・・・それは絶対に避けたいイベントなのだった。
まあねえ・・・死んだら楽だろうなあ・・・とつい思うのと・・・「医者に行くと病気になる」という確信は・・・誰にでもあるよね・・・あるかっ。
絶対負けられない戦いのために・・・千明は・・・禁酒・禁煙・ジョギングの一夜漬けである。
一方、和平(中井貴一)は年に一回の「人間ドック」を欠かさないのだった。
万里子(内田有紀)がセッティングすることにより・・・期せずして・・・同じ病院で・・・あたかも仲の良い夫婦のように・・・人間ドック入りする二人だった。
戦い続ける女・千明は・・・ハチロクで峠を攻める走り屋の如く、負ければ引退の瀬戸際ボクサーのように・・・闘志を燃やし検査を受ける・・・。
戦い終わって・・・極めて健康であることが判明した千明。
一方、和平はいろいろと気になる数値を担当医から指摘されてしまう。
まあ・・・医師のその時の気分とか・・・言い方もあるよなあ。
美人の女医さんに微笑まれて「再検査ですねえ」と言われたら死んでもいい気分になるしな。
大病院の採血センターで居並ぶ看護師さんの中で美少女の人にあたったら・・・些少、採血が下手でも許したい気分になるわけである。ならないねっ。
人間ドックの出口で待ち合わせをした二人は・・・どちらが待たされるわけでもなく、小さな石鹸もカタカタ鳴らさずに朝食抜きの日の遅いランチを楽しむのだった。
お互いの健康を讃えあう二人・・・。
「来年もご一緒しましょうか・・・リベンジしたいし」
「望むところですよ」
いや・・・それはある意味、ブロポーズだぞ、お二人さん。
言いたいことを言う自分と違って和平はストレスをためるタイプだからと指摘する千明。
いや・・・それは夫を気遣う妻のセリフですよ・・・千明さん。
和平は・・・なぞのセフレ志願の女・薫子(長谷川京子)や、伊佐山市長(柴田理恵)に言い寄られて困っていることを打ち明けるのだった。
やたらと誘惑される夫かっ。
「未亡人キラーですねえ・・・」と応じるさばけた妻だった。
だから夫婦ではないぞ。
さて・・・セフレのことを考えていると・・・ダブル不倫の事例が浮かんだが・・・乙女のロマンス的には・・・鰥夫と寡婦の肉体的交際と言うのもあるような気がしてきた。
つまり・・・天国の妻や・・・夫に貞淑でありたい・・・わけである。
「もう恋なんてしない」と誓っているわけである。
もちろん・・・子供の手前もある。
しかし、性的欲望がある。そんな男と女が・・・セックスフレンドになってもいいと思う。
まあ・・・一般的には再婚するけどな。
なにしろ・・・年下の未亡人なら妊娠・出産の可能性もあるしな。
いや・・・あくまで乙女チックな話としてだよ。
鎌倉の潮風を浴びてすっかり健康的な気分になった千明は・・・たちまち不健康な何かを求めるのだった。
すると・・・鎌倉の自縛霊のような広行(浅野和之)と一条さん(織本順吉)が湧いて出るのだった。
「昼キャバ始めました」という「キャバレー宝塚」へ昼間から同伴出勤に応じる一条さんは一行を昼間から不健康な生活にご案内するのだった。
千明は何故か、和平に「昭和ブルース」をリクエストするのだった。
見えない鎖が重いけど
行かなきゃならぬおれなのさ
だれも探しに行かないものを
おれは求めてひとりゆく
天知茂も最近見ないなあと思ったら・・・お亡くなりになってます。三十年前だぞっ。二十世紀だし、昭和のことだよっ。
まあ・・・とにかく・・・もう・・・見た目、夫婦だよ。
市役所に用事で来た美しい未亡人・薫子をランチに誘う未亡人キラー。
二人は・・・江の電の引退車両で友達ランチである。
「この間は・・・傷つけるよなことを言ってしまい・・・」
「・・・」
「でも・・・淋しいという気持ちは分かるんです」
「私、好きになりかけていたのかもしれません」
「その場合は・・・もっとはっきりとあなたを失恋させることになるかもしれません」
「・・・」
「だって・・・あなたとは・・・永遠に友達ですから」
殺し文句なのかどうか・・・不明だが・・・とにかく・・・薫子は喜んだらしい。
変態色魔である悪魔には理解不能だが・・・そういう男と女の関係があっても別に構わないと思う。
一方・・・市長は妄想の擬似片思いの現状維持を和平に命ずるのだった。
明らかなパワハラだが・・・かわいすぎてクレームが付けにくい事例なのだった。
とにかく、持ち味の優柔不断、態度不明瞭でその場をしのぐ和平である。
鎌倉の・・・移ろいを感じさせない・・・平和な日常。
しかし、東京では時が流れていく。
音楽業界の水野(渡辺真起子)とともに・・・「トリオ・ザ・結婚できない女」の一角を担う出版業界の荒木(森口博子)が名古屋への出向を命じられるのだった。
名古屋市民は涙目なのだが・・・都落ちなのである。
東京以外はみんな地方だからだ。
変なエステの変なサウナパックに呪縛されながら・・・「東京にいられなくなる女」との別離を惜しむ千明と水野だった。
誰も本を読まない、誰もテレビを見ない、誰も音楽を買わない・・・そういう時代は目前なのである。
これは・・・想像しただけで泣ける。
そして・・・ロケ場所のキャンセルという些細なトラブルが発生。
急遽・・・千明の家がロケ場所に指定されるのだった。
お約束の展開なんだな。
プロデューサーとして鎌倉市役所に撮影許可申請をする千明。
市長は・・・自分が出演することを条件に許可するのだった。
職権濫用である。
まあ・・・もうかわいいので許すしかないらしい。
そして・・・短期引っ越しの必要に迫られる千明。
「大変ですね・・・ウチへ来たらどうですか・・・真平の部屋が空いてるし」
「そんな・・・そうなると一緒に暮らすみたいだし」
「いいでしょう・・・一緒に暮らしましょうよ」
和平のプロポーズである。
千明がずっと聞きたかった言葉。
しかし・・・単なる隣人の行為の申し出であるのは明らかなのだった。
核心に迫る最終回を前にして・・・乙女チックなオチが展開する。
亡くなった妻が・・・集めていた桜貝の謎が・・・解き明かされるのだった。
十年間・・・謎だった答えを乙女チックから一番遠い典子(飯島直子)が知っていたのだった。
「カフェ・ナガクラの飾り付けにするって・・・」
「なんで黙ってた・・・」
「え・・・聞かれなかったし・・・っていうか、みんな知らなかったの」
長倉えりな(白本彩奈)をはじめとして家族全員が唖然とするのだった。
そして・・・千明を含めた・・・家族たちは・・・亡き、和平の妻、えりなの母を偲んで・・・「カフェ・ナガクラ」を十年間採取され続けた桜貝によってデコレーションするのだった。
穏やかな日々の輝かしい一時。
世界の片隅の話である。
それは明日、世界が滅んでも語り継がれる幸せな記憶なのだな。
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