もし俺がヒーローだったら信頼を裏切りはしないのに(木村拓哉)
「金属泥棒」の話である。
「貴金属泥棒」にはルパンの匂いがするが「金属泥棒」には侘しい感じが漂う。
「マンホールの蓋」とか「電線」とか「ガードレール」とか「公園の遊具」とか・・・そんなものを盗むのか・・・と思うわけである。
マンホールの蓋がないと・・・人が落ちる可能性がある。使用中の電線が盗まれれば停電だ。ガードレールがなければ車が崖下に転落し、ブランコや滑り台がなくなれば幼児が落胆する。
盗む以上に悲しい感じがするわけである。
そもそも・・・東京で金になるほど金属を盗んだら・・・置き場に困るんじゃないか・・・。
まあ・・・しかるべきルートがあって・・・そんな心配をする必要はないのかもしれない。
まさか・・・マンホール盗難→マンホール転売→マンホール発注→マンホール配備→マンホール盗難という流れはないだろうけどな。
で、『HERO(第2期)・第4回』(フジテレビ20140804PM9~)脚本・福田靖、演出・平野眞を見た。人生に流転はつきものである。時とともに人は場所を移動して行く。今回はかっての東京地方検察庁城西支部の仲間だった中村美鈴検事(大塚寧々)が京都地検から出張してきて旧交を温める。久利生公平検事(木村拓哉)もついこの間までは宮崎地検の男だったわけである。懐かしい気持ちは人の心を慰める。しかし、かっての自分を振り返りたくない人間もいるわけである。まして・・・かっての仲間が被疑者として現れた麻木千佳事務官(北川景子)は複雑な心境になるのだった。今回は過去の自分が現在の自分に迫ってくる趣向なのである。
罪な男である久利生検事はお気に入りの柿の種を麻木事務官にお薦めするのだが・・・そこには悪気はない。別に麻木事務官の気を引きたいわけではないと思う。しかし、ありのままの自分が他人を魅了してしまうのは罪なのである。
第二期ここまで未登場の雨宮舞子検事(松たか子)のあれやこれやがあるわけである。
そして・・・東大法学部卒業の宇野大介検事(濱田岳)の本人以外にはバレバレの麻木事務官への恋慕がある。
お似合いの年頃の二人に気を使う久利生検事なのだった。
東京は交差点だからである。大人である久利生検事にはよくわかっているのだ。
ちなみに・・・麻木事務官の故郷・千葉県木更津はJR総武線快速で東京駅まで乗車1時間16分である。
一方、八王子の神童と呼ばれたらしい宇野検事の故郷・東京都八王子はJR中央線で東京駅まで乗車1時間10分である。
二人とも東京駅まで一時間ちょっとの東から西から東京にやってきた男女だったのである。
運命の二人かもしれないのだった。
だから・・・二人が結ばれるために障害になることのないように配慮する久利生検事なのだった。
まあ・・・そんなことが主題であってもおかしくないここは月9である。
もちろん・・・そうはいいつつ・・・どうしても麻木事務官が久利生検事に恋をしてしまいそうな気配漂う今回のエピソードなのである。
京都地検の女・中村検事が事務官の小金沢克雄(温水洋一)を連れて出張してきたのは・・・宇野検事が取調中の被疑者・土井垣次郎(西村和彦)が関西方面でも犯行を行った疑いがあるためだった。
土井垣の容疑は「健康器具詐欺」である。
高齢者を狙って実効性のない健康器具を高額で売りつけたらしい。
詐偽の常習犯である土井垣は言葉巧みに宇野検事の追及をかわす。
「判断力の衰えた高齢者の弱みにつけこんだんだろう」
「ちがいますよ・・・そんなことを言うのは実子のみなさんでしょう・・・実の親であるお年寄りを放置しているくせに・・・金のことだけ・・・悪いのはそういう社会の風潮ですよ」
「若者たち2014かっ・・・」
しかし・・・百戦錬磨の中村検事は鍛え抜かれた腕の冴を見せる。
「これ・・・バブル時代に流行ったやつよね・・・大量の在庫があって・・・二束三文の処分品でしょう」
「なぜ・・・それを・・・」
「私の中に沁みついたバブルの記憶をなめんなよ」
ある意味、意味不明の展開だが・・・中村検事の迫力に陥落する被疑者だった。
不条理なキャリアの差を見せつけられて落ち込む宇野検事である。
中村検事との再会に胸をときめかせる末次隆之事務官(小日向文世)・・・。
しかし、その前に立ちふさがる小金沢事務官だった。
「昔はどうだったか知りませんが・・・今は京都地検の女なんですから」
なんという不毛の争いなのか・・・。
しかも・・・末次事務官は馬場礼子検事(吉田羊)と中村検事を両天秤にかけて悩むという妄想の極地を彷徨うのだった。
一方・・・室内温度29℃を望む冷え症の馬場検事は・・・室内温度16℃を望む暑がりの田村検事(杉本哲太)との過去の恋愛を旧知の中村検事に愚痴る。
中村検事は昔の男・芝山検事(阿部寛)を一瞬思い出すが・・・実は京都の老舗の男とゴール間近らしい・・・。
一方、義父の牛丸次席検事(角野卓造)と円卓を囲む田村検事・・・。今回は川尻健三郎部長検事(松重豊)も同席である。やたらと娘と田村検事の夫婦仲を気にする牛丸だが・・・それだったら義理の息子と飯食ってないで家に追い帰したらどうなんだといつも思う。
娘婿を野放しにできない自分そっくりの娘を持つ複雑な親心なのか・・・。
そして・・・田村検事は家庭のあれやこれやがストレスになっているらしい。
とにかく・・・そんな田村検事を夢に見るほど・・・過去を清算できていない馬場検事らしい。
・・・とこのように主人公とヒロイン抜きでも盛り沢山のこのドラマである。
さて。今回、久利生検事が担当する事件は・・・麻木事務官の過去を垣間見せるのだった。
マンホールの蓋を盗もうとして逮捕された男・飛田丞治(阿部亮平)は麻木事務官の地元・木更津時代のヤンキー仲間だったのである。
ヤンキーであった過去を隠そうとする麻木についちょっかいを出す久利生検事。
悪気はないのである・・・ただフレンドリーなだけなのだ。
そして、久利生自身はそういう旧交は温めるべきものだと思っていた節がある。
「千佳じゃねえか」
相手のことを思い出せなかった麻木事務官だった。
「よく・・・バイクの後ろに乗っけてやっただろう」
「あ・・・飛び蹴りの飛田・・・」
昔の仇名で呼ばれ顔色を変える飛田。
久利生検事は飛田に寄せられた減刑嘆願書の多さが気になるのだった。
「多過ぎて・・・気持ち悪い」
「嘆願書があろうとなかろうと起訴・不起訴には関係ありません」
事務官に徹しようとする麻木をつい苛めたくなる久利生検事。
悪気はないのだった。
お出かけ捜査で・・・嘆願書の提出者に会うと・・・続々と麻木検事の顔見知りが登場する。
アクセサリー販売業の倉石(徳秀樹)は「飛田は面倒見のいい男で・・・」と被疑者に好意的な意見をする。
しかし・・・麻木の昔の交際相手を知るキャパ嬢のカナコ(丸高愛美)は「嘆願書は倉石たちに頼まれて書いた」と重要な証言をするのだった。
「私は好きでヤンキーになったわけではありません・・・木更津のような地方都市では可愛い子が目立つし・・・そういう子の前には強引な男が現れるものなのです。私はあくまでマイルドなヤンキーだったんです。ちゃんと高校も卒業したし、短大にも行って・・・いつまでもバカやってられないと思い、勉強して試験を受けて事務官になったんです」
「すごいじゃないか」
久利生検事は親しみを込めて麻木事務官の過去を追及し・・・その痛々しさに触れて少し後悔するのだった。
触れられたくない過去に触れられて・・・端末を何度も置き忘れるほど・・・麻木が動揺していることに気がついたのである。
かっての仲間が犯罪者となって目の前に現れるのは・・・実は恐ろしいことなのだった。
ここから・・・久利生検事は急速に麻木事務官労りモードを発動するのだった。
「疑わしいと思っている点が二点ある・・・マンホールを盗んだのが初めてだということ・・・そして、犯行を一人でやったということだ」
被疑者を追及する久利生・・・。
多過ぎる嘆願書が疑惑を招いたのだった。
「この中に・・・共犯者がいるんじゃないかな・・・まさに藪蛇ですよね・・・」
「St.George's Tavern」で一時を過ごした後・・・マスター(田中要次)は麻木事務官が端末をテーブルに忘れたことを見逃さない。
「あるよ」
店を出た麻木は覆面をした二人組に襲われる。
「てめえ・・・調子にのってんじゃねえぞ」
しかし・・・追いかけて来た久利生が立ちはだかるのだった。
久利生の背中にしがみつく麻木・・・。
マイルドヤンキーなので早い車にのっけられて急にスピンかけられたらこわかった麻木なのである。
そのこわい思いの果てが・・・今の麻木を形成しているのだった。
修羅場をくぐりぬけた久利生には瞬時でそのことが分かるのだった。
「こんなことをしたら・・・ただじゃすまないぞ」
「ちくしょう・・・おぼえてやがれ」
逃げ出す二人組・・・しかし、車のナンバーを見てとる久利生だった。
「へナンバーか・・・現実にはへナンバーは屁を連想するので存在しないから偽造ナンバーだが・・・ここはフィクションなのでへナンバーは実在する架空ナンバーなんだな」
「・・・」
「送って行くよ」
「いいです」
「でも・・・これは俺の責任だから」
「じゃ・・・送ってください」
自然にバスの後部座席にすわる元ヤンキーの香り漂う二人だった。
相手の声から一人が倉石、もう一人は車の持ち主であることが割り出される。
「それにしても・・・マンホールの蓋を盗んだだけなのに・・・何故・・・脅しまで」
久利生の疑惑は深まるのだった。
そして・・・現場周辺の未解決の盗難事件を調査した久利生は真相に迫るのだった。
公園の遊具の盗難現場では・・・ホームレスが殺害されていたのだった。
「目撃者の証言では・・・被害者は最初に飛び蹴りされたそうなんですよ・・・」
「・・・」
「飛び蹴りの飛田さん・・・」
「くそっ・・・千佳・・・てめえが余計なことを言うから・・・昔の仲間に裏切られるとはな」
「何言ってんだ・・・まともに生きている人間がなんでまともじゃない奴にとやかく言われる筋合いがある。昔の仲間が犯罪者になって・・・裏切られたのは麻木事務官なんだよ」
ドシン。
なんだよ・・・麻木事務官が恋に落ちた音が聴こえました。
飛田とその仲間たちの窃盗団には強盗殺人の嫌疑がかけられたのだった。
久利生は昔の仲間を死刑台に送ることになるかもしれない麻木事務官を気遣うのだった。
一方、麻木が木更津のヤンキーだったことを知り、激しく動揺する八王子の神童。
「僕はどうすればいいんですか」
「君はありのままでいいんじゃないか」
「中卒のあなたに期待した僕がバカでした」
「えええええ」
口では久利生を全面否定した宇野だったが・・・翌日、久利生になりきろうとしてなりきれないスタイルで現れるのだった。
「全然、似合ってない」と断言する麻木に・・・。
「いや・・・お前だけは似合ってるって言ってやれ」と恋の天使を目指す久利生・・・。
しかし・・・もちろん・・・好むと好まざるとに関わらずポジションは恋の悪魔なのである。
とにかく・・・やんちゃできるけどしない・・・それが美しい大人というものなんだな。
まあ・・・そうなると過去はある程度、やんちゃなわけだが。
次回は宇野に即刻着替えを命じた川尻部長にスポットライトが当たる模様である。
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ごっこガーデン。危険で一杯の東京路上セット。アンナ「あのセリフでズギューンッと胸を撃ち抜かれましたのぴょ~ん。そして風穴からリピの嵐が吹き荒れるのだぴょんぴょんぴょん。ここで泣かされた後の~宇野検事に一同大爆笑でしたぴょん。ラフなスタイルなのにキッチリした着こなし・・・いや、着こなせてない感じに涙が止まりませんでした~。や~ん。泣いて笑ってまた泣いて・・・そしてとにかくしがみつく~」まこ「アンナちゃんがぎゅーってしがみつくのでダーロイドの耐久力アップも必要でしゅね~。はたして中村検事はホントに玉の輿ゴールインできるのか・・・婚約指輪がないところが・・・ちょっと危険でしゅね~。しょして芝山検事の出番はあるのか~?・・・そしてかっけええええ久利生検事は恋泥棒なんじゃ・・・じいや、次はしゃべくりレナの衣装に着替えましゅ~、ヨロシコ」mana「確かに麻木はまいっているが・・・久利生にまいってるんじゃないのかにゃ~。そして夢にまで田村を見る馬場は・・・不倫してまうで~」エリ「バランスがとれていて見やすいってエンターティメントとしては何よりですよね。そしてごっこポイントも申し分ないのでスー。アンナちゃん、よかったね」mari「マイルドでなくてかなりハードなしがみつきですね」
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コメント
大人になったらみんな飛べないエンジェルになるのに
飛び蹴りの飛田はいい年こいても飛んじゃって・・・
悪い奴でしゅねー!
しゃべくり007を乗っ取ったしゃべくり07とは
比べ物にならないくらいの悪党ですヨ!!!
こんな奴は、かりんとうに頭かじられてしまえーーーっ!!!
じいや~!アンナぴょんが泣きながら、
そして笑う際にも涙ちょちょぎらせて爆笑するもんだから
ギュッーされたダーロイドの背中がびちょびちょだわ
磨耗激しいわで壊れる寸前だよー!
常にメンバーの一歩先を歩き、背中で語る男、
木村拓哉としては背中の美しさも大事な要素なのに
台無しだーっ!┐(´д`)┌ヤレヤレ
投稿: まこ | 2014年8月 5日 (火) 14時04分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
まこ様の昔のお友達の方々も
マイルドな暴走をなさるので
世間を騒がせないように
厳重に監視しているのでご安心下さい。
飛び蹴りするような輩は闇プロレスに速攻で
送りこんでしまいますので~。
07画伯のかりんとうはただ今
ペットロイドとして開発中でございます。
人間をかじられては困るので
あまがみモードを搭載予定でございます。
壁ドン対策や
あすなろ3対策で
ロイドの強化プロジェクトが進行中でございますぞ~。
タケロイドもロケットパンチ機能を
搭載する予定でございます。
タケロイドZとお呼び下され~。
木村拓哉様の人気が急上昇中でございますな。
まさにイケメンの中のイケメンですなーーーっ。
投稿: キッド | 2014年8月 5日 (火) 22時05分