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2014年7月 6日 (日)

誘拐につぐ誘拐、監禁につぐ監禁、緊縛につぐ緊縛(岡本玲)

すでに深夜枠では夏ドラマが始っているのだが・・・この枠としては久しぶりのヒットであるこれを語っておきたいのだった。

とにかく・・・このブログでは存在が確認できない衛星関係で七月は「ゴジラ」につぐ「ゴジラ」なのである。

とても穏やかにはすごせない気持ちだ。

まるで池袋文芸座地下の土曜の夜みたいな気分だぜ。

頭の中に伊福部昭が鳴り響くのである。

そういう中で・・・変態の極みであるこれを語るのはそれなりに趣きがあると思う。

で、『トクボウ 警察庁特殊防犯課・第2回~最終回(全13回)』(日本テレビ201404102359~)原作・高橋秀武、脚本・福田卓郎(他)、演出・植田尚(他)を見た。まず、きっちり13本、由緒正しい1クールである。トランプで言えば絵札までそろっている。この調子で第4シリーズまでやってほしいくらいだった。なんといってもゲストをロープで縛るドラマである。もちろん・・・前例がないわけではないが・・・ここまで緊縛にこだわったドラマは記憶にない。そして・・・当然、そこには深夜にふさわしい恥ずかしい要素があるわけである。キッドは死刑反対に反対だが・・・死刑に変わり凌辱刑が可ならそれはそれでもいいと思う。そういう意味で・・・超法規的な存在である朝倉草平警視(伊原剛志)が「なんとなく悪い人」を辱めるというこの設定が・・・すごく胸に沁みるんだなあ。

ものすごく際どい設定である。

たとえば・・・売春という罪を裁くにあたって・・・明らかにプレイのニュアンスがあるこのお仕置きが・・・果たして整合性があるのか・・・と問われる可能性がある。

それを表現するにあたって・・・エロティックに特化したら・・・すごく下品になってしまう。

つまり、演出力も問われるわけである。

だからといって・・・上品にまとめれば無味乾燥なものになる惧れがある。

当然、そこには中和剤としての「お笑い」のセンスも必要となってくる。

「やってることは変態じゃないか」と指摘される寸前に「変態ですから」と開き直る阿吽の呼吸が要求されるのだ。

そうした・・・脚本、演出、演技が一体となって・・・ギリギリのラインに仕上げてきた感じがするんだなあ。

まずはレギュラーの配置が抜群である。

知的で・・・秘めた情熱と・・・疑いようのない正義を上品に醸しだす朝倉警視。

常識人代表としてとまどいつっこみ踊らされエプロンを着用する辻刑事(松下洸平)・・・。

そして・・・いつまでたっても少女の薫り高くセーラー服の似合う叶美由紀警視正(安達祐実)・・・。

この絶妙のバランス。

これがあって・・・どうしようもなく・・・プレイであるオチに向って安心して向っていけるのだ。

なにしろ・・・JKお散歩店員の坪倉かおり(足立梨花・・・あまちゃんのマメりん)は最後、パンツ丸出しでお尻ペンペンをされてしまうのである。

すげえ・・・と言う他はない。

次のゲストが塩田ヒトミ(南野陽子)だったので・・・もう手に汗握るわけである。

しかし、緊縛されるのは綾野百合子(冨樫真)なのだった。もちろん、そういう系もOKの人とはいえ大女優だ。

もう・・・これが限界というぐらいのエロティシズムである。

だが・・・このドラマのもう一つの目玉が・・・男優縛りであることが・・・エロ視線だけではすまさないガッツを示すのだった。

名高達男に始り、落合モトキが、阪田マサノブが、升毅が、姜暢雄が、そしてついには吉田鋼太郎が緊縛されてしまうのだった。

すげえよ・・・と言う他はないのだった。

そして・・・絶え間なく繰り出される朝倉警視による辻刑事への言葉責め。

さらに清涼剤としての叶警視正の朝倉警視に対する女王様プレイの挿入。

よどみないのだった。

ドラマは後半、日本の政治的支配を目指す鶴井(吉田鋼太郎)との対決を軸として行くのだが・・・その中で法務大臣の娘でありながら騙されやすい初心な娘・北柴田マリエ(岡本玲)の一途な思いとか・・・政界の黒幕である大藪(品川徹)の愛人の息子である朝倉警視の出生の秘密・・・心に影のある森田勝利(川野直輝)と朝倉警視との倒錯的な友情などいろいろと絡めてくるのである。

そして、マリエは凌辱的な姿勢で森田に緊縛されたり、叶警視正が拉致監禁されたり大サービスなのである。

ついには・・・叶警視正が・・・制服のタイトスカートから脚線美を披露しつつ・・・緊縛術を披露して見得を切るという歌舞伎的世界にまで突入していくのである。

まあ・・・とにかく・・・春ドラマで一番、楽しみだったわけです。

それだけは・・・言わずにはおれないのです。

次は誰が縛られるのか・・・もうワクワクできないなんて・・・。

ああ・・・死にたい。

関連するキッドのブログ→第1回のレビュー

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