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2014年9月11日 (木)

よくある話、よくあるとんでもない話、よくあるひどい話だよ(長澤まさみ)

実際にあったひどい話風の後は実際にありそうなひどい話である。

いや・・・別にこれはこれでいいと思うが・・・できれば・・・もう少し、ゆとりのある脚本だとよかったなあ。

そこそこの脚本だと・・・きついよねえ。

ついに・・・長澤まさみと蒼井優と満島ひかりが食卓を囲んじゃうわけである。

ものすごくゴージャスな画面にセリフがついてこないんだな。

これに橋本愛が加わった四人・・・もう完全に脚本が負けるわけである。

もう・・・確実にそうなるよね。

ま・・・みんながみんなそう思うわけじゃないから・・・きっと大丈夫だよ。

今さらですが・・・基本的にこのプログは100円ライター・キッドの妄想が責任を転嫁しますのでご了承ください。

で、『2014・第9回』(フジテレビ20140910PM10~)脚本・武藤将吾、演出・並木道子を見た。両親がすでに他界している佐藤家・・・長男の旭(妻夫木聡)はできちゃった結婚で梓(蒼井優)と夫婦となり、未熟児の長女・あかりが誕生する。次男の暁(瑛太)は重病の恋人(広末涼子)のために詐欺事件を起こすが恋人は死亡、服役後、詐偽の被害者の娘である屋代多香子(長澤まさみ)と交際を始める。長女のひかり(満島ひかり)は医師の新城(吉岡秀隆)と不倫をしていたが新城の妻(斉藤由貴)に説教されて関係を清算する。三男の陽(柄本佑)は四男の旦(野村周平)の恋人・香澄(橋本愛)を略奪し、旦は香澄の恥ずかしい画像をネットに流出させ押入れに引き籠る・・・いろいろなことがあったが特に感慨はないのだなあ・・・。これがクドカンの脚本だったらどうだったのかなあ。禁句だよ。

「理屈じゃないんだよ・・・って言うわけ。それがすでに理屈だと思うわけですよ。言葉って理屈で成り立ってるわけでしょ。プロレスだったら凶器を使ったら流血でしょ。奥さんとお母さんがプロレス好きで意気投合してたら最高の離婚じゃないですか。最高の離婚は脚本・坂元裕二なんですよ。最高の離婚風のセリフ書かれたら演出・並木道子で濱崎光生風になっちゃいますよ。でもあれでしょ、俺は旭の弟の暁でしょ。自動販売機の営業じゃなくて、前科ありの農業手伝いでしょう」

「家族のこと喋るの好きだよねえ・・・あんた」

「だって脚本にそう書いてあるんだもの・・・それにあんたはやめてよ」

「じゃ・・・なんて・・・」

「暁(さとる)でいいじゃないか・・・あんたと同じ三文字だし・・・」

「じゃ・・・さとる・・・」

「う」

全国のサトルさん悩殺である。

朝からイチャイチャする二人に水をさす着信音。

謎の男・・・土居正登が気になるさとるだった。

「誰・・・」

「昔の知り合い・・・結構、有名な音楽プロデューサーなんだけど・・・」

言葉を濁す多香子だった。

刑務所生活のために・・・諸事情に疎いさとるは立ち読みで情報を補完するのだった。

著名な音楽プロデューサー土居正登(鈴木一真)は雑誌の表紙を飾っていた。

妄想の巨大掲示板や妄想のつぶやきシステムは・・・。

「また、お前か」で埋まったのだろう。

一方・・・超未熟児のあかりは感染症にかかり発熱する。

新城と担当看護師のひかりは「投薬したから大丈夫」と太鼓判を押すが・・・母親の梓は「万が一の可能性」に怯えるのだった。

死にたくなるような奴らが多いドラマでは死ななくていい奴が死ぬというお約束があるので・・・あかりの命は風前の灯なのである。

「この保育器から出たらパパとママにだっこしてもらうんだ」フラグである。

そんな悲しいフラグがあってたまるかよっ。

香澄が笑って許してくれなかったことに不安な気持ちになる旦。そのポケットからは万引きしたとしか思えないボイスレコーダーが発見される。

「なんだよ・・・これは」

「香澄ちゃんの声を録音しようと思ってたんだけど・・・」

「変態プレーは禁止・・・没収する」

「結局、あへあへ言わせることもできなかったよ」

「まず・・・童貞をなんとかしないとな」

仕事の警備中に観客と喧嘩した夫を叱る妻。

「今度、喧嘩なんかしたら・・・あかりに会わせないよ」

「二度と喧嘩しないことを誓います」

すかさず・・・兄の言葉を録音するさとるだった。

さりげない最終的解決策の提示であるが・・・これみよがしという感じになってます。

香澄が退団したことで解散の危機に陥る「さとうはる劇団」・・・。

「どういうことだよ」

「なんでお前の弟が画像流出なんてしたんだよ」

「なんで兄貴のお前が阻止できないんだよ」

「なんで兄弟で三角関係なんかになるんだよ」

「大体、看板女優に手を出すなんて・・・ありがちすぎるだろう」

「お前は大島渚か、伊丹十三か」

「故人の名前ばかり出さないでください」

「じゃ、篠田正浩かっ」

「やってらんねえよ・・・」

そして、誰もいなくなるのだった。みんな・・・芝居じゃなく・・・香澄が好きだったんだな。

一人になった陽を旦が複雑な微笑みで慰める。

「オレのせいで・・・こんなことに・・・」

「お前だけが・・・悪いんじゃないよ・・・青春の神様は意地悪なんだ」

旦は「ざまあみろ」と思う反面・・・「このままではいけない」とも思うのだった。

「兄ちゃんなんとかしてよ」

「のび太だって・・・ドラえもんを卒業したのに・・・」

しかし・・・弟や妹の幸福が旭の夢なのである。っていうかそういう設定だった。

一方・・・様子のおかしい多香子を問いつめるさとる・・・。

「路上で歌ってた時・・・オーディションに落ちまくって・・・母が病気で倒れて・・・もう、潮時かなって感じてた時に・・・土居から声をかけられたの・・・デビューさせてやるかわりに一回やらせろっていう条件だった。一回くらいならいいかと思って寝たのよ・・・でもデビューの話は嘘だった・・・文句を言ったら・・・盗撮されていた私の処女喪失動画を見せられた・・・文句があるなら流出させるって・・・全世界がお前の局部を見るぞって・・・それからはやりたい放題されて・・・射精され続けて妊娠した・・・堕胎して・・・飽きられて捨てられた・・・もう済んだことだと思ってたけど・・・時々、思い出したように呼びだされて性奴隷になるの」

「ああああああああ」

放心して児童公園の滑り台を占拠するさとる。

そこへ・・・旭に連行される陽が通りかかる。

「だめだよ・・・香織ちゃんの家に行くなんて」

「だめだと思うからだめなんだよ」

「通報されるよ」

「大丈夫だ・・・両親の留守は確かめてある・・・家にはあの子一人だ」

「それだけ聞いていると犯罪計画みたいだよ」

「また・・・余計なお節介か」と合流するさとるだった。

チャイムに応じない香澄。

表裏一体の兄弟は近所から梯子を拝借である。

「香澄ちゃん・・・」

「帰って下さい」

「君とのことがばれて・・・劇団は解散寸前だ」

「だから・・・来たの?」

「うん・・・君の顔を見るまではそういう気持ちもあった・・・」

「・・・」

「だけど・・・君を見て・・・自分の気持ちがわかったよ・・・なんでここでこうしているのか」

「それは何故?」

「恋だよ。恋しくて恋しくて恋しい気持ちに導かれてだよ。そうに決まってる。恋しい君に会うためならばたとえ火の中、水の中、世界の果てまで行くだろう」

「結局、ロミオとジュリエットなのね」

「僕は君が一番輝くのは舞台だと思うけど・・・なんでもいいよ・・・君が生きていてくれれば・・・君が幸せで微笑んでくれれば・・・そして・・・いつかその気になったら帰ってくればいい。それまで僕は一人芝居を続けるよ」

そこへ・・・梯子の所有者が来たために退散する三兄弟だった。

リベンジポルノ関係でこの決着がないことは前回述べたのでもう言うまい。

多香子に冷たい言葉で別れを告げるさとる。

「お前といると・・・昔の女のことを思い出してつらい」

「何言ってんの」

もちろん・・・本当は多香子がいるために昔の恋人の面影を忘れそうなさとるだった。

さとるは旭にも別れを告げる。

「しばらく家を出る・・・」

「多香子さんのところに行くのか」

「迷惑かけてすまん」

「いいじゃないか・・・」

そして・・・さとるは包丁を購入するのだった。

旭は・・・同棲開始を祝福する電話を多香子にかけるのだった。

「弟のこと・・・よろしくお願いします」

「なんのこと・・・」

すべての事情を打ち明ける多香子だった。

まあ・・・確かに覚醒剤中毒やら交際相手を自殺未遂に追い込む色魔とか・・・そういう音楽プロデューサーが実在するのは周知の事実だが・・・どちらかといえば芸能界よりも極道に近い感じの下衆野郎・土居である。

なんの警戒もせず、先着した旭の面会に応じるのだった。

こういう害虫駆除の対処方法は何でしょうか。

後腐れのないように存在そのものを抹消するべきですな。

しかし・・・一般人には難しいのでは・・・。

一般人は泣き寝入りされるがよろしかろう。

ソフトな感じでは・・・。

動画には動画で・・・後ろの穴に挿入して勃起でもしている姿を収録するがよろしかろう。

ドラマなのでもう少しソフトな決着である。

嗜虐性のある土居は「暴力に耐えられたらご褒美」という条件で画像の返却を匂わす。

「恥ずかしい画像で脅迫するなんて・・・恥ずかしくないんですか」

「一度や二度ご奉仕したくらいでデビューできるほど・・・この業界甘くないんだよ」

「しかし・・・その様子を隠し撮りして脅すなんて・・・ヤクザみたいだ」

「何、言ってんの・・・音楽プロデューサーなんて基本、ヤクザだよ」

「じゃ・・・暴行シーンは月並みで時間がもったいないので・・・今の言質をとったということで・・・返却してください」

「そんな・・・証拠にもならない録音なんて古臭い手法・・・恥ずかしくないのか」

「勘弁してください・・・これが限界なんです・・・なんでしたら・・・包丁の方がいいですか・・・あなたと違って・・・こっちは失うものが何もないんで・・・」

「それはこわいなあ・・・貧乏人の怨みほどこわいものはないからね・・・僕の負けだ」

途中参戦でボロボロになったさとるを迎える多香子。

「とりかえしてきたぜ」

「結局、ワルは野放しなのね」

「甘い餌で罠にかかったウサギにもそれなりの責任がある」

「それ・・・土砂崩れやメルトダウンの被害者にも言えるの・・・」

「それは別腹だ」

「どこかで聞いたセリフね」

「昨日・・・深夜ドラマで・・・」

「どうして・・・こんなことするのよ」

「多香子が好きだからさ・・・多香子が震えないで眠れるようにしたいからさ」

「馬鹿ね・・・」

抱擁する二人だった。

要するに泣き寝入りの一種である。強いものはある程度何をしてもいいという話になっている。いいのか?

まあ・・・二人が幸せなら社会正義はどうでも良い姿勢です。

生き方としてはありなんじゃないの。弱者の処世術的な・・・。

そして・・・愛しいロミオの元へ帰ってくるジュリエット・・・。

「私にはここしかないもの」

「そのセリフは君には似合わない・・・パンティー、ひゃっほーでお願いします」

旦は不幸中の幸いというものを知るのだった。

愛したからといって必ずしも愛されるわけではないのが人生である。

旭に梓、暁に多香子、陽に香澄・・・。

大丈夫だ・・・ひかりに旦のペアができる。相思相愛だし。

近親相姦だけどな。

全員、ちょっと汚れ役にチャレンジの流れでいいんじゃないか。

一種の青春スター残酷物語だよな。

関連するキッドのブログ→第8話のレビュー

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