見えない敵と戦う君へ~すごいやん、プロになれるやん・・・っていうか、もうプロやん(山本美月)ファン1号(黒島結菜)アオイホノオ(柳楽優弥)
「SUMMER NUDE」から「安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜」そして「僕のいた時間」と堅実だが当たり障りのない美人脇役を演じて来た山本美月がついに・・・爆発したのだった。
ものすごく期間限定のマドンナ・・・それは新入生(男子)と大学の先輩(女子)である。
なんといっても・・・新入生は18~19歳で未成年、先輩は19~20歳で大人の女なのだ。
もう・・・この期間・・・めぐりあった二人は・・・永遠の愛を構築するのだった・・・まあ、そういう人もいるだろうが。
その・・・魅惑的な年上の人、しかも少しアホの子を演じて・・・山本美月は・・・本領を発揮というか伝説になったのだった。
いや・・・とにかく・・・ものすごく、甘酸っぱいぞ。
一生の思い出だな・・・。
これを演じてからの「サマーヌード」や「アンドロイド」や「僕」だったらものすごかったのにな・・・っていうか録画を見るよ。
そして、とんこ先輩かわいいよ、とんこ先輩って言うよ。
で、『アオイホノオ・第1~2回』(テレビ東京201407190012~)原作・島本和彦、脚本・演出・福田雄一を見た。谷間でいいのか・・・というくらい最高の作品だが・・・これを本格的にレビューする時間も体力もないのだった。冒頭、1981年8月の日本SF大会「DAICON 3」でアマチュアだった庵野秀明が公開したオープニングアニメーションが挿入される。登場するキャラクターは80年代ロリコンブームの主役・吾妻ひでおの不気味氏やなはは氏である。彼らは科学特捜隊の制服を着用している。おタクなら説明不要のこれらのアイテムが前人未到の濃さを醸しだす・・・テレビ東京の深夜ドラマの中でも極北の濃度である。こんなのにまともにつきあったら死ぬ可能性があるのだった。
そのアニメが公開され、SFファンの度肝を抜く一年半前・・・1980年の春に時は遡る。
主役は・・・庵野秀明ではなく・・・大阪芸術大学映像計画学科(限りなくノンフィクションに近いフィクション)に通う島本和彦を連想させる学生・焔モユル(柳楽優弥)である。
「漫画家になって天下をとる」という野望を秘めながら・・・バトミントン部のマネージャーでかわいい先輩である森永とんこ(山本美月)に勧誘され、バトミントン部員になってしまったモユルだった。
しかも、とんこ先輩はキャプテンの村上(川久保拓司)の彼女だったのだ。
しかし・・・かわいい後輩であるモユルに何故か密着するとんこは・・・様々な意味で痛い未成年の心を揺らすのだった。
教授(きたろう)の課題「パラパラマンガ」にとりくんだモユルが「走ってくる男」を描きあげればとんこ先輩は・・・。
「凄い・・・動いてるやん・・・モユルくん、プロになれるやん、っていうか、もうプロやん」
ものすごく好意的に褒め称えてくれるのだ。根拠のない自信だけでなんとか大地にたっているモユルの心は激しく燃えるのだった。
少年時代に仮面ライダー派だったモユルは風を感じるのだった。
しかし・・・その前に巨大な敵が現れる。
後に第18回日本SF大賞受賞作「新世紀エヴァンゲリオン」(違う意味でフィクション)を生みだす庵野ヒデアキ(安田顕)である。
庵野ヒデアキの「パラパラマンガ」はもはや・・・アニメと言える完成度だった。
その緻密な画力に圧倒されるモユル。
あだち充や高橋留美子にアドバイスできるほどの男(妄想)が同学年の男に打ちのめされてしまうという不条理(現実)な展開・・・。
「パラパラマンガの勝負でアニメに負けた・・・」
絶望の淵に佇むモユルだったが・・・「相手の実力を過大評価できるのは自分の器が大きいからだ」と意味不明の論理で立ち直るのだった。
そんなモユルにとんこ先輩はラーメンを奢ってくれるのだった。
リベンジに燃えるモユルに新たな課題が提示される。
「五分程度の八ミリ映画作品実習」である。
グループ分けにおいて・・・出現するのはプロデューサー気質の男で後の「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の監督・山賀ヒロユキ(ムロツヨシ)だった。山賀は庵野ヒデアキや後の「天元突破グレンラガン」のプロデューサー・赤井タカミ(中村倫也)をスカウトするが・・・モユルは選ばない。
屈辱を感じるモユルを後の「鋼の錬金術師」プロデューサー・南マサヒコ(遠藤要)が拾いあげる。
南マサヒコはグループ「なんとなくクリスマス」を立ち上げ、モユルに絵コンテを担当させる。
そして・・・完成上映会・・・モユルの絵コンテは採用されず・・・とんこに「しょうもないなあ」と言われる超駄作「追われる男」が試写される。
しかし、とんこは「モユルくんが監督したらよかったんや」と優しく慰めてくれるのだった。
だが・・・少年時代にウルトラマン派だった庵野ヒデアキが総監督を務める「ウルトラマンごっこ」が上映されると・・・その桁違いの完成度が・・・モユルを奈落の底に突き落とす。
ハヤタ(ムロツヨシ)からウルトラマン(安田顕)に変身するだけの怪獣ごっこが効果的な効果音や、二重露出による特殊効果、ストップモーションやスローモーションの多様、フィルムに傷をつける光学的技術などにより、バカうけする作品に仕上がっていたのだった。
しかも・・・庵野は「うけようとは思っていない。感動してもらいたい」と斜め上の言動でモユルの神経を逆なでするのだった。
「誰が・・・感動するか・・・感動しない限り、俺の勝ちだ」
さらに意味不明の言葉を残し、逃走するモユル。
そして・・・モユルは・・・とんこに宣言する。
「僕はアニメーターではなく、漫画家になるんです」
明らかな敗北宣言である。
そんなモユルの前に・・・後の「ネコじゃないモン!」の作者・四回生だが一年生の矢野ケンタロー(浦井健治)が立ちはだかる。
「みせてもらおうか・・・君の作品とやらを・・・」
赤い彗星のBGMを背負ってモユルの覚悟を問うケンタロー・・・。
「なれない場合のことを考える奴はなれないんだよ」
再び落ち込むモユルを励ますとんこ。
「だって・・・モユルくんは絵が上手やん」
「それは・・・とんこさんが素人だから・・・だまされているんです」
「それでええんとちゃうの・・・だって漫画を読むのは素人なんやから」
そうか・・・漫画は商売なんだから・・・一番にならなくてもいいのか。
「下手でも漫画家になれるってみんなに勇気を与える人になれるんや・・・すごいやん」
とんこさん、最高と叫ばすにはいられないのである。
やがて・・・ドラマデビューの同級生ヒロイン・津田ヒロミ(黒島結菜)も登場し・・・「めぞん一刻/高橋留美子」の連載開始で・・・モユルの青春はモヤモヤし始めるのだった。
ああ・・・麗しの1980年なのである。
ルパンもサイボーグ009もハーロックも次々と降臨し・・・フィクションはノンフィクションとなり、ノンフィクションはフィクションとなるのだった。
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コメント
とんこさん……どうやって実写化できるのかと思ったらできていた(笑)。
そして津田ヒロミ……か、か、か、かわええ……。5歳の芦田プロに小学一年生を演じさせてしまうのと同じくらい反則の17歳の女子大生???
DAICON3を冒頭にもってこられて悶死しました。βのテープ間違えて持ってきたんじゃないのかコレみたいな(゚∀゚)。
投稿: 幻灯機 | 2014年8月 3日 (日) 11時06分
青春時代、青年に一人、必ずとんこさんが
ついてくれば世界はもう少し平和になるかもしれませぬ。
そういうレベルの完成度でございますな。
山本美月万歳を三唱しましたぞ。
そしてミラクルな津田ヒロミ降臨。
もう、またもに勉学に励むのなんて無理でございますよね~。
ああ・・・酒池肉林だった学生時代・・・。
もう、けして戻れぬのですなあ・・・。
吾妻ひでおが神だった時代・・・。
団塊の世代が青春を終え
邪な徒花を開く80年代初頭・・・。
バブルへまっしぐらの恐ろしい時代の幕開け・・・。
くわばらくわばらでございまする・・・。
投稿: キッド | 2014年8月 3日 (日) 21時20分
とんこさんと津田ヒロミのことで頭の中でいっぱいいっぱいです(笑)。
目を細めれば見えんねん…程度の軽度の近眼であそこまで顔寄せるのですかっ。
一回でも多すぎるくらいの敬礼! しかも効果音付き! と思ったらもう一回! ハイハイハイ! しかもお好み焼き部屋呑み(呑んだよねきっと)!
リア充です! リア充すぎますー。
予告明けのDVD予告みたいなコーナーで今度は肩を叩き続ける津田ヒロミ……ダメだ、この番組はダメだ……
でございます。
(繰り返しになるだけなので送信を躊躇うも…ポチっ)
投稿: 幻灯機 | 2014年8月 5日 (火) 21時05分
天然悪女の極みとんこさん・・・。
痛快無防備処女津田ヒロミ・・・。
素晴らしいふたまた関係でございますな。
まさに童貞おタクの妄想まるだしですなーーーっ。
まあ・・・それが青春のあやまちですからなーーーっ。
シャアもランバ・ラルも御照覧あれでございます。
よろしいのですよ。
コメント欄は心の萌え萌えの捨てどころでございますから~。
アタック津田ヒロミ・・・あれはいいものです。
投稿: キッド | 2014年8月 5日 (火) 22時11分