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2014年8月21日 (木)

生れたら泣くのが運命よ(長澤まさみ)現実は厳しいものね(満島ひかり)

だから教養を求めるのはやめてほしいよな。

まあ・・・若者たちってそういうのが好きな一時を過ごすものじゃないか。

今だったら「ホットロード」見に行って暴走族のイケメンに恋するみたいな・・・。

そのたとえはやめておきなさいっ。

「人生に必要なのは大麻とジャッキーチェンとちょっとしたトリップ」みたいな感じか。

いろいろと大変だよなあ。

さあ・・・行こう・・・スターだらけの青春ごっこの世界へ・・・。

で、『2014・第6回』(フジテレビ20140820PM10~)脚本・武藤将吾、演出・並木道子を見た。歌番組で1週休みの後でマンガみたいな展開のバレーボールで35分遅れ・・・。踏んだり蹴ったりの展開だよな。もう、視聴率的に期待されてないんだろう・・・。これだけのメンバー集めておいて・・・それはないだろう。まあ、帝国抜き、アイドルなしで青春ものだからな。一体、どこを狙ってんだか・・・ある意味、自慰的なところじゃないか。つかこうへいの嵐が過ぎ去るとウィノナ・ライダーとイーサン・ホークの映画「リアリティ・バイツ(Reality Bites)」(1994年)からの主題歌「ステイ/リサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ」の引用である。どんだけ他人に寄りかかるんだ・・・。

明らかに・・・ハルこと佐藤陽(柄本佑)と永原香澄(橋本愛)の深い関係を匂わせておいて・・・交際しているつもりの佐藤旦(野村周平)の浮かれぶり・・・。

「理屈じゃないんだよ・・・こんな僕に潮騒のメモリーズの可愛い方にそっくりな恋人ができちゃったんだよお」

「浮かれるな・・・ウィリアム・シェイクスピアもヴェニスの商人で恋は盲目・・・恋人たちは自分たちがどれだけ恥ずかしいことをしているかビデオにとらないと見ることはできないって言ってるぜ」とハル。

「リチャード二世じゃ本当の恋はスムーズに挿入できたためしがないって言ってるしな」と長男・旭(妻夫木聡)・・・お前、教養あるのかよっ。

「いいじゃない・・・恋で天国に行けるならそれはそれで」と東京城北医科大学病院NICUに勤務する看護師の長女・ひかり(満島ひかり)は弟の頭を撫でる。

「していい恋と悪い恋はあるぜ」と前科者のサト兄こと暁(瑛太)がひかりに釘を指す。

「刑務所から出て来た人に言われたくない」

「何を・・・」

兄妹喧嘩を始めた二人を宥める旭・・・いつになく弱気なのである。

それは・・・不倫はいけないと思いつつ・・・妹が不憫で仕方のない兄貴だから・・・。

「兄貴らしくないじゃないか」

「でも・・・俺が責めたら・・・ひかりの逃げ場がないし」

ひかりの不倫相手の新城(吉岡秀隆)は何故か、妻の美穂(斉藤由貴)、幼い娘の寿々(横溝菜帆)とは別居中である。

そして・・・美穂の元へ・・・夫と看護師の不倫写真が送られてくるのだった。

「てめえら、許さねえ」と美穂は血相を変えて上京するのだった。

そんな折・・・世界的な一発屋・リサ・ローブ(1968年~)が来日公演を行うのだった。

かねてから・・・リサ・ローブのファンであった新城はウキウキと愛人と一緒にライブ鑑賞の計画を立てる。

デートに誘われてひかりは有頂天になり、リサ・ローブのアルバムを購入して予習に励む。

一方、27歳設定の夢破れて堕胎という過去を持つ屋代多香子(長澤まさみ)の憧れの歌手が・・・リサ・ローブである。「ステイ」がヒットしたのは7歳の時で・・・まあ・・・楽曲は時代を越えるというものの・・・ものすごく早熟だったと補完するしかない。

詐欺師だが被害者の家で働くサト兄は納屋で埃まみれのギターケースを発見する。

リサ・ローブになりたくて路上ライブをしていた多香子の思い出の一品。

何故か・・・チューニングもバッチリでカポタスト(解放弦のキーを調整する器具)もはめっぱなし。

ギターを弾かない時は弦を緩めないと本体が歪みフレット音痴になるので気をつけましょう。

思わず・・・つま弾くサト兄。

「その曲・・・」

「妹がバカみたいに聞いているんで・・・耳コピした」

「私の思い出の曲だわ・・・」

「そうなんだ」

「ちょっと付き合ってほしいんだけど」

「このギターはどうする」

「今度、燃えないゴミの日に出すつもり」

「粗大ゴミでなく・・・」

「ぶっこわせば・・・燃えないゴミで出せるのよ」

「・・・ああ」

リサ・ローブの運命で結ばれた二組のカップルは・・・コンサート会場に集合である。

ドレスアップしたひかりと多香子。

ドラマ「モテキ」と映画「モテキ」のヒロインが会するのだった。

しかし・・・多香子はチケットを購入しておらず、衝動的にやってきたのでサト兄がダフ屋を求めて三千里なのだった。

そこへやってくる新城。

一方・・・新城に意見しようと家にやってきた旭は新城夫人と遭遇する。

新城のスマホに・・・妻からの電話が着信する。

「どうしたんだ・・・突然」

しかし・・・妻の圧力に撤退を決意する新城だった。

サト兄はチケットを強奪するのだった。

天国から地獄へ墜落するひかり。

しかし・・・新城家ではさらなる地獄が展開していた。

「こんな写真が送られてきたの」

思わず嘘をつく旭。

「これ・・・妹です・・・いやだなあ・・・誤解ですよ・・・ほら・・・妹は新城先生を父親のように思っているわけで」

恐ろしいことに一切・・・心情を吐露しない新城先生だった。

(これはやばいわけで・・・しかしむ波風はたてたくないわけで・・・家庭は家庭・・・浮気は浮気なわけで・・・)

そういう恐ろしい世界の階段に片足をかける旦は・・・明らかに気のない香澄にアプローチを重ねる。

「今度の日曜日・・・デートしよう」

「いきなり、ラブホテルは嫌よ」

「じゃ・・・最後ならいいの」

「顔がエロイよ・・・」

ライブを堪能した多香子とサト兄は・・・ギターにお別れの儀式に突入である。

何故か・・・倉庫街には火葬場が用意万端整っているのだった。

きっと・・・二人は魔法使いなんだな。

そして・・・厳かに燃やされるギターケース。

そこへ・・・通りすがりの警備員が登場。

お約束で逃げ出す二人だった。

物陰に隠れた二人。

突然、発情し、サト兄の唇をむさぼる多香子。

しかし・・・サト兄が気分を出して応じると・・・拒絶する多香子。

「こわいの」

堕胎による罪悪感が性行為嫌悪症にこじれていると悟ったサト兄はそっと多香子の手を握るのだった。

「こわくないよ」

微笑み合う二人。

流産の危機を脱した旭の妻・梓(蒼井優)は夫婦で産婦人科へ通院。

新婚の旭は妻の身を気遣う。

新城にもそういう家庭があり・・・それを壊してはいけないと旭には分かっている。

しかし・・・妹が不憫なのである。

「貝殻のように人生がからっぽ」だからである。

「雨の降りだす10分前の空の下に・・・つかのまの獣ごっこ」があるだけなのだ。

多香子を連れて帰るサト兄。

たちまち巻き起こる不倫を巡る兄妹喧嘩。

「あんな写真を送るなんて・・・」

「写真・・・」

気配を察して一服しに出た多香子はひかりと二人きりになる。

「私・・・ギターをやめようと思って燃やしちゃった」

「それで区切りがつきましたか」

「さあ・・・男と別れる方が大変よね」

「・・・」

しかし・・・ギターは最初からケースに入っていなかった。

売れそうなものを燃やすというのはサト兄の信条に反するのだ。

そして・・・チケットの領収書を発見した新城夫人は決着をつけるために・・・旭とひかりを夕食に招待するのだった。

修羅場にビーフストロガノフである。

「おいしいな・・・このハヤシライス」

「そう・・・よかった」

「妹なんて・・・まるで料理がダメで」

「そんなもの・・・結婚すればなんとかなるわよ・・・私だって最初は松阪牛を丸焼きしたぐらいで・・・」

「・・・」

「私たち・・・結婚して十年以上たつけど・・・付き合いだしたのは大学生の時だったから・・・もう二十年も前のこと・・・」

「・・・」

「たまたま最初に見た映画が・・・二人とも気に入ってね・・・ベン・スティラー監督の青春映画・・・なにもないけど君がいるからいいって感じのね」

「・・・」

「二人とも・・・主題歌がとっても好きになったの」

「・・・」

「二人は覚えていないでしょうけど・・・結婚式でも流したのよ」

「・・・」

「リサ・ローブのステイ・・・ああ・・・聞きたくなってきた」

はっきりしたのは・・・そんな妻との思い出のアーティストのコンサートに愛人を誘う新城の最低の極みである。

「ごめんなさい」・・・堪え切れずに謝る旭だった。

「いいのよ・・・いいわけも謝罪もいらない。ただ・・・これきりにしてほしい」

「できません」

火花を散らす正妻と愛人だった。

禍根を残して兄妹が去った後・・・夫にとどめを指す美穂。

「よく考えて・・・私だけじゃない・・・あなたには娘がいるのよ」

「・・・」

とにかくセフレがいてもセリフのない新城であった。

帰宅後も悩む旭に・・・梓が囁く。

「言いたいことを言えばいいのよ・・・バカなんだから・・・」

バカは・・・妹を許してもらおうと美穂に挑む。

「わかってください・・・あいつには・・・新城先生しか・・・支えてくれる人がいなかったんです」

「だからって一夫一婦制なのよ・・・この国は・・・ふざけないで」

美穂は旭を張り飛ばすのだった。

そこへ・・・サト兄が飛び込んでくる。

「兄貴・・・何言ってんだよ・・・この人は家庭を守ろうとしているだけなんだぞ」

「・・・」

サト兄は立ち聞きしているひかりを張り飛ばす。

「バカヤロー・・・あいつにあんなこと言わせるな・・・お前がやってることはダメなんだよ・・・それをお前が思いしらなきゃ・・・ダメなんだよ・・・」

兄は妹を思い・・・弟は兄を思い・・・ショーン・ペンはつぶやく。

「美人は・・・目立つのが嫌いなんだぜ」

公園でギターを捨てられない多香子が佇む。

「リクエストしたいの」

「歌はやめたのよ」

「世界で一番嫌いな歌だから」

「それか゜・・・セーラー服と機関銃以外なら・・・」

「ステイをお願いします」

「あのね・・・私、結構、上手いわよ」

あなたは言うのね

私が自分勝手だって

だから私は出ていくの

だって落ちつかないんだもの

生れ落ちたその日に

死にそうなこともある

それって泣ける話なの

本当に大切な話なの

私は今気がついた

捨てたのは私じゃなくて

捨てられたんだって

なんて馬鹿な話

ここにいなよ

私が聞きたかったのはその一言

あなたがいなくて恋しいから

だけどあなたは言う

私が自分勝手だと・・・

写真を美穂に送ったのはひかりに思いを寄せる内海医師(馬場徹)だった。

「不倫なんてよくないよ」

「もう・・・終わったことですよ」

ひかりは前を向くのだった。

最低極まる新城は未練たらたらだった。

そして・・・旦は香澄を尾行して・・・ハルとの密会を見せつけられるのだった。

誰か・・・死にますか?

関連するキッドのブログ→第5話のレビュー

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