天正十四年(1586年)、木下旭数え44歳、浅野寧40歳、櫛橋光33歳、浅井茶々18歳、蜂須賀糸16歳、糸はまだ16だから~(高畑充希)
軍師・官兵衛なので・・・兵法について語ろうと思って八ヶ月が過ぎ・・・もう、まったくやる気のない今日この頃である。
官兵衛と武士たちとのエピソードが不足しているが・・・蜂須賀家と家族ぐるみの付き合いをしているなら・・・糸の兄をキャスティングしていないというのは・・・どういうことなのか。
それはそれとして・・・家康臣従譚なのに・・・大政所も朝日姫もキャスティングしないというのはいっそ清々しいのか。
そうなると・・・過去の大河ドラマで補完してしまうではないか。
「おんな太閤記」(昭和56年・1581年)大政所(赤木春恵)、朝日姫(泉ピン子)・・・ちなみに茶々(池上季実子)・・・43年前なのでこの頃、生まれた人は朝日姫と同年代だ。
「秀吉」(平成8年・1996年)大政所(市原悦子)、朝日姫(細川直美)、茶々(松たか子)・・・18年前なのでこの頃、生まれた人は茶々と同年代。
「功名が辻」(2006年)大政所(菅井きん)、朝日姫(松本明子)、茶々(瀬戸朝香)・・・。
細川直美の朝日姫・・・異色だ・・・。大政所(吉永小百合)でもいいくらいだ。
しかし、妄想補完は大政所(宮本信子)、朝日姫(小泉今日子)にしておく・・・。
で、『軍師官兵衛・第34回』(NHK総合20140824PM8~)脚本・前川洋一、脚本協力・穴吹一朗、演出・尾崎裕和を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は18行・・・。吉川元春と黒田官兵衛がもう少し戦場で相まみえてないと・・・老将の悲哀が滲み出ない気がいたしますねえ。それに輪をかけるのが蜂須賀小六。お互いにたたき上げの武将だけれど、小六は秀吉の兄弟分、官兵衛は外様だとか、将軍的気質と軍師的気質の確執とか、小六は野武士、官兵衛は家老家の人質育ちとか・・・そういう相反する部分から・・・友情を積み上げていく物語が欲しいですよねえ。「お主は親友だ」と突然言われても・・・マジかよっと思う次第でございますな。薄い本なんですな。それでも待望の蜂須賀小六描き下ろしイラスト大公開でお得なのでございます。それにしても通夜の席で黒田一族侍りすぎでしたな。小六にも妻子があるのに・・・。
天正十三年(1585年)十月、関白豊臣秀吉、九州諸大名に停戦命令を下す。天正十四年正月、島津義久は源頼朝以来の名家が成り上がり関白に従ういわれなきこととしてこれを拒絶。三月、秀吉は島津家に占領地の放棄を命令。四月大友宗麟は大坂城で秀吉に拝謁。秀吉は毛利家に動員令を下す。五月、徳川家康、秀吉妹の朝日姫と婚姻。蜂須賀小六、大坂で病没。六月、島津家は大友領地の筑前・筑後に侵攻開始。八月、秀吉、毛利輝元に出撃命令。毛利と島津が豊前で戦闘開始。十月、黒田・毛利連合軍が島津方の高橋元種の籠る豊前小倉城を陥落させる。島津義久は肥後に島津義弘軍三万を集結させ豊後に侵攻。さらに日向から島津家久軍一万も豊後に侵攻する。大友勢は守勢に務める。毛利軍の吉川元春は豊前に侵攻。豊前の島津軍の駆逐に成功する。大政所岡崎入り。家康は大坂城で秀吉に臣従する。十一月、陣中にて吉川元春病没。十二月、豊後に参戦していた秀吉方の仙石秀久・長宗我部元親連合軍は府内城で義弘軍。家久軍の挟撃にあっていた。守勢を主張した元親に対し秀久は攻勢を主張、兵7000で出撃するが、島津家久は二万の大軍でこれを待ち構えていた・・・。
島津家には勇猛果敢な四兄弟がある。島津義久・義弘・歳久・家久である。鎌倉幕府以来、三百年以上、薩摩の守護大名だった名家は戦国時代に飲まれて滅びず、九州統一に王手をかけていた。動員力は十万に近いものになっている。
総帥の義久の下、主力軍団を率いる義弘は初陣で首級を挙げた猛将であり、軍師格の歳久は戦略眼を供えた智将。そして家久は遊撃戦を得意とする文武両道の良将である。けして・・・猪突猛進の山賊戦隊ではないのである。そうでなければ九州全土統一目前には漕ぎつけられないのである。
肥後熊本に四兄弟が集う・・・九州は盛夏だった。
戦線は膠着していた。
「成り上がり関白め・・・なかなか・・・やるな」と義久。
「だから申したではないか・・・」と歳久。歳久は関白から停戦命令が出た時、豊臣勢力を冷静に分析し、和を唱えていた。しかし、三兄弟が応じなかったのである。
「しかし・・・一戦も交えず従っては・・・なんのための九州制覇か」と義弘。
「長宗我部もそうやって四国を失うところであり申した」
「しかし、土佐一国は残ったではないか」
「最初に和しておれば九州の半分は残ったものを下手を打てば薩摩一国も失くしまする」
「それならば・・・和を結ぶか・・・」
「もはや機を逃しましたぞ・・・ここはしぶとく戦ってなんとか薩摩一国は守らねばなりませぬ」
「で・・・どうする」
「思うに四国勢は軍監が馬鹿なのでおそるるに足りませぬ・・・問題は毛利勢・・・特に軍監を務める黒田官兵衛なるものかと・・・」
「刺客を放つか・・・」
「それしかありますまい・・・」
「ふふふ・・・すでに種子島十人衆を潜ませておりまする」と家久が微笑む。
必殺の薩摩忍びが豊前に放たれている。
吉川元春の暗殺に成功した薩摩忍びはそのまま黒田の陣に迫った。
全員が鉄砲忍びである。
西郷十兵衛、大久保又吉、伊集院保など名うての忍びたちが黒田忍びの結界を破り、狙撃位置につく。
阿吽の呼吸で十人の忍びが黒田官兵衛に狙いを定めていた。
木霊する射撃音。
官兵衛に全弾命中である。
血煙が霧散する。
しかし・・・その中から官兵衛が立ちあがる。
すでに・・・不死身の官兵衛の体からは弾丸が排出され始めていた。
「化け物・・・」と薩摩忍びが慄いた瞬間、周囲に黒田忍びが殺到する。
三人一組で攻めよせる黒田忍びに虚をつかれた薩摩忍びは一人、また一人と屠られていく。
最後の一人となった西郷十兵衛は得意の火術で逃走を図る。
しかし、目の前に立ちふさがったのは官兵衛本人だった。
露出した肌には生々しい銃痕が残っている。
「痛かったぞう・・・」
官兵衛は全長六尺の巨大な鉄の十字架を構えていた。
火炎弾を放った十兵衛は・・・炎を薙ぎ払う官兵衛の十字架旋風に首を跳ね飛ばされた。
官兵衛暗殺に失敗した島津軍は苦境に立たされる。
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