茶茶茶、茶茶茶、茶茶茶茶茶茶々・・・フレー、フレー、キリシタンと高山右近(生田斗真)
さて・・・高山右近こと高山大蔵少輔重友は「バテレン追放令」に対して秀吉から賜った播磨明石郡六万石の領地を捨てた。
キリシタン大名の一人・小西行長が右近の隠遁生活をバックアップする。
このドラマにはまだ登場していない加賀国主の前田利家が一年後に右近を拾いあげる。
扶持はおよそ一万五千石で大名扱いである。
なぜなら・・・右近は猛将だからである。
ドラマ冒頭の小田原征伐にも前田利家軍として参戦している。
利家が死に、秀吉が死んで・・・天下の形勢定かならぬ状態となった時、利家の嫡男・利長の軍師として右近は前田家の命運を担う。丹羽長重と前田家が敵対した関ヶ原前哨戦である越前平定戦では首級を挙げる獅子奮迅の働きもする。
ここで右近が退場するということはこのドラマのスタッフが「金輪際、血なまぐさい合戦なんて描きません」というアピールなのだろう。
架空のどうでもいい登場人物のあーだこーだ残留だ転居だは描いても「戦」は描く気ないわけである。
そして・・・黒田官兵衛も死に・・・十年がたった時、天下の主となった徳川家康により「キリシタン国外追放令」が出る。
右近は家族とともにフィリピンに移住し・・・直後に病没する。
おそらくデング出血熱にでもかかったのだろう。
つまり・・・代々木公園とか・・・NHKのお膝元で騒動が起きているのは・・・右近の早すぎる退場が呪われているのだ。
あくまで妄想です。
で、『軍師官兵衛・第36回』(NHK総合20140907PM8~)脚本・前川洋一、演出・本木一博を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は20行に下落。それにしても・・・おゆう(中村映里子)を外して、お福(阿知波悟美)を残すとは・・・どんだけ一部お茶の間に媚びる気なんだ。そもそも・・・宇喜多秀家の母の通称・おふくを架空の人物に使っちゃってる時点で・・・嗚呼・・・なんでございますけどねえ。そのために直家の正室はお鮮(笛木優子)という聞きなれぬ別名に・・・別名あって胸をなでおろした感じがいたしますなあ。奇説採用という点では荒木だしの物語の伏線はそれなりに張られていたわけですが・・・もう、伏線がないのでは・・・という感じの天正年間終盤・・・。松平忠輝誕生まで後、五年でございます。それはそれとして・・・ついに蜂須賀小六の娘にして黒田長政の妻・糸描き下ろしイラスト大公開で思わず姫祭り開催いたしました~。
天正十五年(1587年)、関白秀吉は京の都に豊臣氏邸である聚楽第を落成する。六月、秀吉はバテレン追放令発布。さらに九州における太閤検地を命ずる。佐々成政は肥後国主として肥後地侍の家臣団化に着手する。七月、隈部親永が検地を拒否して挙兵。成政は隈部一族の居城を包囲するが肥後国人の甲斐親英、和仁親実、菊池武国らが次々と叛旗を翻し、成政の本城・隈本城を包囲する事態となる。秀吉は毛利元就の九男で筑後三群の大名・小早川秀包に一揆討伐の総大将を命ずる。黒田軍がこれに従軍中の十月、宇都宮(城井)鎮房が城井谷城を占領。豊前国でも国人一揆が発生する。黒田官兵衛は黒田長政に鎮圧を命じる。しかし、地元の利を生かしたゲリラ戦術で長政軍は撃退されてしまう。天然の要害に立て籠もった宇都宮軍は黒田軍を苦しめ続ける。官兵衛も豊前に帰国し、国人の調略を開始し、宇都宮軍の孤立を図る。黒田家居城となる馬ヶ岳城への入城は混乱の中で敢行された。同時に官兵衛は中津城築城に着手する。肥後国派兵、内乱鎮圧、お引っ越し、新城築城と・・・官兵衛は多忙を極めるのだった。奥のことなど知ったこっちゃないのである。京都の聚楽第の主となっていた秀吉の側室・京極竜子は従妹の茶々を大坂城に送り、秀吉の愛妾とすることを決める。竜子の母・京極マリアは茶々の父・浅井長政の姉にあたる。また、茶々の妹・初はマリアの息子・京極高次の正室となっている。京極高次・初の夫婦は揃って姉妹が秀吉の愛妾となるのである。・・・濃いな・・・。
大坂城の完成したばかりの本丸奥は北政所・おねの領域だった。
秀吉の天下統一の最終段階となった天正年間の終盤・・・秀吉は多忙である。もちろん、九州遠征など軍事もあれば・・・京の都での朝廷工作もある。なにしろ・・・秀吉は最強の戦国武将であると同時に貴族の中の貴族である関白なのである。
おねは言わば・・・軍事方面の奥を仕切っているのだった。
なにしろ・・・秀吉同様・・・おねもまた下層階級の出身である。
雅な教養とは程遠い。
一方、京の都には京極氏の姫たちがいて・・・朝廷政治の奥を仕切っている。
「母上・・・京から新しい姫が参るそうですな」
おねを母と呼んだのは前田利家の四女である豪姫である。
豪姫は幼少の頃に秀吉の養女になっており・・・妬のおねにとって実子同然の愛娘である。
すでに十四歳になっており、来年には宇喜多秀家に嫁ぐことが決まっている。
「さよう・・・信長様の妹・お市様の姫君じゃ・・・」
「前田の父の殿様だった柴田様の養女だったこともある姫じゃな」
「その通り・・・」
豪姫は猛将・利家と才女まつの血を濃く反映させた溌剌とした美少女だった。
「父上の・・・お盛んなこと・・・姉上を迎えたばかりじゃというのに・・・果たしてどれほど精が出るものか」
豪姫の二つ年上の姉で利家の三女・摩阿姫もまた秀吉の愛妾となっていた。
「これこれ・・・口が過ぎますぞ」
四十歳となったおねも流石に悋気がおさまっている。秀吉の愛妾が生んだ子供を毒殺した頃の嫉妬の炎はもはや燃え尽きているのである。
今では・・・後悔の念さえ感じているのである。
気がつけば夫はあれよあれよという間に天下人となっている。しかし、後継者がないのである。
あの子を我が子として育てていれば・・・おねは若気の至りを悔やむのだった。
(認めたくないものだがや・・・自分自身の若さゆえの過ちというものを・・・)
おねの親戚筋や秀吉の係累にも後継者候補はいるが・・・おねの心には馴染まない。
「はたして・・・今度の姫はいかがなものか・・・」
「織田の姫には閨の秘術があると申しますよ」
「それは教えてもらわねばなるまい・・・」
「ふふふ」
「母上のために・・・妾が父上の子を生んでさしあげたいくらいじゃ」
「まあまあ・・・心にもないことを・・・美男の秀家様と内の禿鼠じゃ・・・比べるのも馬鹿馬鹿しいでしょう・・・」
「あらあら・・・母上こそお口が悪い・・・」
「ほっほっほ」
「あはははは」
仲睦まじい義理の母娘だった。
石田の忍びに護られて・・・茶々の輿は・・・京を出て大坂を目指していた・・・。
織田と豊臣の融合・・・茶々の使命は重いのである。
九州の戦乱が大坂では遠いものに感じられる時代となっている。
大坂にも秋の気配が濃い。
「まあ・・・母上・・・満月よ」
「おやおや・・・これは美しい・・・」
義理の母と娘はしばらく月光の下で肩を並べた。
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