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2014年7月 2日 (水)

ただいまとおかえりとランダムとカオス(橋本愛)

現在、関東ローカルでは「サマーレスキュー〜天空の診療所〜」の再放送中である。

最初のオンエアでは・・・それほど高くない評価のドラマだったわけだが・・・「カーネーション」のヒロインと「ゲゲゲの女房」の水木さんの競演にしてはグダグダが過ぎていた。

しかし・・・今や・・・2012年7月の天野アキこと能年玲奈が医療知識が乏しく、医療機器をうまく扱えない明慶大学医学部学生・まこちゃんこと鈴木真子を演じていることで・・・ものすごく萌えるドラマに生まれ変わったのだった。

なんといっても・・・まこちゃんはセリフが少ない。

たまにあっても・・・「はい」とか「あ・・・はい」である。

「先生の治療技術素晴らしかったです」などという長めのセリフがあっても・・・ガヤ扱いで・・・主人公の重要なセリフにかき消されているのである。

画面に映っていてもソフト・フォーカスだったり、首から下のバストショットだったりします。

しかし・・・たまに・・・カーネーションとゲゲゲの対立シーンの背景でぼーっと立っているあまちゃんが長めに映ったりすると・・・ものすごくうれしいわけである。

ドラマ本編の出来栄えは別として「あまちゃん」2012年チョイ役篇として・・・とにかく・・・もはや・・・名作の域に到達していると思う。

う、撃たないで~。

で、『ハードナッツ! 〜数学girlの恋する事件簿〜・第2回』(NHK総合201407011030~)脚本・蒔田光治、演出・河合勇人を見た。一方で橋本愛を演ずるユイちゃんに萌える要素も含んでいるこのドラマはドラマ単体としてのエンターティメント性も高いのだった。その証拠として数学的アプローチをしている天使テンメイ様も数学的に萌えているわけである。今回は特に難波くるみ(橋本愛)が禁断の柵越えで痛みを感じる点や、伴田竜彦(高良健吾)が「死ぬ確率」を錯誤しているところをくるみが優しく調教する点について詳しく解説してもらえるのがうれしいのでございます。もちろん素因数分解を利用した暗号についての解説もバッチリです。キッドがタイトルにしようと考えていたランダムとカオスについては保留というのも愛を感じますな・・・勝手に愛されるなっ。

さて、東都大学(フィクション)数学科の学生・難波くるみと警視庁初音署(フィクション)新人刑事・伴田竜彦は凸凹コンビを結成し難事件に取り組む。警視庁捜査第一課管理官のバカタレ小林(勝村政信)が無能だからである。

テロリストであると同時に数学者だった湯沢道明(嶋田久作)は脱獄に成功したが、逃亡に使った車の持ち主の滝田(森下能幸)が共犯者ではないかと指摘するアホの子・くるみ。

しかし・・・「滝田は・・・湯沢の犯行による爆破事件の被害者遺族だ・・・共犯はありえない」と否定するバカタレ小林だった。

だが・・・伴田は刑事の勘で・・・「逆に怪しい」と感じるのだった。

基本的に・・・そこには確率の問題が介入している。

つまり・・・「たまたま・・・爆弾魔が強奪する車の持ち主が被害者遺族だった」という「偶然」を疑う心理が刑事の勘という話なのである。

数学者であるくるみは数式でそれを計算するのだった。

ついでに・・・伴田を好きになったくるみを伴田が好きになる確率も計算するのである。

そういう意味でくるみは計算づくめの女なのだった。

凸凹コンビは証拠を求めて滝田の経営する町工場・タキタ製作所に不法侵入を果たすが・・・発見したのは滝田の死体だった。

ここで「来るな」と言われて「はい」と答えたくるみは柵越えで地面に激突するのだった。

萌え~である。

女子寮暮らしのくるみは「ただいま」と言ってから自分で「お帰り」と言う。

この奇妙なふるまいは「クレヨンしんちゃん」をモチーフにしていると思われるくるみの演技プランと融合して実に印象的である。

やがて「ただいま」の言葉は両親と思われる写真に投げかけられる。

そして、写真は「お帰り」とは言わない。

くるみの中に眠る両親の不在と・・・復讐のために数学を学ぶ動機。

そこには・・・おされ星人の気配があるのだった。

コメンテーターとしてメディアに登場する法学部教授の権堂(大河内浩)の教授室に不法侵入したくるみは・・・権藤の研究対象となっている凶悪犯・湯沢の過去の論文を入手する。

くるみは・・・たちまち・・・湯沢論文の根本的な間違いを見抜くのだった。

湯沢が「ランダム」(乱雑)と考えていたものが「カオス」(混沌)であると気付くのである。

一部お茶の間は・・・ここで完全に置き去りにされかかるが・・・数学的なカオス理論とそれにまつわるランダムの立ち位置を知らなくてもドラマは楽しめる仕掛けになっています。

カオスとランダムの関係はとても一口では説明できないものですが・・・その違いはランダムが片付けられない人間の部屋のちらかり具合、カオスはものすごくちらかっているように見えてあるべきところにあるものがある美学に基づいた人間の部屋と言うことができます。

ランダムは完全なる無秩序、カオスは無秩序に見える秩序なのです。

その境界はものすごく難解ですが分かる人には分かるわけです。

そこには一種の宗教的葛藤があります。完全なるランダムは・・・神の領域で・・・それは一種の運命です。一方、カオスは人間の自由意志が介在する余白を残しています。たとえば善悪の問題。善も悪も神の定めたもので・・・ランダムであると考えることもできます。悪を為すのも善を為すのもすべては決定されているわけで・・・人間は善悪を判断することはできない。一方、カオス理論では人間が善の法則や悪の法則を見出すチャンスや・・・善悪を自由意志で選択するチャンスを与えられていると考えるわけです。

もちろん・・・カオスに見えるランダムや・・・ランダムに見えるカオスも存在する。

くるみは・・・天才として・・・才能のなかった湯沢の間違いを見出してしまうのです。

もちろん・・・それが神の計画の一部だったと言われれば人間には否定はできないわけですが悪魔はもちろん否定します。

コインを投げて裏が出る確率と表のでる確率は1/2ですが・・・実際には裏が続けて出たり、表が続けて出たりする。表が十回続いた後に裏が出る確率をどう考えるか・・・人間はランダムとカオスの間で頭を悩ます生き物と言えましょう。

湯沢は悩んだ果てに発狂したと思われる。

暗号を解読したくるみを危険視した湯沢は・・・くるみを抹殺することを決意。

たちまち、拉致監禁されてしまうくるみだった。

「あなたの論文間違ってますよ」

「・・・」

湯沢はくるみを餌に伴田刑事をおびき寄せ、二人を爆死させようとするが・・・くるみは湯沢の罠をたちまち見抜くのだった。

伴田刑事に救助されて・・・うっとりのくるみである。

99.9%の確率が1/10000ではどう作用するか・・・計算しない男にレクチャーする計算高い女だった。

伴田刑事は99.9%死ぬと思っていたのに・・・その可能性が一割もないと知らされ唖然とするのだった。

救助されたくるみは警察署で愛する男と一夜を共にするが・・・伴田刑事と同衾することはなかった。

婦人警官の高野沙織(橋本真実)は女の勘でくるみに嫉妬するが・・・自分の悲しい運命には気がつかないのである。

このようにランダムとカオスは常に混在しているのだった。

ランダムからカオスを分離することは神の意志を見抜くことにも匹敵する行いなのである。

やがて・・・ダミーと思われた暗号の真意を見抜くくるみ。

次の爆破日と爆破場所の大崎スカイホールの解読に成功する。

伴田刑事はくるみを残し、現場に向かうが・・・もちろん追いかけるくるみだった。

警備員(戸田昌宏)の制服を奪った湯沢は・・・伴田の拉致監禁に成功する。

そして・・・くるみをおびき出すのだった。

ランダムに見える狂人・湯沢の手口が・・・カオスとしての法則性を持っていることを見出したくるみは・・・湯沢のトラップを放置することを選択するのだった。

「君一人でにげろ」

「じゃ、逃げます」

萌え~である。

「彼を見捨てたのか」

「こんなことをして・・・楽しいですか」

「君の言う通り・・・私の理論は間違っていた・・・私は神に愛されなかった」

「・・・」

逃走する湯沢の車は爆発炎上する。

くるみにはすべてお見通しだった。

警備員も被害者遺族であった。

狂人ゆえに責任能力なしと判断され死刑にならなかった湯沢を脱獄させ・・・殺すことが彼らの狙いだったのだ。

「無関係の人を殺してまで復讐したかったんですか」

「他人のことなんか考えていたら復讐なんてできないだろう・・・復讐なんて自己満足の最高峰なんだから・・・」

「ですよね」

こうして・・・くるみは・・・伴田刑事とまた親密になったのだった。

しかし・・・二人が結ばれる日は遠いのである。

この物語の神はそういう法則に縛られているからだ。

ポーカー賭博のいかさま一味が逮捕され・・・。

「ひえ~」と言ってカードを捨てるくるみ。

萌え~である。

しかし・・・伴田刑事は何故か地下賭博場に姿を現していた。

物語はカオスを秘めてゆっくりと進んでいく。

関連するキッドのブログ→第一話のレビュー

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コメント

通りすがり的にカキコ…

>しかし・・・たまに・・・カーネーションとゲゲゲの対立シーンの背景でぼーっと立っているあまちゃんが長めに映ったりすると・・・ものすごくうれしいわけである。

そうそう! 私も同じ気持ちですわ!

投稿: シャブリ | 2014年7月 5日 (土) 22時25分

wine▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯wine

でございますよねえ。

作品は作品、キャストはキャストという通念を
完全に打破した・・・恐るべき「あまちゃん」世界の浸食はまだまだ続いて行くのですな。

まさか、「サマレス」をじっくり見る日が来るとは
思いもよりませんでした。

悪魔くんにそそのかされて行っては行けない場所にいき
あわてて駆けもどるアキ・・・まこちゃんに
ドキドキしたりしますからな・・・。

もはや・・・超駄作が名作の領域に・・・typhoon

投稿: キッド | 2014年7月 6日 (日) 01時20分

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受信: 2014年7月 2日 (水) 23時34分

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