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2014年8月18日 (月)

男はそれでも生きていく(田中哲司)女も生きて参ります(二階堂ふみ)

合戦は基本スルーだが・・・荒木村重の生涯だけは描き切ったこのドラマ。

主役が黒田官兵衛である以上、有岡城幽閉は見せ場であり、その仕掛け人を避けて通れなかったわけである。

そういう意味でもう・・・ぶっさんでいいじゃないか・・・黒田官兵衛でなくても・・・と思い当たった今回である。

官兵衛には二つの顔がある。

一つは百戦百勝の軍神である。

もう一つは律儀すぎる律儀者である。

そういう自分があ~面倒くせえ・・・とつぶやげばぶっさんなのである。

本当に黒田官兵衛が「いい奴」だったかどうかは別にして・・・この大河ではもう「いい奴」でいいやと思ったわけである。

それに対して、荒木村重は「ひどい奴」である。

なにしろ・・・大いに恩のある主君に謀反して旗色が悪くなると一族郎党を見捨てて逃げた男だ。

官兵衛はそんなひどい奴に裏切られて不具者にされてしまうわけである。

しかし・・・二人は友なのである。

そして・・・官兵衛は底なしのいい奴である以上・・・どんなひどい奴も友として見捨てないという話なのである。

一方、秀吉も基本は「いい奴」だが・・・最高権力者という立場によって「ひどい奴」になりつつある。

大いに恩のある主君の子供たちを一人また一人と粛清中である。

そして・・・大いに恩のある主君の姪を征服しようとしているわけである。

イスラム国の性暴力のようにである。

そんな自分に憤り、そんな自分に泣く・・・恐ろしい表現力だ。

そして・・・茶々・・・。

生年不詳だが・・・永禄12年(1569年)説に立てば・・・数え五歳で小谷城落城。父親・浅井長政は伯父・信長に攻められ自刃。それから十年後・・・天正11年、数え十五歳になった茶々は義父・柴田勝家と実母・お市の方を秀吉に攻め滅ぼされている。

織田と浅井の高貴な血筋を引くために・・・親の仇である秀吉に保護されて天正13年には数え17歳になっている。

それでも生きて来た友を失う官兵衛は・・・関ヶ原を目指してそれでも生きていく女を見出すのである。

このドラマの官兵衛にとって・・・幼馴染で初恋の相手を失った感傷は永遠のものなのだろう。

今・・・苦渋に満ちた政略結婚を強いられる茶々こそが・・・伊吹おたつ(南沢奈央)の再来なのである。

ぶっさんがいい人であり続けるために・・・悲しいモンスターのバトンは道薫から茶々に引き継がれるのだった。

虚無に堕ちた男と狂乱を宿した女の見事な演技のリレーなのだった。

特に二階堂ふみのニヤリ、凄いぞ二階堂ふみのニヤリなのである。

仲をとりもつ秀吉(竹中直人)と茶々(二階堂ふみ)そして道薫(田中哲司)の迫力の演技にぶっさんはやや蚊帳の外だったが・・・イケメン同士、高山右近(生田斗真)と天下一の美女・だし(桐谷美玲)の思い出にひたってうっとりなのである。

それは・・・ぶっさんだと思えば納得できる展開なのだった。

ちょっと面白いくらいなのだった。

つまり、この大河・・・前半は村重、後半は茶々が影の主役なのである・・・それはお前の願望だろう・・・。

で、『軍師官兵衛・第33回』(NHK総合20140817PM8~)脚本・前川洋一、脚本協力・穴吹一朗、演出・大原拓を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は25行ですが・・・傷だらけなのは戦国絵巻に飢えた一部お茶の間でございますよね~。しかし、今回はなんとこれだけ重厚に描かれながらナレーションベースで葬られる男・・・荒木村重あらため道薫の追悼・描き下ろしイラスト大公開で熱狂でございます。まさか村重イラストが第三弾まであろうとは・・・未だかってない展開とは言えますな~。そして・・・ドラマではだしが聖母マリアとなって・・・官兵衛を信仰の道に誘うわけですが・・・実際は鉄砲入手や外交目的の擬装入信ですよねえ・・・軍師・官兵衛としては・・・。まあ・・・その分、右近は完全に洗脳されて信仰の道を突っ走るわけですが・・・。

Kan033天正十三年(1585年)、秀吉は大坂城を落成。藤原姓から豊臣姓に改めて関白となる。関白・豊臣秀吉の誕生である。翌年に豊臣姓が下賜されるのは豊臣秀長、豊臣秀次などに加えて井伊直政、榊原康政、大久保忠隣など家康の家臣である。家康の家臣に色目を使う秀吉ならではの選択。天正十三年三月に丹羽長秀が胃癌の苦痛に耐えかねて自決。痛いもんな。跡を継いだ丹羽長重は越前など百万石の大名から若狭十五万石、さらに加賀松任四万石までに転落して行く。八月、関白となった秀吉は越中国富山城の佐々成政を大軍を持って征伐。前田利家、上杉景勝、丹羽長重、池田輝政、蒲生氏郷、細川忠興、織田信雄ら十万人に攻められて佐々はさっさと降伏した。十二月、信長の四男で羽柴家の養子となっていた羽柴秀勝が享年18で丹波国亀山城にて死去。後継者として秀吉の甥である豊臣秀勝が指名される。すでに茶々の妹・江(十三歳)の配偶者となっている豊臣秀勝は秀吉の一門衆として丹波少将の名をあげるのだった。このように・・・主家・織田家の遺産を着々と簒奪する秀吉に何かを思いながら黒田官兵衛はカトリックの洗礼を受け、ドン・シメオンとなる。天正十四年五月、荒木村重は追放の地・堺で逝去する。だしと村重の子とされる岩佐又兵衛は七歳になっていた。時は刻々と流れていく。

三河、遠江、駿河、甲斐、信濃・・・家康の領土は数カ国に渡っている。東の関東北条氏とは同盟関係にあるが・・・関白秀吉とは小牧・長久手の合戦以来、言わば休戦中である。しかし、家康には・・・伊賀忍軍という切り札があった。

天正十三年は秀吉と家康の暗殺合戦の年であった。

家康は初代半蔵の配下で達人と噂される影丸を大阪城に放った。

大坂城で・・・飛騨忍軍と影丸軍団が影の激突をしたのである。

七つの影法師と言われる影丸の影武者たちが次々と飛騨の影忍者を倒していく。

ついに・・・本丸の秀吉寝所まで影丸の本体である伊賀の臓六が侵入を果たした。

しかし、老いたりとはいえ猿飛の術を使う秀吉は間一髪で難を逃れる。

赤影と対峙した伊賀の臓六は飛騨の秘太刀で首を落される。

もちろん・・・臓六の秘術である亀首の術である。

森に捨てられた臓六の首なし死体からは・・・首がにょっきりと生え出す。

そこへ通りすがりの石川五右衛門が現れて腰を抜かすのだった。

五右衛門は襲撃の騒ぎを狙って秀吉自慢の茶道具を盗み出している。

「おや・・・影丸か・・・驚かすねえ」

「石川の抜け忍か・・・生きておったか・・・」

「もはや・・・伊賀の里もしまいや・・・抜けるも何もあらへん」

「盗人に身を落したか・・・」

「暗殺の請負人がえらそうに・・・」

「ふ・・・そりゃそうじゃのう」

信州では真田忍軍が徳川に叛旗を翻していた。

正攻法で猛攻を仕掛けた家康はここでも惨敗を喫する。

そして・・・官兵衛の放った神明衆の逆襲を受けるのだった。

毒矢を受けた家康だったが・・・徳川家秘伝の医術で一命は助かる。

そこへ・・・石川数正の出奔の報が届く。

「猿め・・・やりおるわ・・・」

控えの間で半蔵は無言だった。

「これは・・・もう・・・万事休すじゃのう・・・」

「国境の結界は万全でございまする」

「もうよい・・・ここは猿に頭を下げることにするわ・・・頭を下げるのはただじゃからの・・・」

家康は秀吉の人質となっている我が子・於義丸(秀康)に文を認めた。

そこにはただ一字、「下」と記されていた。

関連するキッドのブログ→第32話のレビュー

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