不義密通はよからぬこと(貫地谷しほり)駆け落ちは責任放棄(小出恵介)それがどうした文句があるか(富田靖子)
基本、盗人猛々しいわけですが・・・人殺しが万引き犯を説教するというのがこの世にはあるわけです。
やむにやまれぬ人殺しと・・・つい出来心でする万引き・・・どちらの罪が重いのかとふと考えるわけですな。
まあ・・・「相棒」の右京さんなら激昂して「人を殺すのも消しゴムちょろまかすのも悪いことに決まっているんですよっ!」と・・・。
善悪とは何か・・・時代劇はそういうところを超法規的に語ることができるジャンルでございます。
それはそれとして・・・「魔法★男子チェリーズ」(テレビ東京)とか「同窓生〜人は、三度、恋をする〜」とか・・・CLUB Rico開催をどうするか・・・なんですが。
谷間がないんだよなあ。
脇役の妹とか・・・ヒロインの少女時代とか・・・まだまだ下積みが要求されるんだねえ。
まあ・・・女子中学生が主役のドラマそのものが難しいからな。
とにかく・・・どこかでゲリラ開催するしかないよねえ。
四十過ぎた男女の色恋とか・・・お昼ごろにひっそりとやってもらいたいよね。
いい年して童貞の話は深夜にやるしかないけどねえ。
で、、『吉原裏同心・第3回』(NHK総合20140710PM8~)原作・佐伯泰秀、脚本・尾崎将也、演出・西谷真一を見た。父親が借金したために人身御供同然で嫁いだ汀女(貫地谷しほり)と駆け落ちした豊後竹田・岡藩の下級武士の神守幹次郎(小出恵介)は天明5年(1785年)頃、江戸に流れ着く。吉原遊郭の顔役・七代目四郎兵衛(近藤正臣)に見出され・・・汀女は遊女たちの手習いの師匠となり、幹次郎は薩摩示現流の達人で眼志流居合術も嗜む剣の腕を生かし吉原裏同心となるのだった・・・。
時は陰暦七月である。早世した花魁・玉菊太夫の追善供養として始った玉菊灯籠が茶屋に飾られる吉原の風物詩・・・。七夕になれば遊女たちも笹の葉を飾り、短冊に願いを認める。
そんな折、吉原遊郭を南町奉行・村山(ダンカン)が視察に訪れる。
今回、完全な悪奉行として描かれるので村山はフィクションである。
この頃の南町奉行は山村信濃守良旺で・・・木曽の戦国武将・山村良勝の系譜を引く旗本である。勘定奉行なども務めている。ちなみに北町奉行は名奉行と噂される曲淵甲斐守景漸で武田信玄に仕えた曲淵吉景の後裔の旗本である。ついでに言えば江戸時代劇の基本であるが、南町・北町は担当地区ではなく、月替わりの交代制だ。
とにかく南町奉行・村山(フィクション)は金に汚く、女にだらしない嫌な権力者なのだった。
その視察中に卵が投げられて、村山を直撃、吉原は下手人捜しの騒ぎとなる。
番所の同心の村崎季光(石井愃一)は事件の解決のために卵売りの太平(森下能幸)を捕縛するのだ。
事件の真相を追って・・・幹次郎は番方の仙右衛門(山内圭哉)とともに・・・太平が卵を売った羅生門河岸の遊女・きく(富田靖子)を探索する。
きくは吐血し、吉原近くに住む医者の柴田相庵(林隆三)の元へ運ばれ労咳(結核)と診断された。
羅生門河岸は切見世と呼ばれる最下級の遊女が安く身を売る場所である。
汀女は薄墨太夫(野々すみ花)からきくの過去を聞きだす。
きくはかっては宮城野太夫と呼ばれる花魁で・・・薄墨太夫の恩人でもあった。
その宮城野太夫を身請けしようとした南町奉行・村山だったが・・・客の喜助(天宮良)と恋仲になっていた宮城野はその申し出を断ったのである。
事の次第を知った村山は喜助を無実の罪で捉え、江戸から追放したのだった。
宮城野は喜助の追放を知り・・・世を怨み、やがて身を持ち崩したのである。
一方、身替り屋佐吉(三宅弘城)からの情報で幹次郎は喜助が卵の商いをしていたことを突き止める。
きくを尾行した幹次郎は江戸に舞い戻っていた喜助との密会の現場に踏み込むのだった。
「あっしが怨みを晴らすためにやりました」
「しかし・・・濡れ衣で太平がお縄になっているんだ」
「・・・自首します」
しかし、死期の近いことを悟ったきくは・・・罪を背負って投身自殺するのだった。
その遺骸に寄り添い囁く薄墨太夫・・・。
「奉行の村山には・・・きっと天罰が下るからね・・・」
薄墨太夫の偽手紙で人気のない所におびき出された村山は・・・闇討ちにあって不具となり、お役を免ぜられるのである。
「一体・・・どんな暴漢が・・・天に代わって不義を討ったのでしょう」と問う汀女・・・。
「さあなあ・・・」ととぼける幹次郎だった。
いや・・・あんたたちが不義ですから・・・。
遊女たちの悲しい境遇を飲みこんで吉原遊郭は本格的な夏へと向って行く。
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