伝統を守ることと革命的なことの軋轢にあすなろ三三七拍子(剛力彩芽)
う・・・はっ・・・うっ・・・はの全米オープン・テニス男子シングルで錦織圭が準優勝した影響で・・・特別編成のため総合・2014年9月16日(火) 午後10時からにドラマ10「聖女」の第4回放送は順延である。
準優勝ということは決勝で敗北したわけだが・・・四大大会に日本人が決勝進出したことがすでに史上初の快挙であり、応援していた人々はそれなりに拍手を送るわけだ。
しかし・・・別にドラマを飛ばす必要はないのではないかと思う。
まあ・・・皆さまのNHKはお茶の間に媚びる機会は絶対に逃がさないという姿勢なのですな。
寝不足の錦織圭の生の声を一部大衆が求めている以上、なにがなんでもインタビューをお届けしなればいけないのである。
基本的にテニスにまったく興味のない人、ごめんなさいなのだった。
で、『あすなろ三三七拍子・第1~最終回(全9話)』(フジテレビ20140715PM10~)原作・重松清、脚本・吉田紀子(他)、演出・土方政人、音楽・大友良英を見た。「あまちゃん」の音楽を担当した人の投入である。脚本家は「Dr.コトー診療所」の人、主演はロト部長、ヒロインはワカリタ剛力彩芽・・・で視聴率が*7.7%↘*5.1%↗*5.3%↘*4.1%↗*5.0%→*5.0%↘*3.6%↗*5.5%の大苦戦である。「廃止寸前の大学の応援団の復興のためにリストラ寸前の五十代のサラリーマンが大学生になる」という設定が「奇」を衒いすぎているという感じをお茶の間に与えたのかもしれない。誰かを応援するのが大好きな国民にとって・・・今さらの話なのである。
まあ・・・個人的には大学時代に世界同時革命側にいた人間にとっては・・・いつの時代だよっ・・・所詮・・・体制側の犬である「応援団」は敵対勢力に過ぎないわけである。
もちろん・・・このドラマの「応援団」は時代から取り残された希少生物同様の存在で・・・そもそも・・・敵対するのが・・・暴力革命を目指す極左勢力ではなく・・・フェミニズム論研究室准教授の原先生(森口瑤子)なのである。
社長(西田敏行)命令で翌檜大学応援団の団長となるエール物産総務部課長の藤巻大介(柳葉敏郎)はそもそも伝統順守の精神などない・・・単なる松山千春ファンである。
愛読書は「ドカベン」だ・・・。つまり、軟弱の徒なのである・・・断定するのかっ。
そして・・・中核は学園紛争ではなくて藤巻家のホームドラマなのである。
一部革命戦士のどうでもいいわ感は半端ないのだった・・・極一部過ぎるだろう・・・。
藤巻団長は付属高校に通う娘・美紀(飯豊まりえ)の交際相手で金髪の勤労大学生・保阪(風間俊介)を軟弱者呼ばわりするのだが・・・学生時代に「松山千春研究会」に所属していたものが言うことかである。ある意味、藤巻団長自身が軟弱者の極みだろう。
そんな夫に「誰のおかげで飯が食えてるんだ」などと言われてプチ家出しかしない妻でパート従業員の広子(菊池桃子)は冬と夏の間に春を置くタイプである・・・なんのことだかわからない。
・・・ま、谷間だし・・・三百万アクセス突破でなんとなく気が抜けているのでございます。
そもそも・・・伝統というものは滅びる時は滅びるものだ。
「パンがなければケーキを食べればいい」などと言っていると断頭台の露と消えるのである。
しかし・・・一方で「執着心」や「変化を望まない気持ち」がイギリスの王室や日本の皇室を支えているわけである。
「平等」という理想よりも「伝統」が勝利することもある。
そもそも・・・応援団なんて・・・「強制勧誘」しなければ存続不可能に決まっているのである。
可愛い新入生が学ラン来た怖い先輩たちに囲まれて「団に入らないと・・・お化けが来るよ」と恫喝されて・・・泣きながら「自由」な学生生活とさよならしてこその「応援団」の存続であり・・・存在意義なのである。
第一・・・スポーツが盛んな大学なら・・・応援団がないなんて面目丸つぶれの事態なので・・・多少の必要悪には目をつぶるのである。
そういうゴリ押しは断固許さないぞ~・・・だからいつの時代なんだよっ。
とにかく・・・「仕事しろよ」と誰もが叫ぶOBの斉藤先輩(反町隆史)や山下先輩(ほんこん)や親の血を引いて自発的に応援団入りする松下沙耶(剛力彩芽)や純情可憐な野口健太(大内田悠平)・・・みんなファンタジーの国の住人なんだろう・・・。
そして・・・酒池肉林の大学生活なのに色恋沙汰はお互いに好きなのに言い出せないチアリーダーの葉月(高畑充希)と吹奏楽部部長の園田(山本涼介)・・・小学生かっ。
まあ・・・これは視聴率なんかとれないよな。
でもまあ・・・事件らしい事件もなく・・・苦難らしい苦難もない・・・のほほんな展開・・・これぞ夏ドラマと言えるのかもしれない。
突然、お約束のチンピラが現れて喧嘩とも言えない喧嘩をして問題となって活動停止とか・・・すげえ・・・恥ずかしかったぜ。
まあ・・・放火して皆殺しにする価値もない軟弱な団員しかいない応援団なんて・・・ぶっつぶす価値もないよな・・・だから、誰なんだよ、お前は・・・。
とにかく・・・こうして・・・あすなろ応援団は・・・ワン・シーズンに応援団ドラマが二つという珍事の片翼を担ったのである。
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コメント
ノリノリの森口瑤子、いつまでも美しい菊池桃子、ゴーリキーのガクラン、高畑充希チアリーダー、親父に対する飯豊まりえの変容と、なんとも俺得ドラマだったのであります。
それだけに、森口瑤子まわりのことはもうちょっときちんと描いてほしかったと思うのであります(マラソン合宿で理解を示したと思ったら次の回ではまた元に戻っていたとか、結局最期は指導部存続側に回ったのがなんとなくそうなっただけに終わったとか)。
風間俊介もいいキャスティングでした。
局がNHKで放映時間帯が違えばもうちょっと視聴率伸びたかしらん。
投稿: 幻灯機 | 2014年9月15日 (月) 08時33分
✪マジックランタン✪~幻灯機様、いらっしゃいませ~✪マジックランタン✪
ふふふ・・・おたふく要素満載でございましたな。
やはり、おかめはしあわせをはこぶ顔ですよねえ。
まあ・・・松嶋菜々子の右にでるものなーしっですけれど。
基本・・・「とんび」の世界なので
いろいろ問題はあるけど最後は気持ちの問題で
押し切る・・・非常に姑息な展開でございます。
多重人格的には受け入れますが
悪魔的には・・・歯がゆいことおびただしいのですな。
応援団なんてもっと理不尽であるべきです。
ま・・・「しごき」がいけない世の中では
なにひとつ成立しませんが・・・。
誰かを応援することでしか
生きられない・・・
それはそれで哀愁ありますが・・・。
100年に一度しか現れないテニスプレーヤーを目指すものと
応援する人の間には
暗くて深い川がありますからな~。
そこは避けて通りますからねえ。
ま・・・芸能界もスポーツ界も
それで成立しているので・・・
お茶の間の皆さんは・・・真実から目をそらすために
敬遠もやむなしだったと考えます。
投稿: キッド | 2014年9月16日 (火) 01時16分