言い訳の多い若者たち2014に闘魂ブレーンバスターを(妻夫木聡)
典型的ないまどきの若者なんてものを描くのは至難の業である。
子供の思い描く若者。
若者の思い描く若者。
中年の思い描く若者。
老人の思い描く若者。
それぞれが身近な若者を見て「今時の若者」をイメージするからだ。
それでも・・・創作者は・・・そういうものを描く必要に迫られる。
そういう時の一つの手が・・・「時代からとりのこされた若者」を描くことである。
そういう若者はいつだっているからだ。
ちっともおしゃれでなくて・・・ちっとも今風でなくて・・・時代の最先端から取り残された若者。
そういう若者にとっては北の国も・・・都会も・・・関係ない。
なにしろ・・・とりのこされちゃってるんだもの。
男子サッカー・ワールドカップの準決勝で・・・無慈悲なドイツ代表によって試合から取り残されたブラジル代表みたいに。
で、『若者たち2014・第1回』(フジテレビ20140709PM10~)脚本・武藤将吾、演出・杉田成道を見た。そういうわけで・・・どんなわけだよ・・・最底辺の若者たちの話である。基本的に貧乏で教養がないので・・・お粗末な感じが漂っている・・・。これを物凄いスターたちが演じるので違和感は半端ないわけだが・・・ベタな青春ドラマなんて基本的にそういうものなのである。
今は亡き・・・親の残した家で暮らす長男が佐藤旭(妻夫木聡)である。29歳の設定。
ここだけで言うと・・・「最後から二番目の恋」の鎌倉の人と同じである。しかし、家があるのは東京の下町で・・・旭の職業は建設現場で働く作業員である。ものすごい肉体労働者なのだった。
親が死んだ後、旭はかなりの人数の弟妹を食わせて来たらしい。
初回は相関図紹介なので・・・淡々と順不同でメンバーを見せていく。
次男の暁(瑛太)はいきなり「もう来るな」と看守に門でお決まりのセリフを言われる出所したての前科者である。もう・・・これ以上なく底辺なんだな。28歳だ。
しかも・・・喫煙して待ち伏せる一つ年下の見知らぬ女・屋代多香子(長澤まさみ)に「あなたの殺した女の娘よ」と自己紹介されるのだった。なんていうか設定としてひとつの極みだな。
長女のひかり(満島ひかり)は25歳で看護師。
独身なので・・・フーテンの寅さんごっこをしながら旭は見合い話をもちかける。
しかし・・・ひかりはすでに肉体関係を持つ相手がいる。
新生児特定集中治療室(NICU)の医師・新城正臣(吉岡秀隆)41歳がその相手で、正臣は旭が敬愛する男だが・・・妻子持ちだった。
「なんで・・・不倫なんか」
「子供が毎日死ぬんで息抜きが必要なんだ」
「そんなあ・・・」である。
とにかく・・・「愛しているの」と妹に言われても正臣を殴らずにはいられない旭である。
吉岡秀隆もふにゃふにゃ言いながら殴られてナンボだもんな。
殴られれば痛いわけで・・・でも抱いている時だって心が痛いわけで・・・。
ルールルルル・・・。
三男の陽(柄本佑)は23歳の大学生だが・・・芝居に狂って劇団を主宰している。恋人で主演女優・市ノ瀬沙紀(大谷英子・・・「平清盛」の藤原聖子)に就職のための脱退を告げられ裏切られた気持ちで一杯になるのだった。
四男の旦(野村周平)は18歳で高校を中退し、高校卒業の資格を取るために予備校に通う。
今回は抑え目の演技のユイちゃんこと謎の美少女・永原香澄(橋本愛)17歳とラブホテルで童貞を喪失させてもらったと主張するが・・・飲酒のために行為の記憶はないのだった。
セミヌードも披露して悪い演出家の口車に乗り体当たり演技のユイちゃんなのだった。
まあ・・・一部愛好家はそれで充分満足なのだった。
まあ・・・こんな感じで弟も妹も・・・ろくでもない感じなのである。
そんな弟妹を持つ旭は・・・弁当屋で働く女・澤辺梓(蒼井優)25歳と交際中なのだった。
しかし・・・「妊娠しちゃった」と告げられ・・・我を失うのである。
そもそも・・・妻夫木聡といえば代表作の映画「ジョゼと虎と魚たち」で見せるように残酷でだらしない二枚目が持ち味である。
しかし・・・今回は・・・あくまで・・・いろいろと心に迷いがあって・・・「産め」と素直に言えない優しい役どころなのである。
梓も夜はキャバレーでホステスやってるし、親の残した借金はあるしで・・・いろいろと底辺の女である。
「誰の子供か分かるもんか」と言ってしまい・・・妹に「最低」と言われる旭だった。
そんな・・・旭に喝を入れるのが・・・通りすがりのプロレスラー・・・プロレスリング・ノア所属の杉浦貴(杉浦貴)である。
成り行きでリングに上がった旭はブレーンバスターで悶絶し・・・介抱してくれた梓にようやくプロポーズである。
「出来ちゃった婚だね」
「いや・・・おめでた婚さ・・・」
お後がよろしいようで・・・。
つまり、基本的に落語なのである。
そして・・・初老の男性の感じるエロスだな。
バスタブで開脚する美少女とか。
暗がりで指なめとか。
メリーゴーランドで騎乗位とかな・・・おいっ。
さあ・・・次男はどんな犯罪者なのか・・・乞うご期待である。
よし・・・歯をくいしばり、なんとかまいたぞ。
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コメント
お久しぶりです。
ご無沙汰しております。
先クールも死神くんや弱勝などお邪魔して、二度味合わせて頂いてました。
今は月曜日のぺテロ、火曜日のユイちゃん、週の初めに楽しみなドラマが2連続で嬉しいです。くるみちゃんが可愛いくて、ニヤニヤしてます。
すごい俳優陣のこのドラマは、だいたい雰囲気が想像できて、その通りで物足りないのか、それの上を行く何かがあるのか、昨日見た感じでは、まだわかりませんでした。
いろいろと、あまりに予想通りすぎて、どう反応したらいいのか、ちょっと戸惑う感じでした。吉岡さん、満島さん、優ちゃん…。
何度も北の国からを思い出してしまったり。
そんな中、とりあえず大好きな瑛太くんとそこに絡むまさみちゃんに興味があるので、しばらく見てみようと思ってます。
こちらのレビューは続くのでしょうか。それも楽しみに…、また読ませていただきます。
投稿: ギボウシ | 2014年7月10日 (木) 14時28分
率直なご感想ありがとうございます。
くるみちゃんは可愛いですねえ。
同じエキセントリックでも
こちらでは少し変えてくるあたり・・・
ユイちゃんはなかなかの役者やのう・・・でございます。
まあ、演出が手堅いのは
この亜流があまりにも流布しすぎて
逆に可哀想な感じですな。
まあ・・・北の国を回顧してしまうのは
基本です。
木更津でもありランチでもありWomanでもあり
もうなんでもありですな。
瑛太はらしい役柄。
長澤まさみはらしくない役柄で・・・
とりあえず・・・まったく最先端ではない
若者を描いて行くわけです。
そもそも・・・最先端の若者なんて
要するに流行に踊らされた
恥ずかしい人たちですからねえ。
もちろん・・・貧乏で時代に追いつけない若者は
かわいそうな存在ですが・・・
そこに普遍性が生じるのですな。
まあ・・・若者は
基本的に恥ずかしいか可愛そうか
どっちかなんですもの。
おそらく・・・(水)若者たちは確定。
(日)二階堂ふみを待ちながら
(月)もげっH
(火)ユイちゃんその1
(水)ユイちゃんその2
(木)・・・
(金)家族狩り
(土)・・・
いよいよ・・・残り二枠。
谷間なしの夏になりそうな予感・・・。
投稿: キッド | 2014年7月10日 (木) 17時31分