口で言うより手の方が早い方々に捧げる家族狩り(松雪泰子)
現代ではもはやそれだけで悪である。
暴力に絶対反対の人がいるからな。
愛の鞭が成立するのは秘密の一部愛好家の夜の営みだけでございます。
それでしつけが成立しないからこんなことになっちゃってるんだよな。
まあ、暴力で屈服させられるのが絶対に嫌だという人は多いよ。
だから、まず言葉の暴力で挑発して、相手に手を出させてから正当防衛で殺すといいと思うよ。
「殺したい」と思うのは自由だけど「殺したいと思った」と口に出すと脅迫になるから要注意だぜ。
虫も殺せないほどの優しさを克服するのは大変だよな。
生きた魚を捌くことができれば後は切り替えだけだけどな。
リストカットってある意味、その前段階か。
蚊をたたく。ゴキブリを踏みつぶす。活き造り。屠殺。それぞれに段階があるよね。
害虫駆除業者と大量殺人者にも壁はあるしね。
その辺にしとけよ。
とにかく・・・相手を人間と思わないことは一つの手段だよな。
え・・・それじゃ味気ないんじゃ。
おいおいおい・・・。
で、『家族狩り・第1回』(TBSテレビ20140704PM10~)原作・天童荒太、脚本・大石静、演出・坪井敏雄を見た。原作からは二十年のタイムラグがあるわけだが、初回を見る限りまったく問題なく現代を感じさせてくれる。それだけで成功と言えるだろう。原作もオリジナルと改稿版では違うと言う・・・ある意味で原作者の意識の変化がフィードバックする作品である。「家族」という存在や「殺人」という手段への認識が・・・一人の個人の中でさえ変遷するというわけである。「社会」の中の「家族」や、「家族」の中の「個人」もそれぞれで重みが異なるのが自然である。しかし、「愛」と「殺意」が絡み合い、不可分のものになっていくと言う過程を知らないものはまさに幸福者と言える・・・そういう基本線は崩れないのである。
まあ、世の中には認知症になった家族を合法的に処理できたらどんなに楽かと夜、眠る前に・・・朝、目覚めた時に考えたことのない人の方が多いのかもしれないのだ。
もちろん、金に糸目をつけなければなんでもありではあるわけだが。
東京都北区赤羽・・・。
児童ケアセンターの児童心理司・氷崎游子(松雪泰子)は「児童虐待の疑い」の通報を受け現場に向かう。
警視庁の刑事・馬見原光毅(遠藤憲一)は「一家心中事件」の現場に立つ。
私立高校の美術教師・巣藤浚介(伊藤淳史)は「泡沫の死」である眠りから目覚める。
三人の人生は運命の糸に操られ・・・手繰り寄せられていくことになるのだった。
酒乱で肩書きのない男・駒田幸一(岡田浩暉)は「酔って娘に暴力をふるう」常習犯である。
父親に殴られ血を流す娘・駒田玲子(信太真妃・・・三代目ちびまる子)はカーテンの影に隠れている。
游子は幸一を詰る。
しかし、酔っている幸一は耳を貸さない。
通報を受けて駆けつけた警察官は穏便にことをすませようとする。
「酔いがさめたら・・・反省するだろうし」
「娘に暴力をふるっているんだから・・・逮捕してください」
「まあ、大袈裟にすることはない・・・父親がいなくなって一番困るのはこの子なんだから」
游子は警察官の頬を張る。
「何をする・・・」
「痛いでしょう・・・この子だって痛いのよ」
「・・・」
游子は所轄署に電話して署長を呼びだすのだった。
「お宅の警官が見て見ぬふりをする気なのよ」
形勢が不利と感じた幸一は暴れ出す。
警官たちは仕方なく暴行の現行犯で幸一を逮捕するのだった。
残された玲子は游子に敵意を示す。
暴力をふるう父親よりも父親に敵対する游子が・・・玲子にとってはより唾を吐きかけたい人間なのだった。
児童相談所内の保護施設の職員・大熊(宮地雅子)に玲子を預けた游子は感情を殺した顔で帰宅する。
そこには・・・役所を定年退職した後で・・・アルツハイマー型認知症を発症した父親・清太郎(井上真樹夫)が待っている。
介護暮らしに疲れた清太郎の妻・民子(浅田美代子)はお勤めと称してギャンブルに狂っているのだった。
かってはおしどり夫婦だった両親の現状に・・・游子もまた壊れかけているようである。
血の匂いのたちこめる清算な現場で・・・馬見原刑事は・・・新人の椎村刑事(平岡祐太)に語りかける。
「現場の匂いを嗅げよ」
「アンドロイドじゃないので・・・たまりません」
「甘い匂いがしないか」
「え・・・」
「俺は・・・これが一家心中に見せかけた殺人事件だと思う」
「すると・・・」
都内では似たような一家心中が他にも起きていたのだった。
一人暮らしの巣藤教師の部屋には同僚の国語教師・清岡美歩(山口紗弥加)が押し掛けていた。
清岡は巣藤に懐妊を告げ、結婚を迫るのだった。
家庭を持つことになにやら躊躇いのある巣藤は動揺する。
「クレーム婆」の異名をとる游子は警官の勤務態度について署長に怒鳴りこむ。
游子のなだめ役の児童相談員・山賀葉子(財前直見)は警察署に怒りの収まらない游子を引き取りに現れる。
馬見原刑事は娘の真弓(篠田麻里子)が事件を起こした時に娘を鉄拳制裁して、「娘に手を出すな」と游子に殴打された苦い経験があった。
しかし・・・署内ですれ違った游子から・・・「あの匂い」を嗅ぐのだった。
はっきり言ってミスリードです。
米国出身の画家ジャン=ミシェル・バスキア(1960~1988)に憧れている巣藤は美術の授業で生徒に「家族」を題材とした作品を描かせる。
女生徒の芳沢亜衣(中村ゆりか)は不気味な自画像らしきものを描き、巣藤に絶賛される。
しかし、それは亜衣の苦悩を悪戯に刺激する行為だった。
自傷行為に耽る亜衣は支配的な父親・孝郎(二階堂智)と従順を装う母親・希久子(相築あきこ)の軋轢に敏感になっていた。
「この英語の成績・・・語学堪能な俺の娘だとは思えない・・・お前、誰の子なんだ」
「お母さんに聞けばいいでしょう」
機知のない父親にこの機知あるセリフを投げて亜衣は家出、援助交際、刃傷沙汰のコースを展開。
血まみれになってラブホテルの前に佇むところを通りかかった游子に保護される。
亜衣は虚言癖があるらしく・・・「教師にレイプされた」と警察で証言。
強姦犯人として巣藤は刑事たちに任意同行を求められるのだった。
巣藤は生徒の名前さえ把握していない失格教師だったが・・・教え子の一人で鈴木佳苗(松浦雅・・・「ごちそうさん」の西門ふ久)の夫・渓徳(北山宏光)の証言でアリバイが立証され、窮地を脱する。
しかし、生徒を心配しない態度の巣藤に游子の怒りは収まらない。
徘徊を重ねる清太郎を捜しては連れ戻す日常に・・・游子は疲れ果てていた。
せっかくのうな重も振り払う夜である。
あの娘はどこの子
こんな夕暮れ
民子は夫が正常だった頃のきしむベッドを懐かしむのだった。
「死にたい」と口にする母親をもてあます游子。
できれば夫婦そろって死んでもらいたいわけである。
しかし、そういう自分が恐ろしい游子なのだった。
だが、ドラマの中の偶然はもっと恐ろしいので徘徊中の清太郎は・・・巣藤と出会う。
何故か・・・巣藤と意気投合する清太郎だった。
そして・・・娘の八歳の誕生日を祝うバースデイ・ケーキを買い帰宅する二人。
けれども游子は三十六歳になっていた。
流されやすい巣藤は・・・氷崎家の誕生会に出席するのである。
チビノリダーにしか成しえない展開なんだなあ。
そして・・・なんだかんだ・・・清岡美歩と暮らす巣藤。
巣藤の部屋から見える家で・・・新たな一家心中事件が発生していた。
あいをみました
ほんもののかぞくのあいをみました
現場に一種の美を見出す馬見原刑事。
ドラッグ中毒者のバスキアとか尾崎豊とかASUKAとかを美化するファンの心境か。
罪を憎んで人を憎まずか。
そして・・・見物の野次馬の中に游子を見出す巣藤。
きっとミスリードだと思います。
関連するキッドのブログ→夜行観覧車
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コメント
みかん狩りにいちご狩りにぶどう狩り・・・
狩りにも色々あるけど、最近は家族も
狩れちゃうんですネ!
果物狩りの場合は狩ったのちには食べちゃうけど
家族狩りの場合はもみじ狩りみたく、眺めるだけなのでしゅか~???
てっ!家族狩り、みんな殺されちゃってるじゃん!
魔女狩りの類の残酷なやつじゃん!
美代ちゃんのうつろいやすい歌声は悪魔の子守唄
なのでしゅかーーーっ!?
投稿: まこ | 2014年7月 5日 (土) 16時46分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
桃の美味しい季節でございまする。
水蜜桃の甘き薫り・・・。
お屋敷裏でもも狩りができますぞ~。
食べ物を大切にする風潮なので
殺人事件の後は
死体はスタッフが美味しくいただきましたと
テロップするべきですな。
なになに・・・逆にこわいと
それもそうかもしれません。
「家族狩り」は恐ろしゅうございますな。
もちろん、平成三姉妹は
狩りこそすれ狩られることはございません。
お屋敷に侵入するだけで
命がいくつあってもたりませんからな。
尾崎豊を歌う70歳の老人・・・。
ある意味、恐ろしいことでございます。
盗んだバイクで走り出してたのかよっ。
でございますね。
美代ちゃんは少し歌が上手くなったと・・・
本人が思っている気配がありますな。
それより恐ろしいのは
最初から下手だと思っていなかったりして・・・
なんどめだもののけ姫の季節でございますねえ。
夏を感じまする
投稿: キッド | 2014年7月 5日 (土) 17時42分